気候と季節感

 最も暑いのは7月で、最高気温の平均はだいたい30℃です。逆に最も寒いのは1月で、最低気温の平均は、マイナス10℃位です。企業派遣などでイリノイ大学あるいは関連研究機関で学ぶため、東京や大阪などからこられる方が多いと思います。私たちもよく「ものすごく寒いそうですね」と聞かれますが、残念ながら、私たちは夫婦そろって寒い地域で生まれ育っていますから、「寒いけど、大したことないよ」という返事を返すしかないです。でも、そういう方たちにとっては、この寒さは、初体験の寒さだと思います。最低気温の平均がこの値ですから、当然、もっともっと寒い日もあるわけです。華氏でマイナス(摂氏マイナス17.8度以下)の世界を体験することもできます。

 「街の概要」に書きましたように、ここは降水量が多めです。しかし、その割に湿度は年間を通して低く、夏の暑さも日本の一般的な暑さほどではないかと思います。ただ、湿度が低いせいで、静電気が貯まりやすく、私などは、部屋のドアノブや車のドアに触れるとき、人と握手するときなど、バチバチいいます。

 それでは、月ごとにおおよそのことを私の主観たっぷりに書いておきましょう。
1月
 1月は上記の様に最も寒い月です。今年(1997年)の場合は、雪が一気に積もっては晴れの日が続き、雪が解けたと思うと、また雪が降り、また解けて・・・を繰り返していました。冬の間はずっと雪が積もりっぱなしという日本の東北地方や北海道と比べたら、雪に関してはずっと楽です。ニューイヤーズディは、一応休日ですが「普通の祝日」です。仕事のある人は、2日から何事もなかったかのように仕事を始めます。
2月
 2月はかなり寒さが和らぎます。月の終わりには雪は解けました。何となく、日本の「節分」という意味がピッタリとはまる気がします。バレンタインデーに向けて盛り上がりますが、プレゼントを送るのは、日本と立場が逆になります(日本がおかしいのです)。
3月
 3月になると暖かい日もあります。地元の人たちには、Tシャツを着出す人もいます。下旬にもなるとほとんど春です。青空がキレイで、そこに白い雲が映えます。それでも天候の変動が激しく、今年(1997年)のイースターの日曜日は、かなり寒かったです。
4月
 本格的な春は4月です。アパートに隣接する Crestview Park には、やがてタンポポの黄色い花が咲き始めました。茶色かった芝も緑が濃くなってきました。日差しが強くとも風が結構吹きますので、とても心地よいです。4月の最初の日曜日に、デイライトセービング=Daylight Saving (イギリス英語でいうと、サマータイム)が始まります。この日から時計を1時間すすめます。夏期の日が長い間は早起きして仕事を早く終わらせ、充実した夕方を過ごそうという趣旨だったと思います。夕方が明るくなり、春あるいは夏の訪れを感じさせる要因となります。また、メジャーリーグベースボールのシーズン到来です。
5月
 5月も半ばを過ぎると屋外プールもオープンします。一気に夏です。それでもおもしろいのは、ここはアメリカであり、世界中から人が集まっているわけで、いろいろなタイプの人がいます。スペインやトルコなどの暖かい国や地方から来た人たちは、アメリカ人達がTシャツ1枚になり、プールサイドで日光浴をするこの時期にも、寒い寒いと連発しながらコートを着ていたりします。

 また、この春から夏にかけては、トルネードの多発時期だそうです。このあたりはまだ発生数が少ない方だそうですが、それでも、今年(1997年)の4月30日に本物のトルネード発生警報サイレンが鳴りました。地下シェルターや窓のないなるべく狭い部屋に逃げる必要があります。この警報は、毎週火曜日の10:00 a.m.から、試験的にならされます。それ以外の時間に鳴るということは、本当にトルネードが来たことを意味します。昨年の晩夏には、私の住むアパートからわずか数100mしか離れていないところに、トルネードがタッチダウンしたそうです。恐ろしいことです。
6月
 6月になれば完全に夏です。町は、緑でいっぱいになります。本当にプールが恋しくなります。公園の噴水で遊んだりするにもいい季節です。公園のベンチで昼食をとったりするのに最も適した季節でしょう。街を取り囲む畑では、少しずつトウモロコシが生長しています。夏至あたりには、夜9時前まで明るいです。それから、この月の下旬頃、小さな光る物体を発見しました。なんとホタルでした。アパートの庭の芝生一面に、ホタルが飛び交っていたのです。
7月
 7月になると、そのトウモロコシが、日に日に大きくなるのがわかります。先にも書きましたように、最も暑い月です。湿度が低くて比較的蒸さないとはいっても、冷房は必須でしょう。山がありません。つまり、陽射しを遮るものは、建物と街路樹くらいです。帽子やサングラスが、必須となるでしょう。それから、7月4日は、アメリカの独立記念日ですが、いろいろな国から人が集まるアメリカです。その日がめでたくない人が多いわけです。思ったほど盛り上がりません。夜には、一応、花火が打ち上げられます。
8月
 8月になると暑さも和らぎます。夏期の間はあちらこちらで朝市が開かれ、取れたての新鮮な野菜を購入することができます。昼あるいは夕方には、あちらこちらでバーベキューを楽しんでいます。食べ物が美味しい季節です。学生さんは長期の休み中だと思いますが、働く人たちには、基本的に夏休みはありません。もちろん会社や組織によってまちまちですが、長期のバケーションがあるのは、一般にヨーロッパの風習なのです。日本の「お盆休み」が懐かしいです。
9月
 9月になるとまだまだ暑い日があったりしますが、秋の気配を感じます。下旬にもなると、近くの農園でリンゴ狩りができたりします。9月も快適な月です。シカゴのリンカーンパーク動物園のシロクマは、暑さのために思いっ切りだらけていました。
10月
 10月には秋から冬へ様変わりします。草木は枯れ始め、紅葉が始まります。10月は31日のハロウィーンに向けての準備が始まります。どでかいカボチャが売りに出されるのをあちらこちらで見ることができます。明け方は相当寒くなります。中旬を過ぎると、初雪を見ることができるでしょう。Tシャツ1枚だった地元の人たちが、一気にセーターやコートを着出します。リンゴ狩りが楽しい時期です。最終日曜日にデイライトセービングが終了します。時計を1時間戻しますので、夕方が一気に暗くなります。アメリカンフットボール、アイスホッケー、バスケットのシーズン到来です。これらも冬の訪れを感じさせてくれます。
11月
 11月は、もはや冬です。夕方5時には、かなり暗くなります。雪がある程度ちらつきます。朝は氷点下の世界です。初旬は紅葉が見事ですが、そのうち一気に枯れ葉と化し、町中、落ち葉だらけになります。あちらこちらの家々で落ち葉かきに精を出す人が目立ちます。この時期になると、中古車を持っている人は、エンジンの掛かり具合が気になり出す時期です。デパートやスーパーなどでは、早くもクリスマス商品を売りに出します。最終木曜日のThanksgiving Dayは、数少ない大がかりな休日です。金曜日も休んで家族でどこかへ出かけたりする人が多いようです。
12月
 12月は、お父さん達の出番です。皆、クリスマスに向けて、家々を飾り付けます。夜になると家々のイルミネーションがきれいです。都会のど派手なイルミネーションと比べては失礼なほどステキです。雪も本格的に降ってきます。寒さも厳しいですが、クリスマスの雰囲気が、暖かさを演出してくれます。業種、会社、組織によってまちまちですが、普通に働いている人は、31日も仕事です。
 1年なんてあっという間です。


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Champaign - Urbana は
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最終更新日:
December 1, 1997