23年目 〜攻めて攻めて攻めまくったら・・・ リネッティ6年目〜

「年明け早々の仕事で頭を下げねばならないとは・・・」 「オーナー、大人気ない事を言わないで下さいね」 「心得てるよ、三ツ谷クン」 そう、今年の正月は東京電鉄、ドリームエンタープライゼスの2社に対して契約反故の詫びから始まる。 その他、ワールドテレコムなど2社と契約終了。 今年は大口のスポンサー離れが顕著であった。

テレビ放映の方は、ワールドテレビとの契約が復活。 今年こそは良い試合を見てもらえる様にしなければな。 その為にも、今年は大鉈を振るう覚悟だ。

ベテラン3選手とはいずれも短期契約とし和登(33歳)が1割増の150百万(2年)、水城(35歳)も1割増で 143百万(単年)。宮田(35)は微減の200百万(単年)で契約更改は終了。 その他、千代反田をはじめとしたテクニカルスタッフとの協議の上、和登と源をDMFにコンバート。 常松もSDFからCDFへとコンバートする事にした。

監督人事は主だった候補も無く、リネッティ監督と更に5年契約を締結。 ただし、戦績によっては当然解雇もある旨は釘を差しておいた。 新人獲得ではサガン鳥栖に瀬水秀雄を、ガンバ大阪に遠藤悟郎を持って行かれた。 その他大型新人として柏レイソルがCDFの大上彦一朗、アルビレックス新潟がブラジルのFWバルベオを獲得したそうだ。 品川シュトルツにも新人入団が一人。SDFの升田欣一クン(16歳)と異例の4年契約を締結。 岡本、沖田とライバルが多いが、切磋琢磨して欲しい。

1月は他にもスポンサーであるバス会社の業務拡大によるバス路線の拡大のお知らせや、 日本代表がいよいよイタリア代表を抜いて世界ランク1位になったとの連絡など嬉しい報告が多かった。 ところが、クラブ順位は国際大会への不出場などもあり58位へと大きく後退してしまった。 まぁ、昨年の勢いでは出場していても結果は似たようなものかもしれない。

今年は得点力の増加を狙いたい。 サポーターの減少を防ぐためには攻撃サッカーが一番。 短絡的で陳腐かもしれないが、私は2月に入ると手始めにラゴスへと海外キャンプを指示。 徹底した肉体改造を図る。その間、クラブハウスを補修する事も忘れない。

3月のJリーグ開幕前にシンゴがリスボンから帰ってくると、リネッティ監督にシステム変更を示唆した。 攻撃サッカーに欠かせない3−4−3システムの導入である。

                   (控)          (留学)
   シンゴ 青柳 大石        水城

    藤田   アシモビッチ     山岸

    和登   ジャビ        源            阿部

   路木  伊武  岡本       常松、升田、宮田     沖田

      チラバート         佐藤
シンゴの帰国により、大石の相手を青柳かシンゴかで悩む一方で、阿部の穴を埋めるには 展開力のある和登しかないと思っていた。和登が抜けたCDFは宮田やコンバートした常松で補う手も考えたのだが、 無理して4バックに固執せず、FWを増やそうと言うのだ。 10年以上、品川シュトルツで継承された4−4−2だが、今年は3人のFWでより攻撃的に生まれ変わる。

J1名門の柏レイソルが、そして3年前の2ndステージを制したアビスパ福岡が、今年はJ2で戦う事になった。 今年もヴィッセル神戸、清水エスパルスの2強を軸に優勝を争う事になるだろう。シュトルツの攻撃力で 一矢報いる事ができるか?

