三菱相模原 vs  新日鐵釜石
2001年2月4日(日)

秩父宮ラグビー場


■結果
三菱相模原34(27) - 33(13)新日鐵釜石

■試合
いや。劇的であった。というよりは、劇的にならなかった、というべきか。後半ノーサイド直前、新日鐵にとって劇的逆転の条件は勢ぞろいした。そして、43分に新日鐵がトライして34-33。角度のあるコンバージョンは、空しく宙を舞った。その瞬間、三菱相模原の勝利が決定。緑のジャージーの一群は諸手をあげて歓喜を全身で表していた。一方の赤のジャージーは芝生にうずくまる。試合内容に差はない。しかし、勝敗の行方は、チームの行く末を分ける。三菱相模原は東日本社会人リーグへ。そして、新日鐵は陥落・・・。
秩父宮に着いたのは1時25分。10-7で新日鐵がリードしていたが、三菱がPGを決めて同点。その後は三菱の一方的な攻撃に新日鐵なすすべなし。あっさりと抜かれたりして、これは力が違いすぎるのではないかと思わせた。三菱のSHのフィレムという選手がはしっこく、器用。定位置もFBの位置だったり、キックオフのボールをキャッチする位置にいたり、なんかすばしこい。
後半も、三菱が攻勢。しかし、前半のような勢いがなくなる。そして新日鐵ががむしゃらな突進を繰り返すようになる。見ていてなかなかに面白い。ボールも動き出した。しかし、20分ぐらいまでは三菱も新日鐵の攻撃を封じていた。三菱のDFラインは厚く、乱れがない。新日鐵は愚直ともみえる正面への突進の繰り返し。三菱のDFラインは上がりすぎの気配があったので、裏に蹴り込むとかすればいいのになあ、と見ていた。が、単調に見えた突進は、次第に三菱にほころびをつくりだすようになった。FLのビツァー、No.8のスタッフォードの当たりが、三菱のDFラインを切り裂いていく。いやあ、見ていて興奮した。そして、力づくでトライを奪っていく。34-25からPGを狙って34-28。1トライ1ゴールで逆転というシーンを強引につくりだしてしまった。場内は騒然。三菱の白/緑の旗、新日鐵の赤い旗。声援が秩父宮に渦をまいた。そして、突進してはミスで引き戻され、また突進してはミスをしての繰り返しながら、とうとうトライ。34-33と1点差になった。時間は43分。そうして、ゴールキックがゴールポストを外れてノーサイド。あまりにも劇的な幕切れだった。いや、凄かった。後半の新日鐵の力業。賞賛に値する。


■出来事
銀杏並木からチケット売場にいく途中、歓声が聞こえてきた。え? この試合でそんな人が入ってるのか? と思ったら、なんと、バックスタンドよりメインスタンドに客が入っている。歓声の主は、三菱相模原の大量の応援団だった。もちろん、後半には新日鐵の応援団も負けてはいなかった。声援とともに小旗が振られて、なかなかに圧巻。これほど応援団が一丸となって応援している姿は、ついぞ見なかった光景だ。
グラウンドの雪を、バックスタンドの最前列に詰め込んであった。捨て場所がなかったのだろう。枯れた芝がついた雪がシートを埋めている様子は、なんとも妙だった。


■客の入り
3000人ぐらい、入っていたのかな? わかんないけどさ。


■天気
薄日は射すけれど、曇りがち。

[2001.02.04]

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