8年目 〜世代交代の波〜

新年早々、後任の秘書として高嶋クンが着任した。 シュトルツの躍進を二人三脚で支えていこうではないか。先ずはテレビ局との契約。 J1昇格時に放送してくれた12局ネットの新東京テレビの「スーパーサッカー11」で放送してくれるそうだ。 また今年は引き続き大口スポンサーとして保険会社から8億円の出資をいただく事が出来た。 78億円のキャッシュフローを基に余裕を持って契約更改に臨もう。
 GK 岩下(19歳) 92→100(3年) 初めて複数年契約を受け入れる事にした。
 GK 袴田(24歳) 95→ 98     複数年契約は却下。このままでは活躍の場も無いか。
 DF 大幡(26歳)160→210(2年) そろそろ後継を見つける必要があるか。
 DF 中村(19歳) 35→ 95(5年) 希望以上の提示だったようだ。まぁ今後の左サイドは任せたぞ。
 DF 喜沢(26歳)155→175     イエローが多いのは気になるが、右サイドは暫く安泰か。
 MF 大野(29歳)120→145     チーム最年長。複数年希望は却下。
 FW 沢田(26歳) 75→ 80     昨年は陰も薄く、評価点も低く、奮起を期待。
 FW 竹村(27歳) 95→100(2年) キャプテンシーを発揮してくれた。今年も大爆発を期待。
 FW 水城(19歳)100→100(5年) チームの核へと育てていきたく、5年契約とした。
全選手と契約を終え、監督との契約更改に臨む。オライリー留任で問題無いと思っていたのだが、 スカウト部から興味深い報告を受けた。 「GKの強化に定評のあるメキシコの監督がいるのですが」 昨年からGKはチームの穴だと感じていた。 ジャファール氏と契約すると、メキシコの アカプルコFCとの提携が得られると聞き、腹が決まった。 当然オライリー氏は烈火の如く怒った。 「もう二度と日本になど来るものか。いつの日か、品川シュトルツの敵としてピッチに立つ」 秘書の高嶋クンも目を丸くしていた。 ジャファール氏は2年契約を条件に監督就任を快諾してくれた。 5−3−2の中央突破が希望との事だったが、システムは4−4−2を維持する様に希望を出した。

1月はこの他にもいろいろと大変だった。 主だった契約を終えて、50億ほどの資金が残ったので念願の スタジアム増築に踏み切った。 そして韓国から一通の身分照会がシュトルツに届く。 テジョンFCがマルティン獲得に乗り出したのだ。 移籍金7億円に目がくらんだ訳ではない。資金的には余裕があった。 マルティンに話しを伝えたところ「カイチョ、僕イクヨ。新シイチーム、新シイ目標。 千代、竹、ミンナ、アリガト。カイチョ、僕イクヨ」と言う返事を得た。 シュトルツの「10」を背負った男、マルティンのKリーグ移籍は翌日の一面を飾った。

岡津スカウトを中心に1月は新人獲得にも熱が入る。 内々で袴田の後継探しを指示している私は、佐藤浩クンに目をつけた。 今年の新人GKの中では一押しだ。3年契約の20百万は良い買い物だ。 またFWの原竜太クンに惹かれ、15百万でオファーを出し 原クンがこれを快諾してくれた。 ジャファール監督には5人のFW、3人のGKはどうか、と言われてしまったが。

2月は約束通りアカプルコFCでキャンプ。袴田、岩下には刺激になっただろう。 キャンプの全日程を終えると、リスボンからバイティンガーも帰ってきた。 空いた留学枠を利用して岩下を1年間アカプルコに残す事にした。 今年は、このスターティングイレブンで三冠に挑もう。

                        (控え)    (サテライト)    (留学)
     竹村                  大石、原
           沢田            水城
        森岡
    大野      バイティンガー                         山形
        長橋

    中村 千代反田 喜沢           和登       見吉        宮田
 
        大幡

        袴田               佐藤                 岩下
今年はディフェンディングチャンピオンとして迎えるJリーグ。 開幕戦で当たるのはJ1初昇格となるヴァンフォーレ甲府。 新スタジアムに詰め寄せたのは23千人のサポーター。 ところが昇格組に相性の悪いシュトルツは、フルメンバーで対戦するものの 前半5分のCKから失点し、相手DFシャビアの前に2TOPも沈黙。 まさかの敗戦であった。