先ずは3−4−3システムが大当たり。攻撃力が爆発し開幕戦からモンテディオ山形(4−0)、 京都パープルサンガ(3−0)、横浜FC(4−0)、横浜F・マリノス(4−0)と4試合で15得点無失点と 圧倒的な首位として君臨した。アシモビッチが2節でハットトリック、10.0評価とチームを引っ張った。

しかも優勝候補のヴィッセル神戸、清水エスパルスは昇格したてのサガン鳥栖に土をつけられる波乱。 ところがシュトルツも4節のマリノス戦で、肝心要の大石がケガを負い 戦列を離れる事になってしまった。

「オーナー。坊野スカウトより、大石選手の穴を埋めるべく那智さんと交渉を進めたいとの報告ですが」 「那智か。噂は聞いているが、彼ももう22歳だな」 「はい。大学4年生です」 「うーん、確かにFWも必要だが・・・ もう少し若い逸材を探す様に坊野スカウトに伝えてくれたまえ」

大石が抜けた右FWには山岸が急遽抜擢され、ベガルタ仙台をホームに迎えた5節。 しかし、大石不在は前線での意思疎通に微妙なズレをもたらしたか。 チラバートが今ステージ初失点を許すと、シュトルツの攻撃サッカーは鳴りを潜めて、1点が返せずに0−1と初黒星。 2位につけていた無敗のガンバ大阪もジュビロ磐田に敗れ、ヴィッセル神戸が首位奪取。

敗戦をばねにFC東京とのダービーマッチは3−0と一蹴。升田、常松もピッチに現れるなど、 余裕すら伺わせるリネッティ采配だ。3月の月間MVPは平塚に譲ったものの、チラバート、アシモビッチが ベストイレブンに選ばれた。昨年心配されたサポーター離れも今月は2,000人以上の加入があったそうだ。 攻撃サッカー万歳。

5節でガンバ大阪に勝利したジュビロ磐田の実力は本物だ。 シュトルツは7節でジュビロ磐田にまたしても0−1と早いチェックで攻撃の芽を封じられて2敗目。 またしても満員のホームでの失態。サポーターの目にはどう映ったか。

待望の大石の復帰戦が、3位ガンバ大阪との直接対決。 開始早々に失点を許してしまった。今ステージ先制された試合は0−1と落としているだけに心配したものの、 大石の帰ってきた3−4−3は活き活きとしている。前線がキープしてアシモビッチが飛び出し2ゴール。 後半はチラバートが4ゴール目のFKを決めて3−1と完勝。

ここまでは大崩の無かったシュトルツだが6位大阪エステーラをホームに迎えた9節は 何と0−3と大敗を喫してしまった。この敗戦で2位シュトルツと5位大阪エステーラまでが勝ち点18で並ぶ 混戦模様となった。シュトルツが一歩後退したのが続く10節。J1昇格を果たしたサンフレッチェ広島相手に 前半3−1とリードするものの、捨て身の全員攻撃の前にお株を奪われ延長に突入してしまった。 青柳のゴールでV勝ちしたものの大阪エステーラに抜かれ3位転落。 展開としては24%の視聴率が物語る様に良い試合だったか。

カップ戦でもサンフレッチェ広島と顔を合わせる事になったが、こちらも0−0、3−2と際どい試合だった。 ヴィッセル神戸が順調に勝ち点を伸ばす中、2位以下は混迷。11節で2位大阪エステーラが4位清水エスパルスに敗れ、 シュトルツがジェフ市原を下して2位浮上。翌12節では、シュトルツが清水エスパルスに敗れて2位を明け渡す。 これもホームの敗戦である。ここまでホームで3勝4敗と負け越してしまっている。

13節、神戸ユニバに乗り込んで優勝がかかったヴィッセル神戸を相手に前半終わって1−1。 アシモビッチが混戦の中、ヒールパスでジャビのゴールをお膳立て。 流れはシュトルツに傾いたかと思われたが、最後は播戸が決勝ゴール。 目の前でサポーターと優勝を祝う歓喜の声を聞かされるのは悔しいものだ。

阿部がロンドンから帰ってきた。時差ボケもあり、14節はベンチ入りも避けたのだが 15位サガン鳥栖相手に1−2と敗れてしまって何と7位に転落。これは大きな一敗だった。 サガン鳥栖は序盤にもヴィッセル神戸、清水エスパルスを下すなど上位キラーとして気をつけねばならないな。 しかもこの試合がまた25%を超える高視聴率だったとか・・・

