2017年04月30日(日曜日)

 (23:30)タイは今悲しみの最中です。プミポン前国王が亡くなられて時間はたっているが、悲しみは癒えない印象。街のあちこちに喪章を見いだすことが出来る。

ワットポーのリクライニング大仏はさすがにでかい  昨年10月13日に入院先のバンコクの病院で死去したプミポン国王は、在位が実に70年に及んだ。88歳だった。街を歩くと公的機関は新国王の写真を掲げているが、街の隅々の写真は絶対的にプミポンさんです。依然として人気が非常に高いことを示す。

 タイ軍事政権は先週の25日に前国王の葬儀日程を発表した。葬儀は10月25ー29日に行うそうな。荼毘に付すのは10月26日で、その日はタイは公休日となるそうです。

王宮には続々と弔問客が  王宮の回りを回ると、喪服を着た人々が続々と弔問に訪れている。日曜日の朝早くからなので驚く。私がホテルを出て中華街を経由してチャオプラヤ川を見て王宮に達した今日の朝もそうでした。

 家族・近所連れなんでしょう。大人も子供も、そしてお年寄りの方も。皆静かに弔問に訪れていた。一日中そうなので王宮の回りはいつも人と車で大混乱です。それが今年の秋までは少なくとも続く。

 それにしてもタイの市民は皆懸命に生きている、と思いました。バンコクは言ってみれば「街中がマーケット」のような街。少し歩けばマーケットがあり、そこは朝から大勢の人が生活をかけて働いている。

 今朝の中華街も、その先にあるチャオプラヤ川のほとりのマーケットもそうでした。朝8時前から殆どの店が開いて、時にこちらに声を掛けてくる。「買いそうもない客だな」と見抜いていても。

海岸のシーフード・タイ料理の Rimpa Lapin からの夕陽は綺麗でした  王宮まで歩いて、あと予定があったので帰りはトゥクトゥクに乗ったのです。王宮沿いで。向こうが先に値段を言う。「高いだろう」と思って値切ったら、私のアップル・ウォッチを指して、「この時計をしている人は.....」的なことを言った(と思う)。全く理解できなかったが。仕草で。

 そこで駆け引きを楽しむのも一つの手なのですが、急いでいたし、日本円にしてみたら些少。なので「いいよ」と。甘いな....あとの人に迷惑にならなければ良いが...と思いながら。彼等は味をしめる。

 ちゃんとホテルの名前を言ったのに、「それはどこだ」「スマホを見せろ」と。「そんんなの知っているだろ」と思ったが、面白いのでグーグルマップを開いて「ここをこう行って、そして曲がって.....」と私が教える。

 ま、デバイスが共通言語というわけです。あと「グーグル翻訳」。相方をタイ語にして使ってみたら、ちゃんと伝わった部分もあった。これも 「デバイスの共通言語化」です。面白い。

 そのトゥクトゥクの運転手。たくましい奴と思ったのは、通りかかった人に道を聞く振りして私に「もうちょっと上げてくれる」と交渉を依頼。彼は英語が出来たので。それは拒否。

運転席を占拠してみました  朝早くからマーケットに出る人、そしてあの空気の悪いバンコクの街でトゥクトゥクを乗り回るおじさん達。「しっかり生きているな、この人達は.....」と思いました。


2017年04月29日(土曜日)

 (16:30)「音もなく、静かによける国」というイメージかな、タイは。

どんなに狭くても車が進出。それが当たり前  バンコクの駐車場。縦にびっしり止まっている車の前に、また車が横に止まっている。前の車にブロックされている車はどうやって出るのだろう.....。答えは「前に止まっている車を静かに人力で動かす」です。

 その秘密は「他の車をブロックする形で止まった車は、サイドブレーキをかけない」という暗黙の社会的了解あり。なので、男一人で(多分女性でも)前後に動かせる。だからブロックされた方の車の主は、ブロックしている車(サイドブレーキがかかっていない車)を前後に押してスペースを作り、そして出ていく。

どじょうだろうが、中には大きい鰻系も  狭い人通りの多い狭い道を人がよけながら車が通る。とにかくこちらでは車、バイク優先です。印象としては。横断歩道でもまごまごしていると歩行者が自動車にぶつけられそうになる。とにかく車が我が物顔です。どこにでも入ってくる。よけるのは人であり、屋台です。

 インドラというホテルの周囲にはバザールのような用品店の屋台的店舗がずらっと並んでいる。人が3人並べばもうきついような。そこに車が入ってきた。誰も文句言わない。車も静かに前進し、そして狭いところを右折した。どうなるんだ、と思った。

 そしたらお店が商品を動かし、人がどいてスペースができた。誰も何も言わない。静かにそんな事態が進行する。見ていて「ある意味凄い」と思う。「よけるのがうまい国なんだ」と思う。え、政治・外交的にも ?

朝の托鉢の風景  若手に「俺は街を歩く」と言ったら、「伊藤さん、下をよく見て歩いて下さい」と。なぜなら、なにせ道が凸凹。ときどき案内人もおらずに(日本では必ずいるでしょう)歩道が工事で切れていて、人は車道を歩かされる。あぶないったらありゃしない。

 歩いていて、「ああ、この国はオリンピックを開催しようなんて思わない国だな」と思う。だってバリアフリーもなにもあったもんじゃない。一応段差を埋めてあるところもある。しかし全体的には障害物競走状態。段差ありすぎ。

 南アジアでも東南アジアでも、タイはオリンピックに一番近い国の気がするが、どうもそうではないようだ。何せインフラがないそうな。もっとも今の道路の混雑具合では選手の移動も時間通りには出来ない。対にはインフラ需要は山ほどある。

 でも活力ありますよ。タイ全体では平均年齢は38才だそうだが、バンコクはもっともっと若い。今のバンコクでは車よりもバイクの方がはるかに小回りが効く。だから彼等は125CCくらいを勢いよく乗り回る。以前の50CCは殆ど見なかった。

 その代わり道路はカオスです。事故が頻発する。現地の人に「交通事故で一人死亡させた場合の賠償金は ?」と聞いたら「100万円が相場」だそうだ。だいたい中国と同じ。依然として人の値段は安い。

バンコクにはセブンが一杯。時に埋まっている  道路では警察があちこちに顔を出す。ホテルの私が乗っていた車は合計3回止められた。理由は不明だが、多分赤ナンバープレートのせい。暫定ナンバー。いろいろいちゃもんつけられて運転手が1000バーツ払う羽目に。彼がもっていなかったので、私が仮払い。あとでホテルに返して貰った。

 いろいろあってこの国は面白い。


2017年04月29日(土曜日)

 (05:30)昨晩の盤谷日本人商工会議所の会合には私の特別講演を含めて500人以上の方々が足をお運びになって下さったそうな。盛大な定時総会、そして私の講演と、私としても強く印象に残りました。やはり500人は凄い。ありがとう御座いました。

 「盤谷」とは「バンコク」の事ですが、そのまとまりの良いこと。バンコク以外にも日本人商工会議所はいくつもありますが、話を聞いていて「こんなに活発でまとまりのある場所は珍しい」と思いました。

 それもそのはず。バンコク日本人商工会議所のHPには、「2014年に設立60周年を迎えた世界最大規模の在外日本人商工会議所」とある。その通りじゃないですかね。「会員数は、現在1,715社(2016年4月末現在)を数え、半世紀以上にわたり、日本・タイ両国間の経済発展に寄与するとともに、各種社会貢献活動を継続的に展開しています」と。

 今後もアジアのハブとしてのバンコクで日本の皆様の益々のご活躍を期待したいし(とっても重要なので)、私として一段と嬉しかったのは「いつも聞いています。もう10年以上.....」というこのポッドキャスト番組のファンがたくさんいらっしてくれたこと。そして存じ上げている方何人とも再会できたことかな。

 バンコクは今が一番暑い夏で、持ってくる必要のあるものも少ない。なので自分の著書を4冊ほどもってきて会議所の理事さん達に渡しましたから、会議所の中のライブラリーに加えて頂ければ幸甚です。えっとこれこれ各2です。

 それにしても以前職場が一緒だった若手には今回助けて貰ったな。いやね、「今回は完璧だ」と思って来たのですが、名刺を忘れた。講演会の後の交流夕食会には最初から出るつもりだったのですが....このままでは名刺がない....。

 「こちらが出せないのは気恥ずかしいな」と思ったら、たった数時間で当該日の夕刻までに100枚の私の名刺が出来上がった。若手が動いてくれたからです。感謝。簡易的なものでも、ないに比べれば100%の出来。良かった。彼等が紹介してくれたレストランも良かった。

 講演会に来て頂けた会員の皆様、またバンコクで生活されている方々にご幸運を。あ、会場で写真を撮られていた方。出来の良いのを何枚かデジタルで送って下さいね。


2017年04月28日(金曜日)

 (10:30)ルンピニー公園を歩いていたら8時ぴったりに時報が鳴 エラワンの祠り、音楽が始まると同時に公園中の人が起立した。くっちゃべっていた人々も、太極拳をやっていた人も。そしてランニングや散歩をしている人も立ち止まった。

 私もそうしましたよ。「これは何か国家でも演奏していて、人々は起立し、静止しなければならないのだろう」と思って。ちょうどトカゲとカメ(スッポン ?)のペアリングを撮影していたのですが。

 ホテルに帰って聞いたら、やはり「国歌です」と。午後の6時にも同じ儀式があって、公的場所にいる人は同様のスタンスを求められるらしい。それにしても、プミポン前国王の葬式が近いこともあって、バンコクには国王の肖像が溢れている。

どこにもプミポン国王が  ルンピニー公園に行ったのはたまたまでした。バンコクの朝の顔を見ようと午前6時半にホテルを出て直ぐ右の道の反対側にエラワンの祠があるので、そこにちょっと寄って祈りを捧げ、そして「このまま歩いてみるか」と歩き始めた。その時の温度が28度。

