早稲田大学 vs 関東学院大学
2003年1月11日(土)

国立競技場


■結果

早稲田大学
27
22

10
22
関東学院大学
5

12

■試合
大学選手権決勝。
現場で見た印象でいうと、終始早稲田が主導権をにぎって攻撃していたように思えた。けれど、今朝の朝日新聞のデータを見ると、前半も後半も、攻撃していた時間は関東学院大学の方が長い。ふーん。そんなものなのか。印象というのは違うものだなあと思った。
しかし、いきなり関東は自陣に釘付け。自陣からボールをもって早稲田DFに向かっていっても突破できず。ウンカのごとく湧き出るDFに止められて自陣からでられず。あげくはトライを奪われてしまう。しかも、19-0になっちゃったんだよ。これで、関東が攻撃していた時間が長かったとか、ボールを支配していた時間が長かったといわれても、うーむ、だよな。たしかに、ボールをもっていた時間は長かったのかも知れない。攻撃時間も長かったんだろう。でも、相手を蹴散らして得点に結びつくようなものではなく、自陣から相手陣内に向かおうとしていたり、そして、止められて止められて止められていた時間ってことだろ。後半は早稲田陣内に入り込んでの攻撃が長かったよ。でも、攻めても攻めても攻めても、DFに阻まれてトライできない。そのじれったさやイライラ、焦燥感を感じていた時間を「攻めていた時間」に換算するのは、ちょっとなあ。違うんじゃないか。
早稲田のDFは素晴らしかった。マイボールでここぞと見るや、横にふわーっと広がっていって、飛ばしパス。ロングパス。完全に横に1人余る長さで移動していく。最後のパスでミスしたり、外に行かずに中に切れ込んだせいで関東DFに阻まれたりしていたけれど、もうちょっと左右に揺さぶったら、関東DFはもっと慌てていたんじゃなかろうか。攻撃力というか展開力、ギャップをみつけて切り込んでいく感覚、個人の突破力では早稲田に軍配があがる。実際、早稲田は展開して左右の隅にトライしているしね。
関東は、早稲田と比べると動きがスローに見えた。といっても、簡単に抜かれた場面があるわけではないので、それなりに機能していたのは確か。でも、心許ない感じがしたぞ。早稲田に攻め込まれて、自陣からの走りがムリと見たのか、キックで対応する場面も多々あった。それだけ早稲田のプレッシャーがきつかったんだろう。
荒っぽい試合だった。早稲田は首にタックルを連発。関東はアーリータックル。ラックでの見え見えのオフサイドは双方あった。早稲田は、スクラムで何度も注意を受けてた。めくれあがるような組み方に注文を付けられたのだろう。そうしたら、関東の押しが勝って、関東のトライに結びついた。それと、ラインアウトでのコラプシングを早稲田がとられて、その直後に関東がトライしたシーンもあった。なんか、思わずやってしまったというより、反則覚悟で相手のチャンスを潰すような作戦があったように思う。そうした故意の反則は、なんとなく早稲田に多かった。こうやって反則でプレーが止まるから、ちょっと不満。例の、早稲田のラックのボールへの攻撃は、流通経済のときほど酷くはないモノの、やっぱり後方のプレーヤーへのスイープはあった。これに似たプレーは関東にもいくつかあった。どっちもどっちもかな。
後半。関東のパスミスからチャージされ、早稲田にトライ。これで、スコアは27-10。このシーンでは関東がトライをとって、せめぎ合いになって欲しかった。こういうミスが、関東には多かったな。ノックオンとか。早稲田は、ラインアウトが取れないし、パスミスが多かった。これはは、関東のプレッシャーなんだろう。それにしても、前半早々の早稲田のトライで、ゲームの緊張感は一気にしぼんでしまった。このあと関東が押せ押せでなんとかトライを重ね、両校4トライずつになったけれど、もう遅いよ。早稲田は27-10の時点で逃げ切り態勢に入っていたわけで、加点より失点を防ぐ方に集中していたんだから。
関東のキックがあと2つ3つ入っていたら。後半すぐの早稲田のトライがなかったら。たらればだけど、ゲームの流れは変わっていたかも知れない。けれど、全体に見て、早稲田有利で終始したのは否めなかったな。見ていて華麗なトライも早稲田に多かったし。関東は3連覇への重圧で、固くなり過ぎたのかな。トライも、華麗なる走りやパワフルな突破は見られなくて、どすこいになってしまったのは、つまらない。

■出来事
入場は両チームジャージ姿。校歌の後、ピッチ上でジャージを脱いで、両チームが輪になって精神統一していた。こういうのは、今年が初めてかな。校歌のとき、南側自由席(早稲田サイドて競技場が指定している部分。チームの応援サイドを設けるなんて意味ないよな)に巨大な早稲田ジャージ。これ、準決勝のときにも出現したけど、もしこんなのが私の頭上を覆ったら破いちゃうかもよ。
監督席はメイン前のトラックに椅子が設置されていた。北側の関東はずっと日陰だったけど、南側の早稲田は前半の終わりから日陰に。で、ハーフタイムに椅子を日向部分に移動していたけれど・・・。あんなの、あっという間に陰っちゃうだろうに。
試合が終わって。泣き崩れる関東の選手が何人かいた。片や胴上げをする早稲田。インタビューの後で表彰式。関東の選手はずいぶん待たされた。で、表彰が終わると関東の選手はバックにきて挨拶し、メインでも挨拶。クールダウンして引き上げていった。ところが早稲田サイドは妙な雰囲気。ぞろぞろと大量の人々がグラウンドのトラック部分に入り込み、大きな輪をつくって"荒ぶる"(?)を歌い始めた。で、歌い終わるとまた胴上げが始まって、いつまでたっても客に挨拶にこない。なんでえ。ってわけで、4時を過ぎていたので引き上げることにした。
そうそう。この日も、抽選くじは当たらなかった。

■客の入り
メインとバックはよく入っていた。自由席は、ちょっと空いていたけどね。それでも、よく入った方じゃないのかな。私は、自由席のバックスタンド北側。準決勝と同じ車椅子の席の上の方で見た。

■天気
快晴。ぽかぽか陽気。これまで懲りていたのでちょっと厚着をしていったのだけれど、必要なかった。襟巻きで汗をかくほど。それでも後半になると風がでてきて、ちと寒い。といっても、ほとんど平気状態だったけど。

[2003.01.12]

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