19年目 〜復権 リネッティ2年目〜

やはり好成績を残すとスポンサーが着いて来る。 今年はヘリコプター輸送、ゲーム会社、ディスカウントショップ、紳士服飾など大口4社との新規契約を結ぶ事が出来た。 大型の契約更改が残っているので、潤沢な資金が無いと不安で一杯だ。
 GK チラバート(21歳) 310→290(5年) そのリーダーシップにも期待。固い守備でシュトルツを守ってくれ。
CDF 宮田   (31歳) 110→185(3年) そろそろ体力的な衰えが心配だが、宮田無しに4バックを語れない。
SDF 沖田   (20歳)  23→ 23(3年) 路木の後継者となれるか。今年もスタメン起用で成長を期待。
 FW シンゴ  (17歳) 200→190(3年) 川崎高校2年生に進級。勉強も頑張れよ。
OMF 山形   (30歳)  55→ 65     今年は進退を賭ける1年。
 GK 岩下   (31歳) 145→140     第3GKとして再起を賭ける。
そして、バイティンガーの契約更改。昨年は結局ピッチに立つことも無く、ユース所属のコバレチュクへの指導にかかりっきりの 1年であった。そのコバレチュクもユースを卒業。キルギスタンへと帰っていった。残念ではあるがバイティンガーが レギュラーとしてピッチに立つ見こみも無い以上、彼との契約は更新されなかった。 ドイツから来日してシュトルツで2度のチャンピオンシップ優勝に貢献してくれた助っ人が静かに帰国した。

そしてパラグアイへと帰国したのがリバァセスカウトである。 私の国内選手への渇望を満たす事ができずに契約満了をもって解任となったのである。 新しいスカウトとして坊野知久氏と3年契約を締結。

今年は大型新人が多く、獲得競争も白熱した。 GKの山戸孝充が入団したのは京都パープルサンガ。 ジェフ市原はブラジルからDMFのバウデウを獲得。 FC東京もブラジルのOMFハディルソンを、やはりベガルタ仙台もブラジルからOMFのパドリアーノを補強。 ベルマーレ湘南はGKの加藤良樹と契約合意。 シュトルツはDMFの瀬水秀雄クンと交渉したのだが、契約期間が折り合わずに入団合意は成らず。 何とも残念である。

2月。スポンサーとなってくれたゲーム会社から『品川シュトルツをつくろう』と言う ゲームソフトが発売され、 品川区民を筆頭に大好評だったとかでシュトルツにもライセンス料2億の収入があった。

昨年のアジアウィナーズカップを制した事で挑戦件が得られた<ワールドチャンピオンリーグ>が開幕する。 2月のこの時期はリーグ戦を前にラゴスでキャンプと言う構想もあったのだが、私は試合を通して得られるものも大きいと判断。 リネッティ監督は不満げだったが、大会出場の手続きを済ませた。 ところがやはり私の短慮であり、この大会に出場するには早過ぎた。

リバプールFC、ローマFC、パリFC、ミュンヘンFC、ロッテルダムFCとの6チームリーグ戦で シュトルツは2得点19失点の全敗。選手たちは試合を通して経験値をあげるどころか、クラブ運営方針に問題ありとし、 不満の嵐だった。反省しよう。チラバートなどは、勝てないチームはクズだと豪語し、帰国寸前であった。 喜んだのは30%近い視聴率を獲得したアジアTV幹部のみだった。

さて1stステージに集中しよう。勝つことで選手たちの不満も納まるだろう。 今年は古豪鹿島アントラーズがJ1に返り咲いた。コンサドーレ札幌も何シーズン振りのJ1だろうか? 代わって浦和レッズと横浜FCがJ2降格である。

