2017年03月31日(金曜日)

 (05:00)本来なら驚いてしかるべきニュースが二つ。朴槿恵・前韓国大統領逮捕と、金正男の遺体の北朝鮮への移送を含むマレーシアと北朝鮮の手打ち。

 逮捕には普通二つの理由がある。一つは逃亡の恐れ、もう一つは証拠隠滅の恐れ。なので逮捕で身柄を確保する。しかし彼女の場合には前者はない、と言われていた。だとすると「証拠隠滅の恐れ」だが、あれだけ調べておいて今更それはないと思う。

 だから実体はまたまた韓国の裁判所が「国民情緒法」を影で援用したのだと思う。表だってそうは言えない。しかし裁判官の頭の隅に、「国民の7割以上が彼女の逮捕を望んでいる」という思いが、逮捕状の発付に繋がったのではないか。

 「驚くニュース」と言うべきを「驚いてしかるべきニュース」と書いたのは、驚いてしかるべきニュースなのに「やっぱりな」という思いが強いからだ。韓国では国民の情緒が高まる案件では、しばしば法よりも「情緒」の方が判断基準になる、との印象が強い。

 問題はそれが外交などにも影響を及ぼすことだ。多分これは、国際社会で「(韓国は)特異な国」との印象を強めるだろう。結局「法治の国ではない」との印象が強まる。「韓国疲れ」が広まるような気がする。面白いを通り越している。

 より「驚くニュース」に近いが、それでも依然として「驚いてしかるべきニュース」なのは、マレーシアと北朝鮮の手打ちだ。双方が相手国に足止めされていた国民の国外脱出(既に完了したようだ)を可能にし、その中には金正男暗殺の犯行に関与したと思われる北朝鮮の関係者二人も含まれる、また金正男の遺体も北朝鮮に移送だと。

 今朝のニュースは「真相の解明は一層困難に.....」と書いたり、言ったりしているが、実は「お互いに真相を究明し、それが明らかになることを嫌がった」とも受け取れる。

 北朝鮮がそれを望むには十分な理由がある。二人がマレーシア警察に身柄拘束され、捜査の対象になるのは避けたい。金正男の遺体も確保出来るのなら、そんなに良いことはない。

 しかし一見不可解に見えるのはマレーシアの対応だ。自分の国で猛毒を使った暗殺事件を起こされて、本来なら怒り、強く抗議すべき問題だ。だから北朝鮮との外交関係は著しく緊張した。

 しかしマレーシアは譲歩した、と思える。自国民9人の安否を心配したというよりも、「北朝鮮と付き合うことのメリット」を重視したように見える。各国から貿易で制約を受けている北朝鮮は、マレーシアにとってメリットのある貿易相手国だという。

 しかしこれはマレーシアの国際的評価を低めるだろう。「話が分かりすぎる国」という訳だ。マレーシアに滞在する北朝鮮の国民は300人を超えるという。彼等はこれからどうするのか。ちょっとビックリだな。「(遺体は)親族に引き渡す」というマレーシアの従来の主張は一体どうなったんだろう。

 金正男は、腹違いの弟である金正恩が独裁者として君臨する北朝鮮には「遺体として帰る」ことは望まなかっただろうに。


2017年03月29日(水曜日)

 (07:00)今日はイギリスがEUに「離脱」を正式通告する日。今後の交渉は難しいでしょうね。イギリスは貿易に関してはヨーロッパで「疑似EU加盟状態」が欲しいでしょうし、EU加盟国は良い条件でイギリスに離脱を認めれば、続く国が出てくる危険性を心配する。

 ロンドンなどに欧州事業の本部を置いていたり、欧州取引のベース通貨をポンドに設定してきた一部の会社(日本の会社もそうですが)は、「欧州本部機能の少なくとも一部の欧大陸移転」「遅ればせながらベース通貨のユーロへの転換準備」をしなければならない。

 それは今年の一連の欧州での選挙を待って決めても良いが、英とEUの実質的交渉が始まるのは5月くらいということなので、9月のドイツの選挙が終わってもイギリスとEUの関係がどうなるか展望できない可能性が強い。

 今朝ロイターがかなり長い間のニュース・ブラックアウト後に、「習近平が4月6、7日に訪米する」とまたまたの報道。しかし他にフォローの報道はなく、まだ不確かな状態。決まるかどうかは北朝鮮情勢を見る一つの視点ですが。

 それにしても、今後がある8人もの高校生と若い先生の命が奪われた事故。「事故」というにはあまりにも悲惨です。「冬山登山はやめるが、ラッセルくらいなら」と雪中ラッセルを決めた指導者達。

 対して「こんな中でもやるのか。やめた方が良いのでは」と思った一部の生徒。スキー場のそばではあるが、スキー場の場外の傾斜地での前日豪雪の中でのラッセル。ラッセルって、要するに新雪に刺激を与え、時に雪面に切れ目を作るようなものなので、どうなんでしょうか。

 日本時間早朝のサウジーイラクはどうなったかと思っていたのですが、FIFAのHPを見たら「1-0」でサウジの勝ちらしい。なので、対タイ戦で4−0で勝った日本が得失点差でアジアB組のトップに。差は「1」。

 日程を見ると、6月08日にアジアBグループ3位(勝ち点13 3勝4分けで負けがない)のオーストラリアが、勝ち点で日本と16で並ぶサウジと戦うので、それが一つの分岐点かな。グループで「2」の確定出場枠なので、勝ち負け・日本にとっての損得の判断は結構難しい。

 日本がイラクと戦うのは6月13日。それに勝てば(可能性は高い)かなりWC出場が見えてくる。日本の対豪州(分けが多く、決定力不足 ?)は8月31日。暑いな。日本とサウジが勝ち点を積み重ねれば、9月05日のサウジー対日本はアウェイだが、両方ともワールドカップ出場を既に決め、「順位争い」になる可能性がある。むろん「順位」は重要ですが。

 時間がなく他の大陸の動きはあまり良く見れなかったのですが、オランダがやばい。ドイツは強い。スペインは順調。欧州での予選はアジアほど進んでいません。

 なのでまた日本は「世界で最も早くロシア・ワールドカップ出場を決めた国」となる可能性がある。前回通り。むろんそれがサウジになる可能性もある。


2017年03月26日(日曜日)

 (21:00)はっきり言って、今年の東京の開花宣言は完全に「フライング」ですわ。今日靖国神社に行ってそう思った。

 だってね、確認したのですが、靖国神社に数多く植えられている桜の木の中で、「咲いているな」と思えるのは僅かに数本。問題の標準木でも咲いていたのは1割くらい。寒さと雨の中で、「とてもそんな雰囲気ではない」という感じ。

まだまだ広がりは少ない  開花宣言が出たのが21日。私はその日は動けなかったので22日に行ってみた。そしたら本当に5輪は咲いていた。標準木は本殿正面の門をくぐって右奥。標準木で咲いている箇所は、本殿を背にして左下だった。重要なのは、5輪がその一部分に固まっていたこと。神社内の他の桜の木はその気配もなし。

 そして5日たった今日行った。そしたら、標準木では開花した花は広がってはいた。上の写真の通りです。しかしそれでもごく一部。重要なのはこの標準木が相当な老木だということです。下の写真で明らかなとおり、神社内の他の桜の木にはほとんど開花したものがない。

見頃にはほど遠い。大部分はつぼみのまま  今年の東京の開花は「全国一早い」ということらしい。しかしその宣言に誘われたのか、今日も既に靖国周辺は凄い人出で、神社内の駐車場も一杯。しかしとても「桜を楽しむ」という雰囲気ではない。だって開花が少ないので。

 写真の通り「標準木」は支えられてやっと立っている。どう考えてもあの木を標準木として使い続けるのは無理がある。あの木を使う限り、あの一部の場所で(去年もそうでした)花は5輪先行して咲くので「東京が全国に先駆けて」となるかもしれない。

 日本の各地には「桜開花の標準木」がある。ネットで調べると一発で出てくる。私はその内、東京、大阪、そして高松のそれを確認したが、東京のは一番の老木です。うーん、いつか引退が来るんだろうな。その時にやはり東京の開花は全国一になるのかどうか。

 多分標準木を選ぶのは難しい。しかしなるべく公平な条件でないと。


2017年03月26日(日曜日)

 (20:00)うーん、やっぱり気になるな。三月の中旬に FTなど一部のマスコミが報じた習近平の訪米が全くその後動いていない。むしろ止まった。

 だって中国は秋の人事の季節を控えて「アメリカとの関係で一種の安心構造」を構築したいでしょう。トランプという人との個人的な関係も欲しいに違いない。だから順番としてはアメリカのトップが中国に来る番だが、習近平は訪米を検討していた。それがかなり進んだのが3月中旬。

 日本、韓国の次に中国に行ったティラーション国務長官が、「習近平の訪米」を詰めると思われていた。しかし全くその後動きがない。その時の報道では、習近平の希望により安倍首相も泊まったMar-a-Lago(トランプのフロリダの別荘)での会談が予定されていた。

 しかしその後動きがないということは、予定を進めるに不都合な事態があると見ることが可能だ。私はその一つの要因に「北朝鮮情勢」があるのだと思う。今日の夜7時のNHKニュースは、稀勢の里の次に北朝鮮情勢を扱っていた。

 米韓軍事演習に反発して北朝鮮は「先制攻撃」を警告しているらしい。何度もしているから「またか」という状況もあるが、今回はアメリカも先制攻撃を選択肢として検討する中での北朝鮮の先制攻撃警告。

 ほぼ確実なことに、ティラーソンは中国の首脳と北朝鮮情勢を話し合った。その中で先制攻撃の可能性も示唆したのだと思う。これは中国として「そうですね」とは言えない。多分「それはやめて」と言ったのだと思う。

 しかし仮にあるとしても、アメリカの先制攻撃には「時間的制約」がある。韓国で5月9日の新政権が出来た後は親北勢力が政権を取る可能性が強い。そしたら先制攻撃には絶対的に韓国の同意が必要だから、難しくなる。

