大学選手権・準決勝
早稲田大学 vs 慶應義塾大学
関東学院大学 vs 法政大学
2002年1月2日(水)

国立競技場


■結果

早稲田大学
36
15

0
7
慶應義塾大学
21

7

■試合
最初から早稲田が攻めて慶應が受けるパターン。これは、ずっと変わらず。その意味でとてもつまらない試合だった。
まあ、早稲田の猛攻を慶應がよく防いだという見方はできるだろうけれど、そんなものは何の賞賛にもならない。ここ数試合ボロボロだった早稲田に、どうして負けるかなあ? というのが疑問だ。
最初のトライは29分早稲田。2つ目も早稲田で34分。これは1番のプロップに走られて独走を許すという、とてもみっともないもの。慶應のDFが蹴散らされ、はじき飛ばされている。やれやれ。一気にゲームはつまらなくなった。早稲田びいきの人にとっては、これはこれで楽しいのだろうけれど、試合展開から見たらおもしろくも何ともない。
慶應の動きを見ていると、とてももどかしかった。DFはまずまずだとしても、オフェンスに策がない。ポイントからオープンサイドにラインができているにもかかわらず、そちらに展開しないで、人の少ないブラインドサイドにボールをまわす。で、なにか策があるのかというと、ない。ボールをもって突っ込んでいって玉砕。あげくはターンオーバーされて逆襲される。こういう展開ばかり。ちったあ頭を使ってボールの行方をくらますとかしてくれよ。ブラインドサイドからオープンサイドにとか、左右に振り回して早稲田DFを撹乱するとか、そういう足と頭を使ったラグビーをしてくれよ、と少しイライラしてしまった。しかも、選手一人ひとりのボールリリースがとろい。もっと素早く味方にパスして、ボールを動かさないといけないよ。このあたりは、早稲田のほうがはるかに上。飛ばしパスを多用して慶應DFを撹乱しつつ、短いパスも使う。こういう、いかにも早稲田らしいスタイルでボールを動かして、走る。最近の数試合ではもっともよく早稲田が機能していた。ひう。早稲田の方が見ていて楽しいラグビーをしていたよ。
いくつかチャンスもあり、あともう少しでトライというシーンが慶應にはたくさんあった。こういうチャンスをつぶしていったのは、結局のところ自分たちなんだぞ >> 慶應。まあ、ワンパターンのラグビーで、ずっと最後まで押し通せると思っているところが間違っていると言わざるを得ないね。ということは、いくら対抗戦グループで好成績を残したといっても、低いレベルの相手に勝利を収めてきたから慢心してしまったということでもあるよね。それに引き替え、つねに薄氷を踏むおもいで綱渡りで勝ち上がってきた早稲田に、勝負強さがあったってことかもね。

■結果

関東学院大学
38
16

11
23
法政大学
22

12

■試合
関東学院って、最初にわざと相手にトライをとらせておいて、そのパターンや戦略などを分析。前半はほぼ互角の状態でゲームを終える。そして、後半で相手の弱点を徹底的に突いて相手を乱し、さらに畳みかけるようにパワーで蹴散らす・・・てな戦法をとっているのではないのだろうか? と思わせるぐらい、大学選手権に入ってからの戦い方が酷似している。最初に点を取られるのも、前半互角なのも、後半ぶっつぶすのも、みな同じだ。まあ、それが錯覚で単なる偶然の一致だとしても、そのように見えてしまうのだから、試合巧者だとしかいいようがない。
実際は、↑のような悠長な戦略を採っていることはないだろうけど。最初の法政のトライは華麗だったなあ。絵に描いたような美しいトライ。これを見て、第1試合のもこもこしたゲーム展開のストレスが払拭された。ああ。これがラグビーの快感だよ。
法政はよくタックルしていた。びしばしと。関東もこれでタテへの突進が阻まれていた。関東が左右に振っても、DFはよくついてきていた。そなこんなで、前半はなかなかに緊張感のただよういい試合。でも、いつかは関東が爆発するんだろうなあ、という気持ちがあるんだから、関東というのは不思議なチーム。
やっぱり後半になると法政はスタミナ切れ。しだいにDFにボロがでてくる。そういうスキを関東は見逃さないものね。しかも、法政はたっくさんノックオンしてたからね。チャンスのノックオンは、痛いし、見ているこちらもがっかり。
関東はスクラムを選択して押したと思えば、法政に負けない華麗なるボールさばきもたくさん披露してくれた。スピード感もあって、見ていて楽しいラグビーだった。法政も、諦めることなく最後まで全力投球の様子がつたわってきて、好印象。ま、法政は力負けだな。

■出来事
12時5分ぐらいに入場。今年はB自由席。バックスタンド、南側の上の方。眺めおろすグラウンドは、はるかに小さい。けど、上から見るとラインの動きなどがよく見えるなあ。べつに変わったことは起きなかったけど、抽選くじが先着1万人にしか配られないっていうのは、がっかりだなあ。私は4万人目ぐらいだったかも知れないけど、くじはやってみたかったよ。

■客の入り
満員かと思ったら、そーでもなかった。私の座った B自由席(とうとう今年からBも指定じゃなくなって、自由になってしまった・・・)の周囲は、それほど混んでいなかった。C自由席も、座席の色がブルーに見えているところがちらほらあった。第1試合が終わると、C自由席を筆頭にして、ごそりと抜けて、寒風が吹きすさぶとまた人が減った。しかし、この数年間では最も入ったのではないのかな。

■天気
おお。快晴ではないか。ぽかぽか陽気。風もないし、とってもいい気分・・・。西に見えるのは丹沢山渓かな? 第1試合の途中でちっょと曇ったけれど、終わる頃にはまた晴れてきたし・・・。2時頃には青空がまた広がってきた。第2試合もぽかぽかかな? といっている間に、次第に黒い雲が広がってくる。2時20分ぐらいには空一面が厚い黒雲で覆われてしまう。バックスタンド上部、私のいた南側の上段ではカラスが何羽も飛来して、スタンドに止まりだした。まんかヒッチコックの「鳥」みたいだよ。と、突風が巻きだした。そこらへんのゴミは宙に舞う。帽子が飛ばされそうな冷たい風。地上でも風は強い様子。たまらん。「寒い、寒い」と席から逃げ出す人が続出。しかも、空からなにやら降ってくる。氷雨か、いや、雪だ。げげ。後半には照明も点灯された。強風は30分ぐらいつづいただろうか。試合を見ている気分じゃない。手はかじかむ、体は冷える。たまったもんじゃない。・・・この風も第2試合の後半には収まる。もっとも、厚い雲は去らない。北の方の低空にはちらりと青空が覗いているんだけどねえ。はらはらと雪がかすかに舞う。いやー。とんでもない天気だったよ。

[2002.01.03]

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