22年目 〜立ちはだかるはヴィッセル神戸 リネッティ5年目〜

3年ぶりに正月気分を味わっている。 今年はクラブ運営に100%精力を傾けよう。 リネッティ監督も、任期満了となる5年目。 再びJリーグの覇者と成らん事を誓おう。

今年は大量10人の選手たちと契約更改。 近年はステージ優勝、代表選出、そして代表戦での活躍と、年俸も増加の一途を辿る。

SDF 岡本    (23) 33→ 45×5年 留学から帰りスタメン定着。千代反田の「5」を名実ともに継承できるか?
DMF 阿部    (28) 90→135×5年 今やチームの主軸は日本の主軸。代表でのプレイをシュトルツでも。
OMF アシモビッチ(31)175→275×4年 クロアチア代表。ナショナルチームでの鬱憤はシュトルツで晴らせ。
 FW 青柳    (24) 35→ 45×5年 待望のエースナンバー「9」を背負う今年は、前線の主軸になれるか。
 FW 大石    (31)110→170×3年 昨年2ndステージから先発定着。キレはチームピカイチ。
 FW 原     (32) 40→ 45×1年 青柳の帰国で出場機会が減った今年が剣が峰。
 FW シンゴ   (20)190→230×2年 次の世界スポーツ大会の為に、留学へと旅立たせよう。
SDF 沖田    (23) 23→ 35×3年 岡本の帰国に対抗意識を燃やす。先ずは海外留学で経験を積むか。
 GK 佐藤    (30) 33→ 33×5年 日の丸を背負った経験を買って、長期契約締結。しかしスタメンは・・・
CDF 宮田    (34)185→215×1年 最後に契約を結んだのは元キャプテンの宮田。「2」は伊武へ。
新人獲得では坊野スカウトを中心に遠藤悟郎クンと交渉を続けたのだが、本人の希望はあくまで海外。 残念ながらシュトルツ入団とはならなかった。 大物と言えばポーランドのFWスビツァが名古屋グランパスに入団した様だ。

「失礼します。オーナー」 篠原クンの後を受けて、品川シュトルツの秘書として着任した三ツ谷クンだ。 「オーナー。日本サッカー協会から、今度はU23代表監督への就任要請のお電話です」 嬉しいハナシだが、体力的にも代表監督はもう懲り懲り。申し訳無いが勘弁してもらおう。

手前味噌だが、協会が私に指揮を任せようと言う気持ちも分らないでもない。 何と昨年の日本代表のインターナショナルカップ、インターチャンピオンカップの優勝によって、 世界ランキングはイタリア代表に次ぐ 2位となったのだ。もちろん日本サッカー会史上初の栄誉である。

ところが、その陰で品川シュトルツは奮闘しながらも世界クラブランキング43位に止まっている。 昨年も通算勝ち点はヴィッセル神戸以外にも大阪エステーラ、ガンバ大阪、清水エスパルスの後塵を拝している。 何は無くとも大阪エステーラには勝たねばならない。

ゾーンプレスの浸透度が今一つだと感じた私は、2月にラツィオキャンプを指示。 リネッティ監督も母国でのキャンプには肯定的であった。 そしてこのキャンプごにシンゴはリスボンに1年、沖田をレバークーゼンに2年間の留学に出す事にした。 青柳、岡本の帰国に伴ってスタメンを追われた若き彼らに、もう一皮剥けてもらおう。

昨年の不況からは脱した様で、地元ゼネコンも少々活気が出てきた。 私はここぞとばかりに設備改築を指示。 アミューズメント、報道室を改装し、 ラーメンショップ、レストランもスペースを増築する事にした。 一層の収入の増加と、視聴率の向上を目指そう。

昨年日本代表として良い所を見せた大石に、ドルトムントFCから約6億のオファーがあった。 悩んだが、今年はとにかくチームの成績が大事。現状は大石、水城と言う2TOPを崩す訳にいかないだろう。 大石にとっては最後の海外移籍チャンスだったかもしれないが、「27」を待っているサポーターがいる。 今年も頼むぞ。

                 (控)       (留学)
    大石  青柳        水城、原      シンゴ

   山岸   アシモビッチ    源、藤田

   阿部   ジャビ

路木        岡本      常松、宮田     沖田
   和登  伊武

    チラバート         佐藤
さて、開幕戦だ。満を持して臨んだつもりが、先制されてしまう。 何故なのか。どう見てもアビスパ福岡よりもチーム力は上だと思うのだが。 日本代表を3人も擁し、クロアチア代表のアシモビッチ、パラグアイ代表のチラバートと ほぼ半数を代表選手で固めていると言うのに。 後半に山岸代えて、これまた代表選手の源を投入する。終了間際に大石がPKを決めて辛うじて引分けで勝ち点1。 両チーム合わせてイエローカードが5枚も飛び交う荒れた試合となった。