 もっともアメリカのトランプ政権も習近平を迎えるに十分な状況ではない。トランプはあちこち壁にぶち当たって立ち往生だ。しかし米中関係にはやはり習近平が行けない状況があるのだと思う。

 その辺は北朝鮮の核実験の動きのなかで、やはり注目しておいた方が良いと思う。北朝鮮のミサイルは失敗も多いが、故に日々進歩している。


2017年03月25日(土曜日)

 (05:00)「トランプケアはどうなったかな」という意識もあったし、2週置きに書いている新聞社向けのコラムの執筆もあったので早めに起きたら「共和党、法案を撤回」と速報

 大統領選挙の最大のウリ(オバマケアに代わる保険制度法案の作成)の一つでの惨めな敗北。大統領と与党の共和党にとって。なぜ「惨め」かというと、「共和党の中さえまとめられれば通った法案なのに、党内の穏健、超保守の両方から反対が出て、必要票を集められなかったため」だから。

 浮き彫りになったのは「トランプ政治の行き詰まり」だ。マーケットにはオバマケア(医療保険制度改革法)のトランプケアへの書き換えに失敗した共和党やトランプ大統領は、「他にある課題の税制改革やインフラ投資に注力する......」との見方もある。しかしこの敗北の意味するところは大きい。

 トランプ大統領はこの共和党指導部作成の保険法案を通すために120人の下院議員に直接会うか、そうでなくとも電話をして「支持」を呼びかけたそうな。しかし「実施されれば数年内に2400万人が保険(健康)を失う」という議会調査もあり、共和党穏健派は反対。

 一方、「指導部案程度のオバマケア見直しでは生ぬるい」とする保守強硬派も反対。その両サイドからの反対は最後まで34票残ったそうな。共和党が下院で持つ票は確か237だった。それから34引くと法案通過に必要な216(ライアンは記者会見でこの数字を言っていた)に届かない。

 この間選挙で負けた民主党は何もしていない。民主党はトランプケア反対で一致していた。見ていただけだが、共和党が勝手にころんだ。トランプの懸命の努力(オバマの陰影からの脱出)も実らなかった。

 鮮明になってきたのは「トランプ政治の行き詰まり」かな。移民政策でも躓いたままだ。大統領も、そして議会も抑えて、アメリカの政治では「これからはすんなり物事が運ぶ」はずだったが、どっこい。

 「トランプ政治の不可能性の顕現化」とも言える。


2017年03月24日(金曜日)

 (05:00)朝起きて最初に確認したのは「日本は勝ったのか」でした。昨夜見れなかったので。良かったですね。ビデオを見ましたが、危ない場面は結構あったような。しかしPKもなく、良い試合だったようで。

 これで日本のワールドカップ出場はかなり視界が良くなった。まだ全部見れていないのですが、サウジが勝ったので日本の2位は変わらず。しかし他のグループでは今の中韓関係の緊張で注目された中国ー韓国は1−0で中国の勝ちらしい。これで韓国が何位になったのかは知らない。

 森友問題は昨日は籠池氏の証人喚問。昔は手が震えた人もいたらしいが、彼はそうではなく、緊張はしていてもある意味しっかり受け答えし、時には「国会議員なぞなにするものか」という雰囲気があったように思う。

 今までの主張を証言でしっかり発言していた。しかし一方で「了承ももらっていないのに小学校の名前に勝手に有名政治家の名前を使うか」「寄付振り込み用紙を使い続けるのか」とか、数多くの疑問がの残った。彼の非常識さも浮き彫りにされた、と思う。

 彼が名前を挙げた人々は昭恵夫人を含めて、彼の証言を否定。なので「これで一区切りついた」(竹下さん)というのは無理筋でしょう。彼の証言の正確性を含めて、今日の参考人招致などは有用だし、もっと究明することはあると思う。

 ところで今日の夜9時55分からの「ニッポンどうでしょう」とか言うフジテレビの番組で料理カウンターが取り上げられ、その中では私が書いた本が取り上げられます。スタジオにはいませんが、ロケもしたので多分私も出るのでは。時間があったら見てやって下さい。


2017年03月22日(水曜日)

 (13:32)日本チームに内野で出た二つのエラー。ひょっとして天井のない野外休場(ドジャースタジアム)で雨が降って.....場所によってはぬかるんでいたように思う。あまり日本の球場ではないパターン。直ぐ試合を止めますから。

 しかしいつもはエラーが少ない菊池と松田がそれを犯した。記録上は松田のファンブルはエラーではない。一塁では刺しているので。しかしきっちり取っていたらホームに投げられたので、アメリカに1点は入らなかった(と思う)。

 菊池のエラーは明らかにバウンドをあわせられなかった。人工芝に慣れたせいか。アメリカの芝は背丈がある。あとはチャンスで打てなかった筒香。それにしてもアメリカのピッチャーは丁寧に投げていた。シリーズでも見ないような。

 日本チームに何が欠けていたのか。慣れない環境での試合運びと選手の心理 ? 心配したとおりアウェーでの試合経験のなさ ? いろいろ言えると思う。しかしそれを乗り越えて欲しかった。

 だって決勝戦のアメリカとプエルトリコじゃ「国際試合」じゃないような感じ。それでも選手の方々には「お疲れ様」といいたい。私はやったことがないので分からないが、日本に勝ったアメリカの選手も「国旗を背負う試合の重さ」に触れていた。日本の選手もそうでしょう。

 そういえば、明日はワールドカップのアジア最終予選がある。これもいい試合を期待したい。試合結果は 「日本1ー2アメリカ」。アメリカの2点はどちらもエラー絡み....。それにしても日本のピッチャーのレベルの高さは証明されたように思う。


2017年03月21日(火曜日)

 (08:32)お、いいね。TBSはプエルトリコ対オランダを生中継するんだ。今までの、例えばアメリカ対ドミニカなど見たかったのに、日本のテレビの中継はなし。

 MLBテレビは米国内で中継をしていたうようだが、「一部の国では見れません」と冷たかった。明日も当然、日本対アメリカはどこかのテレビ局が中継するでしょうから。でも、両方とも予定があるんだよな。でも日本のテレビがやってくれるなら、いろいろ方法はある。

 ところで今朝文章を書くためにサイトに渡って気がついたのですが、FRBのHPの景色が一変していた。最初「トランプのホワイトハウスのHPか」と思った。少し中を移動していたら、それほどコンテンツの表示順序は変わっていない。でもリリースがあるときの為に、少し慣れておかないと。

 朴槿恵の検察出頭は今朝ですか。いよいよ「大統領の犯罪」に関して本人からの捜査聴取が行われる。青瓦台を出るときは声明らしい声明を出さなかったが、今日は少し中味のある声明を出すらしい。韓国では第3の財閥のトップも検挙されている。混乱は続く。

 アメリカでのFBIのコミー長官が「(テロ対策の一環として)トランプの大統領選挙を担った人々とプーチン政権の関係を捜査している」と述べたのは、「(アメリカでは)様々な権力の相互監視が出来ている」という意味では、「ナイス」と思いました。

 アメリカでは司法もしっかりしている。トランプが暴走をしようとしても「なかなか出来ない」というのは良い事だ。オバマのトランプタワー盗聴はない、とコミー長官。これは明確だった。

 北朝鮮情勢に関しては先日書きましたが、日本のこの問題に関する関心が低いのにはビックリする。豊森もむろん重要だが、日本が置かれている国際情勢の展開という意味では、はるかに北朝鮮を巡る情勢の方が大きい。

 北朝鮮はティラーソンの中国首脳との会談の最中に、長距離弾道ミサイルの発射実験を実施。「能力はかなり上がっている」というのが韓国の軍事筋の判断だ。抑制のきかなくなった若き指導者は、追い込まれているだけに危険だ。


2017年03月19日(日曜日)

 (07:32)思い出しました。ちょうど一週間前の週末は秋田県の乳頭温泉郷にいましたので、その話を。新幹線で田沢湖駅で降りて、バスで40分ほど北に行った雪の中の有名な温泉郷です。

 冬に行ったので当然ですが、寒かった。夜だとマイナス7度くらいだった。2日弱いましたが、絶え間なくこまかい雪が降っていた。東北の冬らしい景色です。路肩の積雪は人間の頭の高さを越えます。車も人も雪のトンネルを通過していく感じ。一年間友好なので、まだ楽しめそう  乳頭温泉郷での狙いは「鶴の湯」(http://www.tsurunoyu.com)でした。「鶴の湯」はまた旅館の名前でもあるのですが、有名なのはそこの露天。その露天に昼と夜の両方入りたかった。入り比べ。

 それには「鶴の湯」か、そうでなければその別館である「山の宿」に宿泊しなければならない。宿泊しなくても入れる時間帯(日帰りコース)の最後は午後の3時。それでは夜に入れない。

 ところが「鶴の湯」は予約が難しい。トライしたが日程があわずに、今回は「山の宿」に投宿。こちらは運良く予約が取れた。バスで5分くらい離れている。しかし宿の建物の感じや食事はほぼ同じです。冬の夜の鶴の湯はええですよ

 この二つの宿は同じ源泉。ともに白湯、黒湯、そして露天があるが、全部温泉は乳白色をしている。「鶴の湯」の方が露天は規模は大きい。当然ながらそれが狙いなので、昼と夜の両方でかけました。「鶴の湯」の露天は何と言っても夜が良い

 雪明かりと夜空からの明かりが、乳白色の湯面をゆるやかに、そして優しく照らす。お互いの顔は接近しても見えるか見えないか。女子用の大きな露天もあるそうですが、有名度が違うので女性も夜にはかなりの数、有名な混浴風呂に移動してくる。

 独特の雰囲気です。その女子の移動路を「姫の通り道」という。むろん着脱場は別です。夜は囲炉裏での食事湯はちょっとぬるい。夜の気温低下もあるのですが、そもそも湯温は低いように感じた。しかし左手右奥に泡が上がっているところがあり、そこは恐らく地下から比較的熱い湯が出ている。その周囲は温かい。

