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レクイエム・アフガニスタンチャリティコンサート」
2003年11月2日 於東京芸術劇場大ホール

・「ゆけ、わが想いよ、黄金の翼に乗って」(ナブッコより)
・「エジプトに栄光あれ」(アイーダより)
・「レクイエム」

文京区市民オーケストラ 他


チャリティコンサートでした。
アフガンの地雷で傷ついた子供達に車椅子を送る目的の。
その趣旨ももとより、好きな曲目ばかりをやるので、出かけました。
別に良いと思うんですよね。
趣旨がチャリティでも、その音楽会に行きたくて出かけるっていうのって。それでお金が入れば、越したことないじゃないですか。
冒頭に、アフガン大使からのメッセージが読み上げられました。
そして、コンサートへ。
私、「ナブッコ」の「ゆけわが想いよ〜」好きなんですよ。
すごく、好き。
ハプスブルグ家支配のもとで、これはイタリア第二の国家と言われるくらい解放の願いを歌った合唱と言われています。
そんな歴史的背景があるからこそなのか、それとも音楽の持つ普遍性からなのか。
静かに、綺麗なメロディで始まる合唱が段々と盛り上がり、その頂点を迎えるところでいつも胸が熱くなってしまいます。
で、「レクイエム」。
レクイエムは決まった様式と詩があり、作曲家によってまるで印象が違います。
私自身は、フォーレのレクイエムが好きだったりします。
優しい旋律が好きなんです。
あれを少年合唱団の声で聴くのは、まさに天上の歌声のようで、あの声に導かれて天国に行くんだなぁという感じさえする・・いわゆる癒し系。
で、ヴェルディ。
冒頭から、有名な旋律が響き渡ります。
癒されません。(爆)
それは冗談として。
ヴェルディのレクイエムには、どこか神の裁きを思わせる厳しさや恐ろしさがある気がするのです。
悲劇的な感情を揺さぶられるような展開。神の怒り、終末を告げる天使のラッパ、地獄さえ。
死者を悼む曲と言うよりは、ものすごくドラマティックで劇的。
生きている人間へと、より訴えかけるような曲だと思います。
お葬式では掛けてほしくないかもしれないけど(笑)、生きている人間に「死」の悲劇や神への怒りを想像させ感情を揺さぶる力を持った、素晴らしい楽曲です。
癒されないけど(しつこい)、ヴェルディ版も好きです。
ちなみに、レクイエムって退屈・・って思っている方も、多分寝られません。
文京オケも、頑張っていました。
あと、合唱団もね。
話はまったく感想とは離れてしまうのですが。
チャリティだったので、一応場内でも募金しましたが、アフガンへのお金は集まってもイラクへのお金がなかなか集まっていないそうですね。
あまりイラクへのチャリティって聞かないなぁ・・。

 

荒井英治ヴァイオリン・リサイタル」
2003年6月29日 於東京オペラシティリサイタルホール
チェンバロ:芝崎久美子

バッハ:トッカータとフーガ
    ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第1番
    ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第5番
    無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調
アンコール
サラバンド:イギリス組曲(無伴奏ヴァイオリン編曲)
ヘンデル:ソナタ6番より
     ラルゴ アレグロ

オーリにチケット頂きました。いつもありがとうv
リサイタルホールに入ったのは初めてです。
なかなかに小さくて、音響がよさげでいい感じじゃないですか?
ただ、椅子は自分並べ方式(変か?)なので、ちょっとずれたりするとカタン!と音がなってしまいそうで、
かばんの置き場とか靴が誤って脱げないようにとか(床も板張りですごく響く)ちょっと緊張感の中で演奏を聴く感じでした。
逆にいいかもしれませんね。
演奏会とは関係ないのですが。
ホールの入り口に張り出してあったポスターで、昔ヴァイオリン教室で一緒だった子を発見!
おお♪頑張ってるねv
こちらは今では聴く立場の人間になったけれど、こういう形で消息を知るのは、それはそれで幸せな事だなぁと思います。
さて、荒井さん。
以前ベートーベンを聴いた時とはまた違う印象でした。
伴奏がチェンバロという古楽器だったせいもあるかもしれません。
音もすごく響いて、なんと言ったらいいか・・『幸せ〜』な演奏でした。
バッハプログラムでしたが、冒頭の「トッカータとフーガ」は、すごく出だしが軽くて、最初違う曲なのかと思ってしまいました。
独特の雰囲気がありましたね・・
無伴奏は、演奏家としてはチャレンジしてみたいものなのでしょう。
聴いてる側としては、時々辛くなる事もあるのですが、荒井さんの演奏ではなりませんでした。
緩急のある演奏で、聴いている側がじーっと緊張して過ごさなくても良かったからでしょうか?
チェンバロも、あんなに近くで聴いたのは初めてでした。
解説が少しあったので、興味深くて、思わず近くに見に行ってしまいました。
サロン用の楽器なんでしょうね。
装飾が綺麗で、足の作りも優雅。
ただ、ピアノよりも鍵の幅が少ないけれど、音階はどうなってるんだろう?
上下二段になってるし・・半音とかどう出すんだ?
ナゾのままでしたが、しげしげ見られて良かったです。