2節は水城の決勝ゴールで京都パープルサンガを下し、3節にはチラバートの直接FKなどもあり ジェフ市原を3−0で一蹴。4節の柏レイソル戦は青柳が決勝ゴール。視聴率23.88%と言う一戦で 十分にアピール出来たのではないか? 大石も負けてはいない。5節FC東京とのダービーマッチは大石が決勝ゴール。 最下位ジュビロ磐田相手に水城の1ゴールのみは淋しかったが、4月は2位で終了。 チラバート、アシモビッチが月間ベストイレブンに選出。アシモビッチは自身初である。 それでもサポーターの減少傾向には歯止めがかからず。困ったものだ。清水エスパルスが6節終了時で早3敗と 優勝に黄信号。

カップ戦はリネッティ監督も余裕を見せ、鹿島アントラーズ相手にリードすると 常松、藤田、原をピッチに立たせる粋な采配で2回戦突破。 横浜F・マリノスとの7節は代表俊輔も好調で一進一退のシーソーゲーム。 延長にまでもつれて、最後は大石が貫禄のVゴール。 横浜FCとの8節も青柳の先制点を一度は追いつかれ、大石が延長で決勝ゴール。 不調清水エスパルスは4位まで順位を上げてきたものの、直接対決は2位のシュトルツが3−0で完勝。 23.82%と視聴率も好調。 5位ガンバ大阪の挑戦も大石、青柳のゴールで試合を優位に進めた。ガンバも代表FWの吉原が奮起して 1ゴールをチラバートから奪って見せた。 4月は大石の自身初ベストイレブン。5ゴールの内2ゴールがVゴールと言うのはチームへの貢献度は計り知れない。 それでもサポーター離れが進んでいる。

11節の大阪エステーラとの因縁の対決では山岸が嬉しいJリーグ初ゴール。山岸は8.0評価で この試合マン・オブ・ザ・マッチに輝く働き振り。 結果的にはこの1点が大きくモノを言い、延長にまでもつれた試合を水城がVゴール。 この時点で首位はヴィッセル神戸で勝ち点31、2位がシュトルツで勝ち点28。 続くのはFC東京の勝ち点18で、優勝戦線は2チームの争いに絞られてきた。 清水エスパルスはガンバ大阪に負けて4敗目だ。

カップ戦の2回戦では大石がホームで爆発。 名古屋グランパス相手に4ゴールで満員のサポーターも大満足。 危なげなく3回戦進出を決めた。

さぁ、12節。首位ヴィッセル神戸との直接対決の時が着た。 勝ち点差は3、この試合に勝てば首位に並ぶ大事な一戦である。 大石の相手を務めるのは水城。源をも先発起用するリネッティ監督。 やや守りに入った序盤だが、分っていても神戸の攻撃力は凄まじい。ヴィッセルが前半15分に1点リード。 しかし、水城、大石の奮闘が実を結ぶ。前線で拾ったボールを押し込んだのは2列目から飛びこんだアシモビッチ。 頼れる助っ人だ。後半は動きの落ちた源を下げて、山岸を投入。すると勝ち越しゴールを奪ったのはチラバート。 ゴール前で得たFKを活かした見事なゴールだった。ジーグの手も届かず。しかしヴィッセルはしぶとい。 後半ロスタイムに今度は平塚が直接FKを決め同点。チラバートの悔しがり様は尋常ではなかった。 延長戦は共に決め手無く120分を戦ってドロー。追うシュトルツにとっては負けに等しいドローであった。

結果的にこの一戦が優勝決定戦であり、両チームは残る3節を共に全勝で1stステージを終えたのだが、 ちょっとした出来事もあった。 先ずは阿部の1年間のロンドンFCへの招待留学決定。5月の月間MVPには初めて大石が選ばれた。 13節の10.0評価に加え、14節のハットトリックが効いたようだ。チラバート、アシモビッチと併せて 5月、6月の月間ベストイレブンに攻守の軸3人が名を連ねた。 最終節では山岸に代わってスタメンに入った藤田が、チラバートのCKに頭で合わせて Jリーグ初ゴールを決めた。1stステージ優勝には手が届かなかったが、嬉しいニュースが多かった。