ジャファール監督の決断は早かった。2節からはルーキーの佐藤がゴールマウスを守る事になった。 佐藤のデビュー戦は大幡、長橋の10.0評価で後半は水城がピッチに立つ横綱相撲。 2−0でJ1に返って来たアビスパ福岡を退けた。 3節のガンバ大阪戦では新スタジアムでいきなりの満員。 2−1の結果にサポーターも大満足のようだ。柏レイソルとのアウェイゲーム。 先にゴールネットを揺らしたのは片切叡山。 南の再三のファインセーブ連発には沢田が切れる。相手に足をかけてレッドカード。 万事休すかと思いきや、そこは三冠を目指す選手たちがしぶとく同点弾を叩き込んで何とかドロー。 5節の京都パープルサンガとの一戦では、再び竹村がの放たれるような ボレーで試合を決め4位にまで順位を上げた。 佐藤がチームにも馴染み、6節では名古屋グランパスを相手に8.0評価のマン・オブ・ザ・マッチを獲得。 水城、和登もピッチに立つ4−0の楽勝であった。

3月の月間MVPはゴール量産のガンバ大阪FWオルザデベが選出された。 3節では佐藤も1失点を喫している。 ベストイレブンにもオルザデベが選ばれたが、中盤には初めてバイティンガーが名を連ねた。 当然千代反田、長橋も選出された。

4月も順調に勝ち星を重ねる。 ホームの横浜F・マリノス戦は千代反田が中村俊輔を止めまくり2−0、 ヴィッセル神戸との8節では水城が初ゴールを決めた。 佐藤のコンディション不良で9節の天王山、浦和レッズ戦は袴田がゴールマウスを守ったが これと言ったピンチもなく1−0で首位を奪取。 このまま首位独走といきたかったのだが、大分でのアウェイゲームで 大分トリニータの石居文雄に引っかき回され、相手退場のチャンスも活かせず1−1のドロー。 2位に陥落。 月間MVPは長橋が取り返し、ベストイレブンには森岡を含めて4人が選出された。 また、新スタジアムについて営業部長から報告を受けたのもこの頃か。 満員になれば1試合で約70百万の収益があがるという連絡を受け、 入場料は2,000円に下げる事にした。

シュトルツのカップ戦緒戦はシードで2回戦から。 J2時代のライバル、大阪エステーラとの熱戦はアウェイで1−1で引分け、 ホームに満員のサポーターを迎えたものの、なんと1−2で カップ戦敗退。 大会V3と三冠の夢が消えた。ジャファール監督もさすがに残念そうな表情だ。

こうなればステージ優勝に邁進するのみ。 鹿島アントラーズとの11節は辛くもVゴール勝ち、12節は仇敵FC東京とのアウェイ戦。 一人ずつ退場を出す荒れた展開に原が後半からデビュー。試合は力づくで2−0と物にする。 前節退場した大野の穴を埋めるべく、見吉をサテライトから上げて臨んだ13節の相手は 清水エスパルス。 0−0の緊迫した展開であったが、佐藤がゴールを守りきれずVゴールを喫し2位転落。 優勝をかけて残すはジュビロ磐田、東京ヴェルディとの2試合だ。

11位と奮わない磐田に対して、佐藤、水城のスタメンは甘かったのか。 14節のアウェイゲームを0−1で落とした時点で優勝の可能性が消え、4位転落。 月間ベストイレブン4人(千代反田、中村、長橋、バイティンガー)を擁しながらも届かなかった賜杯。 最終節は2位の東京ヴェルディ。 ジャファール監督は2ndステージを見越してか、FW原をスタメン起用。前半2−0に 後半は大石、和登をピッチに投入する、余裕の采配。大石は期待に応えて初ゴールで駄目押し。

優勝はガンバ大阪。オルザデベは常に月間MVPを受賞する活躍振り。 吉原も得点ランク2位と40得点の爆発力は見事だが、3節で直接対決を勝利しているだけに悔しい。 品川シュトルツは勝ち点4差の準優勝(10勝3敗2分け)だった。 失点はガンバと同じく7失点。得点が25点に留まったのが課題だろうか。

下位に目をやると、何と古豪クラブの鹿島アントラーズが僅か4勝で最下位となっている。 鈴木の引退後の世代交代が上手くいっていない様だ。 シュトルツも竹村、沢田の後継を上手く育てなければ。