 自然にそこに人が集まる。そこにいれば結構長く滞在することが可能です。仮に寒くなっても、「中湯」「白湯」「黒湯」といろいろなタイプの湯温・湯質の違う湯があり、そこで温まれば大丈夫です。

 昼の「鶴の湯」の露天は、言ってみれば普通の山あいの大きな露天です。あまり雰囲気はない。だから私は「夜の鶴の湯の露天」をお勧めします。加えて冬が良い(と私は思う)。雪が回りを覆う。郷なので色々な湯があります

 しかし乳頭温泉郷は「鶴の湯」ばかりではない。「山の宿」の露天風呂も良かった。その他乳頭温泉郷の「湯めぐり帖」(それを買えば全ての湯に入れる)の対象になっているのは「蟹場」(がにば)「孫六」「大釜」「妙の湯」「休暇村」とあり、その他に冬季休業の「黒湯」がある。

 そのうち「蟹場」「大釜」には行きましたが、湯色、湯質が違って楽しい。前者は透明湯だった。でも目の前は雪の壁です。それが良い。写真の湯めぐり帖は一年間有効です。なので、その期限が切れる前に、あと1度か2度行きたい。その予定です。


2017年03月18日(土曜日)

 (17:32)うーん、このU.S. Says Military Strike Is Among Its North Korea Optionsという記事などを読むと、ティラーソンの中国訪問が極めて重要になってきた、と思う。対北朝鮮でも、そして米中関係の今後にとっても。

 「(北朝鮮との)直接交渉はしない。オプションの中には”the option of a pre-emptive strike”が入っている」ということは、要するに「話し合いをせずに先制攻撃の可能性あり」ということですから。中国は「それはやめて」というでしょう。

 なので、ティラーソンの中国の習近平や王毅外相との話し合いは極めて「緊張するもの」になる可能性がある。今の予定では4月の6日、7日くらいに習近平が訪米して...トランプのフロリダの別荘で会談....という予定だが、「それどころ」ではなくなる可能性がある。

 アメリカが「軍事オプションも」と言っている中では、北朝鮮も黙ってはいないでしょう。北朝鮮の核、ミサイルの繰り返しは、「振り向いて話し合って欲しい。体制を安堵して欲しい」ということなので、「(アメリカに)話はしない」と言われたら、別のルートを選ばざるを得なくなる。その中では北朝鮮のサイドにも「先制攻撃」がオプションになる。

 北朝鮮の先制攻撃は「国家の消滅」を覚悟してのこととなるが、「ない」とは言い切れない。なので、するつもりもなく「(アメリカが)先制攻撃も」と言い続けるのはリスクです。だから多分、「リスクを覚悟して言っている」のだと思う。

 朝日新聞の記事によるとティラーソンは、「韓国の面会申請を次々却下」したそうな。韓国サイドは「尹炳世(ユンビョンセ)外相主催の夕食会や洪容杓(ホンヨンピョ)統一相との会談を打診したものの、多忙を理由に全て断られた」そうな。

 韓国サイドは「大統領が罷免(ひめん)された政権に用はないということか」(政府関係者 朝日新聞の報道)とひがんでいるらしいが、そういうレベルの話では多分ない。それはアメリカサイド、ティラーソンサイドに「対中国の話の中で、結構緊張する場面があり、その対応をどうするか」をワシントンの国務省やホワイトハウスと話し合っている、と考えるのが自然だ。

 恐らく先を読むその一つの目安は、「習近平の訪米の日程が決まり発表されるのか」だ。それが決まれば、「専制的な軍事オプション」の実行は少し先になる。中国は恐らく「俺たちだけに頼るな。少し北朝鮮と話をしたら」と言うだろう。

 しかしティラーソンやトランプが金正恩と話をするとはとても思えない。ということは、「話をせずに、the option of a pre-emptive strike」を実施に移す可能性があると言うことだ。

 「軍事作戦」となれば、斬首と核・ミサイル施設破壊が主な狙いになる。問題は、1000門と言われている「ソウルに向けられた大砲」をどう無力化するか。多分デジタル経由は無理です。なので、軍事オプションの選択は韓国の同意が必要になる。ソウル(38 度線に近い)は火の海になるので。臨時政府でそれが出来るのか。

 しかし逆に言えば文在寅が大統領になった韓国は、北朝鮮への軍事オプションをokする可能性は少ない。なので、「やるならあと50数日の間」ということになる。この辺は微妙だな。ティラーソンもトランプも言ってみれば「新人」。何を考えているのかを推測するのはなかなか難しい。

 日本もミサイル防衛をしっかりしないと。北朝鮮は何をするか分からない。


2017年03月17日(金曜日)

 (14:32)投票率が80%という日本では考えられない高率になったオランダの議会選挙。「ヨーロッパを席巻している」と言われ続けた「移民排斥・EUからの遠心力運動」の先行きについて、同国の選挙結果から見えてきたものがある。

 それは一般的に「極右」と言われる政党(オランダではウィルダース率いる自由党)は「伸びるが、政権を取るところまで行かない。政権奪取からはまだかなり遠いところにいる」ということでしょう。

 それは多分フランス(ルペン率いる政党)やドイツ(ドイツのための選択肢運動)でも同じです。トップ(首相など)選任において「直接選挙か、間接選挙か」というシステムの違いにおいて、ヨーロッパでは間接を取っているところが多い。

 恐らくアメリカが多党による議院内閣制だったら、クッションがあるのでトランプは大統領として登場していなかった。圧倒的な二大政党制で、かつ大統領はほぼ国民の直接選挙制(州ごとに勝者と獲得選挙人の数を決めるという特殊な方式だが)だから、間隙をぬう形でトランプは大統領になった(総得票数ではヒラリーが勝っていた)。

 そういう意味では、ヨーロッパでもフランスに「極右政権が誕生するリスク」がより高くある、と言える。国民が「ルペン」と書く数が多ければ、彼女が大統領に就任する。しかしフランスには第一回、決戦(上位2者による)というアメリカにはない二段階ある。まだクッションがある。そういえば英国のEU離脱を決めた国民投票は、掛け値なしの「一発投票」だった。

 ウィルダースは「第一党になっても、首相は難しい」と言われていた。自由党と連携を組む政党が他の27政党の中には一つもなかったからだ。今回も、選挙そのものでは退潮したルッテの自由民主党が政権連立与党の中心になると思われるのは、同党となら連立を組むだろう政党が散見されるからだ。

 第一党になっても「首相になるのは難しい」と言われたウィルダースが、第一党(12→20 ルッテの党は33←40)にもならなかったのだから、「勝ったとは言えない」というのは当たっている。

 しかし問題は「獲得議席数そのものは大きく伸ばしている」ということだ。ルペンはその点を捉えて、「我々は前進している」とオランダの選挙結果を評価した。ここでは「時間の経過」がどちらの援軍になるか、という問題がある。極右を「別の選択肢」として選ぶ国民の数はヨーロッパでも依然として増えている、と言える。それが問題だ。

 だからルッテなど、これからもヨーロッパを率いる政治家の責務は、「国民の間に広がり続けている移民への敵意」をどう拡散できるのか、ということだ。移民の数を減らすのか、それとも社会の中にうまく溶け込ますのか。理想は後者だが、これは難しい。

 今回はトルコとのバトルがルッテに味方した。ルッテがトルコに対して対決姿勢を見せた。故に「ルッテは移民に必ずしも優しくない」という判断が国民の間に広がって、ウィルダース(ある意味、危険人物)以外に選択肢がある、と国民が思ったのだと思う。

 そういう意味では、アジアの民主国家では完全大統領制を取る韓国に「大きく振れる」危険性が高い。投票日は5月9日。火曜日でこの日はお休みになるという。それにしても、今の立候補予定者の中には「保守」と言える人がいない。最初から国民に選択肢がないように見える。それが心配だ。

 一般的に言えるのは、「ポピュリズムへのある程度の歯止め」は、多元的な選挙システムそのものだと言える。選挙民に「考え直す」時間の余裕を与える。対して一発直接選挙は危ない。終わってから反省する時間的余裕がない。選挙システムにも「余裕」があった方が良い。


2017年03月16日(木曜日)

 (03:32)反対者一人を出しながら、FOMCは予想通り政策金利であるFF金利の誘導目標を0.25%引き上げ、0.75%〜1.0%に設定して終了した。そして重要な予測資料を今回のものと12月のものと見比べると、総じてほとんど変わっていないことが分かる。というよりFOMCは変えなかった。

 つまり、FOMCの現時点の判断としては、今後の利上げペースを12月時点の判断から引き上げる必要はないと判断したようだ。「今年と来年で年3回の利上げ」の維持。今年は今回で一回やったから、あと2回と予想できる。現時点では。

 今回の利上げへの反対者はNeel Kashkari(ミネアポリス連銀総裁 は、知らんな...貸し借り ?)で、理由は「who preferred at this meeting to maintain the existing target range for the federal funds rate」となっていて、つまり.「今は利上げすべきでない」という維持派。

 今イエレン議長の記者会見も始まっていますが、全体的に見ると「思ったよりFOMCは利上げ加速に慎重」という印象がする。直近では「今年は利上げ年4回説」があったが、そうではなかった。ま、トランプの政策の進展具合次第でしょうが。

 FOMC声明の第一パラグラフを読むと、景気に対する目立った弱気の見通しは見られず、これはFRBが今のアメリカ経済の状況にかなり満足していることが分かる。なので利上げした。議長も記者会見で繰り返し「今のアメリカ経済は良い状態」と。

 しかし相変わらず米経済の見通しに関しては「Near-term risks to the economic outlook appear roughly balanced」と言っているし、また予測資料を見ると全体に慎重だ。

 今後のFF金利の先行きに関して「longer run」などを見ると、「経済は良い」からといって引き上げていないし、GDPの伸びを見ても過去のアメリカを知っている身には「低い」と感じる。つまりFOMC構成メンバーは過去のような「高いFF金利の水準」(つまりグリーンスパン時代)を想定していないことが分かる。

