上野の双葉というトンカツ屋での話。
隣の席に若いカップルが座った。話の切れっ端がチョロチョロと聞こえてくる。
「あたしさあ、シケモクって知らなくってさあ、知らないっていったら、なにカマトトぶってんだよっていわれちゃったあ。知ってた?」
「知ってるよ。あったり前じゃん」
「何でシケモクっていうの」
「なんでかな…?」
シケモクっていうのはね…。
消した煙を逆さにいっているのかな。それとも、湿気た煙のことなんだろうか?
それに、カマトトって気軽に喋っているけど、その語源はなんだろうか?
自分の国語力がとっても不安になった。
で、調べて見た。
カマトト/魚を幼児語でトトという。で、カマボコを見て「これはトトかい?」と世馴れていない振りをすること。
だそうだ。
それで金魚をキントトと読むことが理解できた。
森田芳光の監督した「のようなもの」という映画の主人公の名前が金魚(きんとと)だったのだ。本名ではない。落語家の名前である。