これまでの「今日のコラム」(2011年 1月分)

1月1日(土) <明けまして・・・>
<明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします>
明治神宮に初詣に行って今家に帰ってきたところ。今年初の太陽の光も明治神宮で浴びた。東京の日の出時刻は6痔50分であるが明治神宮では勿論この時刻に日の出は見えない。その代わり神主さんが仕事始めに出勤する風景を見ることができた(下の写真)。樹木の間から徐々に太陽が昇ってきて実際に陽光を浴びたのは8時頃。今日の写真として明治神宮で撮影したものを掲載する。日の出直後の雲が美しかった。
表紙に掲載した賀正作品は賀状に使用したもの。有名な「兎」の絵を模写してまとめたが、今は機械によるコピーが簡単であるので自分のペンと水彩で模写する意味はあるのだろうかと、少々考えてしまった。
 
 
2011-01-01@明治神宮

1月2日(日) <門松を立てるお寺・・・>
門松を立てるお寺も珍しくはないようだ。門松というと日本の神様を家に迎え入れる古神道の風習からきた正月飾りであるので例えばキリスト教会の門に門松を立てることはまずないだろう。けれども仏教のお寺では神仏混淆の風習が堂々と生きている。今朝墓参りにいった九品仏浄真寺(東京・世田谷区)でも先ず門松が迎えてくれた(下の写真)。元旦に早朝の初詣に味を占めて今朝も朝食を済ませて直ぐに家を出た。事前にインターネットで調べて開門は6時であることを知っていたので開門を心配することなく8時前に着いてたっぷりと掃除をする。その時、墓前に既に花が挿してあり元旦に来てくれた人がいたことを知って感激。恐らくは息子の友人か知人か。年末に墓の掃除に来なかったことを悔やんだが後の祭り。新しいお花と線香を8時過ぎには手に入れて何とか墓参りの格好が整った。それにしても早朝の静かなお寺の境内は初詣でにぎわう神社とはまた違ってなかなか趣のある風情であった。
 
2011-01-02@九品仏浄真寺にて

1月3日(月) <正月恒例の箱根駅伝寺・・・>
正月恒例の箱根駅伝は東洋大との激戦を制して早大が18年振りの優勝を飾った。長距離をリレー形式で走る駅伝は日本発祥。今はEKIDENで世界に通用する競技であるが、京都〜東京間を21時間以上かけてリレーをした東海道五十三次駅伝が日本オリジナルの初駅伝とされる。スポーツは団体競技も多いが駅伝は少し趣が違う。サッカーもラグビーも野球もいわば役割を決めた団体競技である。調子が悪ければ選手交代もできる。一般のリレー競技は走る距離も少ないので”まさか”のアクシデントはなく強い選手が勝つ。ところが駅伝では選手の本当の調子は走ってみないと分からない。箱根駅伝の場合、10人の選手が、(往復で)約218kmを走るので何が起きるか分からない。今回の箱根では目立ったブレーキはなかったが、一人のブレーキ(不調)でチーム全体が駄目になるのが駅伝。駅伝の魅力はやって見なければ分からないドラマを秘めているところだろう。今日の早稲田のゴールをみて、チーム競技であるからこそ勝利した時の喜びが一人で勝ったときの何倍にもなるようにみえて爽やかだった。
「今日の写真」は 目黒川<中央に映るのは中目黒(アトラス)タワー>。
2011-01-03@目黒川(東京)中里橋上より

1月4日(火) <皇帝ダリア・・・>
「皇帝ダリア」が咲いているのを散歩の途中に中目黒公園でみつけた。東京では今はさすがに咲いている花は少ないし、木の葉も大部分落ちてしまっている。そんな殺風景な公園の一角で一際(ひときわ)高くそびえ立って派手に花を咲かしているのが「皇帝ダリア」だった。皇帝ダリアは丈が3〜4mに成長するキク科の多年草。皇帝ダリアが今の時期にまだ咲いているということはこの地域の天候がいかに温暖であったかを示している。この木は寒さと強風に弱く、霜が降りたり寒波来襲となると一晩で全て枯れてしまうそうだ。一見、華やかな花もいつまで続くかはお天気次第のはかない命である。
「冬空に 皇帝ダリア 咲き続け」(TH)
2011-01-04皇帝ダイア@中目黒公園(東京)