 イエレン議長はこの問題(成長鈍化)に関して、人口の高齢化、消費者の節約志向などを挙げて、「過去の経済とは今は違う」という認識を示した。つまり「過去のような高率インフレはこない」というイメージを議長は持っていると言うことになる。だから先の高いFF金利は予想していない。

 マーケットの反応が面白い。株はこの文章を書いている時点ではダウが120ドル近い上げ。原油相場も反発したし。対してドル・円は113円台の前半に落ちてきた。利上げはしたが、「一部で予想された利上げ加速は無い」ということで、外国為替市場はドル・ベアに動き、株は「よかった」と反応した。

 面白いのは長期金利だ。今この文章を書いている時点では指標10年債で2.504%。声明以前には2.6%があった。しかし声明を受けて下がった。つまり債券相場が買われた。「年4回じゃないんだ」というのもあるし、「FOMCは慎重」と債券市場は読んだ。

 イエレン議長は新政権との関係について、ムニューチンとは数回会っているし、トランプ大統領とも会ったとだけ述べて、新政権の政策に関しては「まだあまり考慮に入れていない」としている。実施されていないから当然で、「(実施されたら)今後の検討材料になる」と。

 興味があるのはトランプの反応かな。反応するかどうか知らないが。今はツイートタイムではない。トランプは「より強い成長」と言っている(そう報じられているし、そうだろう)ので、FOMCが今回示した「lomger term 1.8%」という成長率見通しを「低い」と感じる可能性がある。トランプについては、FOMCが「利上げ加速」を言わなかったのは「良い」と判断するでしょうが。

 それにしてもイエレン議長の記者会見を見ていて、「アメリカの人口の高齢化」という単語が何回も出てくる。アメリカもそうなったんだ。そしてその中でトランプは「移民の制限」を掲げる。移民は合法、非合法を含めて大部分が若い。

 つまりアメリカも日本ほどではないが、「若年のパワー源」を失いつつある。出生率は高いが。彼女が言うようにアメリカの潜在成長率は下がっているし、今後もあまり上がらないんでしょうね。私もアメリカのイメージをちょっと変えないといけない。

 イエレン議長はFRBは二つのマンデート(インフレと雇用)の達成に接近している、と。そして今の政策でもまだ緩和的だと。繰り返すが、この予測資料をまじまじと見ると、「荒々しかったアメリカ経済も、今後は随分と静かになるんだ」と思う。経済指標的に。日本化 ? まだイエレンの記者会見は続いている。

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 FOMCの3月会合から出てきた声明は以下の通り。

Release Date: March 15, 2017

For release at 2:00 p.m. EDT

Information received since the Federal Open Market Committee met in February indicates that the labor market has continued to strengthen and that economic activity has continued to expand at a moderate pace. Job gains remained solid and the unemployment rate was little changed in recent months. Household spending has continued to rise moderately while business fixed investment appears to have firmed somewhat. Inflation has increased in recent quarters, moving close to the Committee's 2 percent longer-run objective; excluding energy and food prices, inflation was little changed and continued to run somewhat below 2 percent. Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee expects that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace, labor market conditions will strengthen somewhat further, and inflation will stabilize around 2 percent over the medium term. Near-term risks to the economic outlook appear roughly balanced. The Committee continues to closely monitor inflation indicators and global economic and financial developments.

In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 3/4 to 1 percent. The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting some further strengthening in labor market conditions and a sustained return to 2 percent inflation.

In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. The Committee will carefully monitor actual and expected inflation developments relative to its symmetric inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.

The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction, and it anticipates doing so until normalization of the level of the federal funds rate is well under way. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Patrick Harker; Robert S. Kaplan; Jerome H. Powell; and Daniel K. Tarullo. Voting against the action was Neel Kashkari, who preferred at this meeting to maintain the existing target range for the federal funds rate.


2017年03月15日(水曜日)

 (14:32)今朝かな、エレベーターに乗ったら顔見知りのヤマト運輸の配達員さん(若手)が乗っていた。「大変だね」と言ったら、「本当に大変なんですよ。私も今月で辞めるんです.....」と。

 「え、どうして ?」と聞いたら、「足を痛めたんで」と。加えて「私の後任は来ないんですよ」「本当に大変なんですよ....」と。足を痛めたんじゃ配達は出来ない。いつも大きな「ほぼエコ」を重そうに押している姿を見ているので、「しょうがないな」と。

 と同時に、「じゃ、この地区のヤマトさんの宅配はどうなるんだ....」と心配になった。確か4〜5人で回している地区センターなので、若手の彼が辞めて後任がこないのは痛手でしょう。他の人の負担が増える。

 もう一つ。聞いた話。先日も書きましたが、WBCの連中はサウジの王様一行と競うように都内のホテルに投宿。選手達が泊まっているホテルの天ぷら屋さんで。今日の昼の食事の際に、「選手達は来ます?」と聞いたら、「昨日、昼に来ていましたよ....」と。

 どこの国の選手か知らないらしいが、試合の前なのか、それともオフの日なのか。「じゃ、体も大きいし、メチャ食べるでしょう」と私が言ったら、「それがあまり食べないんですよ....」と。「天ぷらをちょっとトライして、またどこかで食べているじゃ...」と板前さん。

 えっと、じゃMacかなにかジャンクを食べに行っている.....? ははは。板前さんが言うんです。「ご飯食べながらコーラ飲んでいるんで、違和感たっぷりですよ」と。ああ、それ見たくないな。今日はWBCの連中がいなくて良かった。

 それにしても、「体はでかいし、メチャ食べそうなのに...」と私。試合の前なら「ちょっと軽め」は分かるが、慣れないので思い切って食べられないとしたら、かわいそう。試合後ではもう店はやっていない。

 東京のWBC第二ステージももう直ぐ終わりです。サウジ様御一行とWBC様御一行が東京を共に離れれば、東京も少し静かになる。


2017年03月15日(水曜日)

 (06:32)世界は数多くの曲がり角を曲がりながらの展開ですね。面白いが懸念もある。今日はオランダの下院選挙。150の議席を28の政党が争う。「28の政党」ですからね。とても全部は覚えられない。

 しかし党名を見ていくと、結構「これは何だ」という党名がある。 WIKIによると連立与党 (現在の議席数77)を構成する自由民主国民党 (41)と 労働党 (36)は「なるほど」という政党名。

 野党には「えっ」という党名がある。列挙すると社会党 (15)、 キリスト教民主アピール (13)、自由党 (12)、 民主66 (12)、キリスト教連合(オランダ語版) (5)、 グリーンレフト (4)、 カルビン党(オランダ語版) (3) 動物党(オランダ語版) (2) 50プラス(オランダ語版) (1)、そして無所属 (6)で野党全体で73。28なので、全部じゃない。議席を持たない政党も多い、ということでしょう。

 むろんポイントはウィルダース率いる自由党です。現在12の議席が倍増するのではないか、最大与党のルッテ率いる自由民主国民党 が現在の議席(41)から半減するとも言われている中で、自由党が「オランダの最大政党」になるのではないか、というのがポイント。

 しかしウィルダース率いる自由党が議席を倍増させても、議席は24になるに過ぎない。全体の比例代表制で決まる議席150のわずか16%だ。重要なのは「自由党と連立を組む」と言っている政党はゼロということ。

 ということは、今の予想ではウィルダースが率いる自由党がかなり躍進しても、「ウィルダースの自由党と連立を組む」と言っている政党はゼロなので、「政権を率いる党になることはない」「ウィルダースが首相になることはない」と予想できる。最近のウィルダースの人気は落ち気味ですがね。

 しかし選挙は何が起きるか分からない。オランダは、選挙の最中でエルドアン率いるトルコとの外交問題が発生している。エルドアンは閣僚二人をオランダにおけるトルコ系住民の集会に出席させるためにオランダ国内に入れようとしたが、オランダ当局から「集会への出席まかりならぬ。入国も許さない」と言われると、「ナチの手法だ」と激しく批判。

 トルコは4月16日にエルドアン大統領の権限を大幅に強化する国民投票を予定している。エルドアンは海外で働く550万人のトルコ人の票が欲しい。オランダには40万人。しかしオランダは今日総選挙を控えて「イスラム教住民の増加」をどう考えるか、が一つの争点ななかで「選挙の数日前でのトルコ系住民の大集会はまかりならぬ」と考えた。それがエルドアンを怒らせた。

 オランダの措置は当然のようにも思う。オランダ世論が海外から働きに来る人に疑念の目を向けている中で、それらの人々がオランダの政治とは直接関係ない大きな集会を開き、それで「国内の騒乱」が起きたら、選挙に影響する。それを避けたい。

 よって、選挙が終わった後にオランダがトルコ系住民の集会、そこへのトルコ閣僚の出席を認めるかどうかが一つのポイントだが、それは選挙結果にもよる。自由党が大きく伸びれば、オランダはそんな雰囲気にはならない。だから反イスラム、反移民、「オランダのトランプ」と言われるウィルダースの自由党がどのくらい伸びるかがポイントというわけです。

 韓国では朴槿恵大統領が弾劾に関する憲法裁判所の判断で失職、そして今週中にも取り調べを受ける。既に韓国は大統領選挙モードだが、保守派がどのような動きに出るのか。何回も書いているが今の選挙戦をリードしている文在寅氏は、今までの韓国の政策スタンスをがらっと変える危険性がある。

 イギリスはBREXITに関連して今月末には正式にEUに離脱通告。イギリスは分担金の支払いを拒否方針。2年間の交渉期間の中で離脱条件がまとまらなければEUとイギリスは「WTOの関係」になる。イギリスには最悪のシナリオです。

