大学選手権・準々決勝
早稲田大学 vs 大阪体育大学
関東学院大学 vs 明治大学
2001年12月23日(日)

秩父宮ラグビー場


■結果

早稲田大学
58
43

12
54
大阪体育大学
15

42

■試合
秩父宮に着いたのは、12時10分過ぎ。17-0ぐらいで早稲田リード。ああ、このままいっちゃうのかなあ、と。ちょこまか走る早稲田に、大体大は翻弄されている様子。でも、ときたま鋭い突進で早稲田DFを切り裂いている。前半は、43-12。大差で終わるだろうと誰もが思ったはずだ。で。後半すぐに早稲田がメンバー交代。ん? ケガでもないから戦略的にメンバーを落とすのか? と、次々に入れ替え始める。すると、大体大が俄然勢いづいて、スピーディに早稲田を翻弄し始める。押しても強い。そうそう。大体大といえば、ひたすら重量FWに徹して愚鈍にスクラムで押すという印象が刷り込まれているのだけど、このチームはそういうことなかったね。よく走ってた。で、次々とトライを決めていく大体大。おお。場内も騒然としてくる。38点差が、20点ぐらいになると、がやがや周囲でも怪しい声が聞こえだした。私の後ろの高校生も「あと3トライで逆転だよ」てなこといいだす。早稲田は、それでも選手を交代していく。替えれば替えるほどど壺にはまっていく様子がありあり。大体大はトライをつづける。この勢いはもう止まらない。40分にもトライを挙げ、58-52。ちょっと前に「ロスタイムは1分」の場内アナウンス。このコンバージョンをドロップキックしないで時間をかけてキックした。だれもがあと1プレーはあるだろう、と思ったはずだ。が、ここで原田レフェリーは無慈悲なノーサイドの笛。「えーっ?」という声が響く。大体大の15人は潔くバックスタンドに挨拶にくる。大体大の15人には、惜しみない拍手が送られた。一方の早大にはブーイング(具体的には鳴らなかったけど)に近いものが投げつけられたのではないだろうか。そしてもちろん、仕切った原田レフェリーには非難の声が挙がっていた。後ろの高校生(ラグビー選手の様子)まで「あのレフェリー、つまんねえな。もう少しやらせないのかよ。少しはつくれよ」と。
もし、追い上げていたのが早稲田だったら、確実に3分ぐらいのロスタイムが与えただろう。そして、あんな状態でノーサイドの笛は吹かなかったはずだ。あそこでもう1、2プレーさせて早稲田が逆転されたら、原田レフェリーは協会内での立場がなくなるとでも判断したのだろう。やれやれ。これで、壮大な逆転劇は潰えた。
前半でリードしたからといって選手を替えるという、相手を舐めた清宮監督、薄氷の勝利、か。あほだね。一方の大体大の、諦めずに突っかかっていった姿勢は賞賛に値する。
まあ、もっとも、試合内容は低レベル。がちゃがちゃして、みていてもつまらなかった。
大体大が前半リードされたというのは、その原田レフェリーの、なんか中途半端なレフェリングも影響しておったような気がするねえ。早稲田のノックオンなどに甘く、大体大のラインオフサイドに厳しかったりしたシーンがあった。あっけなくとられたトライは、こういう場面でのものもあったはず。
早稲田の11番山田ってのが、妙に目立っていた。といっても、いいシーンはあんまりなくて。最後にボールがまわってきてタッチライン沿いに走るんだけどすぐ潰されて。しかも、いがぐり頭がめだつ。サントリーに行った永島みたいな印象だ。けど、永島は走ってトライしていたけどね。

■結果

関東学院大学
42
15

14
31
明治大学
27

17

■試合
早大 vs 大体大の試合がかすんだ。前座なみの試合になって、消え去った。それぐらい素晴らしい試合だった。今年のシーズン、これまで見たベストの試合。まずいえるのは、明治がとても強くなったということ。ここまで強くなるとは、思っていなかった。あのボロボロのチームがここまできたか。いま、対抗戦の試合を戦ったら、もっとも強いチームではないだろうか。そんな印象を受けた。
いきなり明治が怒濤の攻撃でトライ。すぐさまつづけて怒濤の攻撃。必死で戻る関東がなんとか止めたけれど、明治の力強さが目立つ。関東のDFもたじたじといった感じだよ。関東は、相手陣に攻め込んでタッチに蹴り出そうとしてインゴールへ蹴ってしまったり。なんか、ぎくしゃく。
前半は、拮抗。しかし、いまの関東はギアチェンジも早いよね。突破を狙うんじゃなくて、左右に展開して隅にトライを狙うようになっていた。後半最初のトライもバックスタンドよりの隅。もっとも、インゴールに入る前にタックルされて倒れ、そのままインゴールへ2人で転がるようにして入り・・・でも、関東の選手はタッチダウンしていなかった。本来ならここでタックルが成立するか、ノットリリースが成立してもいいんじゃないのか? と思ったけど、その後タッチダウンしたのか(よく見えなかった)、トライ成立。これは大きかったね。
明治はラインアウトでも劣勢に。しかも、No.8松原が負傷で一時退場。背後の高校生は「松原さん退場したら、もう明治ダメだよ。やばいよ」なんていっていた。松原退場中にトライを決められたけど、しばらくして松原復帰。
それにしても、関東は凄いねえ。こちらのNo.8山口の力強い突進。フッカーも突進するし。FWが強い。スクラムも明治を圧倒。そして、FB角濱が長いストライドでぱかぱか走る。すごい試合を見せてもらったぞ。

■出来事
関東 vs 明治の後半、関東のトライ後のゴールキック。ボールはバーの下辺りに落ちたんだけどさ、インゴールにいたボールボーイの1人が突然ボールに向かって走り出して、コンバージョンのボールをキャッチするべく身を挺して飛び込んだのだった。ありゃ。まだ試合中なのに。タッチジャッジに「こら」てなお叱りを受けていたぞ。
近くにいた関東の一般学生かな。ゲーム終了後に新聞をちぎった紙吹雪を撒いていたね。うーむ。まあ、私もむかーし、同じ様なことはやったことがあるので、偉そうにはいえないけれど。うーむ。

■客の入り
よく入っていた。25000人までは達しなかったかも知れないが。当然、私は立ち見。3時間30分あまり、疲れたよ。

■天気
快晴。しかも風はない。絶好のラグビー日和。

[2001.12.23]

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