 30分程歩いて、「ここはどこや」と思ってグーグル・マップを開いたらすぐ左側に「ルンピニー公園」の表記が。「ここここ」「見ていこう」と思って行ったのです。増えすぎてかなり減らしたとは聞いていた。しかしまだおるやろと思って。

本当に大きい大トカゲ バンコクの人はあまり関心がない  いましたいました。でかい。体長は1メートルを優に超える。オオトカゲ、水トカゲ。正式名称は知りませんが、とにかくでかい。水の中を何匹も泳いでいる。人には悪さをしないと聞いていたので、かなり接近したが、すると逃げる。

 ははは、思わぬ形でバンコクで見たかったものが見れた。あとは王宮ですが、葬式接近でかなり混み合っているよう。どうしようかな。


2017年04月28日(金曜日)

 (00:30)シンガポール以外の東南アジアの国に来ると、どこであろうと気づくのは「地域共通の特徴」です。それは空中でからみあい、今にも落ちてきそうな無数の電線。ベトナムでも、そして当地タイでも同じ事。

 空港に迎えに来てくれた方が話していた。つい最近までまだADSLが主流だったタイのネット。急に繋がらなくなったので日本のNTTに相当する会社の人に来て見て貰ったら、「切れている」と言ったらしい。

電線の塊の先に新国王の写真が  では「どこで切れているか探して繋ぎ直すのか」と思ったら、「どこが切れていないのか分からない」と言って、新しい線を引いて帰ったというのです。つまり今まであった線はそのままに新しいネット用の回線をセットして帰った、というのです。そりゃ増える。

 電柱はコンクリート。四角い。それをまじまじと見ると二つの塊が。上が電気系で、下のしばしば重くたれている線の塊がネット系その他らしい。ここまで複雑なら「電柱撤去→電線の地中化」は難しいだろうと思ったら、「そういう話はある」と。しかし遅々として進まないらしい。そりゃそうだ。どれが使われていて、どれが既に死んでいるのか不明。

 それにしても、道路は凄まじい混雑・混乱です。大部分は乗用車・タクシーですが、その間をバイクが疾走する。我先にと。時には一方通行をバイクが勢いよく逆走してくる。毎日凄まじい数の交通事故らしいが、私も早速一つ見た。

 渋滞した車列の間を中学生くらいの男の子が反対側に渡ろうとした。しかし混んでいない反対車線に出てところでタクシーと激突した。「大惨事」と思ったら、中学生は起き上がって歩道に戻ってきた。タクシーの運転手は「大丈夫」と声を掛けていたが、それにしても日本であれが起きたら事故扱い。

タクシーとぶつかったあと自転車を直す少年  全く車が動かず、中学生が自転車をひっくり返してチェーン回りを直しているのを暫く見ていましたが、私が見た範囲では直っていなかった。タクシーは走り去ったので、あのあと中学生はどうしたんだろう。

 車、タクシー、そしてバイク、自転車。その間を警察の黒バイ、白バイが先導してくる車を見た。「何か王室関係ですか」と聞いたら、「そうかもしれないし、別の理由かも」と。それによるとこの国の警察はお金次第で「道路を警察が先導する」という挙行を行うらしい。びっくり。

 「道路が増えないのに、車は急増。そりゃ渋滞だらけですよね」とその方。なにやら高層ビルの下から6階までは「駐車場」と決まっているらしい。しかしそれでも車は街に溢れる。なので場合によっては歩いた方が車やタクシーを使うより速い。実際ホテルから会食の会場まではグーグル・マップで歩38分と出ましたが、迎えの車で移動したら40分かかった。

 夜出た「タイは相続税がない。だから金持ちはめっちゃ金持ちだが、その他は....」という話と、タイは「ほほえみの国」だが、その「ほほえみ」の許容範囲は「広くない。むしろ狭い」という話が面白かった。またこれは明日書きます。


2017年04月27日(木曜日)

 (09:30)羽田空港の国際ターミナルでタクシーを降りる際。私の大きな荷物をトランクから降ろしていた運転手さんが突然振り向いて、「そうですよね、ゴールデン・ウィークですね」と。

 それは事実ですが、「そうですよね」という運転手さんの独り合点的納得が気になった。何か返事をしなければと思って、「そうね。でも俺は違うけどね....」と。「はい」だけでも良かったのですが....。「いかにも遊びに行く様子」と見られたのか。ははは。

 違います。バンコク行きの主目的は講演です。あまり多くはないが、海外もたまにある。バンコクは実は2年に一度くらいは寄ってます。ブータンとかミャンマーとかに行くときにはかなりの確率でバンコクが中継地になる。それだけハブの都市・空港だし、通信環境が良い。だから通信不良の国から乗り換えでバンコクに来るとほっとするのです。

 びょんびょんテザリングも出来るし、「back to normal」という気がする。もちろんせっかく珍しくバンコクに数日滞在するので、「その他」も検討中。とりあえず先日NHKがやっていた第498回「まるで恐竜! バンコクの街なかを歩き回る」トカゲだな。面白そうなので。政治状況はわからないだろうな。ちょっとした会話の節々くらい。

 バンコクにはかつて仕事を一緒にした会社の後輩達が結構数多い。今日は着いたら直ぐに宴会です。それにしても空港はめちゃ混んでいますよ。多分フライトも超満員。テルミなんちゃらの行き詰まりの一因は、「空き席不足で約束の席を用意できなくなったこと」らしい。

 テロがあろうがなかろうが、人々の海外渡航は大きな波で止まりそうもない。それにしてもバンコクは暑いだろうな。しばらく日本を離れます。


2017年04月26日(水曜日)

 (05:30)小林君が送ってきてくれた写真を見て、「およよ」と思いました。実に実に懐かしい。私が1978年に泊まった当時「Camino Real」(カミノ・レアル)という名前のホテルだったからです。

 「今はインターコンチが運営してReal InterContinentalと名前が変わってますが」ということらしいが、面影が残っている。場所は中米エルサルバドルの首都のサンサルバドル。

サンサルバドルで小林君撮影  なぜ鮮明に覚えているかというと、スペイン語が全く出来なかったのに1週間ほど滞在してインシンカという会社の法人社長が誘拐された”事件”を例外的に担当したこと。またホテル(まああの辺では高級)を出て直ぐ右サイドに、非常に貧しい人達が住む区域があって、その接近的コントラストが非常に鮮明だったからです。

 その点を「どうなっている?」と小林君に聞いたら「この駐車場の奥は確かにバラックのような住居が並んでますね。でも道を挟んだ反対側は大規模モールになっていて、みんなクルマで買い物に来てます。ある程度中産階級も育ってきたようです」と。当時はこんなに大きな道では無かった。ホテル前。発展しているなら良いことだ。

 「Camino Real」という名前も「レアル・マドリード」というチーム名を見ると時々思い出す。それは悲しい海外における邦人誘拐の始まりの頃。日本の企業が考えようによってはリスクのある海外に出始めた頃だからです。

 改めてネットで「インシンカ」を調べると、「INSINCA社=エルサルバドル政府出資の投資公社CORSAINと蝶理、岐セン、東レ、三井物産が出資し、66年に設立した半官半民の合繊繊維メーカー」とある。インシンカが「繊維」であることは覚えているが、その他の出資関係は忘れていた。

 その後エルサルバドルでは内戦が激化して、日本大使館は80〜81年ごろから閉鎖。内戦が終結した92年まで12年間まで閉鎖が続いたと思った。資料には「この間、JETRO事務所と企業関係者・在留邦人はコスタリカなどに退去を余儀なくされ、多くの日本企業は投資や権益を失い、日本全体として多大な損失を被りました」と書いてある。

 でも改めて行けば様子が変わったのは分かるだろうな。行きたい気分。今でも記憶は鮮明です。それにしても、エルサルバドルは南北に長い米大陸の中で、私がもっとも南進した国・地域。次はそれより南に行かないと。

 明日から講演もあってバンコクですが、いつか機会を作ってエルサルバドル以南の南米に是非行きたい。行きたいところに行くだけでも多分一ヶ月が必要です。この時間がなかなか取れない。


2017年04月25日(火曜日)

 (16:30)例え北朝鮮が今日、または今月末まで核、ミサイルの実験を控えたとしても、何ら問題は解決しない。自らの思惑を達成するためには周辺国を脅してもかまわない、場合によっては攻撃するという政権が存続すること自体が問題で、その除去が無ければ、またはその意思の完全な放棄がなければ問題は残ったままだ。

 今日の午前中にある地方公共団体のHPに立ち寄った、「重要なお知らせ」というコーナーに

  1. 弾道ミサイル落下時の行動に関するQ&A
  2. 弾道ミサイルが落下する可能性がある場合にとるべき行動について
  3. 全国瞬時警報システム(J−ALERT=ジェイ・アラート)
 という掲示がある事に気がついた。恐らく全国津々浦々の公共団体のHPに同じような警告があり、それは例えばこういった政府のPDFにリンクしているのだと思う。こんな掲示を全国の地自体のHPに掲載させるような状態を招来していること自体が許せない。一部の書き込みではビルごと同様の対処をしているらしい。それは今の北朝鮮の体制と姿勢故だ。

 予想された核やICBMの実験をせずに今北朝鮮は何をしているのか。韓国のメディアの報道によると「東部・元山ウォンサン一帯で長距離砲などを投入した大規模な火力訓練を実施している」らしい。金正恩が訓練を視察、と。

 さすがに中国から警告されて石油を止められそうになり(既に抑制との報道も)、空母カールビンソンらのアメリカの攻撃群が接近し、ロシアも北朝鮮の核・ミサイルの実験に警告する中で、関係国を怒らせるような身動きが取れなくなったのだろう。本当はやりたかったのだろうが。

 報道によれば中国は北朝鮮の国境地帯に10万の軍隊を集め、またロシアも北朝鮮との国境に軍隊を移動させている、という。それは北朝鮮からの難民を押しとどめる役割が第一の目的だろう。何があっても自国の国境地帯は制御するという意思だ。

 劇的に変わったのは中国の対北朝鮮観だ。中国紙・環球時報は「北朝鮮の核、米国は中国にどれだけ頼らなければならないのか」と題する社説で、米国の北朝鮮に対する軍事行動に中国がどのように対応するのかに関する「限界線」を示している。