文京区オーケストラ第12回定期演奏会」
2003年4月19日 於文京シビックホール大ホール
指揮:松下功

リヒャルト・シュトラウス:13楽器のためのセレナード変ホ長調作品7
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ長調作品104
        チェロ独奏:クリストフ・ヘンケル
ベートーベン:交響曲第5番ハ短調作品67『運命』
アンコール
ブラームス:ハンガリー舞曲

創設10周年だそうですよv
アマオケとは言えないような大所帯になってきました。上手になったしね。
1曲目が、すごく興味深かったです。
ぞろぞろと管楽器を持った人が出てきた時には、「なんじゃ?」と、思いました。いやー、ああ並ばれると、どの楽器が何なのか判らない自分に驚きますね。元々、管ってあんまり詳しくないので・・
そもそも、リヒャルトシュトラウスがああいう小品を作曲していた事が意外でした。どうしても「エレクトラ」とか「薔薇の騎士」とかのイメージが強すぎて。
管だけでも、アンサンブルとしてアレだけの広がりが出るのも意外だったし、新たな発見でした。
ドボルザークのチェロは、↓でかいてる金木さんのコンサートとは違う、所謂オーソドックスなチェロでした。ドヴォルザーク自体が雄大な、そしてドラマティックな曲を書く人ですから、チェロの特徴が存分に生かされたもので、2週に渡ってチェロを聴いたわけですが、これはこれで、楽しめました。曲によって全然違うんだなー。
そして、ベートーベン「運命」。
あまりにも有名すぎて、実は生で聴くのは初めてだったり。
いやー、やっぱ避けちゃうじゃないですか、なんとなく。
で、初めての感想は。
「やっぱり、すごい迫力〜〜」
と、いう事です。
もちろん、交響曲なので、まったりする二楽章とかアリですが、いやはや・・今度、どこぞ有名オケでも聴いて見ようと思いました。(あ、別に文京オケのベートーベンがどうのって言うんじゃなく・・有名オケでも聴いてみたいなー・・と。)
ちなみに、「運命」のスコアって、ff、fもしくはpp、pしかなく、mfとかmpは無いそうな。初めて知った・・。
しかし、言われてみれば、すごく納得・・と、いうかそうだろうなぁ、と。

 

金木博幸チェロリサイタル」
2003年4月13日 於津田ホール
ピアノ:清水和音

ベートーベン:モーツアルトの「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲変ホ長調
プロコフィエフ:チェロとピアノのソナタハ長調作品119
ドビュッシー:チェロとピアノのソナタニ短調
ラフマニノフ:チェロソナタト短調作品19
アンコール
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
ショスタコーヴィチ:チェロソナタより第2楽章

サン・サーンス:白鳥


オーリのチェロの先生、金木先生と和音さんのデュオコンサートでした。和音さんとのコンビは前にも聴いたことがあるんですが、今回は二人っきり。
しかも、チェロをあんなに近くで、席も真正面で聴いたのは初めてでした。チェロだけって、なかなか機会ないですよね。
今回は初めて聴く曲目が多くて・・何よりもその技法の数々に驚きました。チェロって、あんなに色々な弾き方があって、あんなに色んな音が出せるんだって。
通常良く弾かれる・・と、いうか私達が耳にするオーソドックスなチェロは泣くような音だったり、憂愁を帯びていたり、雄大だったり。その音を響かせる、聞かせる、泣かせる、といった感じがしますが、なんていうのかなぁ・・・。上手く説明できないんだけど、とにかく面白いんですー。何だか、セロ弾きのゴーシュで、“ごうごう”と弾く、とか“パチパチと火花が弾けた”とかいう表現をされていたのが、実感として判る感じでした。あと、当然だけど、下に向けているからヴァイオリンと動かし方が違う・・(笑)。ビブラートやフラジオ、あとピチカートなんかも、「ど・・・どうやってんの??」とか、思わず見入っちゃって、本当楽しかったです。
ちなみに、ドビュッシーは透明のピエロがいたずらする場景なんだそうです。
和音さんのピアノも間近で見られて・・ま、前にも書きましたが『貴公子』の面影は・・(号泣)
いや、いいんだけど。
息のあった演奏が気持ちのいい、コンサートでした。