準優勝を誰より喜んだであろう空港公団の幹部が、またもオフィスに訪れた。 準優勝賞金を空港へ出資させようと言う腹だ。まだそれほどの余裕は無い。 高騰する選手の年俸に加え、世界と伍する為の選手の獲得費用・・・ 今年も空港公団の幹部は片を落として帰っていった。

オールスターには千代反田、森岡、長橋が選出されたが、 コンディション不良により森岡は出場辞退。 しかし長橋が同点PKと決勝アシストを決めてMVPを獲得した。2−1の結果に観戦した秘書から 喜びのメールが届いた。

私も観戦したかったのだが、サッカー協会幹部からインターナショナルカップ予選に 我がシュトルツからもメンバーが選考されているとの事で、ミーティングを行っていたのだ。 シュトルツから代表入りしたのは、オールスターメンバーの3人。

代表のスタメンは2TOPがジュビロ磐田の高原とガンバ大阪の吉原。 中盤がジェフ市原の羽生、清水エスパルスの矢沖田(キャプテン)、J2は大宮アルディージャの氏家。 そしてシュトルツの森岡と長橋。 3バックは千代反田を中央にJ2エステーラ大阪の広瀬。大岳も名を連ねた。 ゴールマウスを守るのは藤ヶ谷。

予選グループBの第1試合のトルクメニスタン戦でいきなりのアクシデント。 前半にFW吉原が相手ファウルで負傷してしまう。 ケガを押して吉原は強行出場。しかし日本代表はそのファウルで得たFKを矢沖田が ゴール前に上げると合わせたのは長橋。 この得点を守りきり1−0で幸先良い船出。 吉原は次の中国戦もスタメンで登場。 しかしキレを欠き、チャンスを逃す。こうすると流れは中国。 FWのチャンとズが2得点ずつの大暴れ。対する日本代表は長橋を下げて徳江を入れるが 1点返すのが精一杯で1−4と黒星。

代表戦に釘付になっていた所、岡津スカウトから19歳のFW野毛とコンタクトが取れたと言う連絡に 耳を疑う。高校卒業後に海外挑戦との噂だったのだが。 しかし既にFWを5人も抱えているシュトルツに更にFWが必要だろうか? この逡巡が致命的なミスを生む。 「会長、この額では野毛クンを怒らせるだけです」 「ま、ダメもとなんだ。70百万で1次交渉してみてくれないか」 野毛は当然却下。

「怒られてしまったそうですね。まだ時間はございますわ」 高嶋クンに慰められ、まずはテレビを代表戦に合わせる。 UAE戦でも吉原が出場している。 ガンバ大阪のチームスタッフは頭を抱えているのではないか。 しかし先制された嫌な展開を救ったのは、その吉原。 強引な突破から同点ゴールを奪った。まさにストライカー。この引分けで予選グループの3位に浮上。 敵ながら、同じ日本人として天晴れ。

などと暢気なテレビ観戦をしていると、強化部長から携帯電話に一報が。 沢田に対するオファーだと言う。J1昇格当時はエースとしてチームの屋台骨であったが、 ここ数年は竹村の影に隠れがちの沢田。 FW枠の整理にもなり、何より野毛獲得へのうってつけのシナリオだ。 27歳という年齢も加味し、152百万でブハラFCへの移籍を合意した。 本人も1stステージ後半から水城にスタメンを奪われ、新天地での再起に前向きだ。 沢田よ、これまで、ありがとう。

さぁ、そうと決まれば野毛だ。 しかし契約は難航。結果的に230百万の年俸も一蹴され、野毛は海外クラブとの交渉に移ったそうだ。 やはり最初の70百万が悪印象であったか。

シュトルツのチーム事情など意に介さず、代表戦は進行する。 2位キルギスタンとの対決で、いよいよ吉原が大ケガを被った。 これには堪らず前園と交代。吉原はその日の内に緊急帰国となった。 試合は吉原へのファウルで得たPKを千代反田が任され、先制。 その後も森岡がPA内で倒され、再び千代反田のPK得点。高原を下げ、徳江をピッチに立たせる 余裕の展開で5−1で圧勝。キルギスタンに替わって2位浮上。

1順目最後の相手はタイ。 拮抗した試合も1−0で、長橋を徳江に代えて逃げ切り。 トルクメニスタンとの予選6試合目も2−0で最終ライン広瀬を休ませ、高橋が代表初デビュー。 グループ首位の中国との第2戦。勝ち点差は僅か1で、この試合の勝者はほぼ予選突破が確実。 第3のFWリゥにゴールを割られるが、日本代表も矢沖田が直接FKをねじ込んで同点。 日本は2位のままだが、この時点でほぼ予選突破が見えてきた。