 同紙は「米国が北朝鮮の核施設に対し『外科手術的な攻撃』をするならば、外交的手段で抑制することになるが、軍事的介入は不必要だ」と指摘。これは北朝鮮が追加的な核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)による挑発を行った場合には、米国の先制攻撃を容認する姿勢を示したとの見方が強い。つまり限定的なアメリカの北朝鮮攻撃の容認という姿勢だ。中国の権益にかなう。

 しかし同紙は、「韓米両国の軍隊が38度線を超えて北朝鮮を侵略し、北朝鮮の政権を転覆させようとするならば、直ちに(中国は)軍事的介入を行う」とし、「武力手段を通じた北朝鮮の政権転覆や韓半島(朝鮮半島)統一の試みは絶対に受け入れられない」の立場を表明した。これは中国の珠来の姿勢だ。

 アメリカ軍が38度線を越えて中国と直接向かい合うか、または中国の「緩衝地帯」である北朝鮮全体を占領しようとする場合にのみ軍事行動を取ると表明した格好だ。この辺は習近平がトランプと何回も電話会談するなかで伝えているのだろう。

 ということは、中国はアメリカによる北朝鮮攻撃を条件付きで容認している、と言える。同紙が人民日報系の中国政府中枢と近いことを考えれば、「それは中国政府の意思」とも受け取れる。ロシアも北朝鮮の核とミサイルには反対だ。中国ほどではないが。外務省の高官がきちんとした記者会見でロシアの立場を表明した。

 問題は「時間の経過」が日本、韓国、それにアメリカにとって許せない事態を招く、ということだ。その間に北朝鮮の核・ミサイルを使った攻撃能力は向上する。北朝鮮は核とミサイルを放棄する意思はないのだから、時間の経過は彼等にとって「能力向上に費やせる時間の増加」を意味する。それは日本やアメリカにとってのリスク増大を意味する。

 将来脅されることが分かっていてそれを見過ごすことは出来ない。それは日本もアメリカも思っていることでしょう。場合によっては中国も、そしてロシアもそう思っているかも知れない。なにせ金正恩は理性と常識からは外れた人間だ。自分の体制維持しか興味が無い。極めて危険だ。

 だから周辺国がやらねばならないことは明確だ。体制の除去だ。問題はどうやってどの時期にだ。当面は核とミサイルの実験をやらせないということが重要だが、もっと重要な問題は北朝鮮の今の体制を認めない、それを存在しない状態にするということだと思う。


2017年04月25日(火曜日)

 (12:30)人間は結局、見る気になって見ないと見えていないんだな........と思いました。

 今朝です。久しぶりに明治神宮の朝の空気を吸いに行って表参道口から入り、表参道口から出た。いつもは表参道口から入って北参道から出るのですが、あまりにも森の空気が綺麗で気持ち良いのでしばらく森の中を歩いて表参道口に戻った。

表参道口の左側  そしたら視線の先に「杜のテラス」という建物が目に付いた。「あれ、いつできたんだろう」と。その場所で何か建設しているのは知っていた。しかし建物はしっかり見たことがない。

 オープンの準備をしていた女性がいたので聞いたら、「1月4日です」と。「えっ」てなものです。だって毎月3〜4回は朝の明治神宮には来ている。しかしこれまではっきりとは気がつかなかった。

 明治神宮にお参り散歩するときは、ほぼ確実に表参道口から入る。しかし考えたら入り口の守衛さんと挨拶するために目線は大鳥居からさらに右を向いている。なのでしっかり左側は目線に入っていなかったのではないか。

 表参道口からの帰りは違います。しっかり正面に「杜のテラス」が視線に入る。「角度によってこれほど見えるものが違うとは」と自分でもびっくり。せっかくなので開くのを待ってちょっとテラスで一休み。

 テラスという名前なので、外の席から神社の朝を見学。カプチーノを飲みながら。大鳥居に対して観光客がどういう行動に出るか全部見える。大部分の観光客グループは大鳥居の前で写真を撮る。入れ替わり立ち替わり。そうでなければセルフィーで。

 撮らない人種は個人で来る近所の日本人です。そこに鳥居のあるのは当たり前ですから。このテラス、オープンは一年を通じて午前9時。クローズは季節によって変わる明治神宮の閉門の30分前。

見事な仕事ぶりです 線状に集めて、寄せて山を作り、そして神宮の森に返す  せっかくだったので「とうふ豚まん」も美味しそうなので頂きました。朝一が理由なのか、外は熱くて中が冷たい。でも美味しかった。カプチーノもまあまあ。でもね、ほとんどの人は入ってくるなり目線は大鳥居に。

 朝なのであまりテラスで一休みという人は少なかった。神社では先日靖国神社が休憩所を正面右の奥に作った。ちょっと東京の神社では休憩場作りがブームなのか。もっともお伊勢さんには立派な休憩場が神社内にいくつかあるし、「おかげ横丁」は街全体がでっかいお伊勢さんの休憩所のようなものです。


2017年04月24日(月曜日)

 (09:30)「叔母と甥の欧州政治か........」と一瞬思いました。だってマクロンは39才。メルケルは63才。24の年齢差だから「叔母と甥」の関係は十分成り立つ。

 むろん時期尚早の発想ですよ。エマニュエル・マクロンがフランスの大統領選挙一次投票に勝ち残っただけ。相手はマリーヌ・ルペン。しかしこの記事が正しいと仮定すれば、マクロンが決戦投票でも勝つ。さっき見たフランスのテレビでは、一次投票後に世論調査が二人の候補に対する投票行動を聞いたら、「マクロン62%ー38%ルペン」だったそうな。あまり事前と事後で変わっていない。

 むろん選挙は水物。5月3日にある二人によるテレビ討論など、情勢を大きく動かす事柄があるかも知れない。ただし敗北を認めたフィヨン候補と社会党の候補だったアモン氏は、敗戦の弁の中で決戦投票ではマクロン候補を支持するよう支持者に訴えた。

 備忘のために書いておくと、開票率96%の段階で各候補の得票率は

 マクロン   23.9
 ルペン    21.4
 フィヨン   19.9
 メランション 19.6
 アモン     6.3
 いずれにせよ、これまでフランスの政界を担ってきた社会党と共和党の候補は決戦投票には残らなかった。イギリスやフランスのテレビが「驚き」と表現しているのはこの点だが、これは世界的な現象でしょう。既得政治組織への不満。

 なにせ議院内閣制ではなく「国民の直接選挙」ですから、今回の仏選挙のように「マクロンが突然大統領に一番近くなる」ということが起きる。日本はトップに到達する前に2段階あるから、こうはいかない。

 もっとも日本でもある意味政党離れは現象として見られる。民進党や社会党の不振がそれを示している。でも驚きは「フランスの大統領選挙では世論調査結果がほぼ当たった」ということか。

 私にとっての今回の選挙での全体的な驚きは、スキャンダルまみれのフィヨンが頑張ったこと。メランションが言われたほどブームには乗っていなかったこと。社会党のアモンがなすすべもなく、予想通り負けたことかな。

 それにしてもマクロンが勝利宣言の際の記者会見で、選挙戦の最中には見せなかった「ちょっと不安そうな顔」を見せたことが面白いと思いました。トランプの当選直後にちょっと似て。彼は39才。奥さんは20才以上歳が上。かつての彼自身の学校の先生だそうだ。当選直後なので、「改めて思うと大統領職は重い」と考えているのかも知れない。

 多分彼は叔母ほどの年齢差のメルケルさんにいろいろ教えて貰わねばならないでしょう。あ、今気がついたが彼の奥さんはメルケル世代。じゃ上の人に何か教わるのは慣れているのかも.......


2017年04月23日(日曜日)

 (23:30)あ、もう二つくらい面白いニュースがあったな。今日は。

 日経ヴェリタス。週に一度しか来ない金融に特化した新聞ですが、そのプロゴスフィア(Progosphere)のコーナーに「平壌で給油できなくなった」という見出しを発見。副見出しは「北朝鮮向け原油、中国すでに禁輸との見方も」とある。

 口先だけ益々尖ってきている北朝鮮。その内実を知れる記事だと思って読んだのですが、その最後の方でした。「(中国による北朝鮮への)石油禁輸論が浮上する中、20日に話題になったのが環球時報の北朝鮮駐在記者が伝えた....」で始まる部分。

 「北朝鮮の首都平壌の大使館街にある給油所でガソリンの給油が出来なくなった」との独自ニュース....という部分が一番重要な文章。同紙記者が給油に訪れたとき、「ガソリンがない」として給油を断られた、と書いてある。記事にはガソリン価格の値上がり観測も記載されている、という。

 当然ながら戦争にはガソリンが絶対的に重要だ。車輌や航空機を動かすためにはガソリンが先ず必要だからだ。仮にこの記事に書かれていることが「北朝鮮全体で起きていること」だとしたら、それは北朝鮮で石油が枯渇したか、それとも備蓄で他の用途に回せなくなったかのどちらかを意味する。

 この環球時報の記事ではどちらなのか何とも推測できないが、「大使館街で給油できない」とは深刻でしょう。そんな情報は海外に直ぐ伝わってしまうことが明らかであるのに、店員(?)が「ガソリンがない」と言っている訳だから。

 もう一つはBBCのサイトにあった。北朝鮮がオーストラリアへの核攻撃を警告した、というニュース。「もしオーストラリアがアメリカの同盟国であり続けるなら、オーストラリアも核攻撃の対象だ」と北朝鮮が警告した、というのです。

 ペンスが日本を出た後オーストラリアに立ち寄って色々話をしたのが気にくわなかったのでしょう。全方位で「攻撃する」と脅し始めた。「オーストラリアがアメリカの同盟国であり続けるなら」と。徐々に北朝鮮の興奮度は高まっている。

