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SH505iS写真業務用として購入しながら、オモチャになってしまったケータイ君のページ

筆者は携帯電話初心者です。電話やメールの機能についてのまともなレビューは書けません。それでも、このサイトを「SH505iS レビュー」なんて検索語句で訪れた方もおられることですし、何かまとまった文章を書いておかないと忍びない気持ちになります。幸い筆者の場合、デジタルカメラはそれなりに使っていますし、画像処理は周りにプロがたくさんいます。カメラ付きケータイを使っていない人もたくさんいらっしゃるでしょうし、画像周りを中心に、ケータイ初心者なりの機能紹介もできたらと思ってこんなページを作ってみる気になりました。(First written at Tuesday, 03/30/2004)

Last Modified: Monday, 05/09/2005 0:48


●mova SH505iS

SH505iS画面・とてつもなく美しい液晶画面

筆者がSH505iSに興味を持ったのは、美しい液晶画面と、200メガピクセルのカメラ機能だ。待ち受け画面をデジタルカメラで撮影し、実際見た状態に相当色補正したものが右の写真だが、実際こんなものではない。もっとシャープで色が美しく、階調も豊かだ。PCの液晶よりも美しいから、Web上でこれを再現するのは不可能なのかもしれない。当然文字も見やすく、表示文字数が少ない点を除いたら、非の打ち所がない。

・メガピクセルの携帯カメラは使えるのか?

ではカメラの方はどうかというと、これが使えない。Webでも雑誌でも、シャープの携帯電話のカメラは他社に比べて優秀だという情報がたくさんある。もちろん光の条件のいいところや、室内でも静止したものを丁寧に撮影したらそれなりに良く写る。色も悪くない。でも、写真を撮るのが目的なら最初からまともなカメラを使うはず。携帯のカメラに求められるのは、いい条件で綺麗に撮れることではなくて、多少条件が悪くても、タイミングを外さずにそれなりの写真が撮れることだと思う。日常生活の中で、ちょっと写真が欲しくなる時に、さっと取り出してさっと撮れるのがいい。例えば、旧友との飲み会とかで、「おまえ毛が薄くなったよなぁ」なんて笑いながら「パチリ」。子供に「○×ちゃんお土産だよ」、ケータイ用意しておいて走ってくる笑顔を「パチリ」。でもこのカメラでそれをすると間違いなくタイミングを失い、しかもぶれまくる。あまりにも反応が悪すぎる。加えて感度が悪く、ストロボがないのが輪をかけている。少なくとも今の時点で携帯できるまともなカメラが欲しいなら、メガピクセルのケータイなんかやめて、浮いたお金で超小型のデジタルカメラを別に買うこと勧める。どうせ高解像度の写真なんて、ケータイからは送信できないのだから。
ちょっと補足: 唯一ケータイカメラのメリットがあるとしたら、まともなカメラと比べて被写体となる人に「撮影している」という意識をあまり強く持たれないこと。これはよりリラックスした自然ないい表情が撮れるわけで、筆者はとても大切だと思うことなのだが、肝心の写真がまともに撮れないのでは意味がない。

SH505iSデジカメスタイル写真ここまでけなしておきながらも、携帯電話に付属したカメラとしては、確かに優れたものを持っている。閉じたままでデジタルカメラスタイルで撮影できるから、ちょっと気軽に撮るには便利だ。もっとも何か設定変えようと思うと開いた方が早いから、これもあまり期待しない方がいい。それからオートフォーカス。フォーカスロックもできるから、遅いけどこれは使える。そして画像処理。大きなサイズのものはリサイズして小さくすることしかできないが、トリミングしたり、装飾したり、お遊び程度なら使い物になる。保存も考慮して大サイズで撮影しておき、縮小してそのままメールに添付して送るような使い方なら、十分意味がある機能だ。ただ、デジカメを使う際の重要な機能である色修正やレベル補正はできない。まともに使うデータなら持って帰って画像処理ソフトで処理する方が早くて綺麗だ。ついでに加えておくと、付属のピクチャーライトを使うと白にしても紫がかってしまうが、この補正はPhotoshopでも相当苦労するから覚悟すること。

