2006年10月以降分からはブログに掲載しています。

2000年の音楽会 仮面舞踏会
小金井市民オーケストラ定期演奏会
マキシム・ヴェンゲーロフヴァイオリンリサイタル
マキシム・ヴェンゲーロフ協奏曲の夕べ
マキシム・ヴェンゲーロフ無伴奏の夕べ
俊友会管弦楽団特別演奏会
2001年の音楽会 弦の競演
惜春、スプリングリターン
文京区民オーケストラ第10回定期公演
劉薇ヴァイオリンリサイタル
マキシム・ヴェンゲーロフ&ヴィルトゥオ−ゾ達
マキシム・ヴェンゲーロフ&ヴィルトゥオ−ゾ達
荒井英治ヴァイオリンリサイタル
2002年の音楽会 ボリス・ベレゾフスキー ピアノリサイタル
諏訪内晶子&ボリスベレゾフスキーデュオリサイタル
菊池真美室内楽の響演
MUSICASAアリアの夕べ
俊友会管弦楽団第31回定期演奏会
2003年の音楽会 金木博幸チェロリサイタル
文京区オーケストラ第12回定期演奏会
荒井英治ヴァイオリンリサイタル
レクイエム・アフガニスタンチャリティコンサート
2004年の音楽会 シネマ・しねま・CINEMA
金木博幸チェロリサイタル
フラメンコギター&ウード<地中海の風>
マキシム・ヴェンゲーロフ ヴァイオリンリサイタル(10/26)
マキシム・ヴェンゲーロフ ヴァイオリンリサイタル(10/31)
2005年の音楽会 文京区民オーケストラ定期演奏会(2/19)
金木博幸チェロリサイタル(4/27)
東京交響楽団 名曲の旅シリーズ(8/6)
2006年の音楽会 金木博幸 チェロリサイタル(4/16) 
熱狂の日モーツァルト音楽祭(5/4) 
熱狂の日モーツァルト音楽祭(5/5) 
オペラに恋して(5/18) 

 

 

 

荒井英治ヴァイオリンリサイタル」
2001年12/10 於津田ホール
ヴァイオリン:荒井英治
ビアノ:清水和音
チェロ:金木博幸

ベートーベン:ヴァイオリンソナタ第3番変ホ長調
       ヴァイオリンソナタ第7番ハ短調
       ピアノ三重奏曲第6番変ホ長調
アンコール曲:
シューベルト:ピアノ三重奏曲第一番変ロ長調から二楽章

お友達のお手伝いしている音楽会でした。
津田ホールに入ったのは初めてでしたが、すごくこじんまりしていてまぁまぁ、良いホールだったんじゃないかと思います。
今回は、もちろんチェロもはいったトリオもすごく楽しみだったんですが。個人的なお楽しみとして、清水さんのピアノというのがありました。
清水和音さん。
まー、横に大分広がられてしまって・・(泣笑)
私がまだ中学生だか小学生だかのみぎり、私にとっての王子様でしたのに。
カッコ良かったんですよー・・鍵盤の貴公子でしたから、ホント。
周りがジャニーズアイドルの切りぬきを下敷きに入れている中、私は和音さんの切りぬきを入れていて、『これ、誰?』と、聞かれていましたっけ・・・
友達によると、楽屋は和音さんの毒舌トークでお腹が捩れるほどの笑いの渦だったとか。
いや、確か当時も、留学先から帰国するお金がなくなっちゃったからコンクールに出て、賞金を稼いだとか、座右の銘は『棚から牡丹餅』だとか、そんな事言ってましたっけ。
や、そういう所も大好きだったんですよね。そう考えると、私の好みって一体。
と、余計な話は置いておいて。
今回はベートーベンプログラムという事でしたので、すべてベートーベンで構成されていました。
私、ベートーベンは好きなんですが、ソナタというとやはり、9番クロイツェル、5番スプリング。
あまりに熱狂的にこの二つを愛しているために、他のソナタを聴く機会が妙に少なかったり・・(笑)
でも、今回聴いた3番も7番も、すごく良かったです。
特に3番。すごくキレイな曲で、これも好きになりましたv
荒井さんのヴァイオリンは、なんというか正確で、とても綺麗な旋律を奏でてくれました。席もいい場所だったので、すごく良く指が見えて、きっちりとした弾きかたをする人だなぁ、と思いました。
プログラムに、荒井さんが、『ベートーベンの音楽は明快である。』というような事を書いておられましたが、そのベートーベン的な明快さ、絵画的な美しさを、的確に表現していたんじゃないかと思います。
そして、チェロとのトリオは、聴く機会の滅多にない曲で、良かったですー。
ピアノも力強く、チェロも雄大に流れて。
これは本当に中々聴けないので嬉しかったです。ちょっとCD買っちゃおうかな・・と、思いました。

