Copenhagen, Oslo/コペンハーゲン、オスロ (2003.09.03-2003.09.14) ハンブルグを経由し、ひたすら北へ進む。デンマークとの国境は減速するのみで、そのまま通過。国境を気にしなくていいというのは、ほんとうに気が楽である。わき目も振らず高速をひた走る。デンマークはあまりにも平坦な国土で、ノルウェー入りをするのを遅らせるほど面白いところもないため、そのまま首都コペンハーゲンへ入った。港近くの運河ニューハウン周辺は、海洋王国デンマークらしく興味深いがそれ以外にこれといったものは見当たらない。本屋で北欧諸国の詳細道路地図が入手できたのが収穫だったくらいか。街中には家具やインテリア雑貨の商店を見かけるが、さすが北欧だけあって洒落ものが多い。 半分が海面下、半分が橋という東京湾アクアラインのような国境橋を渡り、陸路でスウェーデン領内へ入る。スカンジナビアと欧州本土を結ぶ大動脈として大変な期待が寄せられているらしいが、開通したばかりでまだ交通量はそれほど多くないようだ。 スウェーデン領内はさっくり通過し、一日で700kmを移動してノルウェーの首都オスロへ入る。スカンジナビアに関しては、街を訪れて面白いというよりは大自然の驚異を堪能すべきと心得えて、さっさとキャンプ地を求めて郊外に出てみる。首都とはいえオスロはフィヨルドの一角に発達した町なので、少し走るとすぐに海沿いの鄙びたところに出る。適当なところでキャンプ場を見つけて入っていくと、どうも誰もいない。キャンプ場として整備されているので、有料で管理している人間がいるはずだ。よくよく見てみると管理棟らしきものに「Closed」とある。なるほど夏の短いスカンジナビアは8月末でシーズンオフに入ってしまうのか。 そういうわけでスカンジナビア滞在中は、たいていのところで無料キャンプとなった。北欧圏は噂通り物価がとても高いので、宿泊費が浮くのは非常に助かる。たまたま普通に営業しているところでも「うちのキャンプ場で初めての日本からの客だ。無料でいいよ。」とか「なんだお前、こんな季節に。勝手に泊まっていけ。」という感じで、あらあらである。場所もたいてい水際の快適な場所で人も少なく、かなり優雅なキャンプ生活が続いた。ちょっと季節外れのスカンジナビア、かなりいい感じ。 ノルウェーに入って2日目から本格的に走り出した。ベルリンで入手したコースを地図でたどりトレースしてゆく。気温は10℃前後で特に寒いということもなかったが、山岳地(特に氷河周辺)ややたら多い雨中ではさすがに冷える。雨がさすがに多いのにはまいった。聞いていた通りだったので、覚悟はしていたがこの期間の半分は雨だった。しかし、 南ノルウェー、大絶叫である。 鏡のような海面、複雑に入り組んだフィヨルドの海岸線、氷河に削られた断崖絶壁、、、それらを縫うように走るロード。 ほぼ2週間近く、毎日が大絶叫の激走が続く。絶叫していない時には、感嘆のため息が出る。めくるめく絶景、大自然がそれを止めない。 実に面白い。しんどいながらもここまで走ってきて良かった。バイクを趣味として持ててほんとうに幸せに思う。 標高0mののどかな海岸から、あっという間に標高1400mの氷河地帯に抜けた。あまりの眼前に広がる世界の変わりように、この世の涯てとはこのようなものか、と思う。 ところがどっこい、そんな氷河地帯で突然白煙が上がる。 エンジンオイルが噴出して、エキゾーストパイプの熱で焼けていたのだ。どうやらオイルプレッシャーが破損したらしい。 最高に盛り上がっているところ残念だが、即行オスロへ戻って修理しなくてはならない。予備で持っていたエンジンオイルを注ぎ足しながら、360km離れた首都オスロへ引き返す。幸い、オスロではディーラがパーツの予備を持っており、ものの5分で対応してくれた。自力で走れる範囲にいて、助かった。シベリアや中央アジアでこれが起こっていたら、と思うと冷や汗が出る。 オスロからリレハンメルを経由して、元のルートに戻った。小さなかわいらしい町オーレスン、ガイランゲルフィヨルド、100km程度のいい感じのダートコースを周り、ノルウェー中部の町トロンハイムまでやってくる。トラブル後も相変わらず終始盛り上がりっぱなしである。しかし、本来であればこのまま北上して北極圏内、ノールカップと行きたいところだったが、天気予報が10日先まで土砂降りだ。ということで気が滅入って、突然右折、スウェーデン国境へ向かい始めた。 |
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