22年目 1stステージ
優勝 ヴィッセル神戸 勝ち点41 14勝0敗1分け 43得点13失点
2位 品川シュトルツ 勝ち点38 13勝0敗2分け 33得点10失点
3位 FC東京    勝ち点26 10勝5敗0分け 20得点17失点
4位 ジェフ市原   勝ち点23  7勝6敗1分け 28得点23失点
FC東京がエース佐東の活躍もあり躍進した一方、強豪清水エスパルス(8勝6敗:5位)、 ガンバ大阪(7勝7敗:6位)が苦しんだステージとなった。

カップ戦3回戦はアビスパ福岡相手にアウェイで2−0と先勝し、ホームでは2点先制すると 若干の慢心があったか2点のリードを追いつかれてしまった。 それでも、トータル2点のリードを味方に常松をピッチに送り出し準決勝進出を決めた。 オールスターは残念ながら大石、ジャビがピッチに立ったが 大石の先制ゴールを守りきれずに1−2で敗戦。西高東低の勢力図は当分変わりそうに無いか。

22歳以下の選手たちがドキドキしながら迎えた7月1日。 世界スポーツ大会予選のメンバー登録の最終締め切りである。 山岸、藤田、伊武らは一抹の期待があったようだが、惜しくも日の丸を背負う権利を手に入れる事は出来なかった。 その代わりと言っては何だが、阿部の抜けたミッドフィールドのスタメンに藤田と山岸を起用する事にした。 ボックス型をジャビのワンボランチのダイヤモンド型に変え、トップ下をアシモビッチが務めて左に藤田、右に山岸と言う訳だ。 2ndステージは両MFに期待しよう。

世界スポーツ大会予選はJ2の若手選手を中心としたU22代表がサウジと同勝ち点で予選通過を決めたと言う。 韓国はまさかのグループ4位で予選敗退だそうだ。 本戦では我がシュトルツの若手が秘密兵器として代表メンバーに入ります様に。

期待と不安の入り混じる2ndステージ開幕。 夏バテなのか、選手の大半がコンディション不良で迎える開幕戦はアウェイでアビスパ福岡戦。 いきなりの失点で目が覚めたか、青柳とアシモビッチのゴールで逆転勝ち。25%に迫ろうと言う視聴率だったとか。 しかしパッとしないシュトルツ。新しい中盤構成のせいか?ホームの緒戦は京都パープルサンガとスコアレスドロー。 3節のジェフ市原戦は3ゴールを叩きこまれて惨敗。続く柏レイソル戦はホームで水原が唯一のゴールで1−0辛勝するものの、 FC東京とのダービーマッチで1−4と大敗。ジュビロ磐田をホームに迎えた6節もいきなりの失点を挽回できず、 24.33%の放映で赤っ恥だ。

8月は2勝3敗1分けで負け越しの10位。コンディション不良も然る事ながら、やはり藤田、山岸のところで ボールを奪われる事が多い。まだ荷が重過ぎるか。源を使うべきなのか。チラバートと大石は 個人レベルで奮起して月間ベストイレブンに。清水エスパルスも8月に2敗と出遅れている。

9月最初の試合である7節で清水エスパルスが3敗目。ライバルチームも大変だが、シュトルツはもっと大変な事態に。 8節から横浜FC、清水エスパルス、ガンバ大阪に泥沼の3連敗。 8節、9節はホームに満員のサポーターを迎えている中で1点も奪えず、大ブーイングの嵐。 順位は何と下から3位の14位にまで低迷。 観客動員、視聴率ともに良いだけに戦績が伴なわないと逆効果だ。

弱り目に祟り目と言うべきか、業者から購入したスポーツドリンクが偽モノだと判明。 食品偽造問題に巻き込まれるとは。総務部長と私は賞与返上だな。 運営面のゴタゴタにも関わらず、カップ戦準決勝は6節で敗れたジュビロ磐田相手に徹底して守り固めて 2−1、2−2と点の取り合いながらリードを守りきって決勝進出。大石が2試合とも10.0評価と大爆発。

11節、ライバル大阪エステーラをシュトルツスタジアムに迎えると、アシモビッチのゴールで先制して1−0で逃げ切り。 カップ戦で良い所を見せた大石も、2ndステージではゴール数が伸びずに得点ランク11位に下がってしまった。 鉄道会社、ゲーム会社との契約条件が「得点ランク10位以内の選手の保有」だけに、大石の両足にかかる責任は大きい。

