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セス・ペニントン・リバプール ピクルス皿(1780-90年頃)
Seth Pennington's Liverpool Pickle Dish Ca.1780-90
ペニントン三兄弟の末弟であるセス・ペニントン(Seth Pennington)は、1778年にジョン・パート(John Part)と共同でリバプールで磁器窯を立ち上げた。工場は、それまでフィリップ・クリスチャン(Philip Christian)が操業していたShaw's Brow工場を借り受けて使用した。ただし、クリスチャンはステアタイト磁器(ウースター系の)を製造していたが、セス・ペニントンはそれを引き継がず骨灰磁器を製造した。
セス・ペニントンの作品は、形状や絵付け面では、クリスチャンやジョン・ペニントン(John Pennington)などと類似する作品が多いとされるが、本品のような帆立貝の貝殻を模し、円錐状の脚がついたピクルス皿は、セス・ペニントン独自の形状だとされている。ピクルス皿としては大きめのサイズで深さもある。本品はかなり歪んでいるが、実用小物としては愛嬌のうちであろう。装飾は、中央部分に「牡丹とフェンス(Peony & Fence)」と呼ばれる東洋風図柄が、染付けの転写プリントで配されている(このプリント図柄はクリスチャンから引き継いだもの)。また、縁部分には染付けの手描きで斜線の縁模様が描かれている。
マーク:なし
Mark: None
長さ(L):10.5cm
文献/Literature
- Maurice Hillis "Liverpool Porcelain 1756-1804" p.411 & figs.9.106-9.106a, and p.449 & figs.10.113-10.114
- Bernard M. Watney "Liverpool Porcelain of the Eighteenth Century" p.108 & figs.433-435, plate23e
(2011年11月掲載)