1月5日(水) <盲導犬や介護犬・・・>
盲導犬や介護犬はただの犬ではない。スーパーエリート犬。適性を審査されて厳しい訓練を受け合格してはじめてその役割につくことができる。しかし、いつも思うのであるが、涙ぐましいほど健気(けなげ)でオリコウさんの盲導犬や介護犬はその”仕事”の見返りがあるのだろうか。人間さまのために順応して激務を続けた結果が短命に終わるのでは余りに可哀相。”栄誉”だけでなく何か相応に報いるやり方はないものだろうか。その点、飼い主に恵まれた家庭犬は幸せである。弟のところで盲導犬となるコースに落第したレトリバー犬を飼っている。性質が実に穏やかで訓練されただけあって躾(しつけ)もしっかりとできている。それでも飼い始めた当初は犬らしくじゃれたり、甘えることができなかったという。この犬は誰からも”盲導犬に不合格になってよかったね”と云われている。弟家族に引き取られて本当に幸せそうなレトリバー犬をみているとやはりそう思う。幸せを何の尺度で測るかは単純ではない・・、人間も犬と似たところがある・・。
1月6日(木) <双羊尊(そうようそん)図案・・・>
「双羊尊(そうようそん)図案」を今日の表紙に掲載した。今年初のペン画作品。双羊尊は元来は中国殷の時代・紀元前13〜11世紀に作られた青銅製酒器で二匹の羊が背中合わせに合体し中央に器を配した姿をしている。尊とは酒を供える盛酒器のこと。中国三千年の歴史で色々な青銅製の酒器類は多いが羊の姿をこのように表した双羊尊は大英博物館に所蔵されているものと日本の根津美術館にあるものの二点だけだという。根津美術館の双羊尊は国の重要文化財に指定されており、最近、この美術館の入場券には双羊尊のデザインが採用されている。私がこの「双羊尊(そうようそん)図案」を描いたのは根津美術館の双羊尊に触発されて、陶芸で皿の模様にこの双羊尊を使用しようと思ったのである。皿はマウスパッドとしても使用できる平皿を考えて、実際に粘土で制作する大きさ(焼成後の収縮を見込んだ大きさ)に描いてみた。けれども双羊尊の写真をじっくりと見ながら平面図を描いている内に、この青銅器を陶器で制作したくなってきた。3000年前の造形の見事さには驚嘆するばかりだが、これを模倣するのでなく現代的に表現できると面白い・・、が難物である。<双羊尊の写真、解説=ここ

今日の写真は別所坂児童遊園(東京・目黒区/リンク例=ここ)からの風景(中目黒タワーをみる)。
  2011-01-16@別所坂児童遊園より

1月7日(金) <Buckyball・・・>
Buckyballというオモチャを手に入れたらハマッテしまった。Buckyballとは直径が約4.6mmの強力な磁石の球が216個からなるセットで、磁石の力を使って複雑な形状を自在に創り上げて遊ぶことができる<磁石はレアアースマグネットで非常に強力な永久磁石>。基本形は一辺が6個からなる球のつながりで立方体を作った形で合計6の3乗=216個の球を使う(下の写真左端参照)。立方体から鎖のように一本にもできるし三角形、六角形をベースにして平面の形状、三次元の形状など工夫次第で無限の形を楽しめる。私はまだ始めたばかりの初心者で試行錯誤しながらやっているが、You tubeの動画でBuckyballの神業を見ることができる(例1=ここ、2=ここ、3=ここ)。私のオリジナル形状ができればまたの機会に紹介したいが今日は下に雰囲気だけの写真を掲載する(これらは全て216個の同じ球である)。

1月8日(土) <今日の収穫・・・>
今日の収穫は何かを考えると孫娘のブログ情報があった。午前中のテニスを含めて丸一日活動しながら得たものは孫娘からの情報だけとは淋しいのかうれしいのか・・。孫娘がブログに引用した話題は動画Youtubeを転用したものであるが、私は全く知らなかった。内容は木工品のトリックの種明かしのようなものであるが、インチキでなく信じられないほど巧みだ。このYoutubeの動画はTwitterで世界中の評判になったものである(タイトルは、"Impossiblenail-through-wood trick")。現代はインターネットであっと言う間に世界中に話題が伝搬する時代。ここでも無断でまた木工トリックを掲載させてもらう。さて、下に掲載する写真で「釘」をどうやって打ったのでしょう。答えは=ここ
2011-01-08<信じられない作り方!>