 トランプ政権の迷走は続いている。アメリカのティラーソン国務長官が今週来日するが、アメリカのテレビや記事を読むと、彼は「幻の国務長官」と呼ばれているらしい。つまり「存在感がない国務長官」という意味らしい。確かに直前のケリー国務長官の活躍ぶりを知っている世界から見ると、「彼(ティラーソン)はトランプ政権の中でどんな役割を ?」と思える。

 今度のアジア歴訪では記者団を連れてこない。「自信がないのでは」とも言われていて、彼が実際に日本、韓国、中国をどう歴訪するのか。中国では来月6−7に想定されている習近平の訪米に向けた下準備をすると言われているが、さてどうか。

 ヨーロッパではオランダに続いてフランス、ドイツの国政選挙が予定されているし、イタリアも今年のどこかで選挙を行うと見られている。選挙ラッシュのヨーロッパの今後を予想するのはなかなか難しい。

 「今の世界で最も盤石」とされる安倍政権も、稲田問題でやや揺れている。1年後の世界がどうなっているのか。ちょっと予想が難しい局面。明日の早朝にはFOMCの結果が出るが、「より高い成長」を要求しているトランプ大統領がどう反応するのか。利上げ後の年間回数(利上げの)も関心の的だが、トランプの関連ツイートも見所だ。


2017年03月13日(月曜日)

 (16:32)で、「石」と「岩」です。今回盛岡周辺を見ただけですが、「岩手県は実に巨石の多い県だ」ということに気がついた。

肌つややか盛岡の烏帽子岩  まず皆さん、「烏帽子(えぼし)岩」と聞いてどこを思い出します。普通湘南海岸は茅ヶ崎市の沖にある烏帽子岩を思い出すでしょう。サザンの歌にもこの岩が歌われている。波に浸蝕されて、かなりやせ細っているが、烏帽子の雰囲気はある。

 しかし盛岡の桜山神社(盛岡城址公園の中)のそれは、波に洗われない綺麗な形の烏帽子岩です。写真の通り実に肌つやが綺麗。杜の中の小山の上に屹然と立っている。烏帽子の上が折れているように見えるのがまた素晴らしい。

巨木の上に大木が こんなの見たことない  で今日その周辺を回ってみたのです。なにせ盛岡城は「城内に石切場があった」と言われているので、いまだに石がごろごろしているだろう、と思って。そしたらありました。次の写真は烏帽子岩の裏側にある巨大な岩です。そしてその上に木が立っている。石割桜ではなく、石上巨木です。

 「城内に石切場があった」というのが頷ける。だって烏帽子岩にしろ、その裏にあるこの巨大な石にしろ、動かすのはほぼ無理です。だから「そのままそこにあった」と考えるのが自然です。

 実は盛岡城は城郭は既にない。石垣だけが残る城なのですが、その石垣がまた面白い。いろいろな積み方がまざっている。聞くと南部の3代の殿様が石垣を作り続けたそうな。そして石工もまた代替わりした。なので積み方が入り交じっている、というのです。実際に見飽きない。

もとは巨大な石だった筈だ  小豆島からは巨大な石が大阪城築城に際して運ばれたことはよく知られている。しかしどうでしょうか。南部から大阪や江戸の城作りに石は運ばれたのか。多分それは無理でしょう。盛岡からじゃ海に出せない。小豆島と違うところです。なので、良い石、岩を南部が使ったと思われる。

 盛岡で有名な桜と言えば石割桜ですが、私が注目したのは石です。下にある。実に巨大で、加えて良い形をしている。雷が落ちて。そこに種が落ち、そして木に育ち、その過程で木が石を左右に移動させた、というのが石割桜の由来らしい。

 それは南部家の家老の家(北家とか書いてあった)の庭での出来事で、この人は今でいうブログ好きで、その過程をずっと書き残しているそうな。なので雷が落ちて石が割れた、と我々は汁粉が出来る。しかし割れる前は実に大きな石だったと想定できる。

三ツ石神社の三ツ石  それだけではない。盛岡の街を歩くとあちこちに巨石を見付けることが出来る。そうそう、「岩手」の語源になった石が三ツ石神社にある。文字通り三つ。そもそも寺の裏にあったのだが、この石があまりにも立派なので石を御神体に神社が出来た。それが三ツ石神社です。

 その三つの石の入って手前の巨石の裏側に、よく見ると「手形」がある。「鬼の手形」と呼ばれるもので(下に写真が)、「それが岩手の県名の由来」という説だそうな。

 私が昨夜泊まったのは「繋(つなぎ)温泉」(盛岡から車で25分くらい)という御所湖のほとりの温泉ですが、実はこの「繋(つなぎ)」という変な名前も岩と関係している。その昔、源義家が東北成敗に来た際に、その石に馬を繋いだので「繋(つなぎ)」という地名が出来たのだとか。(下の上から二番目の写真)

 その少し下には、「猫石」という大きな石もある。確かに猫に似ている(下から二番目)。興味を持って調べたら、「何故か岩手に巨石が多い」というサイトを見付けた。へえ「姫神山頂上巨石群」を見て見たいな。比較的楽に登れそう。

 最後に盛岡城の石垣の一部の写真も。城はない。しかし石垣だけでも盛岡城は見る価値がある。あ、それから冷麺ですね。実はあまりピント来なかった。もともと冷麺はすきじゃない。「ぴょんぴょん亭」で食べましたが。盛岡では私は「じゃじゃ麺+ちいたんたん」のファンだな。

鬼の手形の部分を写真にして掲示してある 確かに一つは確認出来る

上部真ん中に穴が空いている

この石の下には「猫の足湯」がある

城の石垣の色々な積み方が分かる


2017年03月13日(月曜日)

 (11:32)きっと都内も、そして都内の道路も大変でしょうね。WBCとサウジ国王の来日で。むろん影響が大きいのは後者。重なった。

 先週の末から今週の半ばまでは「都内のホテルは大変なことになる」と業界関係者から聞いていました。サウジ様一行だけで1000人。

 とにかく特注のエレベーター・タラップで自家用大型豪華旅客機から降りてくる人がトップですから。サウド家の御当主様御一行。それだけで3〜4のホテルは必要になる。ダブルだろうと、ツインだろうとシングルユースが多いでしょうから。

 これはもうずっと前からの予約。それに加えてのWBCの予約がいくつかのホテルに入っている。なので、私は関係ないが、都内のホテルに予約を入れようとしたら、この期間は大変だったでしょう。

 加えて車の抑え方が尋常ではない。これもタクシー業界の人に聞くと、「凄い台数が抑えられている」のは確か。しかし「実際に稼働する車はそれほど多くない」「一日ずっと待機だった」ということもあるそうな。しかし車がその分の台数だけ他に回せない。待ちが続く。

 なるべく東京に戻るのは後ろに下げたいのだが、火曜日の夕食の約束があるので、それまでには帰らないといけない。今日もこれから盛岡を楽しみます。

 WBCと言えば、昨日は実に実に良く勝った。青木がなでるようなスイングで(彼の悪い癖です 10回表だったかな)ゲッツーになったときは「万事休す」と思いましたが、それからが粘り強かった。

 ただ思うのは、監督もそうだが選手達も、「これだけの試合を勝った。もういい」と思わないことが重要だと思う。人間は何か大きな事をやると、自分の中で「もうよくやったよな」という気分になる。

 しかし満足感を持つのはまだ早い。戦いは続く。高校野球などでよく見られるのは、凄い試合に接戦で勝ったチームは、次の試合は負けやすい。あれは一種の満足感を選手や監督が感じてしまうのではないか。

 むろん、疲れもある。しかし実は高校野球で言えばまだ2〜3回戦の感じ。厳しい戦いを勝ったからと言って、ここで満足して欲しくないし、体の切れを保って欲しい。次は火曜日に最初の戦いで勝っているキューバと。故にキューバは火曜の日本戦にはプライドをかけてくる。連敗は出来ないと。イスラエルは強い。まとまりがある。

 キューバは第二ラウンドの初戦をイスラエルに負けている。いわば手負い。力を振り絞ってくると思われる。なので一層、監督は頭をひねり、選手は休養して、明日の戦いに備えて欲しい。
 私としては小久保監督にちょっと不安が。オランダ戦で顔が選手より緊張していた。分かるが明るさを保たないと。あと則本の使い方が気になる。昨日は日本は助かった。オランダの最後の打者は4番。しかしバレンティンが代走を出されて代わっていた。

 昨日はなんと言っても中田と牧田の二人の「田」でしょう。二人とも素晴らしかった。


2017年03月12日(日曜日)

 (21:32)うーん、「岩」と「麺」の都だな....盛岡は。とにかく、この二つが私の目に付き、そして印象に残った。たった数時間の見回りですが。

白龍本店  同じ東北の都としては仙台があり、思い浮かべても「杜の都」「牛タン発祥の地」など仙台には名称がいろいろ浮かぶ。よく行く。しかし盛岡は思い浮かばない(かった)。むろん盛岡は人口30万ちょいの街で仙台(105万)よりは小さい。なので、私は今まで盛岡にはあまり来ていなかった。

ようするに替え卵スープです  で「そうだ。盛岡をすこしゆっくり見よう」「乳頭からも近い」と思って来ているのですが、いや...特徴がありました。まず麺。にも二つあると分かった。友人の話や、地元のタクシーの運転手さんの話。それは冷麺とじゃじゃ麺。ともにあまり知られていない(と思う)。

 まず「じゃじゃ麺」。私が名前を聞いて思い浮かべたのは中華のジャージャー麺。あの辛い。好きです。スマホに向かって「じゃじゃ麺」と音声入力しても「ジャージャー麺」と出てくる。とにかく「じゃ」の付く麺は「ジャージャー麺」だと私も思っていたし、スマホも世の中もそう(だと思う)。

 しかし仙台には「じゃじゃ麺」がある。食べる前ですが、名前の由来をタクシーの運転手の方に聞いた。そしたら「戦後に中国から帰国した兵士が始めた」と。じゃ、「じゃじゃ麺」は中華の「ジャージャー麺」から来ている(と私は思う)。

