これまでの「今日のコラム」(2009年 6月分) |
6月1日(月) <認知科学という学問・・・>
認知科学という学問は非常に面白そうだ。「”わざ”から知る」(生田久美子著、認知科学選書/東京大学出版会)という本を再読し始めて、改めてそう思った。認知科学というのは従来の哲学、心理学、言語学、人類学、人工知能など細分化されていた学問を心と知能という切り口で横断的に研究する。この本では、「わざ」を習得するプロセスで「身体全体で覚えていく分かり方」を身体と心を区別せずに(自分が生きていく上での=生活に密着した)一つの認識の表現としてとらえるとか、身体全体で知識を獲得するなど示唆に富む説明がうれしい。ところで、この本は以前、息子が私に貸してくれた本である。息子はアフォーダンス(知覚心理学の新概念)とか認知科学を勉強していてこの種の本をたくさん持っていた。本の中にアンダーラインを引いたりメモ書きがあるのに出会うといささか胸が詰まる。
「今日の表紙」には「球体X」(陶芸/再生分)を掲載した。いま陶芸教室では大作に取り組んでいるので完成するにはまだ一月以上かかる。その間、以前制作した小物作品で表面の釉薬仕上げが気に入らないものを再生している。これは2003年9月に制作した直径40mmほどの球体(globeの名で掲載=ここ)に釉薬を追加して家の窯で焼成し直したものである。