開幕戦はルーキーGK山戸が早速ゴールマウスを守る京都パープルサンガ。 山戸のファインセーブもあり延長戦に突入したが、水城が99分にVゴール。辛くも白星発進。 水城は続く2節の大分トリニータ戦でハットトリック達成。今シーズンは調子が良さそうだ。 その代わり悲運が源を襲う。相手のタックルで負傷し長期離脱を余儀なくされてしまった。 3節はCDFの路木の一人舞台。阿部のFKに合わせて先制すると、延長戦の94分に左サイドを駆け上がって値千金のV弾。 流石は元SDF。サガン鳥栖との4節も延長戦で水城が決勝ゴール。4月はその後も源の穴を埋める山形のゴールなどもあり 無敗で、宮田が実に3年振りの月間ベストイレブンにノミネートされた。 鉄壁のディフェンスラインを牽引する宮田の活躍が実を結んだのだ。

久しぶりに溜飲の下がる試合となったのはカップ戦の1回戦。セレッソ大阪とのアウェイゲーム。 6−0と一方的に攻めまくって完勝。毎試合こうだと良いのだけれど。 今年のリーグ戦は波乱続き。ヴィッセル神戸がサガン鳥栖相手にドローで勝ち点を取りこぼしたかと思えば、 清水エスパルスまで大阪エステーラとドロー。柏レイソルはFC東京に破れるなど、8節時点で優勝戦線は混迷を極めた。 9節では何とヴィッセル神戸まで大阪エステーラの餌食となり3−4と優勝戦線から一歩後退。 柏レイソルもジェフ市原の勢いに飲みこまれて1−2と敗戦。 シュトルツは相変わらず負けない試合運びで10節の鹿島アントラーズ戦に勝ち、何と勝ち点23の3位浮上。 首位に立ったのは清水エスパルスを破ったジェフ市原で勝ち点26、 ヴィッセル神戸は下位のFC東京に破れて勝ち点20の4位に低迷。 この混迷の4月に月間MVPを取ったのが宮田である。 下手すると長橋以来8年ぶりの月間MVPではないか? 路木も合わせてベストイレブンに名を連ねた。

リネッティ采配はその後も好調で、FW5人を使い分けて攻撃陣の力を引き出している。 11節には柏レイソルを下していよいよ2位となり、ジェフ市原を勝ち点差1で追う展開となった。 カップ戦も難敵清水エスパルスを0−0、1−0とトータル1−0で辛勝し3回戦に進出。その勢いで 直後の12節の再戦は5−0とまさかの(?)大勝。ヴィッセル神戸に引分けた時点で優勝は遠のいたが サポーターは大満足。ここに着てサポータークラブの新規加入者も増えて22万人を突破。

大きな声援に後押しされ、ホームでの最終節もアビスパ福岡に4−2と勝利し、 今年も結局2位で1stステージを戦い抜いた。 4月の3つのVゴールなど取りこぼしを嘆くスタッフもいるが、確実にリネッティ体制でチームの地力が上がってきた事に 私は喜んでいる。問題はこの後だ。青柳、シンゴ、岡本、沖田と未留学の選手たちの育成と、更にその次の世代を 今から念頭に入れねばなるまい。

19年目1stステージ
優勝 ジェフ市原   勝ち点36 12勝2敗1分け 37得点15失点
2位 品川シュトルツ 勝ち点35 12勝0敗3分け 31得点11失点
3位 清水エスパルス 勝ち点31 10勝3敗2分け 37得点16失点
順位賞金の7億はスタジアムの補修にでも当てよう。 カップ戦の3回戦で1−1、2−1でサンフレッチェ広島を下した直後、パリFCから控えGKの佐藤を 1年間留学させてみないかとオファーが着た。チラバートと言う圧倒的なレギュラー候補がいる今は、 ベンチで燻っているよりも、海外で自分の力を見つめなおしたいと言う本人の意向で彼はパリへと発った。 月末のオールスターには宮田、阿部、ジャビの3人が選出された。今年もPK戦にまでもつれ、そして今年もそれに破れた。

7月の世界スポーツ大会本戦。 やはり青柳たちシュトルツのU23メンバーに声はかからなかった。 代わってチラバートが当然の様にパラグアイU23代表として、一旦チームを離れて大会に向った。 日本U23代表は1次リーグでイングランドに次いで2位となり、決勝トーナメントに進出した。 ベスト16同士の対決でチェコを破った日本U23代表の次の対戦相手はパラグアイであった。 私は執務室のテレビの前に座り、複雑な気持ちで試合を観戦した。 チラバートの失点シーンを喜ぶ訳にはいかない。 彼らはリーグ戦で紛れも無くシュトルツの好敵手としてピッチに立っている選手たちなのだから。 とは言え、私も日本人だ。あぁ、複雑。

