日本代表 vs  アルゼンチン代表
1998年9月15日(火)

秩父宮ラグビー場


■結果
日本代表44 - 29アルゼンチン代表

■試合
緊張感の感じられない凡戦だった。その原因の大半は、アルゼンチンの鈍足ととろさにあった。ディフェンスも、そうよろしくない。のろい。どたどた、という感じだ。じゃあ、日本が素早いかといったら、そんな風にも見えなかった。 SHに村田亙、SOに岩淵健輔というハーフ陣で、ちょこまかした組み合わせではあったけれど、いままでもこの組み合わせでスゲー成功したという感じはしていない。春のパシフィックリムがそうだった(と、思う)。
戦法としては、中に切れ込んでいくもの。最近ずっとこれ。で、アメリカにもカナダにも香港にも通用しなかったもの。それを、アルゼンチンにも応用して、通じた。ということだ。これは、果たして普遍的か? おらー、そーは思わねーぞ。
岩淵のドロップゴールが2本も決まってしまう相手だ。アルゼンチンはどたどた走りの大男という気がしてならない。
しかも、クラッシュ時にオーバーザトップがやたら多い。ラックがだんごなのだ。これは、最近の、スピードのあるラグビー、という観点からするといけないことだ。にもかかわらず、日本の選手は寝ていたぞ。
しかし、ポイントが移動した際に、フォワードが芝生に取り残されてゴロゴロ転がっている、というシーンはあまりなかった(後半はかなりばてていたようだけれど)。この辺りは、評価してよいと思う。
また、バックスがラックに絡む(そういうシーンでは、マコーミックと松田が目立つです)のも、多かった。それはいいことなんだろうか? よくわからない。でも、それが、走るラグビー(素人にもわかるランニングラグビー)とはかけ離れているともいえるから、ちょっとなあ、という気もする。だいいち、快速がいないよ。神戸の選手ばっかりでさ。東芝の森田とか、いたら、どうなんだろう?
攻撃では、相手のミスをつく急襲とか。それでノット10mのチャンスをつくって速攻でもあんまり快感はないです。相手のミスをつくラグビーより、走る、つなぐ、快感を味わいたい。そういう意味で、後半35分、岩淵からマコーミックに渡ったトライは美しかった。さらに、そのあと、アルゼンチンがほとんどやる気を無くしているところに、日本は自陣からつないでつないでランニングラグビーという決定的なシーンがあった。しかし、あと20mぐらいというところで、いつもながらのパスミス。がっかりだ。わたしゃ、このトライを最も期待した。トライしていたら、もっとも評価しただろう。こういう、素人が見ても「いいなあ」と思えるようなトライを見たいんだよ。
そのうえ、このトライの失敗は、つづく40分のアルゼンチンの逆襲につながる。あっさり抜かれてトライを許す。しかも、インジャリータイムにも1トライを許す。こういう時間帯にやすやすと2トライを進呈してしまう態度は許せない。これで、今日の試合はとっても後味が悪いものになった。いくら勝ったといっても、これでは台無し。 日本チームのだらしなさ、集中力のとぎれをまざまざと露呈させた。いつもながらのツメの甘さがどろりと最後に出た感じですね。あー、やだやだ。

■出来事
・北側スタンドの一角に、小さめの大型ビジョンが設置してあり、いろいろと映されていた。これは初めての試み。きっと仮説だと思うけれど。
・大型ビジョンにサッカーの岡田元監督の顔が映された。「おおおーーーーー」という低音のどよめきが地をはった。ふーん。見に来るんだ、サッカー関係者も、という素直な驚きかな。
・ハーフタイムに、協会関係者がグラウンドにぞろぞろ現れた。なんするのかと思ったら、剥げた芝生やほじくられた穴を足で直しているのだった。こんな光景は、初めて見た。
・協会の女の子たちがジャパンのユニフォームを着て、小旗(オフィシャルフラッグと呼んでいたな)とパンフレットを売っていた。パンフレットは分かるが、旗はどんなもんかな。ゴミを売ってるようなもんだ。もともと旗は観戦には邪魔なものだからわたしゃ嫌いだ。それに、露天商の人たちの領域を侵してもいるし。

■客の入り
入りはなんと約3万。すげえ。こんな試合(テストマッチ)にこれほど客が入るのは珍しい。春のパシフィックリム選手権もよく入っていたけれど、最近のテストマッチはよく入るねえ。これでラグビー人気が低迷だなんて? アホな客がふえているというわけでもないと思うけれどなあ。

■天気
台風が近づいていて、天気予報では午後から雨だったけれど、1滴2滴ぐらい落ちただけ。ちょっと蒸し暑かった。まだキャミソールもいたし、長袖もいた。

■アンケート
アンケート用紙があった。コスモ石油がバックアップしているので、そのせいでしょう。アンケートに書き込むためのねちいさな鉛筆がついていた。わたしゃ、回収ボックスに用紙を入れるときに、鉛筆も放り投げた。でも、たいていの人は、鉛筆もらっちゃったのかな。ま、ささいなものでも、実用性がありそうに見えると、もらえると嬉しいですからね。安物のボールペンのために個人データをやすやすと売り渡す光景が、ビジネスショーなんかで見られますし。
アンケートと一緒に、メンバー表があった。これはよい。こういうことを、もっとしてくれい。


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