1月9日(日) <再び「双羊尊」・・・>
再び「双羊尊」のことを書く。一昨昨日(6日)のコラムで触れたように「双羊尊」は3000年前に中国で制作された盛酒器<現在の表紙に「双羊尊図案」を掲載中>。青銅製のこの器を陶芸で制作を試みるか否か決心が付かぬまま、今日、改めて根津美術館(東京・青山)に本物の「双羊尊」を見に行った(最近は妻と一緒でないときには自転車でいく)。今この美術館では墨跡や水墨画など墨で表現された名品を集めて特別展「墨宝」が開催されている(2/13まで、案内=ここ)。国宝や重文に指定された「墨宝」の数々を勿論見たけれども、常設展示されている「双羊尊」には更に時間をかけてみた。やはり立体的な本物の迫力は写真とは違う(写真例=ここ)。高さ約45cmの酒器を上から横から下から観察し、途中、庭園を廻ってきた後に再度また「双羊尊」。こうなると見れば見るほど次々と新しい発見がある。酒器を粘土で制作するかどうかはさておき、3000年前にどんな人間が何を思いながら青銅に模様を刻んでいたかに思いを馳せているだけで十分に楽しい時間であった。
 
2011-01-09@根津美術館の庭園にて・・梅の蕾が春を待つ

1月10日(月) <水仙のことを別名「雪中花」・・・>
水仙のことを別名「雪中花」と呼ぶ。今日の東京は冷たい強風が吹き荒れているのに庭の「雪中花」は凛として動じない。屋外で秘やかに咲くだけではもったいないと家の中に水仙の花を持ち込んでハガキにスケッチをした(今日の表紙に掲載)。部屋の中で水仙を描いているといい香りが漂ってくる。芳香に酔って絵の背景は少しくどくなったかも知れない。水仙の香りを詠んだいい俳句があった:「水仙の 香やこぼれても 雪の上」(加賀千代女)。江戸時代の俳人、加賀千代女(1703〜1775)は「朝顔に つるべ取られて もらひ水」の句が余りに有名であるが他の句も分かり易くて私は好きな句が多い。千代女の水仙の句には他にこんなのがある:「水仙は 香をながめけり 今朝の雪」、「水仙花 よくよく冬に 生まれつき」。

1月11日(火) <情報過多の時代」・・・>
情報過多の時代、逆に何が真実かは分かり難い。いわゆるマスコミ情報を頭から信用してはならないことだけは確かである。最近、マスコミに偽情報を流布させてトップの人事を妨害(阻害か逆転かも知れぬ)したのがNHKの会長人事であるようだ。次期会長の最有力候補であった慶應義塾の前塾長、安西氏について「会長の交際費があるのか、都心に居宅が用意できるのか」といった些細な内容を就任要請の際に質問したと、1月8日の産経抄があえて触れていた(=ここ)ので私も安西氏とはそんな人物かと思っていたが、どうもこれは反対派の謀略の臭いがする。安西氏は今日会長就任要請を断ると同時に報道機関に拒絶理由を発表した(=ここ)。要は流布された風評で会長職に就任できる状況ではないということか。一方でNHKの現会長(福地氏)は後任の会長を選ぶ権限が現会長になく経営委員に委ねられているのはおかしいと不満をもらす。まあ、こんな人事の話は”関係がない”ことだけれども、悪人扱いされている人物の実像が「義人」であることはよくある話。世の中に謀略情報が溢れていることは心しておこう。

1月12日(水) <ニューイヤーコンサート・・・>
ニューイヤーコンサートにいって今帰ってきたところ。ウィーン・シュトラウス・フェスティヴァル・オーケストラの日本公演で、今日が東京・サントリーホールでのコンサートだった(正月初めから日本国内の地方巡業をしてきたようだ)。たまたま、このコンサートの切符をいただいたのだが、妻とサントリーホールは何年ぶりだろうと話したが思い出せない。ともかく、久しぶりのサントリーホール、そして初めてのウィーン仕込みのニューイヤーコンサートは思っていた以上に楽しかった。小気味のいいテンポのワルツの調べは勿論、随所に年の初めに観客を楽しませる演出あり、テノールの錦織健の歌あり、音楽とは”音を楽しむこと”を実感させてもらった。明るく、愉快な音楽を聴いていると”今年もやるぞ”と元気がでてくる。こんなニューイヤーコンサートならば毎年でも聴きに行きたいと思った
2011-01-12@サントリーホール・東京

1月13日(木) <陶芸教室で新しい作品・・・>
陶芸教室で新しい作品の制作を一昨日から開始した。このところ1ヶ月以上、粘土いじりはやっていなかった。久しぶりにこの寒の時期に大汗をかきながら粘土をこねた。陶芸とは肉体労働だと改めて思いつつ、汗もまた心地よい。陶芸をしていると、この時間が本当にありがたいと思う。雑念なく制作だけに集中して過ごせるのは贅沢の極みといってもよい。年末の大掃除などやってもやっても際限がなかった。家事や雑事と云いきれないやるべきこともまた限りない。そこを何とか「陶芸」の時間をとることができて”感謝”なのである。さて、新しい作品のテーマにも悩まないことにした。以前、思案していた「双羊尊」を制作し始めたのだ。オリジナルでないとか用途は何かとか、深く考えない。閃きで思いついたら実行してみる。いま、この瞬間に手を動かさなければ熟考してもいいものが生まれるとは限らない。結果はあとで付いてくる。・・こんな調子で新年始動・・。