最終節はホームで浦和レッズに一度は追い付かれる展開も、青柳のハットトリックも合って5−2と最後は大勝。 サポーターの溜飲も下がったかな?最終順位は6位だったが、サポーターにも一定の評価を受けたのではないかな? サポータークラブの会員は25万人を超えたそうだ。 2ndステージではホームでキッチリ勝って、順位を上げたいものだ。

23年目1stステージ
優勝 ヴィッセル神戸 勝ち点42 14勝1敗0分け 48得点17失点
2位 大阪エステーラ 勝ち点28  9勝4敗2分け 36得点23失点
3位 ガンバ大阪   勝ち点28  9勝5敗1分け 27得点20失点
4位 ジュビロ磐田  勝ち点27  9勝5敗1分け 28得点12失点
5位 清水エスパルス 勝ち点27  9勝5敗1分け 29得点19失点
6位 品川シュトルツ 勝ち点26  9勝6敗0分け 34得点17失点
4ヶ月連続で平塚が月間MVPを獲得し、今年もヴィッセル神戸が圧倒的な強さで1stステージ3連覇だ。 6月は大石が月間ベストイレブンに戻って来た。2ndステージはケガ無くフル出場してもらわねば。 阿部も戻って来た。スタメンはどうしたものか。

やや燃え尽きたか。1stステージを終え、ジェフ市原とカップ戦準決勝進出をかけた3回戦。 1−4、2−4と前がかりになった裏を突かれてベスト8で今年のカップ戦からは姿を消した。 オールスターも大石、アシモビッチ、ジャビが選出されながらもヴィッセル神戸の主力を多く抱えたWestに0−2と敗れた。

7月に行われた世界スポーツ大会はカメルーンの優勝に終わり、日本のU23代表は1次リーグを勝ち上がる事は出来なかった。 その間、シュトルツの面々は戦術練習、ポジション練習に勤しみ、2ndステージに備えた。 そしてシュトルツの若きエース、山岸にFCバルセロナからの招待留学の話しを頂いた。 2ndステージ終了後、藤田と共にラゴスに留学させようとも思っていたのだが、強豪バルサでの留学はまたと無いチャンス。 7月末に山岸はスペインへと旅立った。

そして2ndステージ、品川シュトルツは大崩れする。 先ずは開幕戦。山形に乗りこみ、青柳が先制ゴールを挙げたまでは良かったが、CDFの伊武がレッドカードをもらうと 路木、岡本の2人がラインを維持できずにあれよあれよの4失点。後半も2点を追加され1−6と記録的な惨敗。 ホーム開幕戦こそ京都パープルサンガに逆転勝ちするが、3節の横浜FC戦でも伊武が後半にレッドカードを受け 決勝ゴールを許し2敗目。横浜F・マリノスとの4節は1点を返せず連敗。順位は12位まで陥落。 路木、岡本は本質的にSDFであり、3バックには難があるのか?

5節、6節は120分フルドローの末、7節は24.42%と言う高視聴率にもかかわらずVゴール負けしてしまった。 順位は14位にまでズルズル後退。最下位争いに足を突っ込んでしまう。3−4−3は全く機能しないままで、 ガンバ大阪、大阪エステーラと浪花の2チームにも連敗し、いよいよ15位。

チラバート、アシモビッチ、大石、阿部と各国代表が集いながら、何故にこうも勝てない? バックスだけの責任では無かろうが、前がかりになったところをボールカットされ、浅いラインの裏を突かれている。 得点力も落ちており、ここまでの9試合で僅か8ゴールだ。1stステージの勢いはどこへやら。

サンフレッチェ広島から青柳が2ゴールを奪い、8試合ぶりの勝ち点3を得たが、 ジェフ市原、清水エスパルスに再び連敗。しかしチラバートは個人レベルで見事なプレーを見せ、 チームは1勝5敗ながらGKとして異例の月間ベストイレブンに選出された。 しかし今月は平均23%強の視聴率だったと言うが、この戦績ではなぁ。

