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ボストン美術館(米国:ボストン)
Museum of Fine Arts, Boston (USA: Boston, MA)


 米国を代表する総合美術館の一つで、陶磁器に関しても東洋・西洋作品ともに大きなコレクションを持っていることで知られています。

 欧州陶磁器ファンであれば、まずは真っ直ぐ二階に上がって、欧州美術の展示室に行くといいでしょう。絵画が並んでいるメインの展示室の外側にある通路状の展示室の一角に、18世紀欧州磁器がまとめて置かれています。独、仏、英の作品に各々ガラスケースが二つずつ当てられています。コレクション全体の数からすれば、実際に展示されている作品はごくごく一部に過ぎませんが、それでも素晴らしい作品群を見ることができます。(なお、本美術館のウエッブサイトでは、展示されていない作品も含めた収蔵品の検索ができ、場合によっては複数の角度から撮った写真まで見ることができます。)

 個別の展示作品がどの程度の頻度で変更になるのかは分かりませんが、英国磁器では、チェルシー、ボウ、ロントンホールなどが展示の中心であることは変わらないだろうと思います。(ちなみに、独ではマイセンなど、仏ではセーヴルやシャンティーイなどの作品が中心です。)

 ここにも、チェルシーの「山羊と蜂の水差し」(コラム2のチェルシーのページを参照。)が、白磁作品と彩色作品とで揃えてあります。ロントンホールでは、全体が葉で型どられた白磁の大きなポットがひときわ目を引きました。しかし、何と言っても注目すべきは、ガール・イン・ア・スイング窯の窯名の由来となった「ブランコに乗った少女像(Girl in a Swing)」でしょう。これは、両脇の木の幹から垂らされたブランコに少女が座っている小振りの白磁像で、そのユニークな姿形から、文字通り同窯を代表する作品として知られているものです。

 なお、東洋陶磁器についても、本美術館が誇る東洋美術コレクションの一環として力の入った展示がなされており、中国、韓国、日本などの優れた作品を多く見ることができます。


(2006年1月執筆)