 だから味も似ているだろうと本店(店名は白龍=ぱいろん 烏帽子岩のある桜山神社近く)の前に並んだ。長い行列です。やっと店内に入った。入って見ると、出来上がりの形状はやや似ている。刻みきゅうりがあって。

 しかし違うのは、「じゃじゃ麺」は自分で調味料を組み合わせ、加減して食べる。ラー油をたらしたり、辛み味噌を使ったり。それに麺がうどんです。この辺に工夫が見られる。

やさしいおばちゃんが一杯  味は調味次第で、私は辛目にした。美味しかった。それよりもジャージャー麺と違うのは後段です。店には生卵が一杯置いてある。なぜか。麺を食べ終えた後、そこに卵を割って落とす。それをかき混ぜる。

 それからが面白い。それをカウンター越しに店の人に「お願いします」と渡す。そうすると、そこに麺をゆでた湯を注いでくれる。つまり一種のうどん湯卵スープになる。それを「ちいたんたん」という。50円。

 「ちいたんたん」とはどこから、と。「たん」なので「湯」だろうと思ったら、鶏蛋湯(チータンタン)からと。これは面白い。だって例えばラーメンでも麺の「替え玉」は普通だが、ここは違う。一種の「スープ作り」ですから。店と客の共同作業での。多分寒いから暖かいスープが欲しいのです。

 行ったのは本店ですが、盛岡の唯一のデパートであるカワトクの地下に綺麗な店が出来ていた。新しいらしい。つまり盛岡では非常に人気のある食べ物、ということになる。「じゃじゃ麺」は。いや、美味しかったですよ。

 次に冷麺ですが、これは明日の昼に駅前で食べる予定。ですが、「盛岡」に行くと言ったら、皆さん「冷麺を食べてこい」と。つまり非常に有名で、「じゃじゃ麺」より支持が大きいと言うこと。ラーメン屋も多い。それに「わんこそば」もある。

カワトクの地下一階にも  なので運転手さんに、「盛岡には全国に知れたウリ名がないから、私が”麺都”と名付けましょう」と言ったら、「地元のタクシー会社でそれをウリに使っているところがあるんです」と。あちゃ。でも冷麺とじゃじゃ麺の二つは恐らく大陸と半島から来た、というのが面白い。

 そこから考えると、秋田の「きりたんぽ」のような全国に名前が知られた特徴のある食べ物は盛岡・岩手にはなかった、とも言える。私はそう思う。どうでしょう。でも冷麺は明日食べるので、それから判断します。「わんこそば」は「そば」よりは食べ方に特徴がある。今調べていたらこんなサイトも。

 岩手県の特産と言えば何と言っても南部鉄器ですが、それは盛岡とは限らない。南部藩の有名商品でしょう。なので私としては地元のタクシー会社と共に、「麺都 盛岡」を売り出したいと。

 実際に盛岡は麺の消費量が全国でもかなり多い方だという。運転手さんの話では。絶対量ではなく、人口一人当たりでしょうが。ここまで書いただけで長くなったので、岩手県の「岩」「石」についてはまた。


2017年03月12日(日曜日)

 (09:32)思わぬ形で「3.11」が刻印されました。写真のそれは乳頭温泉郷の「湯めぐり帖」。写真はその裏。同帖で乳頭の7湯を巡ることができる一種の通行手形で、有効期限は1年です。

乳頭温泉郷 湯めぐり帖の裏側  私が今いるのは田沢湖周辺ですから内陸ですが、むろん東北ですから会話の中に「その日」の話は一杯出てきます。宿でも街でも。「ここは揺れたけど、1日ちょっと停電しただけですが、盛岡は2日停電した」とか。その時刻になる直前に乗ったバスの運転手さん。

 しかし東北(特に東)では、それぞれの人が「その時」の思い出をそれぞれにしまい込んでいる様子がうかがえる。やはり衝撃は大きかったのだと思う。昨日はその瞬間に、街のあちこちで大きなサイレンが鳴っていました。午後2時46分。

 その日は私は東京にいたのですが、「何を考えていたのか」と思い出そうと、その時に書いた文書を探したら、ここにありました

 東京にいた人間にとっても、思い出は鮮明です。地震は自然のもので、予測もなかなかできない。また近々東北を訪れたいと思います。 


2017年03月10日(金曜日)

 (14:32)ちょっと驚きですね。8−0の全員一致というスコアに。きわどく6−2で弾劾成立だと思っていたので。「ちょっと傾きすぎでは」と私は思うが、それが韓国という国の特徴かも知れない。

 先日も書きましたが、韓国の憲法裁判所には不服申し立てという制度がない。これで確定です。朴大統領は直ちに罷免され、一般人になる。ということは 刑事訴追の対象になると言うことです。既に韓国検察は彼女に対して「チェ・スンシルと共犯関係」として罪状を列挙している。当然、あまり時間を置かずに刑事訴追ということになるでしょう。

 大統領から一気に刑事被告人に。これまた韓国の特徴ですが、(大統領経験者の)激しい浮沈です。弾劾理由は「朴氏が支援者のチェ・スンシル被告(60)に機密文書を流出させたこと」などを違法行為と認定。その上で「国民の信任を裏切り、憲法守護の観点から容認できない重大な法違反行為と見なければならない」と。

 しかし判決文を読み上げた李貞美(イ・ジョンミ)所長代行が、「大統領の行為は否定的な影響が重大だ。罷免することで得られる憲法守護の利益が圧倒的に大きい」とメリット比較しているのはどうだろう。重要なのは法理だと思うが。

 60日以内に行われる大統領選挙(5月09日が有力視)のポイントは、進歩(革新)系で最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表(64)が、世論調査通りこのまま独走するのか、それとも今は分裂している保守系が有力な候補を立てられるのか

 現時点の主張をベースにすると、文在寅候補は今の日本を含む北東アジア情勢を大きく悪化させかねない。全体的に北に優しく、例えばケソンの工業団地の再開などを言い出しかねない。核やミサイルを推し進める北朝鮮の重要な資金源になる危険性がある。

 韓国の対日、対米関係も大きく変わる可能性がある。既に進行して始めているTHAAD(終末高高度防衛ミサイル Terminal High Altitude Area Defense missile)の配備に待ったを掛ける危険性もあるし、かなりの確度で「日韓の間の慰安婦に関する合意」の見直しを言い出すだろう。

 私は「文在寅の韓国」は危険だと思う。韓国の選挙情勢の行方は、日本の今後にも大きな影響がある。


2017年03月09日(木曜日)

 (09:32)明日の午前11時ですか。韓国にとっては大きな転換点だな。

 その時間に、憲法裁判所が朴槿恵大統領の弾劾の可否の発表会(?)を開催する。「弾劾は可(弾劾に相当する理由がある)」なら朴大統領は職を直ちに失い、検察の捜査の直接的(制限のない)対象になる。そして韓国は大統領選挙(60日間)に突入する。

 「弾劾に否(不相当)」なら、朴大統領はその瞬間に大統領の職務に復帰するが、既に残り任期1年を切った段階での大統領職復帰。求心力は戻らないと思うし、海外の首脳にしても「この人を相手にしよう」ということにはならない。「やはり早く辞めろ」コールが起こるだろう。

 韓国の憲法裁判所の決定には不服申し立て制度がない。つまり出た瞬間に、それが最終結論になる。日本の裁判でもそうですが、最初に結論を言うのか、それとも論理・法理立てを示した後に、最後に結論を言うのかで、「可否」が分かる時間はずれる。

 反対意見(もしあれば)の開陳もあるかもしれないので、明日の憲法裁判所の言い渡しには相当時間がかかることも予想される。心配されるのは、「弾劾を支持する勢力」と「朴大統領を支持し、弾劾はけしからんと主張する勢力」がともに、「意に反する結論が出たらそれには従わずに、反対運動を続ける」と言っている点。

 つまり憲法裁判所の判断判明の時点から、実は韓国の分断が始まるとも考えられる。大統領選挙でも与野党入り乱れての分断だし、朴大統領が職に復帰してもまたまたのキャンドルデモでしょう。

 「南」はそういう状況ですが、この2〜3日で「北」に関しても興味深い情報が。それは「北朝鮮、化学兵器を配備」 脱北の元駐英公使テ・ヨンホ氏です。この人は、昨夏に韓国に亡命した北朝鮮の元駐英公使。「金正恩は”核”さえあれば韓国やアメリカは北朝鮮を攻撃できないと信じている。だから北は核を絶対に放棄しない」というのは予想通りの発言。

 もっとも「”核”さえあれば」というのは、ちょっと勘違いでしょう。「体制を転換しなければ今の危機は終わらない」という彼の意見には、私は賛成だ。だから安保理決議を何回聞いても「解決にはほど遠いな」と思う。

 心配になるのは、「北朝鮮は化学兵器を展開している」という彼の証言。「北朝鮮は韓国との休戦ライン(南北軍事境界線)一帯に1千余りの長距離砲を配置している」「北朝鮮では家庭や職場まで生物・化学兵器戦に備えた装備や解毒剤を持っている」と。

 彼はまた最近出所不明のビデオが出てきたキム・ハンソル(金正男の息子のハンソル)に関して、「金正恩(キム・ジョンウン、委員長)の立場からすると消えるべき存在だ」と述べている。

 彼が登場するビデオは、今でもユーチューブにアップ状態ですが、彼を支援している国などは不明。でもこのビデオでちょっと気になるのは、「父親は数日前に殺された」と言っている割には感情が全く表に出ていない点かな。

 それにしても、彼はまだマカオにいるんでしょうが、外にも出られない不自由な生活でしょうね。


2017年03月08日(水曜日)

 (21:32)今日は時間があるのでWBCの試合をTBSで見ていますが、少し前に中田がHRを打って一点リードしたところ。しかし昨日思ったのは、「ユーチューブはスポーツ好きにとって本当にお友達」だということ。

