慶應義塾大学 vs  帝京大学
2000年11月12日(日)

秩父宮ラグビー場


■結果
慶應義塾大学35(7) - 14(14)帝京大学

■試合
要するに帝京は、集中力を継続することができずに破れた。そこそこのディフェンス力と攻撃力があったとしても、それを80分間密に継続できなければ、同レベルの相手には勝てないということだ。結果的に大差がついたけれど、前半はリード。後半も半ばまでは21-14という緊張した試合だったのに、試合をぶちこわしたのは帝京だ。
慶応には、素質に加えて基本的な力がついている。だから、DFがつねに厚く、めったに破られることはなかった。帝京の1つめのトライは、慶応が攻撃中にこぼしたボールを拾い上げて独走したものだったし。2つ目のトライは、よく見えなかったのだけれど、これは慶応のディフェンスが破られてのものだった様子。慶応のほころびは、これぐらいで、あとは危なげがない。
帝京は2つ目のトライで勢いづいた。それまで、アタックしても慶応のディフェンスを食い破るまでに行かなかったけれど、次第にFWが慶応DFにまともに当たり、ずるずるとゲインしていくカタチにはなった。しかし、結局のところ得点には結びつかなかった。ひとつには、慶応のDFがなかなか重層的でやすやすと突破させてくれなかったこと。それにいらついた帝京が実に中途半端なキックをして、安易に空いてボールとして献上してしまったことにある。高く蹴り上げてイーブンボールにするとか、インゴールに蹴り込んでチェイスするとか、そういうクレバーなものじゃなかったのだ。いったい、どういう目的でああいうチョンゲリをしたのか、意味不明だ。できるならばもっとボールをキープして、左右に振るなどしてDFを疲れさせるとか、するべきだったろう。まあ、そういうオプションがなかったから蹴ったのかも知れないが。しかし、能がない。その結果、慶応にトライを奪われたりしているんだから。
つまり、慶応のDFがグラウンドいっぱいに広がり、ときにギュッと狭まり、帝京につけいるスキを与えなかった。ということだ。逆に帝京も、火の玉タックルをがんがんぶちかましていた。しかし、あ、と思う瞬間にスペースを見つけられてするするすると抜けられるシーンが多々あった。ぎりぎり追いついて止めるシーンも二度三度あった。まったく、あたふたバタバタした試合である。
気になったプレーはというと、慶応のラックへのアプローチだ。ラックが形成される。そこに慶応の選手が集まってくる・・・といってもラックそのものを目標にしているのではなく、ラックの向こう側(慶応にとってはオフサイド)にいる帝京の選手をめがけて飛び込んでくるのだ。ときには、ラックを飛び越し、帝京の選手を狙ってやってくる。何度かこういうプレーがあって、慶応は汚いプレーをするものだと思っていたら、前半の途中、あからさまにラックの後ろの選手を狙って走ってきて、邪魔したプレーに下井レフェリーがオブストラクションを取った。それ以降、露骨に汚いプレーが少なくなった。ペナルティを取られるまでは“やってやれ”というプレーだったのかも知れない。そういえば、ラックでぽかぽか殴っていたのも、慶応の選手だったなあ。

■出来事
銀杏が少しずつ黄色くなりはじめたねえ。

■客の入り
ざっと、そうさねえ、3,000人ぐらいかなあ。こういう面白そうな試合に、あんまり来ないね。どうしてなんでしょう。それはね、つまりね・・・・・・・。

■天気
どんよりした雲はなくなって、少し陽射しも射した。けれど、それも一瞬のこと。やっぱり、曇りだった。

[2000.11.12]

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