 同様に、北朝鮮は名指しではないが中国への警告も強めている。多分今年中の石炭(北朝鮮からの)輸入を禁止し、もしかしたら石油の輸出も抑制している中国への警告でしょう。安易に他国の制裁措置に同調する国は「北朝鮮の敵である」的な警告だそうな。

 「周辺国が我々を公に脅している」「破局的な結果も覚悟すべきだ」と北朝鮮の国営メディア。こんな警告を突き付けられたら、中国もまた「戦略的忍耐の尾を切らす」かもしれない。ま、アメリカ軍が北朝鮮を攻撃したとき、中国がどう出るかは読めませんがね。


2017年04月23日(日曜日)

 (12:30)今朝の新聞で面白かったのは日経の一面の「ロボットと競えますか」という記事の中に、「米ゴールドマン・サックスでは00年に600人いたトレーダーが株式売買の自動化システムに置き換わり現在は数人に減った」という一文を見付けたことかな。

 やっぱりそうか、と思いました。ちょっと前に金融業界の現場バリバリの連中と話をしたときに「最近は機械になかなか勝てない」というトレーダーがいて、その意見に賛成の業界人が何人もいたから。「トレードに関するAIはもう人間の能力を凌駕しつつあるのか」と思っていた。碁や将棋だけではない。

 なので今朝の日経の新聞記事に「600人が数人になった。ゴールドマンで」という記事を読んで、「進んでいるであろうゴールドマンでそうなら、そのトレンドは業界他社にも広がるだろう」と思った。

 多分その外れた500人以上の人が「直ちにゴールドマンを辞めさせられた」とは思わない。ロボットには代替できない複雑な関連業務は他にあるので、その業務に移ったかも知れないし、営業に移ったのかも知れない。

 多分AIを心臓に使った機械(それをロボットと呼べば)は、人間の色々な職業分野に入ってくる。今後も急速に。だから従来の意識で「ここは俺の領域なのに」と考えていたら、その人にとって厳しいことになる。機械にまかせられることは機械にやらせれば良い。

 その代わり人間はAI機能を持つロボットが出来ない事をやれば良い。今は時間があまりないので長く書けませんが、「人間は職業を作る動物である」というのが基本的な考え方です。過度に恐れる必要は無い。


2017年04月22日(土曜日)

 (05:30)他の国の選挙とは言え、とっても気になるな。エリゼ宮とシャンゼリゼに近接した場所で警官襲撃テロが起きたフランス。故にルペン、マクロン、フィヨンの3人の候補者は21日は選挙運動を中止。

 対してメランションは運動を継続。しかし22日土曜日の選挙運動は禁止されているので、フランスの大統領選挙に向けた候補者達の運動は事実上集結。多くの世論調査が「too close to call」と報じている。

 私が見た最終に近いある世論調査結果は「Ifop polls show Mr Macron on top with 24 per cent of those intending to vote, followed closely by Ms Le Pen at 22.5 per cent. Mr Fillon is at 19.5 per cent while far left-leader Mr Melenchon is at 18.5 per cent.」となっていて、他の調査でもマクロンが今は一位らしい。

 しかし多分これらはパリでの今回の襲撃事件を十分織り込んだものではない。ということは、動く可能性がある。今見たら襲撃後の世論調査では僅かながらルペンがアップ、マクロンがダウンという結果らしい。

 しかし私が数日前に書いた「究極の選択」の可能性はまだ残っている。マーケットは全体的には「マクロンとルペンが残り、5月7日の決戦ではマクロンが勝つ」に賭けているようで、ユーロ・ドルは1.07ドルになっている。

 ま、世論調査なんてあまりあてにならない。フランスの大統領投票の投票は23日の日曜日。結果判明は日本時間の24日午前中の予定。


2017年04月20日(木曜日)

 (23:30)福岡の3.8億強奪事件は午後のテレビ出演中に伝わったのですが、当初から犯行の乱暴さから「海外の臭いがするな」と思っていました。情報は希薄でしたが。あの手の事件で日本人が何人も徒党を組むというのはあまりない。

 夜に入った段階での情報では、福岡空港で韓国籍の数人の男が多額の現金を持ち出そうとして身柄を確保されたそうな。ただし「空港で確保された男らは、強盗致傷事件の現場で目撃された男と特徴が異なり、所持していた現金も被害額とは金額が違っていた」(サンケイ)ということで、犯行現場と空港の身柄確保との繋がりはまだ不明。

 考えられるのは分担犯行で、犯行グループは全部で最低6人くらいいて、襲うグループと持ち出しのグループに分かれ、金額相違は分配を意味しているのかも知れない。しかしこれはまだ不明だ。

 ニュースを聞いたときの最初の疑問は、「明らかに危ないのに、そんな大金をなぜ一人で動かしたのか」でしたが、被害者は「金塊を買い付けるつもりだった」と話しているという。「金」と言えば昨年の博多駅・筑紫口付近の路上で120キロ・6億円相当の金塊が強奪された事件が想起される。

 確かあれはまだ未解決。今回は複数人が身柄確保なので事情が明らかになるかもしれないが、「福岡は金塊がらみの事件が多い」という印象は残った。なにかあるのか。いい街だし大好きなので今後も機会があるたびに行く予定だが、ちょっと残念。

 それと「日本で犯行→可及的速やかに出国」というパターンが最近多い。神社仏閣の文化財的重要性のある柱などに液体を付着させた中国人二人組も、犯行を行ったあとに速やかに出国しているという。

 日本という国がそういうことが出来る環境にあるというのはやはり問題で、何らかの形で阻止の体系を作る必要があるのではと思う。出入国は「入」を厳しくしますが、今後は「出」もしっかり見守らないと。今回はうまく阻止できたように見える。まだ事件の関連・詳細は不明ですが。


2017年04月19日(水曜日)

 (20:30)またテスラの車に試乗してしまいました。新しい会社、株価も伸びている会社の新種の車、また見栄えも良いので見ると「どんな具合だろう」と乗ってみたくなる。

上部フォルムが特徴的  前回は「S」で、テーマは自動運転。今回はSUVで「乗り心地」。近くにオフィスがある越智さんを誘って午後に伊藤忠前発で「青山三丁目→西麻布交差点前を左折→青山墓地前→青山一丁目交差点を見付け方向→清水谷公園の八重桜鑑賞→迎賓館回りで東宮御所」回り的に。

 SUVなので座席と視点が高くて景色が良いのは当然ですが、特徴は上から見ると良く分かるのですが、上部フォルムのすっきりさ。フロントガラスとルーフ、それにリアガラスが一体化。一つの帯として存在する。実際に運転席や補助席に乗ると、ルーフが大きく開けている印象が強い。

 後部座席の両サイドも窓になっていて開放感が非常にある。「夏は暑くないかな」と思うくらいだが、クロの曇りガラスになっているので、それほどではないのかもしれない。開放感があって良い。

 今回乗ったSUV「X」はまだ自動運転対応にはなっていないが、前後のカメラの数を従来より増やして自動運転対応を目指しているとのこと。テスラに限らず電気自動車の特徴は出足の良さ。

 運転席でハンドルを操作すると直ぐ分かるのは「この車は重い」ということ。助手席に座っていたテスラの人に「1トン以上あるよね」と言ったら、「その倍です」と。つまり2トンの重量のある車SUVと言うことになる。

 車両重量2トンの車がスーとでるのだから凄い。重いのは車体の下に電池を敷き詰めているからですが、「それにもかかわらずのこの加速は魅力だな」と思う。車が混んでいる都内ではなかなか思う通りの試乗はできないのですが、でも乗って初めて分かることもある。


2017年04月19日(水曜日)

 (13:30)びっくりして口あんぐり。朝鮮半島を目指していた筈の米原子力空母カールビンソンが、実はインド洋に向かっていた.....と。じゃ、今までの議論はなんだったのか。

 一応の説明は「連絡ミス」だと。そんなことってあるのですかね。トランプも先週言っていた。「無敵艦隊が(朝鮮半島に)送られた」と。無敵艦隊=armadaとはカールビンソンを中核とする攻撃群を意味するとみられていた。

 それが正反対のインド洋に行っていた、と。オーストラリア軍との訓練があったので...とも説明。今はもう太平洋の西部、つまり極東に向かっていると。当初言われた通りなら、もうとっくに朝鮮半島に接近していた筈。しかし今の予定では「今月末には同海域に」ということらしい。

 BBCは「この動きが意図的なものか、それとも何らかのミスかは不明」と報じているが、大まじめに「カールビンソンも接近」と議論していたことがばからしい。なんか頼りない。トランプの立場の一貫性の欠如もあって。しっかりしてほしいな。


2017年04月18日(火曜日)

 (23:15)正直言ってスマホで「イギリスが6月に選挙.....」という記事タイトルを読んだとき、「このスマホ、間違って一年前のニュースを俺に見させているのか....」と思いました。だって「イギリスが6月なにがしかに選挙」と言えば去年の今頃の話。

 しかしその前後のニュースをみたらフレッシュだった。なので会食中でしたので、「あとでゆっくり見よう.......」と。相手に失礼なので。後で見たら本当でした。メイ首相がダウニング10で日本時間の午後7時過ぎから記者会見で発表したそうな。

 でもビックリしたのは私だけではなくマーケットもだったようで、今見たらニューヨークの株も、ロンドンなど欧州の株も大幅安。英ポンドだけは「メイが勝つ。ソフトブレグジットになる」との予想から上がっているが、その他は「またまたサプライズ。嫌だな...」とばかりに警戒感を強めている。

 今年の欧州は選挙年。オランダ、フランス、そしてドイツ。それにイタリアが加わるかも知れないと思っていたが、イギリスが加わるとは。当初の予定は離脱交渉が佳境を迎えている筈の2020年。それを前倒ししての議会選挙。三分の二の賛成で水曜日に「6月8日に選挙」と決まる見込みだという。野党も賛成しているので。

 去年のEU離脱の是非を巡る国民投票は6月23日だった。一年たたずの国政選挙。しかし今年の選挙が複雑なのは、「イギリスのEU離脱の是非」を問うものではなく、議会選挙なので「政権選択の選挙」。

