ブリストル(チャンピオン) 「ゲインズボロウ・セット」のコーヒーカップ (1775-80年頃)
Bristol (Champion's) Coffee Cup from the "Gainsborough Service"
Ca.1775-80
側面が垂直に近く安定感のある形状のカップである。取っ手は、シンプルで細いループ型ではあるが、実際には若干ごつごつした造型になっている(ブリストル「BR2」参照)。小さなカップにしては重みがあり、表面は釉薬が均一にかかって滑らかであるが、光にかざすとブリストル作品の特徴とされる螺旋状の渦(spiral wreathing)が見える(それほどはっきりとではないが)。
図柄は、ブーケ状の花柄に、金彩の細い帯(つや消しとそうでない部分とが交互に配されている。)の上に連続した月桂樹と小花が波状にからんでいる。口縁の内側と取っ手にも金彩が施されている。全体に極めて丁寧に装飾されており、ブリストル作品の水準の高さをよく示している。なお、この図柄の作品は一般に「ゲインズボロウ・セット(Gainsborough Service)」と呼ばれており、もともと18世紀後半の肖像画家Thomas Gainsboroughが所有していたものだと言われるが、実際には同じ図柄が他のセットにも描かれたと考えられている。本品と同時に売り出された同一図柄のカップにも、違う形の取っ手が付いたものがあった。
マーク:なし
Mark: None
高さ:6p
Height:6p (2 3/8 in)
文献/Literature:
-Mackenna "Champion's Bristol Porcelain" p62 and Figure82 for Gainsborough Service.
(2006年1月掲載)