13節では首位を行き、カップ戦も制したばかりのヴィッセル神戸と対決。 やぶれかぶれの全員攻撃も見事に実らず、藤田も怪我を負う有様。 最後の2試合はサガン鳥栖、浦和レッズに連勝したものの6年前の15位に続く不名誉な13位と言う戦績で 2ndステージを終了した。 さて、どこから手をつけたものか。

 23年目2ndステージ
 優勝 ヴィッセル神戸  勝ち点42 14勝1敗0分け 48得点12失点
 2位 横浜F・マリノス 勝ち点39 13勝1敗1分け 35得点13失点
 3位 ガンバ大阪    勝ち点31 10勝3敗2分け 26得点11失点
 ・
 ・
 ・
13位 品川シュトルツ  勝ち点13  4勝9敗2分け 14得点28失点
得点王、最優秀評価点ともにヴィッセル神戸からの輩出。 6年連続のトップスコアラーに輝いたのは城(39ゴール)。 平塚(8.1)もここ7年で5回の最優秀評価点選手である。 この2人がいる限りヴッセル神戸に勝つのは至難の業だ。 シュトルツからは得点ランク13位(青柳の14ゴール)、評価点ランク15位(アシモビッチの6.9)が関の山。

ずたずたのディフェンスラインの立て直しの一環で、伊武のラツィオ留学が決まった。 レバークーゼンの選択肢もあったのだが、敢えて1ランク上のクラブへチャレンジさせる事にした。 恐らく問題無いだろう。

11月に入ると、東京都サッカー協会の薦めもあり、 品川サッカーコーチングスクールの開校に踏み切った。 シュトルツからも6億の出資だ。これが未来のシュトルツの戦力強化に繋がる事だろう。 また、サポーターからの意見を聞き、スタジアムにコーヒーショップを増築する事にした。

藤田もケガから回復し、ラゴスへと旅立った事で私はリネッティ監督と協議の上、4−3−3システムへ変更する事にした。 やはり路木、岡本に3バックを強いたのが間違いであろう。 3トップは変わらず、トップ下にアシモビッチ、ボランチが阿部とジャビ。 バックラインは左から路木、常松、和登、岡本とし、プラチナリーグに9年ぶりの参戦。

新システムがはまり、ブエノスアイレス(2−1)、ベロオリゾンテ(2−1)、 キエフ(3−0)、ザグレブ(2−1)と連勝し、同じ4連勝のマンチェスターとの決戦である。 しかし、この4試合も攻撃陣が大爆発のマンチェスターはシュトルツにも、容赦無く襲いかかって来た。 チラバートが必死に防ぐものの2ゴールを許してしまった。僅かに溜飲を下げたのは アシモビッチの7人抜きのゴール。1−2で試合は終了し、惜しくも準優勝で幕を閉じた。 ま、新システムの自信にはなったか。

月末の世界選抜と欧州選抜との決戦には、プラチナリーグで大活躍したチラバートが選出。 欧州選抜相手に奮闘するもののディフェンスの連携はイマイチで3失点。 しかし、土壇場でリバルドが同点ゴールを叩きこんで勝負はPK戦に。欧州選抜のバンチが枠を外して勝負あり。

年末の風物詩、ニューイヤーカップの緒戦はセレッソ大阪。 4−3−3システムは公式戦でも絶好調。 CFWの青柳が良い動きを見せ、前半だけでハットトリック達成。後半にも1点追加し結局5−0の圧勝。 攻撃を組み立てたアシモビッチと青柳が共に10.0評価を受けた。

これが慢心に繋がった訳ではなかろうが、2回戦のFC東京とのダービーマッチは逆に FC東京のFW佐東に2ゴールを喫すと、反撃は空回り。 終盤には水城、源、宮田を起用し、すわ引退試合か?との空気も漂った。 結局1点も奪えずに0−2と、今年も早い年越し準備が始まる。

今年は8月から4ヶ月かけて計16億のスポーツ投資を実施した。年間で13億の赤字となってしまったが、 品川区の住民は前年比4万増の125万となり、住宅12%、商業22%、スポーツ31%、自然20%が 示す通りのスポーツ振興都市として評判となった。 来年こそ結果が必要だ。


目次へ

前の年に戻る次の年へ進む

タイトルへ戻る