日本選抜 vs  韓国選抜
1999年7月4日(日)

秩父宮ラグビー場


■結果
日本選抜22(7) - 15(0)韓国選抜

■試合
日韓定期戦なんだそうで、今回から新しく始まったみたい。で、外人が混じっているのは困ると韓国側から申し入れがあり、とりあえず日本人だけのチームができて、だから「選抜」らしい。とはいっても、外国人を抜いた代表チームと代わりがない。
さて、試合はとんでもない凡戦だった。日本は外国人抜きではスピードはあまりない、突破力は激減する、応用力も策もたいしてないことが露呈してしまった。一方の韓国チームは、パワーは無茶苦茶あるんだけど策がまったくない。この、無策によって日本は助けられてかろうじて勝った。ラグビーの内容で言えば、韓国チームに軍配が上がるのではないだろうか。韓国が激情に駆られない冷静な判断力を身につけたら、いまの日本人だけのチームではとてみかなわないだろう。将来性なら、韓国が買いだ。日本が、外人に心も体も頼り切ってしまっていることが明瞭になったぞ。村田がフランスへプロで行ってしまうと、脳味噌のある選手はまた少なくなる。これでは、日本のラグビーの将来は、ははは、7〜8人の外国人を入れていかなくちゃいけないぞ。日本人率50%のチームがJAPANであるって、ははは。いくら規約が「それでもいいから」っていったって、それじゃ世界が許さないでしょ。そのうち「国籍を有する者」なんていうふうに規約が改正されたら、一気に転落だねえ。
まあいい。
前半5分。村田が相手ボールのスクラムでルーズボールを拾ってトライしたときは、やるかな? とおもったけど、あとは膠着状態。前半は7-0。SOの岩淵のTKが悪い。観客席に飛び込まないように蹴らないとねえ。GK、PKもポールを狙ってばかりで、ややや、だな。
25分過ぎに日本が攻め込まれる。簡単にウラに抜けられてしまうのはヤバイんではないの? こういう抜かれ方が後半もあったし。意志統一ができていないし、学習能力がない。これじゃダメだ。もっとも、らくらくとウラに抜けた韓国選手も、自分で突っ込めばいいのにゴールライン前でパスする相手を探して周囲をキョロキョロしてスローダウン。そのうち日本のよれよれタックルに邪魔されるか、またはノックオンするとかでチャンスをつぶしてしまう。ここらへん、韓国は練習できていない。策がない。ここで、畳み掛けるような攻撃ができれば、韓国はトライを奪っていたはずだ。もったいない。
日本はタックルが甘いよね。下半身に入っていないんだもん。肩口か首で、まかりまちがえれば危険なタックルをとられるぜ。ボールを持った相手に3人、4人と向かっても外されたりつながれたりで、韓国の方がボールのキープ力は上だ。
それに対して、韓国のタックルは的確。しかも、1人に3人ぐらいがウンカのようにたかる。(まあ、だからオーバー・ザ・トップをとられやすいんだけど)ボールを殺すというより、選手を殺す、ダメにするのを目的にしたようなラフなプレーだ。こんなことをしていると体力を消耗するだろうし、次の攻撃に立ち上がれないだろう・・・と思うとさにあらず。がんがん立ち上がるし、韓国ボールになっちゃったりするんだよな。なんか、日本はめろめろだったぞ。こんな、コンタクト至上主義の旧態依然の無策なラグビーに、日本は動きを封殺されて手も足も出ず。やれやれ。
後半の8分。岩淵の、パスすると見せかけて自分がするりと抜ける機転で、抜けた。しかも、バックスラインが4人もきれいに並んで走っている。ゆとりを持ちすぎて、隅に増保がトライ。日本唯一の美しいトライではあったが、バックスに流すだけでなく内に切れ込むとかしてもっと中央にダウンボールもできたのではないの? もっとも、なんでもいいからトライ、の気持ちでいっぱいだったんだろうけど。
その後、韓国が13分にトライ。タックルが甘いんだよ。そのあとにもするっと抜けられて、ああ、ダメだ、と思ったのだが、日本選手の誰だかが必死に追って、ゴールポスト手前で引きずり倒した。これは、なかなかよろしい。だけど、他の選手はあきらめてたらたら歩いていたので、いかん。
後半22分の日本の攻撃に、韓国はペナルティを犯し、あっさりとペナルティトライ。ほんと。あっさり過ぎるくらいのあっさりで、ペナルティトライ。ペナルティトライの概念や解釈が、また変わるんではないだろうか。(アイルランドのレフェリーだったし)
後半25分には、岩淵のキックをチャージして、韓国がトライ。おーい。岩淵君。このへんが、君のあぶないところだよ。
というわけで、最後まで1トライ差で。なんとか勝つ。こんなことなりゃ、いっそのこと負ければよかったと思う。

■出来事
「選抜」の試合なのに国歌演奏はないと思うが、あった。韓国国歌が先だったんだが、「ん? こんな曲を韓国は国歌にしていたか?」てな気分。なんかヨーロッパの国の(英国)聞き慣れたようなメロディじゃん。で、テープが終わった直後、君が代は流れずに静寂。そのうち、バックスタンド側から「あやまれー」の罵声が飛び交って、ああ、やっぱり間違ったのね。やれやれ。韓国の国歌の取り違えって、ラグビーだっけか他の競技でも再三あったはずで、気を付けているはずなのにまたかという気分。しかも、静寂は10分近くつづき、今度は本物らしい韓国国歌が流れた。で、君が代が次に流れた。最後にお嬢さんのアナウンスで「協会の間違いにより大変ご迷惑をおかけしました。申し訳ありません」と。しかし、これじゃあ何を間違ったかがわからないじゃないか。ちゃんと「国歌を取り違えてしまいました」といわなくちゃなあ。
で、ハーフタイムにもお嬢さんのアナウンスが3度もあり、いずれも「試合前の国歌演奏に不備がありました。たいへん申し訳ありませんでした」というもので、これでもどういう「不備」があったかわからんじゃないの。大半の客は「?」だったと思うけどねえ。

■客の入り
15,000人前後ではないのかな。メインスタンドの端で見ていたが、背後からの陽射しが暑かった。バックスタンドで見ていた人の気が知れないざんす。

■天気
30度を超える陽射し。湿気もあり。ラグビー見るような天気じゃないね。こんなときにプレーする選手の気が知れない。


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