・結構難しい着信

使い慣れている人にとっては当たり前のことなのだろうが、常に電話を受けられる状態にしておくのはかなり難しい。仕事中に大きな音で着メロが鳴るのは問題だし、だからといってちょっと小さくすると気づかない。ステップトーンという手もあるが、気づくまで時間がかかる。バイブレータを使うなら、常に身につけておかないといけないから、バッグに入れるわけにもいかない。そして、着信を知ってから、ケータイを取り出して、開いて、相手を確認して、通話のためにボタンを押す、この一連の流れが会社の事務用電話の数倍の時間を要する。筆者が慣れていないせいもあるのだろうが、何か根本的な問題のような気が・・・。

逆に発信は簡単すぎて困るほど。アドレス帳メンテナンス中に決定ボタン押したら即発信してしまうあたりは、もうちょっと何とかならないものだろうか。メンテナンスの時と発信の時って人間側のモードは決定的に違うんだけど。

・ケータイのメール機能はオモチャ?ポケベル入力を試してみるけれど・・・

これも当たり前のことかもしれないが、ケータイの文字入力は使えない。ケータイだけ使っていたら何とも思わないかもしれないけれど、キーのタッチ数が多すぎる。「と」を入力するのに「4」を5回押すまでは許そう。問題は次に来る文字が「た」行だった場合、右矢印で送ってから入力しなければならない。筆者には文章を考えながらこの判断をするのがとても困難だ。たいていそのまま「4」を押してしまい、打ち直す羽目になる。

そんな訳でDoCoMoでは一般的に使える2タッチ(ポケベル)入力を試してみた。これなら入力中によけいなことを考える必要もなく、ローマ字入力と大差ないかと期待したのだが、裏切られた。かなは確かにかなりまし。それでも濁音半濁音だけで2タッチ、句読点なんてモード切替があって、6タッチ。アルファベットは2タッチだが、覚えるまでが大変。せっかくキーに英字表記しているのだから、その通りになってて欲しい。

入力を楽にするという観点で、会社の後輩に推測入力とかも教えてもらったが、定型的な文ならともかく、文章らしい文章を入力する際の根本的な入力能力を改善するものでもない。(※注:これは筆者の機種に依存した問題かもしれない)そんなこんなで、i-Modeの最大500文字制限とも相まって、まともなメールを書くのは相当骨が折れる。「それでもよくなったんだよ」っていう話しも聞くのだが、PCと比べてしまったらやっぱり携帯電話のメール機能はオモチャに見える。結局のところ、メッセンジャーみたいな使い方をするのが正解なのだろう。

・movaの致命的な問題

はっきり言ってmovaのパケット代は高い。ちょっと画像添付して送ったり、着メロダウンロードしたりしたら、簡単に数百円は飛んでいってしまう。着メロなら常に新曲を取りそろえるつもりが無ければあまり問題にならないだろうが、画像の方はせっかくケータイで写真送るのだからタイムリーに送りたいのに、パケット代かさむからついつい持ち帰って家のPCから送ることが多い。これではデジカメと同じで、携帯電話の意味がない。

もうひとつの問題は音。ISDNでのクリアーな音声に慣れた筆者には、音の悪さがとても気になる。もっとも緊急連絡用の道具と割り切ればそれでいいのかもしれないが、それでも音声は聞き取りやすい方が話が早い。もしかして通話を長引かせるためのDoCoMoの策略なのかと思ってしまう。エリアも広くなってきたし、そろそろFOMAなのかなぁ。一年割引にしてしまったから、簡単に電話会社変えられないし・・・

■関連情報 DoCoMo SHとの連携

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