1998年7月14日(火)


■渋谷東急2-表参道-青山墓地-乃木邸-赤坂



●「レインメーカー」は、硬派の映画だった

渋谷東急2で、フランシス・F・コッポラの「レインメーカー」を見た。ムダがない。饒舌な部分が、ない。法廷ものだが、法廷のシーンでいたずらに時間をとらない。なのに、語っていることがつたわってくる。でも、ぐらぐらくる感動がない。あ、そ。てなもん。やっぱ、人物に感情移入するためのエピソードとか、ムダで饒舌な部分もあっていいんじゃないのかな。11時50分終映。パルコ斜向いの勤労福祉会館1Fの食堂で、メンチキャベツ定食600円。TEPCOの手前のガードをくぐって、明治通り。公園ではホームレス昼寝。このまま行くのはつまらん。で、明治通りを渡って神宮前5丁目へ。この辺りって、アパレル屋さん多いんだよな。と、住宅も点在する細い道をうろうろ。結局、同潤会アパートの見える表参道に出てしまう。さて、246とぶつかった。スパイラルに寄ったって大したものはやってねーだろ。246を外苑前方向に行くか・・・どうしよう。よっしゃ。直進しよう!

●青山墓地はタクシーの昼寝

渋谷とか原宿とか、嫌いなんだよな。ちゃらちゃらして。別世界。まあいい。FROM 1ビル。「東京パルチザン」小田切慎平/講談社で、著者が都内でキャンピングカー生活を送っていたとき、暖房がついているトイレに感謝しながら利用していたポイント、というのがこのビルの認識。入ったことはない。およそ、私とは縁のないものばかりが入っているビルだ。道は、根津美術館にぶつかる。分けの分からない展示をしていた。でも、高いから入らねーよ。で、左折して、青山墓地へとつづく陸橋の上を通る。ここ、好きだなあ。展望が開ける。左手に、伊藤忠や青山のツインタワーが見える。下には、児童遊園。都心をつかの間忘れる。陸橋を渡ると、青山墓地。エンジンふかしたままのタクシーやトラックの中で、みんな昼寝中。ええい! 停車中はエアコンのスイッチが入らねーよーな設計にしろっての! おっ。変なトンネルができてるねえ。なんだ?

●青山葬儀場横のチューブは、乃木坂トンネル

ははあ。これが、乃木坂にできたっていうトンネルか。正式には乃木坂陸橋、というらしいが。とりあえず、昔の道をだらだら下って通りへ。おお。チューブが通りをまたいで、東大生産技術研究所に突き刺さってるぜ。通りを渡って千代田線入り口へ。見上げるチューブの横には歩道がついてるじゃないか。さっそく上がってみる。なんだ。青山墓地のところから、ショートカットできるんだ。ふーん。なんてね。カフェグレコ横に出た。斜向かいは乃木邸だ。ちょっと覗いていくか。

●陰気な乃木邸

10年くらい前に煉瓦の馬小屋とか自刃の間とか見たんだけれど、その後は前を通っても無視していた。久しぶりに見る乃木邸は、相変わらず質素で小さい。人間が住むようなサイズではないなあ。外から窓の中を覗くシステムだけれど、中は相当ボロボロだな、こりゃ。裏口から下っていくと、おお。神社がある。そーか。乃木神社って、これか。近くにあったのに、来たことなかったな。東郷神社、明治神宮とともに、ついこないだ(ったって100年ぐらい前だけど)まで生きてた人が神になって祭られているんだからな。変な感じ。乃木将軍も、昔は素晴らしい人と崇められたんだろうけれど、いまの基準じゃ無能な将軍だ。アホな作戦で兵隊をたくさん殺したということになっている。いい時代に神様になっちゃった、っていうことでしょうか。こういうところで働いている禰宜や巫女はどういう心境なんだろうか。仕事と割り切っているのかな。心底尊敬して崇めているのかな。

●初めての乃木坂を歩く

そのまま乃木坂をくだる。この道、初めて通るぞ! なんか、うれしい。左手に聖パウロ女子修道会の入り口。宗教関係が隣り合ってますな。振り向くと、乃木坂トンネルの出口がぼかっと開いている。ここへつながっているんだね。ふーん。あんまり自動車は通ってないねえ。これで、渋滞解消にはなっているんだろうか? しばらく歩くと、記憶にある角に出た。桧町公園近くに知り合いの事務所があって、ラグビーが終わった後なんかにカナダ大使館の横の道をたらたら下ってくるんだけれど、その道にぶつかった。うれしいね、初めて通った道が、知っている道とすんなりつながったなんて。なんかだか、複雑に絡み合った推理小説のつじつまが、あるときピタリとあって心がすっきりしたときのような気分でした。

●赤坂はよくわからない

そのまま、まっすぐ、千代田線の赤坂を目指して歩く。この辺りもゴチャゴチャして、なんだかよく分からない。入りたい店もないし、入った店もない。興味の埒外の店がつづく。この辺りで入ったことがある店といえば・・・赤坂ツインタワーちかくの「赤坂砂場」だけかな。はい、そば屋です。小さいけれど、感じがいいです。さて、文教堂書店赤坂店で「本の雑誌」8月号を買って。疲れたので、電車に乗ることにしよう。



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