1月14日(金) <魚久の「切り落とし」・・・>
魚久の「切り落とし」をゲットした。魚久は日本橋人形町に本店がある日本料理の老舗で京粕漬けで人気がある。渋谷の魚久はたまに自転車でいく銀行のすぐ側にあるので、これまで何度か銀行に行ったついでに噂の”切り落とし”を買おうと思ったが、毎回”売り切れです”で終わっていた。今日は魚久開店の20分前、9時40分に”切り落とし"用の整理券を配布することを知っていたので9時30分頃、店の前に着くと、既に10人以上が寒い中で行列を作っていた。待っている間に常連らしきおばさんに教えてもらうと、お徳用の切り落としは1セット525円、一人で2セットまで購入できる。通常毎日店で50セットが用意されるけれどもほとんどの人は2セットを希望するので並んでも25人までしか確実には手に入らないという。今日は整理券を二枚手に入れてから銀行で手続き。そして丁度10時頃に再度魚久にいき、めでたく「切り落とし」を2セットゲットした次第。早速に昼食で食べた”切り落とし”の味は格別であった。
1月15日(土) <中国の殷王朝・・・>
中国の殷王朝は紀元前17世紀〜11世紀頃の王朝で考古学的に確認されている中国最古の王朝だ。それも司馬遷が紀元前100年頃に編纂した「史記」には殷の記述があるにもかかわらず、中国古代史の定説では殷は伝説上の王朝とされていた。それが20世紀初頭になって甲骨文字の研究から実在した王朝と認定されたという。何でここで「殷王朝」か・・。今、陶芸で殷の時代の青銅器{双羊尊」をモデルに作陶しているからである。「双羊尊」の写真をみながら細かく粘土で形を作っていると3000年前に双羊尊を制作した人間のことを考える。そして3000年前の人間の造形力、エネルギーには言葉をなくす。・・今日は、テニスの帰りにまた根津美術館に立ち寄って本物の「双羊尊」をじっくりと観察してきた(=ここ)。午後は自分の粘土品を削ったが本物の双羊尊をみてきた目にはアラばかり目立つ。今更修復は不可能なところもあるが、同一のコピー品でなくて自分流の「双羊尊」に割り切るしかないと言い聞かせながらまた削りを続けている。現状の粘土細工「双羊尊」の写真を下に掲載してみる。
2011-01-15@陶芸教室にて

1月16日(日) <出演者の合計年齢が6500歳・・・>
出演者の合計年齢が6500歳という合唱を楽しんだ。ほぼ100人の出演者、最高齢は90歳という素人の女性合唱団。何より出演者全員が満足げにステージで輝いている姿が微笑ましかった。京葉銀行文化プラザ(千葉)で開催された「おしゃべりカフェ<日比野和子と仲間たち>」のコンサートである。指揮の日比野和子さんは私と同年、同月生まれの従姉妹にあたり毎回招待をいただく。今年は特に彼女の古稀祝いコンサートの趣があった。彼女は10年以上前に乳ガンを克服して以降、社会的な活動を活発化させてきたが、昨年もまた手術を受けるなど体調を心配したが相変わらずのバイタリテイを見せてくれたのでホッとした。今日のコンサートは合唱以外にプロの音楽家の演奏(バイオリン、ピアノ、津軽三味線)など内容は豊富で、いずれも出演者がいかに音楽が好きかが伝わってきた。指揮の彼女は”音楽は競争であってはいけないという思いから私はコンクールというものは避けて歩んで参りました”と述べているが、「音を楽しむ」音楽が随所に表れていて心地のよいコンサートであった。

