Stockholm, Helsinki/ストックホルム、ヘルシンキ (2003.09.15-2003.09.18) スウェーデン領内に入ると、静かな大小の湖が点在する穏やかな丘陵地帯と大平原が広がる。 ノルウェーでの激走から少し気が抜けて、ストックホルムまで湖をつたってのんびり進んでいった。やや単調な森林地帯は少しだけシベリアの森を彷彿させる。 水の都ストックホルムに到着すると、なんだか街のつくりが面白い。旧市街ガムラ・スタンに宿をとり、ぶらぶらと歩いて街を散策してみた。首都としての落ち着きと首都としての機能と喧騒、そして歴史を紡ぐ旧市街の暗い路地と水がなんとも自然な感じで混ざり合って気持ちがいい。古くて新しい、そういう相反するものが絶妙にバランスを保っている。都市計画や建築の類はまったくの専門外であるが、不思議なほどの落ち着きを与えてくれる街だった。 フィンランドのトゥルク行きは夜行便を予約した。物価の高い北欧では宿泊費が少しでもかからないに越したことはない。ストックホルムからトゥルクまでちょうど一晩、ゆっくり寝る時間分の航海である。しかも国際航路にしてはずいぶんと安い。バルト海運のメインルートということもあるのだろう。 夜行便なので船の時間までは、ストックホルムの街中をバイクで移動した。さすがに首都なのでバイクでの移動は便利なようで、意外としんどい。疲れてしまったので、結局水際でぼーっとして時を過ごした。夕刻になって船着場へ向かう。オレンジ色に染まる対岸のストックホルムの街が切ないほど美しい。時間になって乗船してみると、ロシア行きの船と違って設備はしっかりしているし免税店も充実している。この辺りはさすがだった。4人一部屋の狭いところだったが、同室のフィンランド人と適当に飲んで寝てしまった。 早朝フィンランドに到着。トゥルクではムーミン谷にでも行って、ムーミンに挨拶でもしてくるか、と出かけたが、なんとすでにシーズンオフでムーミンはおろか誰もいない。小さいとはいえ所詮テーマパークなので、夏の終わったこの時期は営業していないわけだ。ムーミンは冬眠に入った、ということで仕方なく首都ヘルシンキに向かうことにする。天気が悪かったせいもあって、森と湖のくにフィンランドは不気味なほど静かで暗い。気分が盛り上がらないうちにヘルシンキに入った。 港湾地区にあるYHをとり、市街を歩いて回ってみた。ロシアに隣接しているだけあって、ロシアの影響を受けている街並みが目に着く。大型のデパートやらロシア正教風の教会が印象的だ。それでも中身は欧州の一員である。店舗にはいいものが置いてあるし、カフェも洗練されている。珈琲を買うとそこに置いてあるPCが無料で使用できるという仕組みも嬉しい。路面電車の走る市街を抜けて、港に行くと少々くたびれた倉庫があり、ちょっとした市場になっていた。そこには海苔寿司というフィンランド人が握る寿司屋があり、意外なところで寿司を食べた。小ぶりだが悪くない。スカンジナビアではキャンプ等で自炊が多かったので、あまり地元の食事に接する機会が少なかったが、最後も寿司を食って終わってしまった。 |
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