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日曜日AM5:30、久方ぶりにGiuliaを駆って、友人がレースに出場する筑波へと出発しようとした。ここ3週間ばかりエンジンに火を入れていなかったので、ちょっとかかりが悪いかな、ぐらいにしか考えていなかった。セルを回し10分。未だ目覚めず。20分。これでもか、という位右足でポンピングし続けた。しかし排気管からは生ガスの匂いはしてこない。勿論プラグにはガソリンなんぞ付着してはいない。 30分。いい加減バッテリーが弱まってきてセルもだんだん勢いが無くなってきた。いよいよ覚悟を決めなければならない時間がきたようだ。 Weberに入る直前のフューエルラインを外し、ゆっくりと目を閉じ、そしておもむろにそのゴムホースを口でくわえ一気に吸い上げる。(いやゆっくり吸った方が身のためだ) ここで少し気持ち良くなり、いい気になって吸いつづけるとしばらくした後人間にとってはちっともおいしくないBenzina、すなわちガソリンが口の中に溢れる。苦い。 すばやくホースを元の位置に付け、再びセルを回すがまだ火は入らない。念のためジェットを外しフロート室を覗くと案の定空っぽであった。(まっ先に見るべきだった...) 隣に止めてある家族の車からガソリンを少々失敬し、(自分のGiuliaは残量が少なくポンプが届かなかった)兎に角フロート室を満たす。準備万端整って、キーを捻る。数秒後、何とも形容しがたい音、振動、その他諸々の事象とともにGiuliaはやっと目を覚ました。寝起きの悪い奴だホントに。 しかし火が入った瞬間Weberから噴出したバックファイヤーはその朝の日の出にも勝るとも劣らないぐらい美しかった。(実際こぼしたガソリンに引火しやしないかどきどきしたが) 追記: どうも簡単にfuel lineからガスが蒸発してしまうのは、ガスタンクから出ているゴムホースの一部が、スタビのエンドリンクと干渉しひびが入っていたためだった。(って、危ないじゃないか、排気管近いし) そういえば満タンにすると何故かしばらくガスがもれ、ガレージに染みをつくっていたのも、この箇所から漏れていたため、と理解できる。ホースのひびを塞いで以降、長時間エンジンをかけていなくてもすぐにガスが来るようになった。 |
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