24年目 〜老兵は去りゆくのみ さらばリネッティ〜

総合建設機器、品川マンションとの契約が終了し、今年からは再び関東総合ガスと玩具メーカからの大口契約を 締結する事ができた。年間収支黒字を維持するために、この2年間は大きな投資は見送る事にしよう。

さて、今年の契約更改だが、先ずはてっきり年末に引退を申し入れてくると思われた3氏から。 水城はほぼ1割減の130百万での単年契約で妥結したが、 源、宮田はいずれも減額提示を拒み、自由契約となりチームを離脱した。それぞれJFLで最後のユニフォームに袖を通す様だ。

後はチラバートが70百万増の360百万で5年契約。 シンゴが50百万増の280百万で同じく5年契約。 レギュラー定着を狙う常松が20百万でやはり5年契約を結んで今年の契約更改が終了。

宮田、源の抜けた穴を補うための新人獲得だが、今年は惨敗であった。 加持悟を川崎フロンターレに、滝本時生はモンテディオ山形に、河合竜二はJFL所属の社会人クラブ、 西野博章は海外クラブへ挑戦すると言う。僅かにユースからトップチームに昇格したのが 安東隆敏(19歳)1人だけだ。 他チームの大型補強で目に付くのは、柏レイソルのGKスケイデ(ノルウェー)、横浜FCにDMFのグロブセン(デンマーク)、 湘南ベルマーレにはイタリアU23代表候補FWのマサロッティあたりか。

この結果に私とテクニカルスタッフは坊野スカウトを含めた強化部の粛清を考えた。 しかし、坊野スカウトがもう1ヶ月待ってくれと言う。後任も直ぐには決まらないので 1ヶ月の猶予を与えたが、私の怒りを静める事はできまい。

三ツ谷クンからもたらされたザグレブとの10年間の姉妹都市提携のニュースで 幾ばくか機嫌が治ったかな。 ところが2月に入り、伊武が留学先のラツィオから帰って来てしまった。今回の留学は時期尚早だったのか。 それともレバークーゼンに送りこめば良かったと言うのか。

不穏な空気がチームに影響したか。<ヨーロッパカップ>も緒戦のリバプール戦はプレミア50百万も効かず、 デルベーネの攻守に渡る活躍で0−1とシャットアウト負け。リバプールはそのままローマなど強豪を寄せつけずに優勝した。 ますます私は不機嫌になったのだが・・・

「オーナー。坊野スカウトよりお電話です」
「もしもし。あぁ、私だ。・・・何? そうか。よし、分った。詳しい話しを聞こう」

何と坊野スカウトは、今年からJ2落ちする浦和レッズの新鋭、FWの 田中達也クン(18歳)の移籍説得に成功したと言う。 後は契約金の用意を、と言う連絡だった。なるほど年初の大口は嘘ではなかったか。 大石の後継者となるスピードスターに期待も込めて80百万の年俸と背番号「15」で浦和レッズからの完全移籍が決定した。

更に3月に入ると坊野スカウトは手薄な中盤のバックアッパーに ジュビロ磐田から服部年宏クン(19歳)を引き抜いた。 120百万と源の背負った「8」を与える事にしよう。 これで円滑な世代交代になるだろう。沖田もレバークーゼンから帰ってきた。 今年のスタメンはこんな感じかな。中盤の高齢化が気になるが、安東、服部の加入で計算は立つ。

                     【控】          【留学】
       青柳(26)         水城(36)、田中(18)
  シンゴ(22)   大石(33)        
      アシモビッチ(35)      安東(19)         山岸(22)、藤田(23)
    阿部(30) ジャビ(33)     服部(19)
 沖田(25)      岡本(25)    升田(17)、路木(33)
     常松(23)伊武(20)      和登(34)
      チラバート(26)       佐藤(32)
テクニカルスタッフの青写真がもろくも崩れたのが開幕戦。 コンディション不良で左サイドバックには路木が入った。アシモビッチ、常松、阿部も体調不良だが、強行出場。 モンテディオ山形とのアウェイ戦だったのだが、いきなりの失点。青柳が辛うじて同点に持ちこむものの、 延長戦でVゴールを許し、黒星発進。

ホーム開幕戦の2節もアシモビッチが奮わない。前線に良質なパスが供給できずに青柳も孤立。 対する大阪エステーラはメンダータがしっかり決勝ゴールを演出。3節のFC東京戦は昨年末の ニューイヤーカップの再来。佐東に4ゴールを喫し、悪夢のような開幕3連敗で15位。