結局、この一戦はパラグアイが先制し、ヴィッセル神戸のエース平塚がチラバートから1点はもぎ取った。 しかし最後はパラグアイFWを止めきれずに1−2で日本U23代表はベスト8で大会を去った。 パラグアイも準決勝で敗退し、イタリアの優勝で大会は幕を閉じた。

気を取りなおして2ndステージに集中しよう。 チームに合流したチラバートもモチベーションは高いままだ。8月は、そのチラバート率いるディフェンス陣が踏ん張り 11得点1失点と完璧な出来で6戦全勝で2位と好調な出だしを飾る。その内3試合が1−0と競り合いに強くなった事を 感じさせる。これもチラバートのキャプテンシーのおかげか。但し月間MVPはジェフ市原のFWスミーが受賞した。 ゴール量産しているものな。宮田は辛うじてベストイレブンに名を連ねている。

9月に入っても堅守は変わらず。7節のFC東京とのダービーマッチではチラバートが来日後初のマン・オブ・ザ・マッチに。 ジェフ市原にこそ2ゴールを割れれたが、10節終了時も僅か3失点で2位キープ。 首位は得失点差で上回るヴィッセル神戸。ジェフ市原は10節で清水エスパルスに敗れて4位後退。替わって その清水が3位浮上。優勝争いは、以上4チームに絞られたと言っても良いだろう。 やはり優勝戦線に身を置いている、この緊張感が堪らない。

そしてチームに心強い仲間が帰ってきた。サンパウロに留学していた和登の帰国である。 これで路木が本職の左SDFに戻り、和登が宮田とCDFを組む。沖田がスタメンを追われた形となったが 実力社会の中、それも已む無し。

カップ戦の準決勝1戦目は、その復活ディフェンスラインが横浜F・マリノスの中村俊輔を食い止める。 ところが、ふと集中の切れた90分にまさかの失点。遠藤にやられた。こうなったら2戦目で取り返すしかない。 試金石となるのは2ndステージ11節の柏レイソル戦。これを1−0と辛抱強く戦ったシュトルツは首位浮上。 ヴィッセル神戸がジェフ市原に延長戦に持ちこまれたのである。牧野のゴールで勝利したものの、勝ち点差1が生じた。

やはり勢いはシュトルツに味方した。 カップ戦2戦目は横浜に乗り込んでの試合だったが、シンゴと水城が前半から精力的なチェイシング。 これが相手の焦りを誘い前半にPKを得て1−0、そして後半からピッチに立った大石が値千金の2点目。 トータル2−1となり、2年ぶりの決勝戦進出を決めた。

12節は首位として清水エスパルスと対戦。 エコパも超満員。ここは青柳の高さを利してカウンター勝負だ。リネッティ監督の戦術はドンピシャ。 先制は許したが、青柳のポストに源が詰めて同点。後半から足の止まりかけた水城を下げて、シンゴを投入。 すると、そのシンゴが期待に応える決勝ゴール。うーん、ここまで育ってくれてありがとう。

カップ戦の決勝戦までコマを進めたもう一つのチームは、ライバル大阪エステーラである。 玖珂が率いるディフェンスラインとチラバートが鍵をかけるシュトルツゴール。 これは1点勝負となるのは必至だ。 果たして、試合は延長戦にまで縺れ込み、訪れた116分。 試合に終止符を打ったのはスーパーサブ大石。 自らの殊勲で得た2年ぶりの優勝カップを高々と掲げる。 この大会で胴上げされるのも5回目か。これは病みつきになるなぁ。