 テレビ(TBS以外のチャンネル)が絵を流さないので、「それでも」と思ってユーチューブを昨日の夜に文章を書いた後で見たら、肝心な場面の絵は全部あった。画面は小さいし、見づらい面はあるのですが、「何があったのか」「選手がどう動いたのか」は全部分かる。十分十分。今日も勝って欲しい。

 ところで今週ある集まりで街の不動産屋さんと話していたら、「モノを売る商売の苦境」といった話になりました。不動産業界から見ても、「今の借り手は体に手を入れる商売(マッサージなど)とか病院とか」「そういうところからの話が多い」という話をしていた。

 「やっぱりモノはネットで買っている人が増えているように思えます」とその人。それが百貨店の商売に打撃になり、そして街で小規模にモノを売っている店の閑散に繋がっている。

 一方でそれが宅急便の「繁忙貧乏」と「人手不足」を生んでいる。今起きている事は、当たり前ですが繋がっている。ヤマトがそうなら佐川もそうでしょうし、今日は日本郵便の値上げの話も出ている。

 むろんこのままネットの「モノ売り」が伸び続けるわけではない。しかしより有力な「モノ売りのチャネル」にネットがなっていくことは間違いない。ビジネスの形は変わるわけで、各企業も無論それに対応していかないと、「ふっと気づいたら足下が...」ということになりかねない。

 あらら、筒GOO、いや筒香が2ラン。いいね。


2017年03月07日(火曜日)

 (23:32)日本がキューバに勝った......と各局がWBCの結果を伝えているのですが、試合の絵を各局使えていませんね。NHKとかフジ。その二つを見ても、試合の実ビデオは出てこない。その前の練習の絵をフジは使っていた。不思議だ。

 普通は20秒とか30秒の時間制限付きでも映像があるのですが、今夜の試合はTBSだけが映像放映権を持っていると言うことでしょうか。それともWBC管理 ? たまたま所用で見れなかったら「映像がない....見れない...」という状況に。ま、勝ったから良いが、しかし絵は見たい。

 野球と言えば今「神は背番号に宿る」(新潮社)という本を読み始めています。なかなか面白い。ただの数字なのに、そこには「神」が宿ってしまって、その番号を他の選手は使えなくなってしまう。永久欠番もあるし、心理的にも。

 もっとも私は、例えばアメリカでヤンキースが勝てなくなった一つの原因は「永久欠番が多すぎること」にあるのではないか、と実は思っているのです。欠番になったら、以降の選手はそこを越えられなくなってしまう。心理的にあまり良くない、と。

 永久欠番が多いと言うことはそれだけ伝統があると言うことですが、しばしば「伝統」は「重荷」になる。最近のアメリカを見ていると、永久欠番の少ないチームが優勝しているような。ただの印象ですが。  今たまたまウォール・ストリート・ジャーナルを読んでいたら、「Islamic State Targeted Saudi Royals in Malaysia」とある。中味を読むと「サウジ王室を狙ったテロの企み」がマレーシアであったようで。

 マレーシアと言えば今は北朝鮮との関係悪化がポイントですが、「その他にもテロの試みもあったのか」ということになる。日本ではあまり報じられていない。二年くらい前ですか。航空機の行方不明事件もあった。いろいろな舞台なんだ、マレーシアは。


2017年03月06日(月曜日)

 (23:32)歩いていてふと右上を見たら、見慣れない店が....。「AKOMEYA TOKYO」と。知らんな....と思って中に入ったら結構面白い。「お米」とその関連商品が。それにしても「AKOMEYA」とは変な名前だ.....と。

 いえね、今日の午後新宿の東口にいたときに、高島屋さんでしか買えないものを思い出して歩いたのです。あの南口へのガード下を。バスタが出来た関係もあって、新しいビルが出来ている。「じゃビルの中を歩こう」と思って歩いていたら出てきたのがこの「AKOMEYA」という名前の店。

銀座にも店があるそうな  チラ見した後、一旦切り上げて高島屋で買い物をし、戻りにもう一度寄った。その際に店員の方に「ひょっとしてこの名前は”米屋”から来ている」と聞いたら、「そうです」と。「A」を付けたのはしゃれ ?

 いえね、お米そのものも売っているし、お米を使ったであろう菓子類から、各種のお米副産品、それにお茶碗まで。炊飯器もあったかな。面白い作りになっている。「ここの他は銀座しかなくて....」と。そうなんだ。

 家に帰って「AKOMEYA TOKYO」なる店の新宿店は3月1日開店と分かった。そりゃ私が知らないのは無理もない。ところで銀座はどこにあるのか。地図だと交通会館の裏手かな ? 今日は何も買いませんでしたが、そのうち何か買ってみよう......

 さて一方、走っていてふと右の車を見たら FIT EVと大書。そんなのあった....」と。少なくとも私が知っている、そしてレンタカーなどで借りたことのあるFITはEVではなかった。多分四谷2丁目の交差点付近だと思う。写真のよう大書された車が信号停止。「FITのAV」なんて「聞いてないな....大書してあると言うことは、そもそも珍しい......」。

最初ビックリ  それはFBにアップしたら直ぐに伊藤さんが「ホンダのサイトによると、法人および官公庁向けに2016/3まで製造されていたとか」と教えてくれた。私もサイトを見て確認。官公庁向けじゃホンダさんも宣伝しなかったわけだ、と思いました。

 それにしてもホンダさんは官公庁向けが好きですね。今のホンダの水素自動車もほぼ全量「官公庁向け」ですから。芝公園でたまに遭遇する。EVがあるのに何でやめてしまうのか。スズキも軍門にくだって、さてホンダはどうする ?

 最近、お店関係の移動が激しい。赤坂の有名な料亭の「口悦」が今月いっぱいで店じまい。そう言えば赤坂では「小布施町」の出店も静かに消えてしまった。蕎麦も良かったが、ケーキが良かったのに。

 と思っていたら今日は、伊勢丹のトップが交代だとの報道。日経や朝日が。正式発表はない。婦人服が不振なんでしょうね。でも思うに伊勢丹の婦人服はちょっとプライスレンジが上がりすぎた、と思う。あれじゃ若い人達が買えない。

 次々に閉める店がほぼ「三越系」なのも、社内での軋轢の原因かも。毎年需要は今後3%は減少すると言われる中での百貨店経営。「AKOMEYA」のようなテーマショップも増えているし、ネットの品揃えは無限です。デパートは難しい時代。


2017年03月05日(日曜日)

 (12:32)習近平の側近に周囲を固められ、経済政策の主導権も失った李克強首相がどのような演説をしたのか気にしていたのですが、今現在では彼が掲げた数字関連の報道が先行して次々に出てきている。

 彼が今年の経済成長率目標に挙げたのは「6.5%前後」という数字。去年の目標は「6.5%〜7.0%」だったので「引き下げ」と言っても過言ではない。しかし彼は「growth below 6.5% would be a disappointment, calling on the nation to “pursue better results」と言っているので、「前後」と言っても「6.5%死守」というスタンスなのでしょう。

 知りたいのは李克強が演説でどのような様子だったのかとか、彼が演説を終えて席に帰ってきたときに臨席にいる習近平がどのような迎え方をしたのかですが、それらの点に関しては依然として情報がない。

 秋に向けた人事異動は、今後の中国がどのような方向に向かうのかを占う上で非常に重要。今回の会議でも習近平の席の周辺は綿密なセキュリティーチェックが繰り返されたそうだ。

 彼は腐敗撲滅を掲げてかなりの数の幹部を失脚させてきた。敵も多い。それらの敵の存在故に表舞台で恥をかかされたり、何かしら事件が起きたらという懸念があるのでしょう。盤石そうに見えて、無理している分だけ習近平体制は綻び出すと早いかも知れない。

 当然ながら「6.5%成長」という目標自体が高い。他の先進国に比べれば。しかし実際の中国経済の姿はいっぺんの数字だけでは分からない。先日「爆走風塵 中国・激変するトラック業界」という番組を見たが、面白かった。

 発表された数字とは別に、中国経済の激動は今後も続くのだと思う。数字の影では浮かぶ産業、沈む産業、その中で苦悩する国民の姿がある。


2017年03月04日(土曜日)

 (08:32)イエレン議長のシカゴでの講演は今朝起きてから読みましたが、最近ではもっとも良くまとまった講演で、一気だったな。FRBのHRに全文がありますが、何と言ってもポイントは次の部分でしょう。

 「Indeed, at our meeting later this month, the Committee will evaluate whether employment and inflation are continuing to evolve in line with our expectations, in which case a further adjustment of the federal funds rate would likely be appropriate.」

 つまりこれは「3月14と15日の次回FOMCで利上げを検討する」と言っているが、ほぼ「利上げする」と言っているに等しい。「likely be appropriate」と。彼女以外のFRBの高官達のほとんども、「利上げが fairly soon」であるとこれまで数日間に言ってきた。大勢は決まった、という状況。

 唯一の不確定要素は10日発表の米2月の雇用統計が「米経済の変調」を強く指し示すような弱い統計にならないかどうかですが、多分12万5000人(非農業部門就業者数の伸び)を上回れば問題なく利上げになる。

 議長の講演は「リーマンショックからほぼ10年が過ぎて、その間のFRBの政策を振り返る」という発想の下に行われている。無論この10年の中では、当初は緩和措置の深化・進化があり、曲がり角だったのは2014年というのが議長の判断。

 その年から「最大限の雇用確保」「物価のプラスでの安定=2%前後」という二つのFRBの目的から見て「Adding Accommodation to Scaling It Back」に金融政策を変えることを検討し、そして熟慮した。

 そしてFRBは2015年と2016年に各一度の利上げを行った。しかし今後についてイエレン議長は「 the process of scaling back accommodation likely will not be as slow as it was in 2015 and 2016.」と述べる。つまり利上げを含む「scaling back」のペースを上げる、と言っているのだ。年2〜3回。だったら3月は2017年の初回としていい時期だ。