 ということは、つい一年前には「離脱か残留か」で与党内も揺れる中でキャメロンが率いた「残留」方(選挙で負けた)を旗印に戦った与党が、今度は「離脱」方に回ってメイ政権の進めるEUとの離脱交渉の是非を問うという複雑さ

 だとすると、「保守党支持で残留派だった人」はどうすれば良いのか。自由民主党に入れる、それとも労働党に ? 分からん。自分が「保守支持 残留支持」だったら、6月8日にはどこに入れるか悩むと思う。

 多分イギリスでは今後、そもそも離脱を決めた国民投票がおかしかった、という意見が多数出てくると思う。スタージョンも俄然勢いづく可能性がある。単純な政権選択の選挙では無く、かなりややこしい選挙になる。

 メイ首相の狙いは分かる。今なら野党支持率は低い。最新の調査では21ポイント差だ。票は結局離脱交渉を進める与党の自分に集まる。そしたら「選挙の洗礼を受けない首相」との批判はやむし、EUとの交渉でも国民の意思を代表して交渉に当たれる。

 確かにコービン率いる野党は弱そうだ。しかしEU離脱を前提に走り出した保守党のメイ政権を、依然として「イギリスはEUに残るべき」と考えている人は素直には票を彼女に入れられないと思う。その辺が見物だ。


2017年04月16日(日曜日)

 (22:15)今よくよく考えて、確かにフランスの大統領選挙はリスクだな、と改めて思いました。今まではルペンとマクロンの二人が今月23日の第一回投票で残って5月7日に決選投票を迎える。その二人の間ではマクロンがかなりの差で勝って、次期フランス大統領というのがメインシナリオだった。私の考え方の基本もそうだった。

 しかしここに来て、上位4候補の支持率は実に拮抗してきた。これは最新の世論調査などによる。少し前に出ているのがルペン(極右)とマクロン(元経済産業デジタル相)で、ともに支持率22%で並んでいる。しかしその直ぐ後にメランション(急進左派)が20%で続き、それからさらに僅差でフィヨン(元首相)が19%で続く。日曜日の日経には別の世論調査が載っているが、状況は似ている。つまり接戦。

 英国のEU離脱やアメリカの大統領選挙もそうだったので、「そもそも世論調査など信頼できるのか」という話があるし、「支持率調査の3〜5%の差などないに等しい」と言うことも出来る。

 なのでもっとも世界が驚愕するケースとして、「ルペンとメランションが残る」ケースもあると考えたのです。たった今。さっきも書きましたが、今のところ5月7日の決選投票には「ルペンとマクロンが残る」とされている。この二人の間で決戦投票が行われた時には「マクロンが勝つ」との世の見方だ。

 しかし「上位4人がほぼ並んだ」ということは、様々な組み合わせを考える必要がある。マーケットや欧州が一番困るのは「ルペン 対 メランション」です。今までは「フランスの左派は死んだ」と言われた。

 オランド大統領も不出馬だ。しかしメランション(左翼党)はその巧みな演説でここに来て支持率を急速に伸ばしている。なにせ彼は「欧州の憲法」に当たるリスボン条約からの脱退が政策の一丁目一番地だ。彼はフランスのEU加盟条件の見直しも言っている。

 懸念されるのは社会党から出ている候補が弱い中で、フランスの左の支持者の票がメランションに集まることです。そして極右の候補(ルペン)にも票が集まって、それこそ「分断のフランス」が顕現化すること。去年のアメリカの大統領選挙的に言えば、「ドナルド・トランプ 対 バーニー・サンダース」の大統領選といった究極の選択になる。恐ろしいです。

 この組み合わせの決戦投票になったら、マーケットがどうなるか分からなくなる。きっと今以上のユーロ安になる。ユーロ安はもう顕著に進んだが。また「第一回投票でルペンが勝ち残れなかった」ケースには何が起こるのか、そしてその代わりにメランションが残って、もう一人の保守系との戦いとなったらどうなるのか。そりゃマーケットは不安だ。

 北朝鮮の今朝のミサイル発射失敗。最初「わざと失敗したのかな」と思いました。成功したらアメリカが動く可能性がある。失敗したら「動かない」と読める。なので....とにかく様子を見るために。

 むろんあの大パレードの直後の失敗はみっともないが、国民は何も知らされないので金正恩の失敗にはならない。でも成功させるつもりでやったが失敗した、と考えるのが自然なんでしょうね。

 とすると、北朝鮮はあくまで核とミサイルの開発を続ける意思を示したということです。中国の働きかけにも、カールビンソンの接近にもかかわらず。ペンスの韓国到着の6時間ほど前のミサイル発射の試み。

 interconti(大陸間)ではないし、失敗したから「別にどうこうない」というのがアメリカの今の立場と伝えれれる。本当かな。だってペンスがソウルにいる間は、詰まるところ何も出来ないでしょう。北朝鮮攻撃的な事は。

 中国も中国人旅行者の北朝鮮旅行を差し止めたり、北京ー平壌の航空便を止めたりと、いろいろと対北朝鮮での抑止を繰り出している。しかし一番重要な「石油を止める」というところまでは行っていない。アメリカはその動きを見ているのかも知れない。

 北朝鮮情勢の危機は少しも去っていない。トランプ大統領もあれだけ言っておいて(アメリカだけでもやる...と)、北がミサイル発射実験に加えて核実験をやったら、動かねばならない状況に立ち至る。金正恩は権威付けが欲しい。残るは核です。核は失敗しても「やった」「成功した」と言える。

 北朝鮮は国を安堵してもらうためには核とミサイル、特にintercontiの開発を止める事は出来ない。依然として時間の経過の中で「collision course」は強まる。


2017年04月15日(土曜日)

 (22:15)最近二つの事に気がつきました。まず都内で工事トラック(貨物トラックではなく)が劇的に増えたこと。例えば246、青山通り。自分で運転していてそう思うし、先日乗ったタクシーの運転手さんもそう言っていた。

 「もしかしたら」と思って金曜日かな、国立競技場の建設現場を通りかかったときに見たのですが、整地は完全に終わってクレーンがニョキニョキと立っていた。その本数は確か15本くらい。つまり搬入が本格化しておかしくない段階に入っている。なにせ大規模な工事ですから、資材・機材を運ぶトラックの数も半端ない。

 アメリカ大使館の下のビルは出来上がっているのですが、その近くのオークラの本館も同じような状況。ということは246周りで工事トラックが走り回る客観的状況が出来上がっている、ということ。しばらく続くんでしょうね。

 次に女性の歩き方が総じて速くなったと言うこと。私は男としても歩き方は遅い方ではない。どちらかと言えば速い。先日も福岡から来た友人が「靴の底に仕掛けがあるかのように歩く....」と私のことを言っていた。

 しかし最近はその私が歩きでしばしば一部の女性に追い抜かれる。むろん大部分の女性よりは私の方が速い。しかし街を歩いていると、恐ろしく速く歩ける女性がいることに気づく。そしてその種の女性の数が増えた。

 背丈のある女性が増えたと言うこともある。しかし背丈がない女性でもかなり速く歩ける人がいる。昔「女性の足」とか「男性の足」とかいう表現があった。それは「男性の足」の方が「女性の足」よりも1.1倍方速い、という前提だったと思う。

 しかし最近は「その手の表現はなかなか使えない」と思っている。なぜなら女性の中でも「男顔負けで早足歩行が出来る方が増えた」からです。きっと何か運動をしている方なんでしょうね。

 最近は男より女性の方が体を鍛えているケースが多い。今朝も皇居を周りながら女性ランナーの多さに驚愕していた。良いことです。


2017年04月14日(金曜日)

 (13:15)化学兵器使用疑惑を巡るシリア査察での国連安保理。いつもだったらロシアとともに「拒否」に回る中国が「棄権」に。トランプ大統領との会談を受けて、変化がやはり出ているような。

 それに関連して中国の結構先端的な意見を掲載する人民日報系の新聞「環球時報」が興味深い論調を北朝鮮に関して掲載しているという。12日付けの社説。

 今月北朝鮮がさらなる挑発にでれば、中国社会は北朝鮮の原油輸入を制限するなどかつてない厳しい国連制裁をいとわないだろう
 と。残念ながら私は中国語が出来ないので、文章の全体を読むことが出来ない。しかしいくつかのメディアがそれを報じている。

 これは潜在的には重要です。北朝鮮の最大の弱点は「原油を全て中国から輸入している」という点。もしそれが止められれ、そして在庫が底をつけば、北朝鮮は軍車両も軍航空機も動かせない。つまりそれは直ちに「北朝鮮の軍事能力の著しい低下」に繋がる。むろん経済活動もストップ状態になる。

 「そんなことをすれば北朝鮮は暴発する」というのが今までの中国の見方。しかし環球時報がその潜在的可能性を書いたと言うことは、少なくとも中国は北朝鮮に自分達の言うことを聞かすために、それを「一種の脅迫材料に使った」ということでしょう。本当にそれを発動するかどうかは次の問題ですが、その可能性が示唆されたことが重要です。

 これに対する北朝鮮の論評は出ていない。また中国の要人の口からこの可能性を示唆する発言も出ていない。しかしこれは北朝鮮も考える可能性がある。なので備忘のために書いておきますが、中朝間でいよいよ「石油」が語られる事態になってきたということは、事態が動く切っ掛けになるかも知れない。

 明日が15日なので、ちょっと書いておきます。中国と北朝鮮の動きがやはり気になるので。


2017年04月14日(金曜日)

 (12:15)昨日だったかな。WINDOWSPCを開けたらアップデートが貯まっていて、それを処理していたら最後に「WINDOWS10のcreators update」がありますよと通知があって、一緒にやってしまえとばかりにアップデートに進んだのです。どえらく時間がかかった。

 というのも、それと同時並行してMac系のPCのオフィスのアップデートがあって、それも複数同時にやったら私の家だけでもWIFI状態が悪くなったのだと思う。だって昼間のテレビ出演をこなして家に帰っても、まだやっていましたから。