初勝利は同じく低迷する清水エスパルスから、ホーム2戦目の4節で伏兵岡本のヘディングなどで2−0勝利であった。 アシモビッチが復調したか、10.0評価を叩き出した。ところが、ジュビロ磐田とのアウェイゲームで 高原、浅倉の2TOPに2ゴールずつ許し、大敗。ガンバ大阪戦は遂にアシモビッチを下げてトップ下に大石を据え、 3TOPの右FWには田中を起用。しかし実らず1−3で再び連敗。

カップ戦の1回戦も横浜FC相手に1−1と情けない有様。リネッティ監督も安東を途中起用したり、 コンディションの上がらない阿部に替えてボランチに路木を起用したりと奇策を弄するが、 横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸と連敗し遂に最下位に転落。CFW青柳も全く奮わない。

9節の柏レイソル戦でようやく青柳が6試合ぶりの先制ゴールを奪ったが、立て続けにゴールを許し逆転。 辛うじて後半ロスタイムに青柳が同点に追い付き、延長も耐えて勝ち点1を奪うのがやっと。 サガン鳥栖との10節も青柳が4分に先制ゴールを挙げ、ようやく2勝目かと思われたものの、 後半40分に安東と升田をピッチに送りこんだ途端、バランスを崩しロスタイムに被弾。 このリネッティ采配には疑問を抱かざるを得ない。若手の経験稼ぎも大切だが、貴重な勝ち点2を取りこぼし 最下位脱出ならず。

カップ戦は何故か好調で大分トリニータにアウェイ、ホームとも勝利し3回戦進出を決めたが、 リーグ戦はその大分にも最終節を1−3と落とし、最下位のまま1stステージを終了。 視聴率25%を超える試合は、最悪の結果で試合終了のフエを聞く事になった。

 24年目 1stステージ
 優勝 ヴィッセル神戸  勝ち点43 15勝 0敗0分け 49得点10失点
 2位 大阪エステーラ  勝ち点36 12勝 2敗1分け 30得点14失点
 3位 横浜F・マリノス 勝ち点33 11勝 3敗1分け 26得点14失点
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15位 清水エスパルス  勝ち点 8  3勝12敗0分け 14得点30失点
最下位 品川シュトルツ  勝ち点 8  2勝11敗2分け 11得点30失点
我がシュトルツの戦績には目を覆わざるを得ないが、かつて2年連続でグランドスラムに輝いた事のある 清水エスパルスの凋落ぶりも吃驚だ。 それにしても、2勝は無いよな。CFW青柳の不調ぶりが気になる。ラゴスでの留学の結果が現れないか。

そう思った矢先のカップ戦3回戦、アウェイでの名古屋グランパス戦で青柳が4ゴールの大爆発。 よく分らん。 分らないと言えば今年のオールスター。最下位シュトルツからもメンバー選出。 しかもSDF沖田。よく分らん。分らんが、ありがとう。

6月は総務部長からシュトルツスタジアムの老朽化対策として約10億の出費がかかるとの報告を受け、 関東ガスとの年間収支黒字を果たせるか冷や汗かいたり、 山岸の留学先であるFCバルセロナがスペインリーグで優勝したとの報に狂喜したりで過ぎ去った。

「それでは、緊急記者会見を始めます」 広報スタッフの司会で品川シュトルツの新監督発表セレモニーが始まった。 1stステージの戦績を理由に7年にわたって指揮を取ったリネッティは遂に 解雇の憂き目にあった。 後任は而立30歳のゼルベルガー氏である。 怪我が無ければドイツ代表に選ばれたであろう彼は、20代にしてコーチの道を選び、昨年は2部ながら ドイツリーグを制覇した男である。4−3−3、中央突破を是とする監督の就任がカンフル剤となるか。 あぁ、3年契約で13億か。関東ガスの専務の顔がチラつくが止むを得まい。

ボランチ中田浩二(17歳)もリストアップされたものの、好みではないのでパス。 よく考えればMFよりもCDFの補強こそが急務であるな。ゼルベルガー監督とテクニカルスタッフとのミーティングを急ごう。

ゼルベルガー監督からの意外な一言は、現状は4−4−2が良いだろうとの事。 中盤のバランスの悪さこそが、大量失点・得点力不足の原因だと言う。 またディフェンスにも当然改革の手が伸び、常松に替えて路木のCDFコンバートが決まった。 2ndステージの布陣はこんな感じ。7月は戦術(中央突破、ゾーンプレス、オフサイドトラップ)練習で チームの一体感を高めた。