 なぜ12万5000人という半端な数字を持ち出したかというと、彼女の発言の中に「With the actual value of the real federal funds rate currently near minus 1 percent, a near-zero estimate of the neutral real rate means that the stance of monetary policy remains moderately accommodative, an assessment that is consistent with the fact that employment has been growing at a pace--around 180,000 net new jobs per month--that is notably above the level estimated to be consistent with the longer-run trend in labor force growth--between 75,000 and 125,000 per month.5 」という一文があるため。

 あと面白いのは、3月からFRBは新しい一群のチャートを公表するらしい。イエレン議長の講演録のあとにアップされているこの文章で。公表された数字をベースにすると昨年9月分は「こうなる」とPDFが添付されている。

 それを見るとこのチャートは「Median projection and confidence interval based on historical forecast errors」となっている。つまり「中間値(1本線で表示)と、歴史的予測エラーをベースとしたconfidence interval」ということになる。

 では「confidence interval」とは何か。日本語で「信頼区間」と翻訳されることが多い。標本調査に際して「ある範囲の中に母平均があると推測する。その範囲」を指すことが多い。言ってみれば「まず信頼できるレンジ」ということか。

 確かに今まではFRBの発表するチャートにはなかった。この標本PDFを見ると、「GDPの伸び」「予測を巡るFOMC参加者が認識する不確定さとリスクの幅」「失業率」「PCEインフレ」「FF金利の先行き見通し」などなどに関して同種のチャートがあって面白い。

 このPDFに載っているのはあくまでサンプルで、本物は3月のFOMCから公表されるという。


2017年03月02日(木曜日)

 (07:32)おやおや、高値からは反落したのですね。ウォール・ストリート・ジャーナルでダウのレンジを見ると「20957.29 〜21169.11」となっている。高寄りしてこのレンジ。引けは21115.55ドルだから、高値は50ドルほど上。

 しかし引けでも上げ幅は303.31ドルでパーセントにして 1.46%だから大きい。その主要要因は28日のトランプ演説。依然として具体策に欠けるものの、

 「法人税率を引き下げ、中間層に向けに大規模な減税を実施する」
 「1兆ドルのインフラ投資を議会に求める」

 との姿勢を鮮明にした。その他、「一つの新しい規制を導入したら、古い規制二つの撤廃を行う」という姿勢を改めて強調、「より自由な経済活動」を強く支持した。これはマーケットは歓迎でしょう。

 さらにこの議会演説でトランプ大統領は、今まで主張した厳しい移民政策の“一大方針転換”も示唆した。注意深く聞くとそれが分かる。米紙などの一部が事前に報道していた通りだった。

 それは世界各国で広く採用されている「能力のある移民には来て貰える制度」の示唆だ。これは今までの「移民は基本的に拒否」という姿勢からは大転換だし、IT業界を初めとしたアメリカの産業界の意向にも沿うものだ。

 よく知られているが、アメリカ経済は「優秀な移民」「働ける移民」なしには稼働しない。その意味で今までのトランプ政権の反移民姿勢はむしろマーケットにとって懸念材料だった。

 しかしどうやらトランプ政権は「国内に滞在する不法移民に対し就労を合法化し、納税を義務付ける包括的な移民制度改革法の制定を検討している」(CNNなどが報道)ようだ。

 あとトランプの演説のトーンかな。昨日も書いたが、随分と角が取れたような雰囲気もあった。この「ムード」がマーケットを安心させたのだと思う。兎に角発射台が低かったので、マーケットを容易に安心させることが出来た、ということだろう。

 面白いニュースが昨日あった。『米で「ユーチューブTV」』 と。米グーグルが、米国で地上波などのテレビ番組をインターネットで配信する有料サービス「ユーチューブTV」を始めるらしい。

 中味は月額35ドル(約3900円)で40チャンネル以上の番組をスマートフォン(スマホ)やタブレットなど端末を問わずに視聴できる、という。私を含めて毎月10億人以上が利用するユーチューブの参入。競争が激しくなるのは歓迎だ。

 1契約で最大6人が同時に利用でき、グーグルの巨大なクラウドを活用した容量無制限の録画機能も付くらしい。しかし問題は「米国以外での展開は未定」という点。

 40チャンネルとはどこか。ABC、CBS、NBC、FOXの4大ネットワークのほか、スポーツのESPN、ドラマのUSAネットワークなどの専門チャンネルなどらしい。スポーツのESPNが入っているのは嬉しい。

 他の「土管」はどうするんでしょうね。先日もある会合で「電波を使った放送なんて、将来はなくなるんでは」という話になった。もう土管は各種。我々の選択次第の展開。その時代に放送は4Kだとか8Kだと。許認可の世界に安住できると思ったら大きな間違いでしょう。

 でも「土管」が充実・多様化しても、要はコンテンツ次第。Jリーグを持って行かれるようでは日本も危険だな。


2017年03月01日(水曜日)

 (22:32)トランプ大統領は一体何を議会で喋ったのか、と思って録画しておいた演説を夜にビデオで見ました。昼間見れなかったので。面白かったのは民主党議員の動きかな。

 共和党の議員達と一緒に立つときがたまにあるかと思うと、別個にパラパラと立つとき、そして全員がじっと座っているとき(これが多かった)。はてまた立たずに拍手だけするときと。あれを見ると「アメリカはまだ分断状態」と思える。テレビもそれをおもしろがって角度を変えて写していた。

 しかし新大統領は、候補の時、そして大統領になって今までとは明らかに演説のトーンを変えていた。「もう協力しようと........」と一生懸命民主党の議員に呼びかけているように思えた。それは「予算つけてよね」と言っているようにも見える。

  持ち出したのは「建国250年」という概念です。2026年。「あと9年でもう来るんだぞ....」「そのために良いアメリカを作ろう」と説いていた。9年も先にターゲットを置いているので、当然ながら就任演説の時の暗さは演説からはかなり消えた。それが彼の演説に新鮮味をもたらしていた。

 「過去のトランプ演説」(ダークな印象が強い)と比較すると目立ったこの「新鮮味」故に、アメリカのマスコミは「彼の演説の中で今まで一番良かった」などという評価を出しているところもある。確かにトーンとか姿勢には新鮮味があった。しかし中味、内容には新鮮味はなかった。新たな政策の発表もなし。

 場中にトランプ演説を聴いた東京の株式市場は、「無難に終わったこと」を好感して270円以上上がった。面白かったのはBBCの解説かな。「驚くべき事に、驚くことがなかった」と。眉をひそめることも言わなかったし、軽口を叩かなかった。そういう意味ではトランプ的でない演説だった。

 公約した分はきっちりと中味に入れていた。しかし全体的には「details」には入らず。相変わらず「大枠の大枠」的な演説で、聞いていてちょっと退屈した。中国には言及しなかったし、あまりにもスタンディングでの拍手が多くて、「もっと早く喋ってよ」と私などは思った。

 一時間以上喋ったようだが、スタンディング拍手がなかったら多分40分で終わっていた。全体的に見えてきたのは、「案外常識人の側面を持つ人物なのかも知れない」ということだ。

 今回の演説はホワイトハウス補佐官のスティーブン・ミラーが起案。それにトランプを始め色々な人が手を入れた。そういう意味では「トランプの本音」というよりは、今のホワイトハウスが議会民主党や国民に送ったメッセージと言える。

 今日のニューヨークの株がどうなるか知りません。規制緩和、インフラ投資、減税にもれなく触れたので、改めて「今後に期待」となるかもしれない。しかしトランプ政権の政策が全体像として機能するかどうかは、依然としてまだ分からない状態と言える。


2017年03月01日(水曜日)

 (16:32)面白い人と仕事。しかも場所は六本木の隠れ家的日本レストランで。かつそこのカウンターでのロケ。

 お相手はハリー杉山というタレントの方。でも少し話をしたら、お父様がニューヨーク・タイムズ支局長だったヘンリー・スコット・ストークスさんだと分かった。「面影があるな」と思いました。私はもちろん本人にお会いしたことはない。しかしメディアの世界では有名な方ですから。特に三島由紀夫さんとの交流は知られている。

なかなかの好青年でした  お父様はイギリス人。オックスフォードを出てFTに入った。初代のFT東京支局長。その後タイムズの支局長をした後にアメリカの新聞であるNYタイムズの支局長をされた。彼は日本人の女性と結婚し、その一人っ子が「ハリー杉山」ということだと分かった。最初NYタイムズの支局長=アメリカ人という頭があったので繋がらなかった。

 なかなか探究心旺盛な、面白い人物です。会ったときは25〜26に見えたが、現在32才だそうな。独身。日本で生まれて10才過ぎまで日本に。しかしその後は18才までイギリスで過ごし、その後に日本に戻ってきた。来た時には日本語を忘れていた、と。

 北京の師範学校の一般コースにも一年いたらしい。フランス語も少し出来ると。多彩です。「今とっても仕事に真剣です」と。遅い子で、お父様は既に80才。といった環境もあり、「日本での仕事に一生懸命」と。昨日は松嶋菜々子さんと映画ロケだったらしい。

 父親と本人は関係ないが、各国での経験を考えると報道番組に出始めているのも頷けるが、実は私は今まで彼が番組に出ているのをあまり見ていない。4月からはNHKの夕方の番組が決まっていると言っていた。彼にも悩みがあるそうで、「北朝鮮問題とか、歴史が弱いので今まであまり言えなかったんですよ.......」と。

 去年私が出した「情報の強者」も買って、一部ながら読んでくれたそうです。なかなか勉強熱心ですよね。

 ところで何のロケかというと、今月の24日の夜10時くらいにフジテレビで「日本 どうでしょう」的なタイトルの番組があり、その中で「世界にないものとしての、日本の料理カウンター」が取り上げられるそうなのです。

 私が「カウンターから日本が見える」を書いたのはほぼ10年前ですが、料理カウンターの番組を作るに当たってリサーチしていたら「私の本が当たった」ということらしく、取材を受けた。そして今日ロケが行われた、というわけ。

 あんな狭いところでのロケは初めてでしたが、なかなか面白かった。どんな番組になるのか知りませんが、ちょっと楽しみ。



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