 欲しかったのはMac Officeのアップデートでした。私は以前から「Office + ATOK」で日本語の作成を行っている。しかし前回のMac系のアップデート(多分Officeを含む)からその相性が悪くなって、変換に障害が生じていた。

 たとえば「きょうから」と打ってその後の文章を考えていると、極短時間の間にそれがフィックスされてしまう。なのでその後に変換キーを押しても「きょうから」のまま。素早く打って素早く変換すれば問題ないのですが、文章とは考えながら打つもの。なので、「なんやこれ」と思っていた。

 ATOKサイドの問題でないことは明らか。なぜならワードではなくテキスト作成ソフトでやると、従来通り文章作成に問題ない。なので「Mac Office」のサイドの方が対応するだろう、と思っていたらそれが昨日アップされていた。その後は従来の入力環境が戻った。

 「WINDOWS10のcreators update」の方が実はあまり良く見ていない。しかし例えば「ペイント」などが大幅に新機能を持った。それは2Dで書いた絵をワンタッチで3Dにするとか。

 そう言えば今朝のトークファイルのコーナーは「お絵描き機能」を取り上げました。例えばグーグルのauto drawは確かに面白い。アバウトに絵を描くと、それを「これではないですか」とAI機能を使って綺麗な絵に直してくれる。

 テスラも車のセンターに陣取るPC画面のようなパネルに「お絵描き機能」を搭載したそうな。私はまだやったことがないのですが、センターコンソールの「T」マークを3回押すと起動するという。

 笑えるのはテスラのイーロン・マスクCEOが利用者から送られてきた絵をツイッターで公開している、という点。笑える。まだ見てありませんが。

 しかしPCやスマホのアップデートは「これは良い」というのと、「むしろ迷惑」というのがある。例えばスマホのiOSの最近の更新では、私のリンクページはスマホ上(iPhone)ではガーブリングになる。一時直っていたのに、またまたの現象。困ったものだ。


2017年04月13日(木曜日)

 (07:15)政治というのはそういうものだろうが、ディールが得意なトランプの面目躍如だな。「中国は北朝鮮のへ圧力を強める(だろう)。なので今は中国を為替操作国には指定しない」と。選挙公約の重要な柱の一つだった立場を変更。

 トランプは再びウォール・ストリート・ジャーナルとインタビュー。この文章が笑える。「“I told him, I said, ‘You know we’re not going to let that [current trade deficit] go ahead,’ ” Mr. Trump said of his meeting last week with Mr. Xi. He added he told Mr. Xi: “ ‘But you want to make a great deal? Solve the problem in North Korea.’ That’s worth having deficits. And that’s worth having not as good a trade deal as I would normally be able to make.”」

 ディールそのもの。中国が北朝鮮問題を解決してくれるなら、為替操作国にも指定しないし(レポーツは今週出る予定)、アメリカの対中赤字をちょっと我慢しても良い......と。さて中国はどう反応するか。別問題というのが中国の立場。

 マーケット的に重要なのは、「the U.S. dollar “is getting too strong” and he would prefer the Federal Reserve keep interest rates low.」という部分でしょう。これでドル・円は108円台に一時突っ込んだ。北朝鮮情勢の緊迫で円が買われるというのは違和感がある。しかし今は「有事の円買い」ということでしょう。

 彼は「ドル高」に関して次のように言う。一部は自分の責任だ、と。「」I think our dollar is getting too strong, and partially that’s my fault because people have confidence in me. But that’s hurting―that will hurt ultimately」と。「 people have confidence in me.」とはちょっとひどい勘違い。

 後半の「the Federal Reserve keep interest rates low」は従来からの立場。基本は不動産業者ですから、金利は安い方が良い。しかし一方で今超緩和からの修正に取り組んでいるイエレンFRB議長の再任の可能性も指摘。しかし確定の話ではない。。とにかく次々のニュースを出す大統領だ。


2017年04月13日(木曜日)

 (06:45)おお、これか。日本の外務省は「海外安全情報(スポット情報)」として「韓国」を取り上げ、「韓国に滞在・渡航される方へのお知らせ〜情報への注意と「たびレジ」・在留届についてのお願い〜」とある。日付けは11日。11日のいつ頃出たんだろう。知らんかった。

 「現在,韓国については,直ちに邦人の皆様の安全に影響がある状況ではなく,危険情報は出ておりません」としながらも、「他方,北朝鮮は核実験や弾道ミサイル発射を繰り返していることから,今回改めてお知らせを出させていただきました。朝鮮半島情勢に関する情報には,引き続き注意してください」というのが外務省の見解。

 「逃げろ」とかは書いていないが、「注意して下さい」と。具体的には15日とか26〜27日を想定しているのだと思う。日本や韓国だけでなく、実際には北朝鮮の指導部の中にも動揺が走っていて、今後に関して様々な動きが出ているはずだが、今のところそれは表面化していない。

 外務省の安全情報に驚いたのは、むしろ韓国のようだ。「日本政府が韓国渡航で注意呼び掛け 米国は動きなし」と朝鮮日報。もっとも米国務省は今年3月8日のアップデートでWorldwide Cautionというのを出していて、そこには「Africa、East Asia and Pacific、Europe、Middle East and North Africa、South Asia and Central Asia、Western Hemisphere」と並んでいる。

 「Asia and Pacific」のところを見ると、「North Korea Travel Warning」と「Philippines Travel Warning」の二つがあって、韓国に関する記述はない。米軍軍属の動きも報告されていない。

 ま、この緊張感はしばらく続くんでしょうね。韓国に行く方、既に滞在さておられる方は、「情報注意」が必要ということでしょう。


2017年04月13日(木曜日)

 (06:30)訪ロしたティラーソン米国務長官は、ラブロフ外相と5時間、プーチン大統領と2時間の合計7時間も話し合ったそうだ。シリア問題を含め。

 今朝の海外報道などを参考に「合意できたこと」「出来なかったこと」をまとめると次のような事になる。まず「合意できたこと」。  

  1. 長時間の会談で従来よりはお互いが少しは良く理解できるようになったので、今後とも相互の接触を続けられるようにする。米露ともシリアでIS駆逐の戦いを進める線に沿って事態の収拾を図る
  2. その観点から、米露は関係改善とシリアの今後を検討するための作業部会(a working group)を設置する
  3. 米露は、シリアの国としての一体性(national unity)を維持すること、北朝鮮を非核化する必要性、それに軍事を含む相互コミュニケーション・チャンネルを拡大する
 ことで合意した、という。「北朝鮮」に関する部分は重要だ。中国も朝鮮半島の非核化では立場は一緒であり、これで世界の主要国は「北朝鮮、朝鮮半島の非核化」で足並みを揃えたことになる。

 では何で合意できなかったのか。もっとも意見が対立した問題は、

  1. シリアのアサド大統領の将来(ロシアは維持、アメリカは基本的に排除)。ティラーソンは「具体的なタイムテーブルはない。しかし秩序だった形でアサド大統領は退くべきであり、将来のシリアに彼が必要だとは思っていないし、世界もアサドの排除を受け入れるだろう」と述べた
  2. 対してロシア側は、アサド擁護の姿勢を鮮明にし、「他の国の指導者を選ぶのはアメリカの役割ではない」と主張
 ティラーソンによれば、現在の米露間にある大きな問題は「信頼関係の低レベル(low level of trust) 」にあるということだが、重要な点は彼が「ロシアに対するさらなる制裁にトランプ政権が反対の旨」を示唆したこと。

 ティラーソンは記者会見で「制裁措置の繰り返しとその報復は誰の為にもならない」と述べた。ということは7時間も話し合いが出来たことを含めて、それほど、つまり表面的に見える程には米露間は緊迫していない、直ぐに刃を交えるといった状態ではないとも言える。

 アサド大統領の今後以外にも、ティラーソンとラブロフ両外相は「率直で中味のある話し合い」をもったそうだ。ラブロフ外相によれば、ティラーソンとの会談ではシリア情勢に加えて、「北朝鮮、リビア、アフガニスタン、ウクライナ、それに軍縮などを話し合った」(FTの報道による)という。

 「アサドの今後」がやはり米露間での最大の「喉に刺さったとげ」というわけだが、「北朝鮮、朝鮮半島の非核化」で合意が出来ていることは良いことだと思う。


2017年04月10日(月曜日)

 (23:30)NHKBS1の夜10時からのニュース番組を見ていたら、最後になって「今NHKの取材班が(中国から)平壌に入った」と報道していたので、今頃どうしてだろうと思って探したら、こんなニュースが。

 韓国聯合ニュースの報道で、「北朝鮮が日本をはじめとする多くの海外メディアの記者を平壌に招待したことが分かり、その意図に注目が集まっている」という書き出し。「記者らは22日まで平壌に滞在できる招待状を受け取った」と話しているという。

 直ぐに私が思ったのは、「(何かがあった時には)人質になる危険性があるのに」というもの。なにせ金正男暗殺事件では、対立したマレーシアの平壌滞在者を「出国禁止」にしたのだから、その懸念はある。また海外の記者を招けば「その間は平壌は攻撃されない」と考えたのかも知れない、とも。

 もっとも素直な受け取り方は、今日から続く重要日程を海外の記者を招いて、それを海外の記者に取材させる、というものだ。しかしややこしくなるケースは、こうした海外の記者滞在中に北朝鮮が核やミサイルの実験を行った場合。

 今週末には北上しているカールビンソンも朝鮮半島に接近するので、緊張が高まる。韓国政府は今月15日の故金日成(キム・イルソン)主席の生誕105年に関連した行事を広報するために、北朝鮮が海外メディアを招いたとみている、という。

 しかし心配だな。むろんこの新聞が言うように「海外メディアの記者が平壌に招かれたことで、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射などは行われない可能性が高い」ということもある。しかしどうだろう。国威発揚ファクターがなくなってしまう。

 それにしても「生誕105年」ってなんなんですか。中途半端な。北朝鮮は4月25日の朝鮮人民軍の創建記念日に向けても海外メディアを招待したとこの記事には書いてある。その時点でも平壌には外国人記者がいるのか。

