F2 Chris & Daisuke around the world

<SouthAmerica TOP>
Arequipa, Nazca and Lima /アレキパ、ナスカ、リマ

(2004.04.16-2004.04.23)

 ナスカの地上絵 セスナに乗ってぐるぐる回る

アリカからパンアメリカンに沿って北上し、ペルー国境を越える。国境通過の手続きは簡単だったが、ここの国境だけで必要と思われる意味不明の用紙を購入させられる。同じ国でも国境によって手続きや対応が違うのは不信感が増すだけで、実に意味のないことだ。チリ北部から続いていた砂漠地帯はペルーの海岸線沿いでも同じだった。この辺りは砂漠化した岩山が海に落ちるようになっている。海に面したロードは断崖でワインディングがいい感じである。太平洋にぶつかった海沿いの食堂で昼食をとるが、驚いた。Arroz con Mariscosという海の幸のピラフを食べたのだが、これが感動的に旨い。具の歯ごたえがよく、米との混ざり具合や味付けが最高である。南米4ヶ月で口にした料理で最も旨かった。パパイヤのジュースもやたらうまい。店のおばちゃんに「旨いよ〜」と伝えると、じゃあこれも試せとセビッチェ(魚のマリネ)もおまけしてくれた。これも最高。

ペルーの食事に大きな期待を寄せ、海岸から少し内陸に入ったアレキパに行く。周辺の白い火山岩で造られた町並みは、清楚なたたずまいで美しい。アルマス広場からカテドラルの向こうに見える標高6,000m級の山が輝いている。アレキパではトルーチャ(ます)の鉄板焼きを食べてみる。チチカカ湖で獲れるトルーチャが流れてきているらしいが、これもまた旨い。アレキパからはプーノ、クスコというペルーアンデス屈指の観光ポイントへ行くかどうか迷ったが、500kmの山道を(わざわざ)観光地目指して走ることが自分にとって価値がない気がして止めた。バイクで世界の大地を走ることには飽くことはなかったが、観光地を巡る旅にはもう完全に飽きていた。道路封鎖と国境閉鎖でラパスからプーノに直接抜けられなかったのが運の尽きだったのだろう。こうして南米最大の観光地マチュピチュもあっさり切り捨てた。

横江はどうも遺跡には興味が湧かない。ペルーから先、メキシコまでの観光の目玉は遺跡が多いようだが、今いろいろ見て回りたいとは思わなかった。それでもナスカの地上絵は、パンアメリカンの通り道なので寄り道をすることにした。きれいな観光ホテルの安部屋をとり、セスナを予約する。翌日の午前中、他の観光客にまぎれて地上絵を見に行った。約30分程度の飛行時間で10数ある地上絵を、上空からぐるぐる回って見る。ナスカの地上絵は発見前までに道路が横断したり、砂漠を走る車が縦横無尽に轍を残していたりで、心ある研究者から保護の必要性が訴えられているが、なるほど放っておいたら目もあてられない状態になりそうだ。しかも砂漠に描かれた絵なので、風化する一方である。いつか無くなってしまうことを考えると、今回見ておいたのは良かったと思う。

パンアメリカンを首都リマへ向かう。途中、街道沿いの食堂で鳥のフライを食うが、これもまた旨い。ペルー南部の食事はどこで何を食っても、はずれがなかった。南米の食は終わっていると感じていたが、ペルー南部の食が捨てたものではないと教えてくれる。首都リマに入ると街がどうにも小汚い。これが南米のゲートウェイのひとつである大都市リマか?と疑いたくなるほどである。旧市街の中心や新市街はさすがに首都としての威厳を保つ建築群や近代化したビルが見受けられたが、周辺の市街地はひどく寂れた感じがする。他の都市で感じなかった、痛烈なまでの貧困を感じずにはいられない。リマではボリビアの激走で消耗したタイヤを交換した。新市街でブラジル製ピレリMT60が手に入る。見た目はいまいちだが、走りは悪くない。

 白い火山岩の町並みが美しいアレキパ アルマス広場 リマのアルマス広場 ワンチャコ海岸にはトトラ船がいっぱい カハマルカ インカの温泉 湯畑から湯煙がもうもうと立ち上がる

首都リマをあとにして、北へ北へと進む。リマ以北はどういうわけか、食事が断然まずくなった。残念だ。
途中、市街地を通過する際にほとんど罠に近い違反をとられたり、トルヒーヨの大渋滞の中で車にぶつけられたりと、小さな不愉快が続く。トルヒーヨまで来て、市街には泊まらず近郊のワンチャコ海岸に出た。葦で作られたトトラ船が海岸沿いに並び、人々が漁?に出て行くのが見える。のどかな海岸だ。さらに北上し、ここで一度アンデスに入る。インカ最後の皇帝が温泉入浴中にスペイン人の手に落ちたという、インカ帝国終焉の地カハマルカへ行くためだ。稲穂が実る田園を抜け、山岳地帯を進む。この辺りの山々は緑濃い。カハマルカへ到着して、そのままインカの温泉へ行った。湯畑の湯煙がもうもうと立ち上がり、個室風呂が湯畑を囲むように造られている。風情はあまりないが管理が行き届いており、なかなかいい湯だった。湯上りに外に出ると、串焼きを売っているおばちゃんがいてこれがどうにも旨い。食事のレベルが落ちてきたので、こういうのがあると嬉しいものだ。

山道をパンアメリカンに戻り、南米最後の国エクアドルを目指す。山中を抜けてエクアドルのロハという町に通じる道を走っていると、地元の人間が夜の6時以降エクアドルは拳銃を持った強盗がうろつくから絶対に走るな、と警告してくれた。地図を見て距離を計算すると、ロハに到着するのが日暮れぎりぎりだ。大事をとって、海岸沿いのテュンベスからエクアドルに入るルートに変更した。エクアドルに近づくと、砂漠が続いた海岸沿いもだんだんと緑が多くなってきた。

<SouthAmerica TOP> <Previous> <Next>
<Previous>
<Next>