昨年11月、恐れていたことが起こった。ファンレス改造したELSA GLADIAC 528の画面が乱れる。Windows起動前から乱れるので、どうもハードウェア的な問題のようだ。ファンが無くなり、GPUだけを巨大なフィンで冷却しているから、メモリーチップがかなり熱を持っていることは認識していたし、チップ冷却のための銅製のフィンも装着していたのだが、やはり無理がかかっていたようだ。改造しているので保証が効くはずもない。あきらめて新調することにした。
GLADIAC 528でnVIDIAのGPUにはちょっと懲りていた。GeForce4 Ti4200ですら発熱がかなり激しく、冷却が大変だったのだから、どのメーカーも発熱対策に苦労しているGeForceFXなんてたとえミドルレンジでも恐くて買えない。だったらATIのRADEONにしようと言うのは当然の成り行きである。そんなこんなで選んできたのが、ASUS RADEON9600XT。最近のグラフィックするチップでは画質的な心配はあまりないとの情報もあるが、やはりそれなりのメーカーにして部品の品質を確保したいというのが選択理由だ。他にも、Smart Coolingという機能があって、GPUの温度が低いときにはファンの回転数を下げてくれたりするあたりもうれしい。
ASUSの製品を買って良くあるパターンだ。ハードウェア的には品質も高く画質も良好なのだけれど、肝心のSmart Coolingの動作は今ひとつ。最新版に更新してはいるのだが、未だ休止状態から復帰したとき回転数が固定モードに戻ってしまっている。最初の頃はGPUとメモリーの動作周波数設定すらどうも挙動不審だったりした。
気にしていたファンの騒音は、可もなく不可もなくと言ったところ。ファンの直径が小さいため元々回転数が高めの設定になっている。回転数が3000rpm程度に落ちているときは気にならないが、4000rpmくらいから気になりだしてきて、6000rpmとかになると爆速CD-ROMドライブみたいな音がする。Smart Coolingの回転数制御は、色々試してみたがなかなかうまくいかない。負荷の増減もないのに4000rpm程度で回転数が増減を繰り返して、まるで嵐の時の電線のうなりのようだ。それでも常時爆音を出し続けるのでもないからまあ許容範囲ではあろう。
1996年にPainter4を買って以来、バージョンアップもせずに放置していたのだが、一昨年末に買ったワコムのタブレット(intuos2)に付属していたPainter Classicを使ってみたのがきっかけで興味を持った。昨年夏にPainter8の日本語版も発売され、価格を若干安くしたPhotoshopユーザー優待版もあるとかで購入することにした。それでも購入価格はヨドバシカメラで\41,800(税別・ポイント還元13%)。決して安いソフトではない。
Painterの特徴と言えばとにかくこれ。とにかく覚えきれないくらいのブラシがある。画材(鉛筆とか油彩とか)の中にブラシバリアント(太い筆、平筆など)があり、ブラシの種類は32種類、ブラシバリアントは762種類あるらしい。全部試してみたところで覚えきれるものでもないから、例えば画材やさんの店頭で気に入ったものを買ってきて、自分の画材入れに入れておくと言った操作が必要になってくる。それなのに・・・である。画材入れが用意されていない。従来カスタムパレットと呼ばれていたものがこのバージョンから削除されているそうだ。これははっきり言って使いづらい。2段階の選択で762種類から毎回選ぶのは苦痛だ。しかも選んだブラシバリアントをそこからさらに筆のサイズを変えたりするとなると気が狂いそうになる。これを回避するには、ブラシライブラリを複製してカスタマイズするとか、新しいブラシカテゴリを作ってその中にお気に入りを複製するとかの回避方法があるそうなのだが、そこまで前準備が必要なのって、日曜画家には難しいような気がする。
Painter8の画面(上)とPhotoshop7の画面(下) 右のレイヤーパレットの見やすさの違いに注目。 Painterでは絵に配置した文字が崩れていることもわかる。 |
右の画面のように、画面は相当Photoshopに近くなった。やはり併用しているユーザーが多いので、Painterがあわせざるを得ないのだろうかと推測してしまう。Photoshopを使い慣れた筆者には受け入れやすいものであるはずだ。それでもやっぱり筆者にとっては慣れ以外の部分でもPhotoshopの方が使いやすい。右側のパレットがタブ形式になっているので必要なものを必要なときに呼び出しやすいのと、使う機会の多いレイヤーがPainterでは高さ制限があって少ししか表示できないからだ。