 

俊友会管弦楽団第31回定期演奏会」
2002年9月15日 於東京芸術劇場大ホール
指揮:堤俊作

G・マーラー:交響曲第9番ニ長調

今(2003年2月・・苦笑)、プログラムを見返してみると。
多分私が書いたのであろう(他にいるかっ!)メモがありました。いわく。
『雲路の果てに天国は見えたのか?沈うつな終幕、不幸で悲しみの多い日々の中に、美しい未来を見ることが出来たのか?残雪のようにその果ての美しいものを見たのか?』

多分、聴き終わったときに感情に任せて書きなぐったのでしょう。きたねー字・・
ちなみに残雪というのは中国の女流作家で、かなり衝撃的な内容、難解な文章を書く人です。大学時代に翻訳の授業で使って、お会いしたこともあるのですが・・・
少女時代に文化大革命で辛酸を舐めた世代の作家で、その小説はこう・・常に何かに不条理に追い詰められたり、威嚇されたり攻撃を受けたり・・けれど、文章や特に擬音語が美しく、さらに、悲しみや絶望の果てにひどく美しく透明な世界を感じる話を数多く書いています。ご本人も、「苦しみや悲しみを書いているのではなく、その果ての美しいものをいつも見ている。」と、おっしゃっていました。
話が逸れましたが、このマーラーの交響曲を初めて生で聴いて、私は彼女の小説を思い出したのでしょう。そして、悲しみの果てに覗くわずかな青空や光を感じて、こんなメモを残したのではないかと思います。
マーラーは現代でいえば、トラウマを抱えたある種の神経症患者であったと思われます。その楽曲に共通したテーマは不安であるような気がしていました。そういうイメージです。もちろん、この交響曲にもそういった要素はあったのだと思いますが、多分それよりもその先の何かを感じさせる音楽でした。
話は変わりますが、マーラーは9番交響曲を作曲することを非常に恐れていたという事です。何故なら、ブルックナー、ベートーベン、シューベルト・・・皆、9番を作曲した後に死んでいるからです。なので、実質9番にあたる交響曲を「大地の歌」としたのだそうですが、やっぱりこの9番を作曲した後に亡くなったそうです。


MUSICASAアリアの夕べ」
2002年7/5 於Musicasa
天羽明恵(ソプラノ)
鈴木大介(ギター)
斉藤順(コントラバス)

カッチーニ:アアリッリ
バッハ:プレリュード〜パルティータBWV997より
ヘンデル:樹木の陰で
     私を泣かせてください
バッハ:ジーグとドゥーブル〜パルティータBWV997より
パイジェッロ:うつろの心は
マルティーニ:愛の喜びは
カステルヌオーヴォ=テデスコ:「モゼス・イブン・エズラ詩集より」
ロドリーゴ:4つの愛のマドリガル
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第五番
バッハ:インベンションシンフォニア(ギターとコントラバスによる)
斉藤順:奴がタケ(八ヶ岳?)
ガーシュイン:私が惚れた男
私あんたが好き、ボーギー
アイガットリズム
サマータイム
アンコール
シューベルト:アヴェマリア
斉藤順:Black Base
カッチーニ:アヴェマリア