1月17日(月) <冬の富士山・・・>
冬の富士山は東京からでもよく見える。ただし、江戸時代に富士を見る名所であった場所では今はもうほとんど見ることはできないだろう。我が家の近くに安藤広重が「名所江戸百景」として「目黒新富士」を描いた場所があるが、マンション群に遮られて勿論富士山を見ることはできない。今日のような晴天の日に富士山を見たいと思ったら恵比寿ガーデンプレイスの39階の展望階にいく。この階にはレストランもあるが店に入らずに自由に展望できるスペースがあり、東京都庁の展望室のように常時混雑することはなく大抵は空いている。今日も丹沢山系と富士が見事だったけれども、写真では目で見たように富士山を美しく撮影できないのが残念である。東京からだと富士山の位置は丁度太陽の方向、西向きに一致するため(夕方の話)、写真では富士山が光で消されてしまう。その点、広重のようにはるか遠方の富士を眼で感じたように描く絵画の力は写真に勝るようだ。今日、撮影した写真を下に掲載するが、機会があれば「丹沢山系と富士」の絵を描いてみたい。
表紙に掲載した「今日の作品」は今制作中の陶芸「双羊尊」の模様をイメージして孫娘への絵手紙を描いたもの。
2011-01-17@恵比寿GPより


1月18日(火) <妻とWiiフィットネス・・・>
妻とWiiフィットネスを始めた。正確にはWii Fit Plusで、従来のトレーニング48種類に加えて21種類が追加されて、69種類のトレーニングが収録されている。Wiiは任天堂の家族用ゲーム機で無線通信で接続されるリモコンを操作して遊ぶ極めて上質なゲーム機である。けれども私は元来がゲーム(テレビゲーム)は好きではないし、ゲームでサッカーやテニスをするより屋外で実際にスポーツをする方をとるので、Wiiには特別に興味はなかった。それが最近になって妻の運動不足解消策として「WiiFit Plus」を採用したのである。使ってみると私もすっかりはまってしまった。これは実によくできた身体のトレーニングかつ脳トレの器具である。先ずバランスボードに乗ることにより私の重心のズレ(左膝をかばうために気になっていた)が見事に指摘された。毎回自分の重心に注意しながら体重やBMI値(BodyMass Index=肥満度)をチェックできる。フィットネスはヨガ、筋トレ、有酸素運動など種類が多く、まだとても一通りやってみるには至っていないが、いずれも楽しくトレーニングできる実用プログラムであることがよく分かった。課題は"継続”。妻と共に毎日Wiiを楽しむことができれば云うことはない。
今日の写真は西郷山公園での夕日。フィットネスをはじめてもウォーキングは続けている。
2011-01-18@西郷山公園にて(東京・目黒区)

1月19日(水) <人生七十古来希・・・>
「人生七十古来希・・」と杜甫が詠んだ詩から「古稀」の言葉ができたことは知られている。その当時、70歳とは本当に希な長寿であったのだろう。杜甫(中国・唐の時代の詩人/712〜770年)自身も60歳に届かず生涯を終えている。今日は私の70歳の誕生日。古稀は数え年で70歳をいうので私の場合既に古稀年齢を終えたことになるが、やはり満年齢で70歳になったことに感慨が深い(還暦の呼び名は生まれた干支が巡ってくる年、つまり満60歳<数えで61歳>なので分かり易い)。それにしても自分自身が”年寄り”という実感が全くない。周囲に私より年上で元気な人が余りに多いからだろう。かの日野原重明さん(1911生まれ)は今年100歳を迎えるに当たって、新たに20年綴りのスケジュールノートを買ったと報じられていた。ここまでくると長寿も結構だけれど周囲に迷惑をかけてないかと余計な心配をするけれども、やはり日野原さんに学ぶところは多い。日野原さんによれば75歳までは老人とみない。75歳を過ぎたら新しいことに挑戦しろと教える。私の場合、還暦から古稀+1までの10年間の生活は幸いにして充実していた。まだまだやりたいことも山積している。それでも私はノートにノルマや予定を書かない。これからも”イイ加減に”好きなことをやっていきたい。

1月20日(木) <”I have a dream・・”・・・>
”I have a dream・・” の名演説に今更ながら感動した。云うまでもなくアメリカのキング牧師が1963年にワシントンのリンカーン記念堂の前で行った”Ihave a dream”(私には夢がある)で始まる歴史的な演説である。先週の1月15日はキング牧師の誕生日。アメリカではキング牧師の記念日で1月第3月曜日(今年は17日)が振り替えの休日となる。ニューヨークに住む孫娘がこの祝日にあわせて自分のブログでキング牧師の”Ihave a dream・・”を紹介してくれたので私もまた引用させてもらうのである。キング牧師(1929〜1968)は黒人の公民権運動の指導者で、インドのガンデイーに啓蒙されて徹底的な非暴力主義を貫いて運動を進めるが自らは白人の銃弾によって39歳で命を落とす。1964年「人種偏見を終わらせるための非暴力抵抗運動」を理由に、史上最年少35歳でノーベル平和賞を受賞している。”Ihave a dream・・”は34歳の時の演説だ。全部の演説は17分ほどになるので、孫娘に習って後半の部分の演説を紹介したい=ここ。更に、全文を訳つきで読むと、これも感動的である=ここ。このような「夢」、「理想」、「歴史観」、「信念」が今の日本の政治に一番欠けていると思えるのが淋しい限りではある。
「今日の写真」は制作過程の陶芸「双羊尊風器」。粘土が90%完成した。
2011-01-20@陶芸教室にて