つづくUAE戦は千代反田が10.0評価を受けるシャットアウト勝利。2−0で 最終戦を待たずに本戦出場が決まった。 キルギスタン、タイとの残り試合もきっちり勝利し グループ首位(7勝3分け)の中国と勝ち点差1の2位(7勝1敗2分け)通過で本戦出場。 グループAからはサウジと韓国が本戦への出場権を得たと言う。 アジアの実力を見せつけてやるねばなるまい。

国内のサッカー人気も高まる中、8月の2ndステージ開幕を迎えた。 代表でPKを任された千代反田はジャファール監督の目にも高く評価され、 大幡からリベロの座と、PKキッカーを受け継いだ。 新スタイルで鬼門である2nd開幕に臨む。

ヴァンフォーレ甲府は1stステージで負けただけに、選手もリベンジを狙っている。 試合は水城の先制ゴールで勢いづいたシュトルツが猛攻。長橋も10.0評価となる4−0で大勝。 アビスパとのホーム開幕戦も長橋が10.0評価となる独壇場で1−0の連勝。 3節は1stステージの覇者、ガンバ大阪の本拠地に乗り込んでの一戦。 先制点を取って、守りがかった訳ではなかろうが、オルザデベに同点弾をくらうと 決勝ゴールを奪ったのは、なんと吉原。大ケガからの復帰にホームスタジアムは割れんばかりの歓声。

肩を落として東京に戻ると、秘書はウキウキ顔だ。 「なんだい、高嶋クン。敗戦で笑顔はないだろ」 「申し訳ありません。でも、会長、今日は何の日かお忘れですか?」 ・・・そうか、誕生日か。 「覚えてるよ。ストラディバリは用意してある。明日、店へ連絡してみると良い」 「ありがとうございます!」 まさかバイオリンが2億もするとはね。準優勝のお祝いにプレゼントすると約束したからには仕方あるまい。

4節は片切のいる柏レイソル。 満員のホームでの試合だったが、スタンドからはブーイング。 前半で片切のアシストもあり0−2と劣勢。 後半は一挙に3人メンバーを交代に出たジャファール監督。 しかしGKを佐藤から袴田、SDFを喜沢から和登、FWを原から水城と入替えた後半も 森岡からのクロスに竹村が合わせるのが精一杯。1−2と痛い連敗で7位転落。 嫌な雰囲気も漂ったが、パープルサンガ京都では水城の駄目押しゴールもあり3−0、 名古屋グランパスとの6節も1−0で復調の兆しはあった。

しかし9月最初の試合は下位の横浜F・マリノスに2点先制を許す苦しい展開。 後半は見吉をピッチに入れるものの、1点返したところで試合終了。 その後も一進一退のシュトルツ。 ホームのヴィッセル神戸戦は3−0と一息つくが、アウェイの浦和レッズ戦はまたも2点を先行され、 水城が意地の1ゴール止まり。大分トリニータとの10節は袴田、見吉をスタメン起用し、 後半は大石、和登を送り込むジャファール采配が的中。大石が期待に応えてゴール。 若いFWが沢田の穴を埋める。2ndも最下位の鹿島アントラーズとはアウェイでの一戦。 しかし、ここで長橋がケガを負うアクシデント。 大石が中盤に入り、どこかギクシャクするシュトルツだったが、 袴田がファインセーブでリズムを取り戻し2−0で4位浮上。袴田が初の10.0評価を得た。 ところが勢いは持続せずに8位のFC東京にシーソーゲームを演じ、一時は水城が 勝ち越しゴールを奪うが、終盤に負いつかれ、Vゴール負け。

カップ戦を制したばかりの清水エスパルスとの13節はスコアレスドローに終り、これで7位転落。 11位に低迷するジュビロ磐田戦では喜沢を先発に戻して、前半で2−0と久しぶりの安定感。 後半は喜沢に代えて和登を送り出し、水城も駄目押しゴールを奪い試合終了。 最終節は既に優勝を決めた東京ヴェルディが相手。乗っている水城が同点ゴールを奪うものの、 前園に決勝ゴールを割られて、2ndステージは7位(8勝6敗1分け)と力を出しきれないまま終ってしまった。