気持ちは正直なもので、この優勝で気が緩んだのか13節の頂上決戦を前に水城と青柳のコンディションが上がらない。 遅くまでのTV出演を認めるべきではなかったか。 迷った末にシンゴを先発起用して臨むが、やはりパンチ力はやや欠けるか。 前半は2−3と壮絶な打ち合いとなる。ハーフタイムにリネッティ監督から水城との交代を打診されたシンゴは、それを拒んだ。 有言実行の高校2年生はピッチで結果を出す。後半36分にセットプレイのこぼれダマを拾って、豪快にシュート。 タイミングを外されたGKジーグは動けず。これが最後のゴールとなり3−3で辛うじて首位キープ。

後はコンサドーレ札幌、アビスパ福岡と与し易い相手のため、この時点で優勝はシュトルツと言う気運が盛り上がった。 対するヴィッセル神戸の最終節は清水エスパルスである。確かに私も優勝を意識した。ここまで7失点のディフェンス陣を 過信したのかもしれない。

最終節、私は福岡へ飛んだ。 選手と優勝の瞬間を分かち合うためだ。 ところが、そこから悪夢が始まった。 原と青柳が先発2TOPだったのだが、これが全く奮わない。 微妙な歯車のズレはチーム全体を空回りさせ、まず福岡FW岡本に先制ゴールを与えてしまう。 湧き上がる福岡サポーター。 苛立ちが隠せないシュトルツのプレイは次第に雑になり、そこを突かれて何と前半で岡本が2ゴールを追加し、 ハットトリック達成。

ハーフタイムのドレッシングルームの雰囲気は最悪。 リネッティ監督の指示も聞く耳持たず、責任の擦り合いが始まった。 これでは駄目だ。後半開始早々に岡本にこの日4ゴール目を叩きこまれてジ・エンド。 原の1ゴールは正に焼け石に水。優勝はこの手からこぼれていったか・・・

「会長ぅ、どちらへ?」席を立とうとした私に声をかけたのは篠原クンだ。 「見ての通りだ。東京への便は何時だ?」篠原クンに当たってもしょうがないのだが、声がきつくなる。 「エスパルスが勝ちましたのよ」「え?」

博多の森競技場の電光掲示板に清水エスパルスが3−2でヴィッセル神戸を下したとの試合速報。 これで破れたシュトルツサポーターも大爆発。勝った福岡サポーターからも優勝を祝うエールを贈られ、 福岡の長い熱い夜が始まった。 素直に喜べないと言い聞かせながらも、実に9年ぶりとなる2ndステージ 優勝に大騒ぎだ。

19年目2ndステージ
優勝 品川シュトルツ 勝ち点40 13勝1敗1分け 27得点11失点
2位 ヴィッセル神戸 勝ち点39 13勝1敗1分け 49得点20失点
3位 清水エスパルス 勝ち点37 12勝2敗1分け 33得点14失点
4位 ジェフ市原   勝ち点30 10勝5敗0分け 32得点19失点
得点王は神戸の城が28ゴールで、2年連続の戴冠。 平塚は3年連続となる最優秀評価点である。シュトルツからは得点ランキングで水城が15ゴールの12位、 評価点は7.1で宮田が11位、6.9の阿部が17位。

チャンピオンシップを控えつつも、予定通りに青柳をラゴスへ、岡本をレバークーゼンへ共に2年間の留学へ送り出す事にした。 それぞれ、シンゴ、沖田と代役に目処が立ったこともあり、強化部からの問題無いだろうと言う判断も加味しての結論だ。 11月に入り、アシモビッチ、源、阿部、ジャビの実力を考慮して、リネッティ監督の求めるゾーンプレスの採用を 支持する事にした。 戦術を変更して迎える初の大会は<ワールドウィナーズカップ>である。昨年の<アジアウィナーズカップ>優勝チームとして 恥ずかしい試合は出来ない。

緒戦はヨーロッパを代表してリバプールFCが待ち構える。 2月のプレシーズンマッチの様に負ける訳にはいかない。1億のプレミアと 水城と大石を先発起用して磐石の態勢でベルバーグらを迎撃しようではないか。 さぁ、世界スタジアムも超満員。大舞台で燃えるのが一流選手。チラバートがリバプールの攻撃を止めまくり。 圧巻はベルバーグのシュートをスーパーセーブ。あれで流れを引き寄せると、 延長後半に水城がこの試合唯一のゴールを挙げた。最後のベルバーグのFKもチラバートがしたり顔でナイスキャッチ。