1月21日(金) <「鉄は熱いうちに打て」・・・>
「鉄は熱いうちに打て」(Strike while the iron is hot.)の諺を全くその通りと思うことは多い。幼児の頃から訓練された音感は大人になってから努力しても手に入らない、子供に躾をしていないと大人になると手遅れ、新入社員にきっちり教育しないと戦力にならないなど、柔軟性のある時期に鍛えるか否かで”できあがり”が違うことは大いにあり得る。しかし、諺でいう「熱い鉄」を実感できる人は刀鍛冶でもない限りそれほどいそうにない。1300度の灼熱の鉄を叩いて鍛え上げることは先ず体験できるものではない。その点、私は陶芸で粘土の造形をしながら毎回「粘土は固まらないうちに成形しろ」と言い聞かせる。冒頭の諺が何故「粘土」でなく「鉄」になったのか不思議。粘土では柔らかいうちには自由自在に形ができるが一旦固まってしまうとどうしようもないことを誰でもが体験できる。さて、鉄や粘土に物理的な性状があるのは当然として、私は”人間については諺の通りとは限りませんよ”と言いたい。つまり、大人になっても、老人になっても、固まらずにフレキシビリテイ(可撓性、融通性、柔軟性)があるのが人間である。勿論、固まってしまう大人もいないことはないが、若い頃にできなかったことを70歳、80歳になって始める人がたくさんいるのも確かである。人間を鉄や粘土と同じに扱うことはない。
「今日の写真」はいただいた胡蝶蘭の唇弁部分。
2011-01-21@胡蝶蘭
の唇弁
1月22日(土) <マイクロフィルム資料の劣化・・・>
マイクロフィルム資料の劣化が問題になっているというニュースがあった。図書館などで古い文書や貴重な仏典などを撮影したマイクロフィルムが劣化して機器で見ることもできず修復は難しいと云われるものがあるという。思い出すのは私が勤め人時代、今から40年ほど前は"マイクロ化”が最盛期であった。設計図や紙の資料をマイクロフィルムに撮影するのに膨大な時間と経費を費やしたものだ。それらの資料がどうなったか知る由もないが、当時のマイクロフィルムの素材はセルロースエステルで、これは空気中の水分と反応して劣化しやすいようだ。20年ほど前(1993以降?)からは劣化しにくいポリエステルの素材が使用されている。ISO(国際規格)でもフィルム素材を分けて期待寿命が定められており、セルロースエステルをベースにしたフィルム=100年、ポリエステルをベースにしたフィルム=500年である。今日のニュースでは”期待”に反して保存環境によっては50年も経たずにどんどん劣化が進んでいることになる。それにしても何百年を経過した紙の文化財がある一方で現代のメデイアの保存技術は何と脆弱なことか。マイクロフィルムはそれでもまだマシな方、磁気テープや磁気ディスク、光ディスクなどは20〜30年の予想寿命でしかも再生装置が継続的に存在するかも危ぶまれる。真に貴重な資料をどう保存するかはまだ未解決の課題と承知しておこう。

1月23日(日) <介護の大変さ・・・>
介護の大変さは体験したものでないと分からないという。親の介護のために生活が破綻するケースも深刻であるが、その後に訪れる夫婦がどちらかの連れ合いを介護する話は他人事とは思えない。たまたま女優の小山明子さん(1935年生まれ、75歳)が夫の映画監督大島渚さん(1932年生まれ、78歳)を介護してきた経緯をインターネットの記事で読んで考えさせられてしまった(記事=ここ<計3ページ>、また類似記事=ここ<計3ページ>)。大島監督が脳溢血で倒れたのは1996年2月、ほぼ64歳の頃、小山明子さんは61歳。以来、15年間奥様は今日まで介護に専念する生活・・。奥様が語る今の日常:「・・大島は介護度5の状態なので、食事から排泄まですべて介助が必要です。・・食事の時以外は一日中ベッドにいる大島が、どうすれば気持ちよく過ごせるかということに目配りするのが私の課題。いわば総監督です(笑)」。勿論、大島夫妻と逆に夫が妻を介護するケースもある。いずれにしても、夫婦が少々の口論をしていることなど平穏な証拠と感謝しなければならない・・。
「今日の写真」は九品仏浄真寺(東京・世田谷)でみた紅梅白梅と冬の大銀杏。
 
