F2 Chris & Daisuke around the world

<West/South Euro TOP>
Donaubelt, Fluda/ドナウベルト、フルーダ

(2003.10.28-2003.11.01)

 ドイツでの父Bernd フルーダの大聖堂前にて 愛犬ベン

南端からドイツに入り、ロマンティック街道の最南端であるフュッセンから街道を北上するように進む。

オーストリアとの国境を隔てるアルプスの麓であるフュッセンは、完全な雪景色でスイス以上に寒い。旅に出た頃は欧州ではよく整備されたキャンプ場で野外生活三昧だと思いこんでいたが、とんでもない。外にいたら凍え死んでしまう。日が暮れる前には、温かそうな光を放つペンションに飛び込んだ。根菜のたっぷり入ったスープで体を温めつつも、冷えたビールで疲れを癒す。それにしてもドイツのビールは実に旨い。

ノイシュヴァンシュタイン城を見上げつつ、ロマンティック街道北上を開始する。1時間もすると雪景色は、収穫の終わった農地に変わってゆく。途中、ミュンヘンでBMW本社参りを兼ねて防水機能が不良のブーツのクレームを言いに立ち寄ったが、あまりの対応の悪さにぶち切れてわずか2時間でミュンヘンを後にする。詳しく書かないが、信じがたい対応の悪さでがっかりした。BMWほどの会社でも下っ端の人間はマニュアル化されて役立たずだったりするものか。

ロマンティック街道を進むとのどかな耕作地の中に、雰囲気のいいドイツの小さな町がところどころ現れて面白い。なぜか道路横に日本語訳付きの「ロマンティック街道」という標識が立てられており、違和感がある。欧州の中でも日本人観光客に絶対の人気があるのだろう。
それにしてもロマンティック街道を走るということは、ほとんどが耕作地の中なので肥やしの香りで実にロマンティックこの上ない。。。観光バスで通過するだけだと分からないだろうな、これは。

街道沿いの街アウグスブルグで一晩宿をとろうと思ったが、イベントがあるようで空き部屋がない。先へ先へと進んで、ドナウベルトという小さなかわいい町で停泊した。ドナウ川が町の中心を流れているが、ブダペストで見たドナウよりもはるかに上流なのでその辺りの川と大して変わりはない。
ここまで北上してきたので、リトアニアのキャンプ場で会ったBerndに連絡をとってみたところ、泊めてもらえるというのでそちらに向かう。

Berndの暮らす町はフランクフルトの北60kmくらいのフリーデンというところだ。アウトバーンを北上し、デュンケンスビュール、ローテンブルグと街道沿いの旅情あふれる街角で休憩をとり、降り出した雨の中フリーデンに到着する。Berndはまだ仕事から帰ってきていなかったが、奥さんと子供たちが迎えてくれた。そして、寒い雨の日が続いたのでここに4日ほどお世話になった。
彼の家族と一緒にのんびりとした数日を過ごす。大きな一戸建ての家は快適至極で、すでに独立している子供たちも時折遊びにきてなかなか賑やかだ。Berndの仕事先のフルーダが最寄の大きな町だったので、ちょっとした旅の用品の調達やバイクのメンテもしておいた。フルーダでは昼にBerndがレストランでご馳走してくれたのだが、彼に言わせるとドイツ人は金曜に必ず魚を食べる、というので、白身魚のグリルを注文する。ドイツ人はビールとソーセージとじゃがいもばかりかと思っていたが、それだけではないようだ。

Berndはドイツ人だが、あまりビールは飲まない。嗜好品はどうも紙巻きのオランダ煙草で、仕事から帰ると自分を癒すように煙草を巻いて紫煙をゆらす。彼は日本で旅をした時にお世話になった人と話がしたいと言い出し、横江に国際電話をかけてくれとせがむ。深夜になり日本が朝を迎えた時間に、彼の旧友に電話をかけた。Berndは日本語はできず、彼の友人もまた英語・独語ができないので直接会話はできないのだが、旧友の声を聞けて心から嬉しそうだった。旅で出会った友人は、一生の宝物だと思う。

そろそろ西村のいるパリに向かう日が来た。仕事に出かけるBerndは、お気に入りのオランダ煙草をもたせてくれた。素のままのドイツの暮らしを堪能して、一路フランスパリへ向かう。

 なぜか日本語つきの標識 ローテンブルグ旧市街 ドナウベルト市街


 
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