 韓国などの一部の見方では、アメリカが北朝鮮に対する攻撃をするとしたら4月27日との報道もある。その周辺に外国人記者がいれば、それはそれで問題がややこしくなる。記者さん達は何をするのだろう。

 どうせ行くところ行くところにピタッと付いてきて、「これは取材ok」とか「あそこは駄目」とか言うのだろう。何もなければ良いが。


2017年04月10日(月曜日)

 (09:30)信じられん。前田が対コロラドで勝ったので、次は岩隈だなと思っていたら(勝ち投手の権利を持って降板)、なんとマリナーズの救援陣が9回裏に7点とられて負け。だから岩隈の勝利は消えた。

 あり得ないでしょう。一回に、しかも9回の裏に7点とられるって。多分今日になっても日本人投手の勝ち星は合計1です。有力な4人の先発がいるのに。ちょっとがっかりだな。もっとも勝ち投手の権利を持って降板しても、救援が打たれるケースが3〜4回もあった。

 もっとも所属チームの問題が大きい。レンジャーズとヤンキースはチームとしてもともに5試合終わった段階で1勝4敗なので、ダルにもマー君にも勝ち星が付いていないのは当然かも知れない。

 この2チームは日曜日のデーでは共に勝ったようです。だからやっと2勝。マリナーズが最終回にエンジェルスに7点とられた顛末は、MLBのサイトでちょっと見ましたが、9−9になったあとペニントンとか言う知らない選手にサヨナラHRをくらっていた。

 ま今日の夜のNHKBS1の10時から詳しくやるのでは。救援が弱いと、先発は辛い。


2017年04月10日(月曜日)

 (08:30)5月9日に予定されている韓国の大統領選挙。あと一ヶ月を切りましたが、文在寅が圧倒的に有利とされていた情勢に大きな変化が出てきたようです。好ましいことに。

 聯合ニュースが9日夜に調査結果として明らかにしたもので、野党第2党である「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)前共同代表が文在寅(「共に民主党」前代表)を 支持率で上回ったそうだ。  それによると安氏が36.8%で首位。次いで文氏が32.7%で2位だった。韓国の5つの政党の候補者5人について成人2011人を対象に調べたという。安氏と文氏の2人だけを対象にした最近の別の世論調査では、安氏の支持率が文氏を上回ったことはある。

 しかし出馬が現時点で見込まれる候補5人を対象にした調査で、安氏が首位に立つのは初めてらしい。より大統領選挙に近い形での調査だ。つい最近、例えば10日前まで安哲秀の支持率は文在寅の半分だった。大きな、そして短時間での変化と言える。

 これは今後の朝鮮半島情勢を考える上で大きな要因だ。安哲秀はTHAADに関しては配備賛成。文在寅は反対。安哲秀が次期大統領になれば日米との関係は文在寅が大統領になるよりはかなり良好になる。

 問題は慰安婦合意。これに関しては安哲秀も「見直し論」で、日本との関係は今より悪化する。しかし対応は文在寅とはかなり違うだろうし、少なくともより柔軟な話し合いの余地が出てくる。見直しには応じるべきではないが。

 文在寅は盧武鉉大統領時代の秘書室長だった人物で、政治家としての顔は古い。多分韓国の人達には「またか」という思いがあるし、対外関係の一段の悪化は望んでいないでしょう。

 対して安哲秀は比較的新しいし、若い。政治家として本当の意味で試されてはいないが、政治の世界で新顔を求める傾向のある今の世界のトレンドからすると今後勢いを増す可能性がある。

 それに人口の約半数を占める韓国の保守的傾向の強い人々から、「保守候補は弱い。中道の安哲秀しかいない」と支持と票を集める可能性があるし、それが既に現実化している可能性がある。

 韓国の大統領選挙はまだ一ヶ月先。何があるか分からない。兎に角短期間で劇的に変わる国だ。しかし今の勢いだと、安哲秀が韓国の次期大統領になる可能性が高いと判断するのが自然だ。


2017年04月08日(土曜日)

 (14:30)59発の巡航ミサイルを使った対シリア攻撃に関するトランプの声明全文には、これまで彼があまり使ってこなかった単語が二つ使われている。

 一つは「justice」(正義)で、「We pray for the lives of the wounded and the souls of those who have passed and we hope that as long as America stands for justice then peace and harmony will prevail.」という形で使われている。

 もう一つは「the entire world」(全世界)で、声明の最後に「Good night and God bless America and the entire world. Thank you. 」という形だ。「Good night and God bless America. Thank you. 」というアメリカ大統領の演説の終わり方は普通だ。しかしそれに「「the entire world」が付いている。「God bless」の対象にアメリカと並んで「全世界」が。やや驚く。

 それはもしかしてワシントン・ポストが言うように「アメリカ第一主義を掲げ、アメリカの安全や経済的利害を最重視する方針を示してきたトランプ氏が唯一の超大国の指導者としての道義的責任に目覚めた」ことを意味するのかも知れない。

 多分トランプをシリア空爆に踏み切らせた背景は、被害者に子供、特に赤ちゃんが数多かったことだ。彼は空爆に踏み切る前に、「今回の攻撃の対象には子供達、それに赤ちゃん、小さな赤ちゃんが(chldren,babies little babies)......」と「赤ちゃん」を二回言っていた。とても怒った顔で。私にはそれが印象に残った。

 声明にも以下の文章がある。「Even beautiful babies were cruelly murdered in this very barbaric attack. No child of God should ever suffer such horror.」と。つまりトランプはとりわけ赤ちゃんが化学兵器の攻撃で悲惨な状態におかれたことに腹を立てているのだ。

 この攻撃に対して、アメリカでは与野党とも「妥当だ」という意見が強いようだし、欧州でもそのようだ。また日本の安倍首相も理解を示している。確かにあの化学兵器の被害者の写真を見ると、「人間がやることではない」と思う。それをシリアのアサド政権がやったとしたら、それは罰せられるべきだと思う。

 攻撃に伴う効果はいろいろある。習近平は驚愕しただろうし、北朝鮮も「本当に軍事力の行使を自分の国に対してもするかも知れない」と思っただろう。レッドラインを越したのはアサド政権も金正恩の政権も同じだからだ。

 北朝鮮は都合の良い判断をする可能性もある。「あ、俺たちが攻撃されないのは核があるからだ」と。しかしやや様子見に転じるかも知れない。多分分析にかかる。ロシアも政権内で緊急会合を開いたそうだが、「(トランプは)何をするか分からん」という思いはあるだろう。

 その他にもいろいろな推測が可能だ。多分ホワイトハウスではバノン(主席戦略官)の力が落ちる。彼には「justice」も「entire world」も関係ないからだ。実際に今朝のWSJにはホワイトハウス人事のリシャッフルの話があって、バノンが落ちクシュナーが上がっていく構図が描かれている。ホワイトハウスの人事は近く発表との見方もある。

 トランプは何回も書いているが、内政ではいろいろな壁にぶつかって立ち往生。外交で打開は図ったとも読める。しかしもっと直接的には「子供、赤ちゃんに化学兵器を使うなんて許せん」という義憤だと思う。

 なので、戦略的というよりは条件反射的な措置であり、「その後」は考えていないように見える。それが残る問題だと思う。


2017年04月06日(木曜日)

 (22:30)今日改めて思ったのは、桜が一番綺麗に見えるのは「静かな池鏡に映って、上下対照に見えるケース」だと。例えば下の写真。

靖国神社 神池の桜

 今朝の靖国神社の神池庭園の桜ですが、池鏡に綺麗に映って実に見事です。桜が本当に綺麗に見えるためには、静かな水面が必要だと思いました。海では常に波が起きてこうはいかない。
日比谷公園の鶴の池

 もう一枚。これは日比谷公園の鶴がいる池の小ぶりの桜の姿です。これも小ぶりの割には池面にも同じボリュームがあるので、綺麗です。

 しかし今日は靖国、国立劇場などで既に少しですが花散りの状態が起きつつあった。午後は強い風があったので、それでもう少し花びらが飛んだのだと思います。これから週末にかけては雨も予想されている。ということは、お堀やお池に「花筏」だ出来るケースがでてくると言うことです。

 あともう一枚。「これは綺麗」と思った桜。それは乃木神社のそれです。5日に撮影。六義園の枝垂れとは色がちょっと違う。ピンクが濃い。花と花の密度が濃い。水はなくとも、綺麗でした。

乃木神社 見事な枝垂れ


2017年04月05日(水曜日)

 (22:30)明日、明後日の両日に開かれる米中首脳会談は極めて重要なものになりそうだ。北朝鮮は「中国よ。結局どっちにつくのだ」と問いかけるように4日の朝に弾道ミサイルを発射した。

 トランプ大統領にとっても、「(対北朝鮮対策を)中国がやらないのなら、我々だけでやる」とまで言った直後なので、例えば今日のミサイル発射に加えて北朝鮮が米中首脳会談中に核実験などを行った場合、「では何をトランプ大統領がするのか」という問いかけが始まることになる。

 北朝鮮の金正恩の狙いは自分の体制の維持。アメリカから体制を安堵してもらうこと。加えて中国からも。今北朝鮮がやっていることがそれに繋がるとも思えないが、彼は「この道しかない」と考えているフシがある。

 多分中国は「時間かせぎ」に出る。しかし時間の経過はアメリカにとって「北朝鮮の脅威の増大」を意味する。ということは、時間の経過は中国を巻き込んで米朝の対立のエスカレートを意味する。

 それが明日、明後日の段階でどう動くかは分からない。しかし「トランプの任期末までにはアメリカに届く弾道核ミサイルを北朝鮮は完成させる」という認識が共通になりつつある中で、「時間的余裕」はアメリカにとっても少なくなりつつある。

 多分、米中首脳会談の際の対応などから、アメリカの今後の出方はある程度予測出来る。北朝鮮問題以外にも、米中には貿易問題など様々な懸案がある。オーストラリアの首相を電話で冷たくあしらうことは出来ても、習近平はそうはいかない。