逆風の中、対戦相手は首位ヴィッセル神戸。徹底した守備固めも空しく3失点を喫すると、 今度は無謀なまでの攻撃指示で、大石になんとか1ゴールを期待するがカウンターで更に1失点で0−4。 大石は得点ランク16位にまでズルズル後退。 直後にカップ戦の決勝で再度相見えた両チームであったが、1億のプレミアは逆効果か0−5と惨敗は変わらず。

13節、ヴィッセル神戸は2試合を残して優勝を決定。 シュトルツは浦和レッズを相手に待望の大石のスーパーダイビングヘッド で同点、青柳の逆転ゴールで10位浮上。 大石も得点ランク12位に上昇。 14節ではベガルタ仙台に2ゴールを許した後半に、大石がDF4人を向こうに回して スーパージャンプヘッドで1点を返した。試合は負けたものの大石が得点ランク10位に返り咲き。

最終節は12位品川シュトルツと11位モンテディオ山形との直接対決。 最終順位のためにも、大石の大量ゴールで有終の美を飾りたかったのだが、結果は1点を返す事もできずに 0−1の敗戦で12位のまま2ndステージを終了。そして大石は得点ランク11位でシーズンを終えた。

 22年目2ndステージ
 優勝 ヴィッセル神戸 勝ち点36 12勝2敗1分け 37得点10失点
 2位 ジュビロ磐田  勝ち点32 11勝4敗0分け 29得点15失点
 3位 清水エスパルス 勝ち点30 10勝3敗2分け 24得点12失点
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12位 品川シュトルツ 勝ち点14  4勝9敗2分け 11得点24失点
11得点では成す術無しだな。 清水エスパルスは序盤の3敗後は勝ち点を順調に積上げて、結果的に3位か。J2から復帰したばかりの 横浜FC(9位)を下回っていると言うのはマズイな。阿部が抜けた事で中盤をいじった事がここまで影響するとは。 私こそが少々甘く見ていたか。

得点ランクは25ゴールの城が何と5年連続得点王の偉業達成。 最優秀評価点もヴィッセル神戸の平塚が7.9で返り咲き。 この2人が両ステージ制覇に大きく貢献したのは言うまでもあるまい。

評価点ランク自体は2位に大石が7.6、8位にもチラバートが7.0にランクイン。 年間通してベストイレブンにも選ばれた。1stステージの勝ち点が効いて、年間総合順位は4位だそうだ。 興業面でもほぼ満員のサポーターのお陰で、キャッシュフローは250億を突破。 しかしサポータークラブの会員減が止まらない。やはり成績面の問題か。

2ndステージが終了した11月。 私は国際大会への参加を我慢して、山岸、藤田の戦術理解を深めるためのプレシーズンマッチを多く組んだ。 アビスパ福岡戦でアシモビッチが負傷すると言うアクシデントはあったものの、 ファン感謝祭を含めて海外4チーム、J1の3チームとのプレシーズンマッチは有意義なものになっただろう。

負傷したアシモビッチにFCポルトから約8億の移籍のオファーがあったが、この状況で許される訳も無い。 交渉は即座に却下だ。 12月に入り、ようやく医療スタッフからアシモビッチの復帰を伝えられ万全のメンバーで臨んだ ニューイヤーカップであったが、どうしても全体のバランスが悪い。 J2の大分トリニータに1−3と散々なホーム最終戦になってしまった。 ヴィッセル神戸はこの大会も圧倒的な強さで優勝し、チーム7年ぶりの三冠に返り咲いた。 8年前の清水エスパルス以来の両ステージ、カップ戦、ニューイヤーカップの完全タイトル制覇である。

「オーナー。原選手がお話しのアポを頂いているとかでお見えですが」 三ツ谷クンが原を執務室に通してくれた。 昨年の山形に続く引退の申入れだ。30歳を過ぎてスタメンに定着できない選手たちは こうして淋しく幕を引く以外に無いのか。 「2つ年上の水城さんがユニフォームを脱ぐまでは、と思っていましたが、もう疲れました。 青柳も頑張っているし、来年はシンゴも帰ってくるし。私が大石の相手を務める事はもう無いでしょうから」 そう言い残して、原はチームを去った。

「オーナー。今年1年間の資料がまとまりましたので、お願いします」 三ツ谷クンと迎える初めての年の瀬。 本来だったらニューイヤーカップなど観戦させてあげたかったのだが。 「観客動員は224万人、サポータークラブの会員は・・・2千人ほど減ってしまった様ですね。 アジアTVからは平均視聴率22%と感謝の連絡を頂きました。 財務部長から、今年の年間収支は26億もの黒字と報告を受けております。現在のキャッシュフローは263億との事です。 品川区議からの資料では住民が昨年比5万人の増加だそうです」


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