Photoshopと決定的に違うのはここ。下書きの時にブラシにペンを選んだら、ちゃんとペンらしい線が引ける。力の入れ方による幅の変化だけでなく、描くときの動き全体を把握して、何がしたいのかを理解してくれているようだ。その分重くなってはいるが、この美しさはそれを補ってあまりある(古い機種をお使いの場合はそんなことを言ってられないかもしれませんが)。その分、単純なことをするとき、画材の癖が出て案外困ってしまったりもする。「この部分の色をこうしたい」時でも、Painterでは描かないといけない。機械的にべたっと色を置くような使い方をするのが案外難しいのだ。今回筆者がPainter8で年賀状を仕上げられなかった原因のひとつがこれ。もっともこの問題は、筆者が今回ストロークを要求しないような描き方をしたせいなので、普通に絵を描く分には問題にならないであろう。
文字を配置するような使い方ができるのだが、これが使えない。筆者の場合上記画面の絵柄でDHP行書体の文字を配置しようとしたのだけれど、妙に文字が崩れてしまう。画面だけならいいのだが、印刷しても同じだ。さらに印刷すると、画面とは違った妙な効果が出てしまったりで、はっきり言って落第。
絵を描くためのソフトPainterと、画像を修正するためのソフトPhotoshopで明らかに役割が異なるソフトだから、単純比較すべきではないのだが、両者の性格がはっきり分かれていて面白い。描く能力はすばらしいものの、Painterは荒削りで、それなりに仕事をしようとしたら相当使い込む必要がある。使い込んだとしても何でもそつなくこなすPhotoshopの助けがなければ最終的なフィニッシュは難しいだろう。
トップページをCSSでを多用した新バージョンにしてから旧版では表示が相当乱れるので、思い切って更新した。マクロメディアのオンラインストアで\19,800。見た目が相当変わっていて、使いやすいレイアウトにするのに相当苦労したが、いったん形を作ってしまえばそれなりに使いやすそうだ。それでも、気になるのは表示の遅さ。画面の描画が目に見えたりして、いらいらさせられることがままある。どんな描画エンジンを使っているのだろう?
肝心のCSSへの対応は、かなり改善され、見れるレベルに達している。それでも、一般的なブラウザが当たり前に表示できるこのサイトのトップページはなぜかうまく2段組で表示されない。やっぱり描画エンジンが特殊なんだろうなぁ。いっそのことGEKKOあたりを使ってくれた方が助かったりするのだけれど。(※注:その後トップページがうまく2段組で見えるように改修した。Jan.18.2004追記)
久々にキーボードを購入。Yahoo!オークションで新品のSpace Saverが送料あわせて約8千円だったから、つい手を出してしまった。写真のように10キー部分を切り落とした設置面積節約タイプであるが、キーピッチなどは標準的なタイプ(Enhanced Keyboard Model-M)と同じで使いやすさはほとんど犠牲になっていないのがポイント。青ロゴの排水機構付きのタイプで、1993年IBM製。もちろんカールケーブルも取り外し式になっている。
打鍵感は以前に買った1987年製のSpace Saverにかなり近いものがある。それでも、新しいせいかキーの滑りも良く、それほど堅さを感じさせない。LEDまで省略されているので、Caps LockやNum Lockのモードがわからず時々パニックに陥ることがあるが、それ以外は取り立てて問題なく、いたって使いやすいキーボードである。
業務上の必要性から携帯電話を持つことにした。使う頻度は低いとはいえ、アドレス帳や撮影した画像データなどを携帯電話の中だけにとどめておくのはどうかと思って、PCとの連携ソフトを試してみた。携帯の機種によって使える機能にかなり違いがあるので、ソフトの完全な機能を使い切ることは難しいが、ソフトメーカの開発姿勢も含めて参考にしていただければ幸いである。なお、筆者の使用機種はDoCoMoのmova SH505iS(シャープ)である。SH252iやSH505iも条件的には近いのでカタログスペック上の差異があれば記載しておく。
