F2 Chris & Daisuke around the world

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Oaxaca, Puebla/オアハカ、プエブラ

(2004.05.14-2004.05.16)

 オアハカのカテドラル 白い町並みが落ち着いたオアハカ

太平洋に近い低地を過ぎて、再び山道に入る。また雨があたってきた。と思ったら、あっという間に暴風雨。雨具がまったく役に立たないほどひどい雨と風だ。超大型台風の中を行くとこんな感じになるのではないか。路上が濁流に変わっていく。シールドをたたく雨で視界もほとんどない。とはいえメキシコ西南部の治安の悪さを考えると、ゆっくりして夜になってしまうと大変だ。ぎりぎりまでペースを落として、前へ進む。2時間ほど暴風、豪雨の中を進んで、山の一番高い付近までくると、やっと雨が弱くなってきた。山肌を駆け抜ける雲の動きが激しく、山水画のような美しさではっとさせられる。サボテンが山肌を産毛のように覆う地域まで来ると、雨が上がり明るくなってきた。

オアハカには暗くなって到着する。石造りの町が全体的に白く、幻想的雰囲気の町だ。観光客も多いようである。オアハカでは名物のチーズ料理を食べてみたかったので、ソカロ(町の中心の広場)まで行って客が多そうな食堂に入ってみる。チーズのステーキというのがあった。遠距離、猛暑暴風雨走行で疲労困憊だったので、なんだか味気ない感じのメニューで迷ったが、ここはひとつ注文してみる。皿の上にどんとチーズの塊が乗っている素朴な見た目である。ところが食べてみると、これがチーズかと疑うほどの弾力で素晴らしい歯ごたえだ。味も濃厚で深い。こいつはいける。

次の日も朝からオアハカの市場を散歩がてら、適当に面白そうなものをつまんで歩く。メキシコの食事は世界のどことも違った味わいで珍しい。スパイスが効いているので、たいていのものは口に合う。突然のデモ行進でオアハカを出発するのが遅れたが、次の町プエブラへさくさくと移動した。新しい高速道路ができているので、一気に移動。途中、また雨に降られるがプエブラに到着するともう晴天で暑い。レインウェアを着たまま町中に入ってしまうと、全身が蒸れて大変である。この蒸れ蒸れの状態で暑い町中を宿探しするのが、本当に辛かった。

オアハカ−プエブラ間は距離がないので、ずいぶんと早い時間に到着して安ホテルをとり町を散策。静かなオアハカに比べると、商店街がひしめき大変賑やかな町だ。町の賑やかさ活気の有無では、今回訪れたメキシコの町の中ではプエブラが一番だ。ここプエブラでも滞在の目的は食である。モーレソースという濃厚なソースを使った料理が有名で、宿の目の前にフォンダ・デ・サンタクララといういいレストランがあったのでそこで試してみた。ガイドブックにも載っている有名店らしい。地元のモーレソースコンテストでも表彰された経験があるようで、店のパンフレットには口のまわりにソースをべたべたつけて誇らしげに笑っている料理人が大きなへらを持つ写真がある。鳥の蒸し焼きにどっぷりとソースを盛った皿が出てくる。一口食べて驚いた。経験のしたことのない味わいだ。なんだか辛さと甘さ、こってり感とさっぱり感、その他味を表現する様々な相反するものが複雑に絡み合っている。それがうまいかどうかというと、正直なところ答えようがない。ただメキシコの料理の深さが想像を絶することは確かで、敬意を表さずにいられない。

ちなみに料理のみならず、ここのレストランの案内係をしていた女性が非常に魅力的だった。世界にはいい女がたくさんいるが、心からはっとさせられたのはロシア、ウクライナで出会った何人かとこの女性だけだ。

 プエブラへ向かう山岳地帯は産毛のようにサボテンが群生 味の都プエブラのカテドラル

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