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第62回 定期・慈善演奏会

『創立40周年記念演奏会』

日程:2019年5月10日(金)19時開演(18時半開場)
会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

指揮・アルト:青木 洋也
ソプラノ:藤崎 美苗
テノール:藤井 雄介
バス:浦野 智行
管弦楽:オーケストラ・シンポシオン
オルガン:山縣 万里
合唱:東京スコラ・カントールム

<演奏曲目>

Johann Sebastian Bach; ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
Erschallet, ihr Lieder, BWV 172; カンタータ第172番「鳴り響け、汝らの歌」

Johann Kuhnau; ヨハン・クーナウ
Tristis est anima mea; 私は死ぬばかりに悲しい

Fernando Sor; フェルナンド・ソル
O crux, ave spes unica; めでたし十字架、こよなき希望よ

Antonio Lotti; アントニオ・ロッティ
Crucifixus; 十字架につけられ

Johann Pachelbel; ヨハン・パッヘルベル
Christ lag in Todesbanden; キリストは死の縄目につかれ

Johann Sebastian Bach; ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
Lobet Gott in seinen Reichen, Ascension Oratorio, BWV 11; 昇天祭オラトリオ「神を国々にて褒め称えよ」


プログラムノート

今回の演奏会プログラムは、復活祭が4 月21 日であったことから、次に控えるキリスト教の大きな祝日、昇天祭をテーマとして選曲をするうち、キリストの十字架の受難、復活、昇天、聖霊降臨(ペンテコステ)、という救いの御業に関する一連の歌をまとめました。第1 曲と最後の曲を祝祭的なものとし、合唱団の40 周年記念として華やかな構成といたしました。

 

◆ヨハン・ゼバスチャン・バッハ(1685 〜1750 年)
カンタータ第172 番「鳴り響け、汝らの歌」(BWV172)

第1 曲目はJ. S. バッハの「鳴り響け、汝らの歌」です。これはバッハが29 歳でヴァイマールの宮廷楽師長に昇任した1714 年の聖霊降臨祭のために作ったものです。この曲の大きな特徴の一つは第3 番のバスのアリアで、伴奏は通奏低音のほかには3 本のバロックトランペットとティンパニのみ。3 本のトランペットは父なる神、キリスト、聖霊を表すといわれています。3 人のバロックトランペット奏者にご注目く
ださい。詞はS. フランク作とされており、三位一体に対する畏敬と聖霊の恵みを美しい詩に仕上げています。この曲に接することで、ひと時の心の安らぎが得られるような演奏を心がけます。

 

◆ヨハン・クーナウ(1660 〜1722 年)
私は死ぬばかりに悲しい

J. クーナウはライプツィヒの聖トマス教会でバッハの先任として音楽監督を務め、そのピアノ練習曲集はバッハにも影響を与えたといわれています。キリストが最後の晩餐を終えた後、夜のゲッセマネの園に行って祈った時の場面を、キリストの言葉で表しています。詞は、聖木曜日の朝課に歌われるエレミヤの哀歌に対する2番目の答唱です。

 

◆フェルナンド・ソル(1778 〜1839 年)
めでたし十字架、こよなき希望よ

F. ソルの名を聞いて驚かれた方は、ギターに詳しい方でしょう。あのソルがこのような宗教曲も作っているのです。ソルは、音楽教育をバルセロナ・モンセラート修道院で受けました。オペラ、交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノ曲、バレー音楽、合唱曲など、幅広いジャンルを手掛け、中でもバレー「シンデレラ」は100 回以上公演されたそうです。有名なギターの教則本は晩年、ナポレオン派の支配を逃れて活動の場をパリに移してから著したものです。詞はV. フォルトゥナトゥス(530 〜609 年)の作った全7節からなる十字架賛歌Vexilla regis prodeunt(主の御旗は進む)の第6 節です。グレゴリオ聖歌として古くから受難の主日の晩課や十字架称賛の祝日の晩課に歌われてきた賛歌で、前世紀半ばまで出されていた日本のカトリック教会の聖歌集には、6 節と7 節がラテン語で十字架の賛歌として載っていました。6 節は最もポピュラーな詞のようで、16 世紀のC. デ・モラレスや17 世紀のM.A. シャルパンティエが作曲し、1995 年にはR. デュブラもこの詞に曲を付けています。

 

◆アントニオ・ロッティ(1667 〜1740 年)
十字架につけられ

この曲はニケア・コンスタンチノープル信条(いわゆるクレド)の中の受難の一節を歌ったものです。作曲者のA. ロッティはヴェネツィアのサン・マルコ教会のオルガニストでしたが、世俗的なオペラも作って売れっ子の作曲家として有名になり、それがドイツ・ザクセン州の選帝侯の耳に入って、ドレスデンの宮廷に招聘されました。侯の婚礼祝賀のためのオペラを作り上演するなどして2 年間過ごし、その時期にJ.S. バッハやG.F. ヘンデルに大きな影響を与えたと言われています。曲は重厚な和音の連なりがキリストの受難の苦しみを表し、最後の和音は、安らかな葬りと救いの訪れを暗示しているようです。

 

◆ヨハン・パッヘルベル(1653? 〜1706 年)
カンタータ「キリストは死の縄目につかれ」

「キリストは死の縄目につかれ」というとJ. S. バッハのカンタータ第4 番がよく知られていますが、バッハ以外にも多くの作曲家が曲を付けています。それもそのはず、この詞はM. ルターが作り、これに自らがコラールを付けているからです。作曲家ルターは、11 世紀からカトリック教会で歌い継がれている復活祭の続唱Victimae paschali laudes(過ぎ越しのいけにえを称えよう)のメロディーの冒頭部と詞の意
味の一部を取り入れて、讃美歌に作り上げています。プロテスタントの讃美歌21 には317 番(主は我が罪ゆえ)として載っています。本日は、近ごろカノンで有名なJ. パッヘルベルが作曲したものを演奏します。パッヘルベルはエアフルトの伝道教会でオルガニストを務め、そこでバッハ家と親交がありました。この曲は7 曲からなり、そのうち第1、5、7 曲が合唱です。第1、第5 曲ではルターの讃美歌をソプラノパートまたはテノールパートが歌い、他のパートはそれに対するオブリガートとして歌います。

 

◆ヨハン・ゼバスチャン・バッハ(1685 〜1750 年)
昇天祭オラトリオ「神を国々にて褒め称えよ」(BWV 11)

最後に演奏するのは、キリストが復活して後40 日目に天に昇ったことを祝う昇天祭のために、バッハが1735 年に作った曲です。詞を構成したのは、マタイ受難曲の作者でもあるC.F. ヘンリーツィ(ペンネームはピカンダー)です。ピカンダーは聖書の昇天の記述を中心に、自らの詞とともに、すでに流布していたカンタータの作詞者による詞も組み込んで構成しています。
聖書の引用箇所(第2、5、7 曲ac)は対訳中に記しました。
それ以外の節の作詞者は次のとおりです。
第1 曲(合唱)、4 曲と8 曲(アリア)、3 曲と7 曲b(レチタティーヴォ):ピカンダー
第6 曲(コラール):J. リスト(1641 年作)
第9 曲(コラール):G.W. ザーツェル(1697 年作)

 

61th

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