トップ(Home)   リバプールのトップ (Liverpool Home)

クリスチャン・リバプール コーヒーポット(1765-70年頃)
Christian's Liverpool Coffee Pot Ca.1765-70

 

 背が高く下部が丸く膨らんだコーヒーポットである。胴体部分の素地は平らであるが、ゆるやかにカーブする注ぎ口には浮き彫りが施されている。取っ手は基本的にはループ型であるが、上部に親指置きが配され、最下部は素地がたたみ込まれて丸くなり先端が少しはねて「コンマ」のような形になっている。この「コンマ付き」の取っ手は、リバプールのいくつかの窯で共通して用いられたが、最初に導入したのはフィリップ・クリスチャン(Philip Christian)窯だとされる。なお、蓋は紛失しているが、この形のコーヒーポットには、やや背の高いドーム型の蓋が付随する。

 絵付けは、胴体には大陸風の花絵が描かれ、上部の縁には特徴的な赤い縁模様が見られる。また、注ぎ口の下部、浮き彫りの上には赤で小花が、また取っ手の背にも同じ赤で幾何学的な文様が描かれている。

マーク:なし
Mark: None
高さ(H):19cm
文献/Literature
- Bernard M. Watney "Liverpool Porcelain of the Eighteenth Century" fig.128

- Geoffrey A. Godden "British Porcelain An Illustrated Guide" Plate320


(2010年7月掲載)