曲目並べただけでもうスペースがなくなってしまいました・・(笑)
お友達のオーリが会員になっているMUSICASAでの演奏会にご招待いただいてきました。いやー、何がって、日本にもこういう文化が根付いていることがうれしいですね。
こちらは会員になると、こうして年に何回かの演奏会にこられて、しかも演奏会のあとお酒とお料理がでるんですよー。しかも、お酒もその時々で趣向が凝らしてあって、お料理もおいしいんです!この日は、ドイツビールでした。出演した人たちとおしゃべりも出来るし。ホールというかスタジオも小さいけれど音響がとてもよくてお互いの息遣いまで聞こえてくるような近さっていうのがいいです。綺麗ですし。今回は仲良しグループなのか面白いお話がいっぱい聞けて、演奏よりも話が止まらない〜みたいな部分もあって、すごく楽しめました。ちなみに、コントラバスの斉藤さん作曲の「奴がタケ」は八ヶ岳音楽祭??だかなんだかの時に作ったそうです。タケというのは同じくお友達のようでした。天羽さんは、お名前だけは知っていましたが、気さくで飾らない感じの方で、歌うのが大好き!というのが伝わってきました。演目も多岐にわたっていて、本当にお得な一夜でした。オーリありがとうvそうそう、カステルヌオーヴォという方は、あのジョンウィリアムスの先生だそうです。



菊池真美室内楽の響演」
2002年4・21於カザルスホール
ピアノ:菊池真美
ヴァイオリン:菊池裕美
ビオラ:波木井賢
チェロ:金木博幸

モーツァルト:ピアノ四重奏曲第二番変ホ長調k.493
フランク:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ イ長調
ブラームス:ピアノ四重奏第一番ト短調作品25
アンコール
シューマン:ピアノ四重奏曲変ホ長調第3楽章


雨の降りしきる中、久しぶりのカザルスホールへ出かけました。
座席は満員。お隣のカフェもそこそこ満席。
菊池さんは姉妹だそうです。しかし、なんというか、レポのUPまでに時間が空きまくったせいもあるんですが(これは私のせい)、この時の印象というと、せっかくいい席をいただいたのに、目の前にでかい男の人が座っていて、常に弾いているピアノの菊池さんが見えない・・・という。さらに、ヴァイオリンの妹さんも半分くらいしか見えなくって、前の座席の人が体を動かすたびに体を傾けたり、ある一方をひたすら向いていたりして、ものすごーく疲れました。・・・と、いう記憶のみなのは悲しいですが。幾ら音が聞こえればいいとは言っても、せっかく生での演奏を聴きに来ているのでやっぱり演奏者の表情や手元は見たいですよねー。ちょっともったいなかったです。で、実はこの時のアンコール曲がすっごく良かったんですよ!!本当にすばらしくて、しかも、弦の混じった曲を作曲してたんだー・・・みたいな驚きもあった・・・しかし。しかし、その曲をメモって来なかった為に忘れてしまったのですー(><)
ああ、なんだっけ・・?



諏訪内晶子&ボリスベレゾフスキーデュオリサイタル」
2002年2/6 於サントリーホール
ベートーベン:ヴァイオリン・ソナタ「クロイツェル」
シマノフスキ:「神話ー3つの詩曲」op.30より
        第1曲「アレトゥーザの泉」
バルトゥーク:ヴァイオリン・ソナタ第1番sz.7,5
アンコール曲:
バルトゥーク;ルーマニア民族舞曲
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
ヴィエニャスキ:スケルツォタランテラ
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女


チケット取れなかったんですが、どうしてもこのコンビで聞きたくって、叔母に頼んでなんとかGETしました!
二人とも、チャイコフスキーコンクールそれぞれの部門での優勝者でもって、同期。(同じ年に受賞)
二人とも大好きな演奏家で、しかもこの二人はよく一緒に演奏活動したり、デュオCD出したりしてるんですよね。だから、是非生で聴きたかったんです。良かった良かったv
実は諏訪内さんのヴァイオリンを生で聴くのは初めてだったりします。それに、女性のヴァイオリンを聞くのも久々です・・
いやー。
良かったです!クロイツェルはヴェンゲーロフで聴いたのが最後です。元々、ベートーベンソナタの中では名曲ですし、私自身もベスト3に入るくらい好きなソナタです。オーソドックスにきちんと弾きこなしていました。この、きちんと弾くっていうのは、私は実はとてもスキな演奏で、特にベートーベンに関しては、きちんと正確に弾いて欲しいんです!ヴァイオリンもピアノも!
諏訪内さん、素敵でした〜v
しかし、彼女の持ち味が如何なく発揮されたのは、シマノフスキだったと思います。初めて聴く曲だったんですけど、正直驚きました。音の魔術師って言うんでしょうか?水の流れ、風の音・・ギリシャ神話の世界が生き生きと伝わってきました。そして、スラブ系の音楽を得意とする彼女はもちろんバルトゥークも華やかにこなして。
諏訪内さんって、弾く姿も美しいんですよねー。どうしてあんなに綺麗なんでしょう?
そうそう。クロイツェルでは大人しかった(?)ベレゾフスキーもバルトゥークから本領を発揮。デュオリサイタルっぽくなってきました。仲良しコンビらしくアンコールもサービスサービス。存分に楽しめた夜でした。
ひとつだけ残念なのは、本来演奏予定だったレーラ・アウアーバッハの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番ー9月11日ー」が取りやめになった事です。世界初演を聞けるはずでした。
どうしてなくなっちゃったんだろう?