最初に試してみたソフトがこれ。ヨドバシカメラにいっぱい積み上げてあったのが理由で、初めてなので細かな仕様までは理解できない状態で購入した。SH505iSの場合、購入当時のVer.3.0.3では画像データーの読込にはSDカードリーダーが必要とかで、USBのリーダー付きを買ってきた。スケジュールの読み書きができないとか、本体内のカメラ画像が読み書きできない(Ver.3.0.4で読込のみ可能になった。SH252i,SH505iも読込のみ)とか、対応していない機能がかなりある。もちろん画像はminiSDカード経由で受け渡しできる(SH252iはminiSDがないから致命的)のだが、そんなことなら別に専用ソフトが無くてもできることだ。また、メロディも書き込みできるがインターネット経由になってしまう。
他の機種の対応状況も調べてみると結構穴がいっぱいある感じで、auやTu-Kaのメールにも対応していないようだ。同じシャープでもSH252iでは使えない。メールのバックアップもできないようでは完全に失格だ。またスケジュールに対応していない機種もかなり多い。画面のデザインなども優れていて、オンラインアップデートできるとか機能的に優れた部分もあるのだが、肝心の機能が足りないようでは全然意味がない。使い勝手は比較的良い方だと思うので、自分の機種の対応状況を良く確認して、もし必要な機能を満たしているなら、検討に値するように思う。
SH505iSでは携快電話が使えないので再挑戦の意味で買ってきたのがこれ。前回よりはもうちょっと機能を確認して買ったのだが、確かに機能はそれなりに充実している。SH505iSの場合、メロディーやサウンドの扱いが弱かったり(SH252iやSH505iではこの問題はなさそうだ)、待ち受け画面が取り扱えなかったりするけれど、致命的なものではなく、本体メモリーの画像は読み込めるし、スケジュールの読み書きもできる。それでも使えるかというと、ちょっと疑問。ランチャーが起動して、そこから色々なサブプログラムを呼び出す仕組みなのだが、それぞれのプログラムがバラバラで操作性も微妙に違ったりする。中にはパスワード入力画面の入力が隠されていないものもあったりして面食らってしまう。
他の機種での対応状況は、携快電話に比べて格差が少ない。それでもTu-Kaのみメールの読み書きができないなど、致命的な機能不足がないわけでもなさそうだ。また、アプリケーションが機能別に別々なだけでなく、例えば画像を扱うのはスクリーンマスター・アルバムマスター・データフォルダマスターと3種あり、○×マスターへ転送などという妙な操作が必要になったりする。開発速度が求められるジャンルなだけに、アプリケーションを分けて開発せざるを得ない状況もわからないでもないが、もうちょっとユーザーフレンドリーさが欲しい。機能はそれなりに充実しているから、携帯との連携をとことん使い込みたい人にはお勧めできるが、決して使い勝手が良くはないことを認識した上で購入すべきであろう。
メーカー謹製のフリーソフト。無料なのはいいのだが、別途DoCoMoブランドのUSBデータリンクケーブルF001を購入する必要がある。メーカー製だけに著作権上問題があるデータ以外はほとんど取り込むことができ、個人のアイコンや着信音などの設定、グループ名やその設定が表面上失われてしまうが、内部的には保持しているとのことで、データを修正しないまま書き戻せば元に戻るらしい。ただ、この仕様については検証していないので実際この機能を利用する前に十分確認してほしい。
無料だけあってコストをあまりかけずに開発しているようで、デザインも単純で他の汎用的なソフトのように電話機に含まれない付加項目も一切無いが、その分機能が理解しやすく、使い勝手はさほど悪くない。何よりもっとも便利なのが、全項目の一括読込機能で、携帯のデータ・保存したデータ・miniSDのデータなどを選択するだけで、全てのデータを一括して取り込むことが可能になっている。ただこのソフトの制限で、ケーブルから取り込んだものしか携帯に直接書き込めない仕様となっているので、miniSDのデータを携帯に直接書き込むことができない点には注意したい。データ的に汎用性がないので、他のメーカーへの移行時に苦労する可能性が高い点などを考えたら、シャープの携帯がお気に入りで、バックアップがメインで単純な機能でもかまわない人にお勧めする。
