ウズベキスタン国境は思ったより見つかりにくかった。タシケント行きの標識は国境から数キロの所で見当たらなくなった。見落としたのだろうか。結局警官に道を尋ねなくてはならなかった。警官の指示に従って進むと小さな国境検問所にたどり着いた。カザフ側は問題なく我々を出国させてくれた。ウズベキスタン側もあまり大きい困難はなかったが待ち時間が長く大きなギャラリーが集った。しかもわずか100mほどの区間に係官がいるのだが、税関申告書の要否や記載内容について違うことを言うのでその間を行ったり来たりしなくてはならなかった。

国境を越えるとすぐに首都タシケントに到着する。チョルス・バザール近くのハドゥラホテルというボロいところに泊まる。１泊十ドルぐらいでロビーにバイクを置く事ができた。しかし、ロビーに入るためバイクで階段を昇って狭い扉を通らなくてはならなかった。

ホテルの唯一の利点はバザールの近くに位置している事だった。
数々の食材や調味料、衣料品が売られていて、かつてのシルクロードの市場の喧騒が感じられる。お陰で様々な美味い中央アジアの料理を食することができる。「シャシリク」ケバブはここでも主食で、「ナン」パンと「チャイ」茶と合わせてかなりいい感じの食事になった。この周辺はマドラサなどイスラム系の建造物が多く、旧ソの香りが少ない地域で、やっとここまで来てイメージしていた中央アジアの雰囲気になってきた。

地下鉄で新市街に行ってみたが見所はそそれほどなかった。タシケントは中央アジア最大の都市であるが、妙に無機質であまり楽しくない。幸い新市街ではいいロシアビールが売られていた。ウズベク料理は結構美味しいけれど、ビールはひどくまずい。ロシアのビールが売られているのを見ると買わずにはいられない。