 

 

ボリス・ベレゾフスキー ピアノリサイタル」
2002年1/26 於彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール
シューマン:ピアノソナタ第1番 嬰へ短調 op11
      トッカータ ハ長調op.7
ショパン:スケルツォ第1番ロ短調op.20
     スケルツォ第2番変ロ短調op.31
     スケルツォ第3番嬰ハ短調op.39
     スケルツオ第4番歩長調op.54
アンコール曲:
ショパン:エチュード第1番 第3番(別れの曲)
ラフマニノフ:プレリュード


初めて、このホールに行きました。
ともかく、来日中のベレゾフスキーのリサイタルに行きたくて、オケとかと一緒のコンチェルトではなくって、ピアノ1本で聞きたくて、頑張って取りました!
さいたまだけど、まぁいいや・・と、行ってみました。
ここの音楽ホールは、中村紘子氏を主宰に迎えているらしく、彼女の企画でやっている「ピアニスト100」というピアニストシリーズの48人目のようでした。
地図などで検索していて、写真で見たより、結構ちゃちい会場・・・いや、こんなこと言ってはイケナイな。
ホールそのものというか、「彩の国さいたま」劇場という建物自体が、結構ちゃちかったというか・・周りに何もないというか・・ホールの中で居場所がないというか・・・ま、いいんだけど。
ホールの中そのものは、まあまあと言ったところ。
規模的にはカザルスと王子ホールの間といった感じ。ちょっと中は暗めです。
こじんまりしたホールで、そこそこ満員。
ああvベレゾフスキーvv
相変わらずでかいわv
こんなちんまりした舞台だと、更にでかく見えるわ・・・v
数年前に聴いた時の勢いよさが、少し薄れた感じの前半。丁寧にショパンを弾きこなします。非常に美しい旋律の2楽章。全体的に優雅でショパンらしい繊細さと華やかさに彩られていながら、どこか熱情的にも感じます。・・・と、思ったら、これは当時まさにラブラブ絶頂(笑)だったクララに捧げられたものだそう。
トッカータはパガニーニに触発されて書いたそうで、そう言われると確かに無窮動性のある曲です。でも、ここまでの前半、ベレゾフスキーはおとなしかったです。ちょっとつまんないわーと、思っていたら・・後半。
やってくれました。
曲調のせいなのかも知れないけど・・ノリノリ。ああvこれでこそベレゾフスキーだわ♪(←偏見?)
まるでドイツのホワイトソーセージのような指で(以前、握手してもらった時に観察した。)バンバン弾きまくり。そして、足踏みを勢い良く踏みすぎて床の音までするし・・
でも、いいの・・そんな貴方が好きv
帰り道、彼の勢いの良さについて文句を言っている方たちも居ました・・まぁ、好き好きだよね。
もちろん、円熟味を増した深みのある演奏もそれはそれで素晴らしいと思うし、もちろんベレゾフスキーも勢いだけのピアニストじゃない。(ココが肝腎!)ただ、やっぱり若手の演奏家の何が嬉しいって、弾いている楽しさやノリがダイレクトに聞き手に伝わってくるところだと思う。それはそれで、楽しんだ方がいいんじゃないのかなーと、思う所詮はファンのなるりんでした。
しかし、「彩の国さいたま」から駅へ向かい東京へ戻ってくる道すがら、なんだか雨のせいかもしれないけど、その暗さと道の悪さに不幸〜〜な気持ちになっちゃいました。
東京のホールがいいとは言わないけど。やっぱりホールを出た途端に現実に引き戻されるのはちょっとやだな〜・・・