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イシスのアップ

2004年の年賀状に使ったものです。年末にどたばたしたせいか新たな着想にも恵まれず、やむなく昨年と同じ調子で現代に召喚された女神イシスを描いてみました。デッサンも昨年同様に怠慢して写真から輪郭を拝借しましたが、前回と違ってモデルさんの写真じゃなかったので体型はかなり手を入れています(それでも痕跡が・・・・)。制作にはCOREL Painter 8を使えるようになりたいとの気持ちから道半ばまでがんばっては見たのですけれど、この手のタッチの絵にはどうも向いていない(詳細はCOREL Painter 8のレビューを参照してください)ようです。結局、途中で断念してAdobe Photoshop 7.0.1(Windows版)で仕上げました。

前回のマアトの時はリアルさを主眼にかなり古代エジプト色を犠牲にしてしまったので、今回はもう少し近づけてみようと考えました。髪型、首飾り、ドレスの肩ひも・・・等々。それでもさすがに年賀状なので、ドレスの上端は乳房の上にしました。それなら「なぜドレスの裾にチャイナドレスみたいな深いスリットが入っているのか?」とか、「なぜ紅いヒールを履いているのか?」とか疑問に思われる方も多いでしょう。実は元にした写真がそうだったんです。筆者の怠慢と「その方がかわいいじゃん」というポリシーのなさで、そのままにしてしまいました。

参考までに、一般的な呼び名イシス(Isis)はギリシャ語です。古代エジプトではアセト(ast)と呼んでいたようです。古代エジプト神話では、弟のセトに殺され、バラバラにして捨てられた夫オシリスの体を、妹ネフティス他の協力者と共に拾い集め、ミイラの神アヌビスの協力も得て、復活再生させたと言われています。

頭の上の飾りが玉座で、文字で表すと玉座のヒエログリフとなります。この文字は表意文字で一般的には地位などを示し、神様の場合は復活再生の神オシリスとその妻イシスを示します。これに女性形パンと卵のヒエログリフ(通常は上のパンだけ。卵はイシスの場合のおまけ?)と女性を示す決定詞女性のヒエログリフが付いてイシスを意味します。絵では文字が左右反転していますが、古代エジプトの文字は偉い人の方を向くんです。(マジで)
※お詫び:初回ロットの賀状を送らせていただいた皆様。ヒエログリフ間違えてます。すいません。

女神イシス

<参考文献>
河出書房新社 図説古代エジプト2【王家の谷と神々の遺産】編(仁田三夫編著)
文藝春秋 文春新書093 物語古代エジプト人(松本弥著)
弥呂久 ヒエログリフ入門(吉成薫著)

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