2010-01-23@九品仏浄真寺(東京・世田谷)

1月24日(月) <西銀座の画廊・・・>
西銀座の画廊を三箇所廻った。中でも知人に案内をいただいた「坂口紀良ガラス絵展」(@木田画廊/28日まで)が一番興味深かった。勿論、完成された絵画としての色彩や構図も好みであったけれども、それ以上にガラスの裏に絵を描くテクニックが面白くて、細かく見ていると時を忘れた。ガラス絵の場合、普通の油彩などを描く順序と逆に描かねばならない。初めに自分のサインや、細かな線、模様を描いておかないと一旦塗った色の上に後で描いてみても表からは見えない。初めから計画的に描く順序を綿密に考えて気合いを入れて仕上げた迫力が心地よく伝わってきた。老舗の「日動画廊」にも寄ったが、毎度ここでは自分は疎外感を感じてしまう。作品の内容を云々する以前に、既に権威づけられている”名のある作家”の展示物は新しい価値観を求めて奮闘する名もない作家が好みの私に新鮮な感動を与えてくれないのである。それはそれとして久しぶりにゆっくりと散策した西銀座には新たな息吹が感じられたのは何よりだ。
 
2011-01-24@西銀座(東京)にて(左=外堀通り、右=数寄屋橋交差点)

1月25日(火) <今朝の気温はマイナス14℃・・・>
”今朝の気温はマイナス14℃”とニューヨーク・マンハッタンに住む孫娘、mieuが自分のブログに書いていた。孫娘は通学するにも、セーター、マフラー、ジャケットなど全て二重に着込んで寒さ対策をしているという。東京では今朝の気温5℃(今、夕刻の気温は8℃)だから楽なものである。「今日の表紙」にそのmieu宛の絵手紙をまた掲載した。一応「ドラゴン文字」のイメージ。このところ「ドラゴン」のデザイン画が続くが、これは現在陶芸で制作中の容器の模様にからんでいる。モデルとした3000年前の青銅器「双羊尊」に「ドラゴン」の模様が彫り込まれているので、自己流のドラゴン模様で遊んでいるのである。MIEUの文字を綴った絵を描きながら以前にやはり「MIEU文字」を絵手紙で描いたことを思い出した(2004年10/12の絵だ!=ここ)。アイディアとしては2004年の絵文字も面白い。今回の場合、あえてタイトルは「ドラゴン文字」でなく「MIEU文字」とした。ドラゴンがヘビになろうが、イモムシになろうが一向に構わないと・・。


1月26日(水) <池に氷が・・・>
”池に氷が張っている!”と感激のあまり見知らぬ人にまで声をかけた。健康診断の指定時刻に間があったので時間調整を兼ねて久しぶりに訪れた自然教育園(東京・港区)でのことだ。我が家の近辺では(庭の小さい池でも)この冬まだ氷の張ったところを見たことがない。全く予期せずに自然教育園の池に薄く氷が残っているのを発見して感動したのであるが、池の氷ごときに喜ぶ自分が少々恥ずかしかった。自然教育園(サイト=ここ)は四季を通して多様な樹木や草花の見所があり、冬にはやはりこの時期にしか見ることのできない”枯れた雰囲気”がいい。ところで、声をかけたお姉さんを見ると300mmほどの超望遠レンズを装備した高級カメラを持参している。この場所には野鳥を撮影するマニアもよく訪れるようだ。私はと言うと超ポピュラーな片手で持てるデジカメ。このカメラ(私のお気に入りだ!)で撮影した写真を下に掲載する:
 
2011-01-26@自然教育園にて

1月27日(木) <お昼休みの無料コンサート・・・>
”お昼休みの無料コンサート”にいった。サントリーホール(東京・港区赤坂)で毎月1回(第三または第四木曜日)、12時15分から45分まで大ホールの目玉である世界最大級のパイプオルガンの演奏を無料で聴かせてくれるのである。これまではなかなかチャンスがなかったが、今日は午前中のテニスの場所からサントリーホールへ行く道を事前に調べておいて自転車で廻る。予定通りにほぼ12時にサントリーホール脇にあるスペイン坂に自転車を置いてホールに入ることができた。今日の演奏はモニカ・メルツォーバさん(パリのノートルダム寺院専属オルガニストであった女性)。テニスの服装のまま疲労した肉体をオルガンの圧倒的な音波でほぐす時間は正に至福の時。こんな贅沢に浸って申し訳ないような気分であった。ただし一言、余り言いたくはないが何人かの赤ちゃん連れの若いお母さんが赤ちゃんが泣いたり声を出すのを構わずにホール内に居続けるのにはまいった。いくら無料と言っても他の人に対するマナーを教える人はいないのか・・。
2011-01-27@サントリーホール前の広場