 ところで、高校野球をつい最近見た目で日本のプロ野球を見ると、なんかとろとろしていますね。今日の対ジャイアンツでのDNA井能の投球間隔の長いこと。あれではベイスターズの選手でも嫌になるでしょう。

 テレビ中継は spin rate (投手が投げたボールの1分間換算の回転数)の表示などもないし、もうちょっと中継も工夫して欲しいな、と思いました。それと、「中日はいつ勝つのか」と思って見ているのですが、今日は対広島で3−3で10回裏まで来た。ナゴヤ球場なので、勝ちのチャンスは5割以上ある。これまで4連敗。


2017年04月04日(火曜日)

 (05:30)今朝のBBCによると、ロシアの治安当局者は「(他の可能性も調べるが)あれはテロだ」と。サンクトペテルブルクの地下鉄爆発です。

確か午前11時頃。綺麗でした。しかしまだちょっとボリューム感が足りない  爆発は地下鉄の駅と駅の間で起きて、今現在では11人の方がなくなったそうな。ケガ人は50人以上に達するらしい。重要なのは他の地下鉄の駅でも爆発物が発見され、それは無力化されたらしい。

 となればテロでしょう。私がこのロシアでもっとも魅力的な街に行ったのは2011年の9月です。ウラジオストックからシベリア鉄道に乗りイルクーツクまで。4日くらい列車の中だった。そこから空路サンクトペテルブルクに。

 綺麗な街でした。また物理的に「沈みつつある街」(街全体が地盤沈下している)なのですが、あの街なら何回も行きたい。でもその時は地下鉄には乗りませんでした。走っているのは知っていましたが。

 反メドベージェフデモといい、今回のテロといい。プーチン政権がどうなるのか。でも考えればテロはロシアでも数多く起きている。劇場が狙われたときもあった。その意味では彼がサンクトペテルブルク滞在中に起きたとは言え、直ちにプーチン政権に打撃ということも無いかも知れない。逆に反政府派に対する締め付けを強める可能性がある。

 東京の開花宣言は日曜日でした。「もしかして今年は満開を見逃すのではないか」と思っている方。全然大丈夫です。満開宣言は言ってみれば「特殊標準木的な問題」です。まだまだ多くの都内、そして全国の桜の名所では、満開はこれからです。都内では多分今日か明日。

 実は昨日は六義園に午前と夜の2回桜を見に行きました。どちらも仕事を終えた段階で。どちらが綺麗かと思って。午前は良い天気でしたが、夜は「今日は無理」と最初思った。

 夕刻の仕事は大手町の日経のスタジオでのテレビ収録でした。大手町に移動したのは午後6時過ぎ。凄まじい雷と雨だった。「今日はやめよう」と思った。しかし頭の一方に、「この嵐が収録終わりに上がっていれば、チャンス」と。人が散る。

 スタッフ達と行こうと思っていたが、外が見えないスタジオなので、出るときに諦めた。しかし外に出て車を道に出したら、空には月が。雨も風も消えていた。なのでそのまま六義園に。大手町からは10分ちょっとです。直前の雨と嵐のおかげで、全く並ばずに夜桜見物。染井門から。

六義園はお庭も綺麗です  でも昼と夜の写真の両方を見ていただければ良いのですが、この有名な枝垂れ桜も満開ではない。都内では早咲きのしだれ桜と言われる六義園のこの桜も、上の方は花がまだついていない。

 六義園のサイトで見ても、六義園の近くの商店に飾られている写真を見ても、満開というのは木の上まで花が付いたときです。ということは、私が昨日見た段階で「8〜9分咲き」と言える。NHKが月曜日の朝「満開」と言っていたが、あれは時期尚早。

こちらは新宿御苑の大木戸門を入って直ぐの日本庭園の桜。これも綺麗でした  ただし今日明日は嵐が夕刻にないので、昼も夜も六義園の染井門と正門の両方ともかなり人が並ぶと思う。昼に行くなら開園直後の午前9時から午前10時半頃までかな。まだ人が少ないのは。

 天気予報を見ると、水曜日は天気は良いが、木、金、土は悪い。再び天気が良くなる日曜日を待つと多分都内の桜の名所はちょいピーク過ぎかな。なので六義園の枝垂れに限って言えば今日明日がよろしいようで。

 ピーク過ぎの散る桜も良い。花びらがヒラリ、ヒラリ。加えて、日本列島は各地で満開桜を堪能できる。その後は桃とか八重とか。楽しい季節です。


2017年04月02日(日曜日)

 (12:00)なんだ、最初に放送されたのは1月3日か。BS1スペシャル「欲望の資本主義2017 ルールが変わる時」。ビデオクリップに残っていいたが、いかにもNHK的なタイトルで最初に録画した時のは捨てていた。海外にいて、いろいろ貯まりすぎていたので。

 それが今朝かな、再放送があってその分が再び録画されていたのでタイムシフトで見たら、これが面白かった。再々放送しますよ。多分。間にBSニュースが入って上下に分かれていて長かった。

 しかしとっても面白かった。全編を紹介することは出来ませんが、一番ビックリしたのは番組の最後に「禅的資本主義」の単語が出てきたことかな。「欲望の資本主義」とはかなり違う。正反対。

 その一言が出てきたのは、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネッジメントの投資ストラテジルトであるルチル・シャルマと、トマス・セドラチェックというチェコ総合銀行のチーフエコノミスト(経済学者)との会話の中。

 この二人の会話はエクサイティングで良かったが、なによりもトマス・セドラチェックという人の考え方に賛同したな。成長資本主義という単語を持ち出していた。彼は「いつからか」と言っていたが、その問題に対する私の考え方は、「それは民主主義という政治の枠組みの中で、政治家が国民に植え付けた」というもの。彼はそれを言っていなかった。

 この番組はとっても面白く出来ている。しかし「サイレントフォース」の問題にしろ、政治と密接に関わっているのだから、「政治との関連」をもう少し掘り下げれば、もっと面白くなると思った。

 「保護貿易は労働者階級の所得を増やし、それがまた貿易を活発化させる」というエマニュエル・トッド(フランスの歴史人口学者・家族人類学者)の話も非常に面白かった。トランプが体現するアメリカの保護主義の行方を考える上でも参考になる。

 あまりに面白かったので、後日また時間のある時に見直そうかな、と思っています。


2017年04月02日(日曜日)

 (11:00)知らんかったな。ノーベル賞の賞金って、記念講演しないと貰えないんだ。偉業に対する報償という意味もあるが、一種「講演料」でもあるんだ

 なのでボブ・ディランは過去にもお一人いたように、「受賞から六ヶ月以内」という条件に会うように、「講演を録画して委員会に送る」そうな。見て見たいが、受賞の際の声明のように、あまり長くないんじゃないかな。

 それにしてもディランらしい。受賞はストックホルムでメディアをシャットアウトして委員会のメンバーと親密な雰囲気で、かつ小規模で行われたらしい。なぜ彼がストックホルムに、と思ったら、「音楽公演が土日にあったから」ということらしい。その合間を見て、と。

 ディランの公演なんてずっと前から決まっていたでしょうから、受賞から6ヶ月以内での「ストックホルム公演」がそもそも予定に入っていなかったらどうなっていたのか。賞金の1億円相当のマネーなんて、彼にとってはそれほど重要じゃないでしょう。でも「彼は受け取る」とずっと思っていたのは、彼はアメリカでの賞を断ったことはないように覚えていたからです。

 実にタイミング良く昨日のNHKは深夜にボブ・ディライの特集をパート1、パート2で長い時間やっていた。総合かBSかはっきり見ていなかったが。通しで見たわけではないが、面白かった。

 小さいときに生まれたアメリカの田舎町の印象とかが、映像とともに出てきた。街のメインストリートが3ブロックで切れたとか。ウエストポイントに入りたかったって、初めて聞いたような。「英雄として早く死にたかったので」とも。「でも入れなかった」と彼。

 歌もいくつも出てきたが、うーんどうかな。あまりうまくない。要するに「歌詞」ですよね、彼の一番のあんこは。私はそう思う。もちろん歌い方も面白いし、それは日本の誰それの歌い方にも影響を与えたと思う。

 ポールのように日本に足繁く通ってくれないかな。まだ一度もディランの生歌を見ていない。来たら絶対に行く。


2017年04月01日(土曜日)

 (23:00)今年はいつもの年より控え気味なんですが、あの国だけは違いますね。

 「ドイツが欧州時間をやめ英国時間を採用か?」と英「インディペンデント」。ドイツはご存じの通り欧州中央時間(日本と8時間差、夏時間は7時間)を採用している。これに対して英国時間は日本と9時間差で夏時間は8時間差。

 インティペンデントのニュースは「それを同じにすることの是非を問う国民投票をドイツが実施する」というもの。むろん英メディア恒例のエープリルフール記事の一つ。まずまず笑える。

 ドイツがイギリスに時差で足並みを揃える....というイギリス中心の考え方の露呈....などという堅苦しい話ではないでしょうが、ちょっとそう考えてしまう。ブレグジットが話題だけに、ちょっと面白い。

 インティペンデントは、ベルリンのアレクサンダー広場にある世界時計の上にロンドン郊外のグリニッジ天文台にある24時間時計の模型が置かれている様子や、投票用紙の写真をあしらって、「ドイツ人にとって人生最大の選択の一つ」とする政府報道官の発言を引用しているらしい。サンケイ新聞が報道。

 一方共同電によると、英大衆紙デーリー・ミラーは、英国のヘンリー王子(32)が交際中の米女優メーガン・マークルさん(35)と米国で極秘で式を挙げたとする記事を見開き2ページで掲載したという。

 世界的に「フェーク・ニュース」が問題視される中で、ネットを見てもあまり日米ではエイプリル・フール関連のニュースはない。それ自体がフェークであるので。までも、遊びとしての嘘ニュースには悪気はない。「ははは」と思うだけ。

 逆にエイプリル・フールが自粛されるような社会状況はあまり好ましくない、と思える。



ALL RIGHTS ARE RESERVED.Copyright(c)1996〜2026 伊藤 洋一