F2 Chris & Daisuke around the world

<West/South Euro TOP>
Paris/パリ

(2003.11.02-2003.11.06)

 

花の都、パリにやってきた。
ロシアクラスノヤルスクの手前で「Paris 7370km」の標識を見つけてから、早4ヶ月。走行距離は30,000kmを越えた。
ずいぶんと回り道をしたものだ。

この街には前職同期同月入社の友人、西村がいる。すでに仕事は退き、大学院に通って未来のゆるい生活を目指している男だ。
待ち合わせまでに時間が空いたので、久々にラーメンを食い、市内のそれなり著名なところをバイクのまま走りまわってみた。今まで話しか聞いたことのない生のパリは最初の数時間はなかなか感動だったが、「観光する」という行動にはさすがに飽きがきていた。まさに最初の数時間で満足してしまう。午後に西村の自宅で合流し、再会を祝う。さっそく回転寿司食い放題で、食いまくる。

結局パリで何をしていたかというと、実は何もしていない。西村宅に置いてあった「ゴルゴ13」と「あしたのジョー」「なにわ金融道」を読破し、その合間に近場のブローニュの森やエッフェル塔を散策したくらいだ。こういう旅をしていると、デューク東郷の舞台がリアリティを持って感じられるのが収穫である。東京からはるばるパリまで走って来て、しかも生まれて初めてのパリにもかかわらず、かなりふざけた日々を過ごした。

パリで唯一感動したのは、パリを発つ最後の晩、西村の案内でパスティーユの少し先にあるBistro a Vinという居酒屋に行ったことである。
幾千ものうまいフランス料理の店もあるが、「飲ませる」だけというこのような店は少ないらしい。店の女主人のおばさんがフランス中から自分が認める旨いワインだけを収集し、死ぬまで飲ませる。つまみもワインを飲むためにだけに厳選された品々で感動ものだ。実に嬉しい酔っ払いのための店である。この店のすごいところは、帰り際にカウンターにいるこの女主人と歓談しつつ、きつい一杯をもうひとつあけてから帰らなくてはいけないことである。横江はフランス語はさっぱりなので、西村と一緒にいた友人が女主人に「こいつは東京からバイクでパリまで走ってきたばか者で、これからノルマンディーに牡蠣を食いにいくところだ」と通訳してくれる。フランス人はそういう類の話が好きなので、おおいに驚き「牡蠣にあうワインはこれだ」ともう一杯飲ませてくれる。実に最高であった。

旨いワインのおかげで半分ぼんやりしつつ、パリを離れた。

 


 
<West/South Euro TOP> <Previous> <Next>
<Previous>
<Next>