1月28日(金) <酒井抱一生誕250年・・・>
酒井抱一生誕250年記念の展覧会が今年は各所で開催されるようだ。今日は畠山記念館(東京・港区白金台)で開催中の冬季展「生誕250年酒井抱一-琳派の華-展」をみた(案内=ここ、3/21まで)。出光美術館などでも2月には酒井抱一の記念展が予定されている。酒井抱一(1761〜1829)は江戸後期の絵師で江戸琳派の創始者とされるが、元来はお殿様である。姫路藩主を父に持ち江戸の姫路藩別邸で生まれ、生涯を江戸で過ごした。長男ではなく次男であったので恐らくは気楽に文化人としての素養を発揮できたのであろう、俳句、絵画、浮世絵などを学んだり一時代前の尾形光琳に傾倒し光琳の芸術の再興を志したという。藩主として名を残すことはなくても彼の一生は充実した68年間であったに違いない。一流の絵師として珠玉の作品群を後世に残した。酒井抱一の「花鳥図」を見ていると何か余人にはない”品”が感じられるのはお人柄であろうか。
 
2010-01-28@畠山記念館にて

1月29日(土) <新燃岳の噴火・・・>
新燃岳の噴火が続いている。新燃岳(しんもえだけ)は九州南部、霧島山系(鹿児島県、宮崎県の県境)にある活火山。被害を被る地域の人に何もしてあげられないが、この際人知を越えた地球のパワーに目をやってみたい。新燃岳の火山活動は”数千年”の休止期間後、江戸時代に噴火が発生したとの記録があるが、火山とか地球に関する期間は人間の歴史とスケールが異なる。今現在の地球のマントル深部にも液体の高温マグマ層が存在するとされるが地球が誕生した46億年前には地表の温度は数千度で、そのマグマの海に小惑星が降り注いでいた。地球の表面がすっかり冷えた後の現在でも地球の深部には誕生したときの原型が残っていることになる。人類が誕生したのは400〜500万年前とされるから地球の歴史から見ると人間が地球にいる期間は大して長くはない。ましてや、ベスビオ火山が大噴火し当時(紀元79年)大繁栄していたイタリアの商業都市ポンペイをあっと言う間に埋め尽くした火山活動など、つい最近の感じもする。地球スケールでみると新燃岳に限らず、大噴火、大地震など私たちは地球のご機嫌次第でどんな災害に巻き込まれるかは予断を許さない。人間が地球上に住むことができるのは「幸運」以外の要素はないのでないか・・。
1月30日(日) <体調を崩して・・・>
体調を崩して健康の有り難さを思う。そんな体験を昨晩から続けている。昨晩は珍しく急性の下痢に悩まされて眠れなかった。今朝から安静にして原因を考えているのだがよく分からない。昨日の夕食は食あたりになりそうなものは何もないし一緒に食べた妻はなんでもない。インフルエンザか風邪などウィルス性胃腸炎の可能性があるかとも思ったが熱はほとんどないし(37.5度)喉の異常もない。この際思う存分に静養しようと昼間から寝床に入ると、これがいくらでも眠れてしまう。人の活動の原点は良い体調(健康)にあるとあらためて思い知らされる・・。

1月31日(月) <Wiiフィットネス・・・>
Wiiフィットネス(任天堂の家族用ゲーム機)を始めたことは以前書いたが、毎日体力計測やトレーニングを続けている。このゲーム機を相手にしていると自分がいかに"おだて(煽て)”に弱いかよく分かる。機械の方も良くできていて適当に褒める。例えば、”あなたの体力年齢は実年齢マイナス24歳です。スゴーイ”などと煽てられるとまたやる気になるが、バランス能力は○○歳などと歳以上に評価されると一旦止めてしまう。やり直した後で良い記録だけ保存するからいい気なモノだ。機械のプログラムにもクセがあるようで、良い点数をとるにはクセを知ることも必要とか・・。まあ、余り一生懸命にならず気楽にWiiと付き合いたい。
「今日の表紙」に「噴水塔・頂部」(陶芸)を掲載した。昨年7月に完成した「噴水塔」であるが、最近になって家の窯を使って頂部だけ釉薬をかけ直したもの。残念ながら写真では手を入れた前後の差は分からない。もうひとつ「今日の写真」に「薔薇」を入れる。本物の薔薇の花がよくできた造花のようにみえるのが不思議。
<明日、小旅行のためコラム休みます>
  2011-01-31

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