一方では南米チャンピオンのブラジルはベロオリゾンデFCが決勝進出。 この試合も1億のプレミアを用意して、手段は問わず結果を獲って来いと選手をピッチに送り出す。 慎重に守り重視で臨んだ後半、阿部のFKにアシモビッチが華麗に合わせると、美しい軌跡がゴールマウスに吸い込まれる。 残り時間は選手全員でロナルドをはじめとしたベロオリゾンデ攻撃陣をシャットアウトし、 初挑戦で初優勝。 アジアの代表として世界大会の頂点に君臨した瞬間である。イタリアの智将リネッティにも感謝感激。 帰国後も当然大ニュースとなった。この雰囲気を大切にしなくてはならない。私はすかさず4億のスポーツ投資を指示した。

大会の疲れを考慮したのか、今年の欧州選抜と世界選抜とのメモリアルマッチでアシモビッチ、ジャビの両名は ベンチに控えるのみであった。まぁ、チームオーナーとしてはありがたい配慮だ。感謝しなければ。 気になる連絡がもたらされたのも月末。ラゴスに発った青柳の留学先でのパフォーマンスが上がらないと言うのである。 今すぐどうこうと言う訳では無いが、留学の成功を祈るしかあるまい。

師走突入と共にチャンピオンシップの開幕である。 先ずは市原スタジアムに乗り込んでの第1戦。水城と原がスタメンとしてピッチに立つと、水城が前後半に1点ずつを挙げて 2−1と先勝。 ホームで満員のサポーターが見守る中、第2戦がキックオフ。徹底した守備固めの前にジェフ市原イレブンは手が出ない。 浮き足立ったところを原の一撃と、阿部のヘッドで2得点。最後に1点返されたものの、2戦全勝で 品川シュトルツが今年のJリーグチャンピオンと決定した。 クラブとしては3度目の総合優勝である。シンゴが優勝旗を振り回している。 沖田がサポーターに駆け寄る。12年前の光景が昨日の事のように脳裏に甦る。マルティンはKリーグ参戦の後に 音信不通となってしまったが、今頃何をしているだろう。 そして岡本よ、青柳よ、この知らせが届いているか? 帰国後にはお前たちがこの栄冠目指してチームを牽引するのだぞ。

こうなるとニューイヤーカップを制して三冠達成を夢見るのが人間の欲と言うものである。 水城が1回戦から3試合連続ゴールを上げて京都パープルサンガ、モンテディオ山形、清水エスパルスと苦しい試合を 勝ち上がる。中でも清水戦は50百万のプレミアを用意し、シンゴ、大石の先発FWに代わって延長から登場した 水城に救われる試合だった。 準決勝からはシンゴが大活躍。スタメンを譲らず、ベガルタ仙台との準決勝は1ゴール、1アシストで 初のマン・オブ・ザ・マッチをも手にした。決勝で争うのは三度ジェフ市原である。 決勝戦では水城、原、果ては大石の出番も無いくらいのハイパフォーマンスで2得点。 反撃は1点に凌ぎきって、2年ぶりのニューイヤーカップ優勝で国内タイトル三冠達成である。 当然大会MVPは異口同音にシンゴであった。

喧騒の中、暮れていく大晦日。 今年は昨年に続き飛躍の一年であったものだ。 2月のワールドチャレンジリーグこそ戦績は奮わなかったが、替わりに視聴率は30%を超えた試合もあった。 サポータークラブも22万人を突破し、272万人もの観客がスタジアムに足を伸ばしてくれたと言う。 経営の方も50億の黒字であり、財務スタッフもホクホク顔だ。 品川区も105万人を突破し、スポーツ文化も随分と根付いてきたそうだ。 今年は十分な結果を残した。来年こそはシュトルツから代表入りする選手もいる事だろう。 来年の更なる飛躍を期して私は後ろ手に執務室のドアを締めた。


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