                (ベンチ)
    青柳         
        大石       田中
 シンゴ   アシモビッチ    山岸、安東
   阿部   ジャビ      服部
 沖田      岡本      升田
   路木  伊武
    チラバート
ゼルベルガー体制で、巻き返しを図るシュトルツの開幕戦はモンテディオ山形。 FWがきっちり仕事をして2−0で白星発進。嬉しい事に、ユースMF寿田伸也(16歳)が、阿部の指導もあって トップチームに混じっても遜色無い大器であるとのテクニカルスタッフからの報告もあった。 これは幸先が良いぞ。

ライバル大阪エステーラには2点先制から逆転されるものの、FC東京(2−1)、清水エスパルス(3−0)、 ジュビロ磐田(1−0)、ガンバ大阪(3−0)と8月を5勝1敗で乗り切り、この時点で首位に立った。 ヴィッセル神戸はまさかの2敗である。

ゼルベルガー就任で、欧州からも注目されたのか、控えに甘んじる常松にトリノから招待留学の話しが。 こんなに美味しい話しは無い。23歳の再出発、常松の1年間の留学が決定した。

9月に入ると苦しい試合が続く。8節はヴィッセル神戸に0−1と競り負け、続く9節で柏レイソルに 延長戦に持ちこまれ、アシモビッチが負傷し、青柳のVゴールで勝ったものの勝ち点差で2位転落。

カップ戦の準決勝1戦目もJ2の浦和レッズに1−1のドローを演じると、 リーグ戦も下位に甘んじる15位横浜FC、14位サンフレッチェ広島との対戦もドロー。 おまけにカップ戦準決勝の2戦目も0−0のドロー(PK戦4−1で決勝進出)と4試合連続の引分け。

コンディションの上がらぬまま迎えたカップ戦決勝。 相手はリーグ最強のヴィッセル神戸。プレミア1億も空しい0−5の大敗。準優勝と呼ぶにも恥ずかしい。 残りの2ndステージ3試合も延長勝ち1、引分け2と勝ち点は伸びず順位を落とし4位で終了。

24年目2ndステージ
優勝 ヴィッセル神戸  勝ち点33 11勝4敗0分け 39得点20失点
2位 ジュビロ磐田   勝ち点33 11勝4敗0分け 28得点14失点
3位 横浜F・マリノス 勝ち点31 10勝4敗1分け 33得点17失点
4位 品川シュトルツ  勝ち点29  9勝2敗4分け 24得点11失点
5位 ジェフ市原    勝ち点29 10勝3敗2分け 26得点15失点
今年もヴィッセル神戸が両ステージ制覇したものの、4敗しジュビロ磐田に勝ち点で並ばれている。 シュトルツは大阪エステーラとヴィッセル神戸にしか敗れていないが、引分けが多すぎた。 ま、1stステージの最下位から降格も心配したが、何とか総合9位でJ1残留。 1stステージ15位の清水エスパルスは今ステージも奮わず、12位と低迷しJ2降格が決まった。

個人タイトルは得点ランクで城の7連覇を吉原が止めた(29ゴール)。 14位に青柳が15ゴール。評価点ランクは平塚が8.1で3年連続で最優秀評価点に。

2ndステージで4位に復調させたゼルベルガーは11月のプラチナリーグに参戦したが、 パリFC、リバプールFC、ロンドンFCなど強豪チームに惨敗。5位で大会を終えた。 欧州選抜と世界選抜との一戦はチラバートが世界選抜ゴールを守ったが、シェフチャンコに唯一のゴールを割られ 今年も欧州選抜の勝利。

ニューイヤーカップの緒戦。 セレッソ大阪と久しぶりの顔合わせ。青柳、大石のゴールで完勝。 ところが、2回戦のジェフ市原戦は先制され、アシモビッチのゴールで追い付き延長戦突入かというロスタイムに被弾。 満員のサポーターの目の前で呆気ない幕切れ。 このままジェフ市原は勢いを得、ヴィッセル神戸の5連覇を止める6年ぶりの優勝を果たした。 ヴィッセル神戸の3連続グランドスラムは成らず。

今年はJ1昇格初の最下位を経験し、ヒヤヒヤしたが興行的には約240万人の観客に恵まれ、 サポータークラブも26万人を突破した。関東ガスとの契約条件である年間収支も9億の黒字を出すことが出来た。 品川区の住民も127万人にまで膨れ上がり、スポーツ振興都市として世界に名を馳せていると言う。


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