傘入れのビニール袋
雨の日に書店などにいくと入り口に傘を入れる袋が下げてある。
素材は、スーパーで生鮮食品などを入れる袋と同じだ。自分で買ったものを手提げ袋にいれるシステムのスーパーでは、ロール状になっているのがコーナーに置いてある。馴れればどうってことはないのだが、不器用なオバサンなどは一枚一枚が引き千切れなくてグシャグシャにしてしまったり、何とか引き千切ったはいいが表と裏が、といってもどっちが表でどっちが裏か知らないけれど、まあ、ピタリと密着してしまっていて親指と人指し指で揉むようにしても開かない。
イライラががぜん昂じてくる。
ときにはガキがロールの端をもってビュンビュン回していて、母親は「やめなさい」というばかり。
係りの者が青ざめるなんてシーンもあったりして。
そう、あの素材の細長い袋である。
ちょっと細すぎて太めの傘はなかなか入らず先端から半分までしか入れてないなんていうのが見かけられる。僕はなるだけ傘をキッチリと巻いて全部入れるようにしているのだけれど、そうすると手がビショビショになってしまうのが難点だ。
もちろんその手ですぐに本を触ったりはしない。
自然乾燥を待つか、待ち切れないときはハンカチを使う。
ハンカチがないときは、ジーンズでぬぐっちまうことになる。
まあいい。
それでだ、いつも哀しくなってしまうのは、袋から傘をとるときだ。
袋の先端に傘に着いていた水がたまっている姿が、何となくアレのあとアレを外すときのことを連想させてしまって、使用済み袋を入れる箱に押し込むときも、哀れを感じさせるのだ。
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