沢田の抜けた右FWは水城(7ゴール)が存在感を増したものの、 中盤との連携は今一つで、攻撃力の低下(26得点)は否めない。 終盤の4試合に長橋が負傷欠場していたのも痛かった。 鉄壁のディフェンスラインも佐藤、和登が加わった時に安定感を欠き、失点(13失点)が増えている。 ベストイレブンの常連である長橋、森岡、バイティンガーを擁する中盤はリーグ屈指だとは思うが FW、DFの世代交代は難しい。 今年の年間順位は4位に終った。

個人ランキングは33ゴールのオルザデベが得点王。竹村もキャプテンとしてチームを引っ張る 21ゴールが4位にランクイン。 評価点部門でもオルザデベが8.2で個人二冠を達成。2位長橋が7.7である事を考えると、素晴らしい活躍と言えよう。 千代反田が7.6(3位)、バイティンガーが7.0(7位)、中村も6.9(8位)、森岡の6.8(12位)までが ランクイン。

Jリーグの日程が終了した11月は昨年度のリーグ王者として アジアウィナーズカップに挑戦する。 先ずは海外遠征で調整。 ボゴタFCとの練習試合では、早々に先制点を献上。 ケガから癒えた長橋への厳しいタックルで相手が一人退場になった後も好機を得られずに0−1で試合終了。 モンロビアFCには竹村のゴールで1−0と勝利したものの、カイロFCとはスコアレスドローと 調子は今一つ。

新東京テレビが大会のスポットスポンサーに付いてくれ、 緒戦のクウェートFCは是が非でも勝利したいところ。 ジャファール監督もスタメンには慎重に。調子を考慮して水城ではなく大石、中村ではなく和登を スタメン起用した。0−0の後半からは水城、中村を投入して勝負に出るものの、決定機が無く延長突入。 やや疲れの見えるシュトルツに対してクウェートのアミンが襲いかかる。 延長前半、延長後半に1点ずつ奪って0−2で今年も緒戦敗退。 何ともアジアの壁の高きことよ。

こうなれば今年最後のタイトルであるニューイヤーカップにかけるまで。 先ずは残りのプレシーズンマッチで原、大石の2TOPを試す。 J2降格の決まっている鹿島アントラーズから、大石が期待に応える2ゴール。 5年前を思い出す。J1昇格初年度に辛酸を舐めたあの頃、アーグスト監督の下で 沢田、竹村が同じ様にこの時期にピッチを駆けたものだ。

感慨に耽っている余裕は無かった。 次のジュビロ磐田とのプレシーズンマッチでの悲劇。 それは長橋のケガ再発。 チームドクターによれば、やはりケガをしやすくなっているようだ。 試合も1−2で負け、ニューイヤーカップも心配になってきたぞ。

心配の種を他所に幹部会では吉報が。 サポータークラブが5万人を突破したと言う。 やはり、ニューイヤーカップは頑張らなくては。 先ずは、地元サポーターへの感謝の印に都の住宅行政に従い、2億円の投資を行おう。 チャンピオンシップを制した東京ヴェルディも少しは融資を行ったのかな。

ニューイヤーカップの緒戦はサガン鳥栖。 長橋の穴は大野が下がって、左のサイドハーフは大石が務める。 前半からシュトルツが圧倒。後半は水城に代わって原がピッチに立ち、4点目は原が駄目押し。

2回戦は浦和レッズ。 必ずしも組みし易い相手ではない。 カウンターをもろにくらって渡辺のハットトリック・・・ そんな悪夢も見た。 ジャファール監督が袴田をスタメンGKに選んだのは経験を重要視したためか。 30百万のプレミアも効を奏し、ジャファールの守備重視が浦和レッズにカウンターの隙を与えない。 1−0の辛勝でベスト8進出。

FC東京を3−0で下してスポンサー条件であったベスト4もクリア。 準決勝で当たるのはガンバ大阪。 またしても吉原、オルザデベの2TOPにゴールを割られて、ニューイヤーカップ優勝も果たせず 今年は無冠でシーズン終了。 ガンバ大阪は決勝戦で清水エスパルスを下し1stステージに続く戴冠。

今年は無冠に終ったものの、水城を筆頭に大石、和登らがスタメンに名を連ねる 世代交代の年となった。一方でマルティン、沢田とJ1優勝やカップ戦2連覇を支えた選手たちが 海外へと活躍の場を移した年でもある。 来年になれば岩下も帰ってくる。山形、宮田も戻れば戦力も整う。 チャレンジャーとして1からやり直そう。


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