あえてケーブルだけでサブ項目を立てたのは訳がある。このケーブル約5千円と高いが、純正だけに各社とも対応を考慮しているのであろうか。シャープのデータリンクソフト以外でも筆者が使用した携快電話・携帯マスター何れのソフトでも利用することができた。つまりこのケーブルさえあれば、ほとんどのDoCoMoの携帯でほとんどのソフトが使える可能性が高い。ただ注意が必要なのはドライバのインストールだ。マニュアルに忠実にしないと、筆者のマシンでも誤ってWindows95系用がインストールされてしまって、Windows2k系用に変更するのに苦戦した。うまく動かないときはこのへんを疑ってみてほしい。高価なだけあってケーブルの品質も高く、速いのでとても優秀。このページを読んでいるDoCoMoのユーザーなら買っておくことをお勧めする。
携快電話の機能不足、携帯マスターの使い勝手の悪さ、いずれも問題だ。後者なら機能的なビハインドあまりがないので、データの吸い上げ程度には使えるのだが、それとてアドレス帳・メール・スケジュール・画像と4回も読み込まないといけない。携帯のデータを純粋にバックアップするならシャープの一括読込がもっとも便利だ。ただこのソフトは画像などの加工ソフトは一切無く、別途用意しなければならない。結局完璧なものはないから、妥協できるところを見つけてどれかひとつ選ぶか、何本か揃えておいて用途によって使い分けることになる。筆者のようにPCがメインのユーザーにとってはさほど難しい問題ではないかもしれないが、PCをあまり使わない人にとってはかなり頭の痛いところだろう。
今まで素直にバージョン番号を13まで上げてきた一太郎が最近はやりの西暦バージョン表記に変わった。「これからは毎年バージョンアップするつもりなのかなぁ」なんて考えながらも、「ジャストシステム以外に正面から日本語に取り組んでいるソフト会社はないんだよな」なんて、ほとんどボランティア的な感覚でバージョンアップ版を購入した。何度も言っていることだが、ワードプロセッサというソフト自体が成熟の域に達していて、大幅な機能向上なんて望めるジャンルではない。それでも彼らは一太郎を何とかもり立てようと努力している。
画面右側に増えたシンキングバー、これは作業モードを切り替えるものだ。今まで出力イメージを中心に表示してきたが、アウトラインスタイルやマルチビューといった階層構成や絞り込み表示などを行う。セキュリティ強化のための署名付き/暗号化保存も新しい機能だ。それでも文章を作るという基本的な機能が大きく変わったかというと、あまり変わっていないように思う。
かな漢字変換のATOK17にしても、大きなところは連想変換が増えたくらいで、他には中部地方の方言対応が増えたとか、くだけた表現が指摘されるようになったとか、筆者にとってはあまりメリットがなさそうな改良にとどまっている。
はっきり言おう。機能的な改良はたいしたことはない。それでも日本語を扱うという文化的な側面において、一太郎とATOKは着実に進歩している。Microsoftが大きなシェアを占めるオフィス用ソフトウェア市場の中で、彼らは日本語に特化することで生き残りをかけているのだ。Microsoftがオフィス用途の連係機能にシフトしていく中で、ExcelやPowerPointに勝てるソフトを出せるはずもない現状では、賢明な戦略だと思う。
ソフトウェアの日本語機能なんてどこの会社でも大して変わらないように見えるかもしれないが、筆者はその見方を否定する。英語の機能の中に日本語機能を取り入れたソフトと、元々日本語を前提として日本語を処理するために作られたソフトとでは出自が違うだけに洗練度が全く異なる。彼らの言う「日本語に強い」を鵜呑みにしてはいけないが、日本語を扱う我々の考え方がより反映されていることは信じていいと筆者は思う。
また、かな漢字変換ひとつとっても、デフォルトの設定で英数字混在文章を一文をまるまる入力して、一気に変換をかけても使えるのはATOKだけだ。この事実はATOKを使っている人しか知らない。MS-IMEに慣れてしまうとATOKの変換操作は使いづらいかもしれないが、後変換なんてまどろっこしいことをせずに半角固定入力を混在させて一気に変換する快感を一度味わってみてほしい。
同様に一太郎のAltコマンドもメニューを表示し手慣れるまでの支援を行いながら、慣れれば高速な操作が可能だ。Microsoft標準の使えないメニュー画面とは一線を画するものがある。もっとも、これらの機能を十分生かせるほど筆者が日本語文章を入力しない環境にあるから、使いこなせていないこと自体が、哀しい事実なのではあるが。長い文章を何時間も入力する機会のある人で、一太郎を使っていない人がいたらぜひ試してみていただきたい。