Bern, Vadaz/ベルン、ヴァダーツ (2003.10.25-2003.10.27) あいこを見送って、スイスへ向かう。首都ベルンには5月に日本を訪れていたドイツ人ライダーMIKAがいる。 彼の彼女ダマリスがベルン在住なので、そこに居座っているのだ。連絡をとって、ベルンに向かった。 ミラノからマッジョーレ湖を経由して、スイス国境のアルプスシンプロン峠を越えるが、激烈に寒い。峠に入るときには、まさにスイス!という景観でそれなりに感激して山道を登っていったが、峠に差し掛かると一面銀世界で零下である。マシンにはグリップヒーターが装備してあるのだが、これが気休めにしかなからない。手首から先が寒さで麻痺して、痛みすら感じる。ヘルメットの中で吐く息までもが白い。もう悲劇だった。幸い道路は幹線で除雪がしてあるので、凍結の心配はなかった。こっちが寒さで凍っているのに、首に鈴をつけた牛がのんきに散歩している。さすが地元は強い。 首都ベルンに行くためには、さらにもうベルナーアルプスの峠を越える必要があったが、こちらの方は全て道路が閉鎖されてしまっていた。 仕方なく山を迂回して行こうかと思っていたら、アルプスを突破するトンネルがあった。鉄道用のトンネルだが、車両を乗せてわずか15分で山の向こうに運んでくれる。大喜びで飛び乗った。列車の中は暖房がかかっていて、生き返る。 小さなスイスの首都ベルンの町に着いて、MIKAと連絡を取り合い彼らの待つアパートメントに向かう。ベルンの中央駅前は路面電車と道路の境界線が分かりにくく、非常に走りにくい。教えてもらった住所のあたりまでいくと、窓からMIKAの呼ぶ声がした。 MIKAとはウラジオストック-ハバロフスク間の道で会って以来、5ヶ月ぶりの再会だ。ダマリスの部屋は床にござが引いてあり、窓にはすだれがかかっていて、日本テイストの濃い快適な部屋だった。ベッドもなく、万年床の布団が敷いてある。3LDKのアパートを友人2人とシェアしていた。 MIKAとダマリスは来年ふたりでアフリカを走る予定で、ガイドの類が散らかっている。ビールで乾杯して、今後の南米に向けた話をMIKAからいろいろ聞いた。MIKA自身の数日後には南米に渡り、アフリカツーリングでダマリスと合流するまで南米を走る。話がひと段落したところで、ベルンの町を3人で散歩。小さな町なので、歩いて簡単に見て周れた。のどかなスイスでの数日だった。 MIKAとダマリスと別れ、MIKAとは南米で3度目の再会を約束して、ドイツへ向かった。凍るような10月のスイスを早く出たかったが、せっかくなのでスイスを横断し、リヒテンシュタインの首都ヴァダーツに立ち寄ってからオーストリア国境を経由しドイツ入りする。1日で4つの国に足を踏み入れたのはこれが最初で最後だ。リヒテンシュタインは小さな山間の国だったが、自動車のナンバープレートや公衆電話など街中をうろついていると、こんなに小さくてもちゃんと一つの国としての形をしていることを実感させられる。 |
<West/South Euro TOP> <Previous> <Next> |