なんとなくストーリー
なんとなく400字詰め原稿用紙にして30毎程度のだらだら書きができてしまった。で、ここいら辺から記憶が定かでない。霊感少女と、それをかつぎ上げる大人、少女の友だちの少年・・・。とかが、アバウトな設定で、なにげでストーリー化していったというのかな。全体なんかぜーんぜん見えていない。設定に尾鰭をつけて、人間を何人かからませていったら、なんか、ストーリーをでっち上げなくてはならなくなってしまった。この時点で、100枚ぐらいの原稿量になったのですが、登場人物の少女を少年に変えてみたり、友だちを妹に変えてみたり。ストーリーを展開するための思いつきが発生するたびに細かな調整を何度も何度もやっていたような気がする。
それと、小説的な書き方がわからなくなって、しょっちゅうキーボードの上で指が宙に浮いた。登場人物の感情をどうやって表現したらいいんだろう? と、思考が停止すると「外出」という紙を机の上に置いて4丁目にある本の教文館に駆け込んだ。そうして、文庫本のコーナーでいろいろな人の小説をぺらぺらめくって、人物のしぐさの表現や、レトリックというのを「ふーん。そーか、そーか」といって、納得してはまた会社に戻ってキーボードを叩いていた。
こういうのは、疑問にぶつからないと調べに行かないので、1日に何回か行ったり来たりしたこともあった。
とくに、ダイアログ(会話ね)が地の文(説明文)とからんでくるときに、どのセリフが誰のものかというのを、くどくなく、端的にわかるように書くのに苦労した覚えがあります。たとえば・・・
「あら」と感情を押し殺すように言った。
「あら」
と、感情を押し殺すように言った。
感情を押し殺すように「あら」といった。
感情を押し殺すように言った。
「あら」
では、文字の要素は同じでも、意味が少しずつ違う。こういうところでつまずくと、どうもダメな質だから、人の文章をいろいろと読んでは勉強したのだった。
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