早稲田大学 vs  帝京大学
1999年10月16日(土)

秩父宮ラグビー場


■結果
早稲田大学33(10) - 22(17)帝京大学

■試合
早稲田は、ラッキーな勝ちを拾った。この結果をもたらしたのは、試合開始後4分のペナルティトライにすべて集約できる。このトライで、帝京は「スクラムで押せば勝てる」と思いこんでしまったのだろう。結果、再三ペナルティからスクラムを選択し、ことごとく不成功に終わっている。せめてPGでも狙っていれば、6点は確実に手に入れていたはずだ。早稲田の、インジャリータイムに獲得したトライはオマケみたいなもの(早稲田の、本来ノットストレートからのボールだし)だから、その5点を引けば・・・28-28で同点になる。帝京の、着実な攻めがつづいていれば、リードしたまま試合は終わったのではないか。
早稲田は、帝京よりもいくらか素早い出足と、スペースを見いだす嗅覚はあったものの、他はほとんどいいところなし。力でも展開力でも帝京の後塵を拝していた。パスが未熟。なんともだらしなくて、クロスプレーなどはもたもたしていて見られたものではない。サインプレーの練習がなされていない。だから、展開力に欠ける。パワーは、帝京の、そう重そうにも見えないフォワードに再三コラプシングでペナルティを取られるほど。走力も、いまひとつだね。本日のトライも、相手ミスにつけ込んだものが多いしねえ。
帝京は、スクラムで早稲田を圧倒した。そのせいで、スクラムにこだわり、確実なところでの加点をしない作戦を選択した。それが、敗因だろう。ランニングラグビーは、なかなか期待させるものがあったし、パスだってしっかり通っていた。もっとも、早稲田のディフェンスも早い帰りで突破を防いでいたけどね。逆に、ルーズボールを拾われてアタックされると、ディフェンスが簡単に破られてあれよあれよ、というカタチになってしまう。「攻撃するんだ」ということしか頭になくなるから、こんなことになるんだろうな。もう少し、冷静な攻撃と、着実な防御が必要だ。そうそう。タックルされる直前に味方にボールをつなぐ(パスの技術)、または、タックルされたボールを早く味方に渡す、という技術が下手だ。あれがもう少し上手くなれば、攻撃力は増すだろうに。
それにしても、見かけはとても旧いスタイルのラグビーに見えた。マイボールをすぐ蹴る。相手ボールになって、蹴り合う。タッチに出して、相手ボールでラインアウト・・・。また、相手陣内で相手ペナルティもらっても、タッチにけり出さない。ちょん蹴りから展開しようとする早稲田は、どういうつもりなんだか。体力勝負が無理だから? そーかなー。もっと相手ゴールラインに迫ればいいじゃないか。最近のラグビーのスタイルとずいぶん違うので、見ていてあまり面白くない。
まあ、レベルの低いボールの取り合いとターンオーバーなどで、一見動きのあるラグビーに見えるけど、ないようはさっぱり。とんだ凡戦でした。
下井さんのレフェリーイングは、どーも傍目から見て早稲田贔屓に見えた。本人はそのつもりがなくても、そう見えたんだからしょうがない。早稲田のラインアウトは、ほとんどがノットストレートだった。これをとらない。他にも、早稲田のオフサイドには甘いようなシーンがあった。その分、帝京にはなんとも辛い判定だったように思う。

■出来事
本日の観客は、総じて田舎者丸出しの下品なものだった。メイン最上段の帝京応援団が「おーせおーせ」といえば、反対サイド最上段の早稲田応援団は「ワセダワセダ」と合唱する。どーも、うるさい。
一般客も、愚痴が多かった。いきなりのペナルティトライ、さらにトライ取られて14-0となって、いらいらしていたんだろうが、レフェリーの判定にぶつくさいっている方(おやじども)がたくさんいた。早稲田のプレーは棚に上げて「帝京は汚い」などといったり、怒鳴ったりしている人もいた。歯がゆい展開からそういうことになったのだろうけど、見ていて気持ちのいいものではない。

■客の入り
早稲田が出るときだけしか来ない客がどっとくるからねえ。全部で10000人あまり、というところかなあ。

■天気
曇り。とうとう秋になったか、という涼しさでした。

[1999.10.16]

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