 

マキシム・ヴェンゲーロフ&ヴィルトゥオ−ゾ達」
2001年10/25 於東京芸術劇場
モーツァルト:ヴァイオリンソナタ第25番ト長調
ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番ニ短調
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
ポンセ(ハイフェッツ編曲)エストレリータ
ブラームス;ハンガリー舞曲 7番/1番/5番
ノヴァーチェク:無窮動
ドヴォルザーク:ユモレスク
シューベルト:アヴェ・マリア
パッツィーニ:妖精の踊り
アンコール曲
ハチャトリン:剣の舞
マスネ:タイスの瞑想曲
モンティ:チャールダッシュ


ほとんどプログラム変わらないのに、2回も行くなよ・・って感じですが。だって、ファンなんだもーん。
さて、今日は母と時々ここにも遊びに来てくれるオーリと一緒。
前のは曲はまあ、いいとして。あ、良くないか。
でも、ブラームスのソナタ3番は去年も来日公演でやったしなぁ。
もう聴くの3回目だよ・・・もう少しプログラム考えてくれると嬉しいんだけど。
モーツァルトはすごく軽快で軽やかで、いい曲でした。しかし、そうは言っても、マキシムもロシア人なので、こういうブラームスみたいな泣かせる曲の方が得意なのかなぁ・・?確かに、この3楽章は「泣きながら微笑んでいる」と形容されるほど、哀切に満ちた音色で、またこういうのに、日本人は弱いんだよね・・とほほ。
さて、また今日も先日オペラシティでお会いした方にばったり会う私。コーヒーをご一緒しました。
今夜は前から6列目くらいだったので、指技や他の共演者の人達の表情も良く見えてよかったです。
すっごいみんな楽しそう。約一名すごくアクションの大きな人が居て、なんか面白かったです。
今回のコンサートの後半部は「ヴェンゲーロフと10人の仲間たち」という感じで、(従姉と私は「マキシムと愉快な仲間たち」と密かに言っていました。)ピアノをぐるりと取りかこむ形で10人が立ち、マキシムが少し前に出て立ってます。
皆、上手な人達ばかりなんですが、こう目線で色々合図したりして、もうとにかく、弾いてるのが楽しそうで楽しそうで・・見ていて嬉しかったです。足踏みしたり、指笛吹いたり、サービスも満点。
お祭り気分で見終わりました。楽しかったぁ〜vv
それにしても、今日もホールの3階席は空席だらけ。
確かにたった一人で大きいホールを埋めるのは難しいのかもしれないけど・・しかしなぁ。どうしちゃったんだろう??
と、いう疑問だけが、今回の来日公演で残りました。



「マキシム・ヴェンゲーロフ&ヴィルトゥオ−ゾ達
2001年10/22 於東京オペラシティ・タケミツメモリアル
R・シュトラウス:ヴァイオリンソナタ変ホ長調 
ロックウッド:「コンチェルト」より(日本初演)
チャイコフスキー:「なつかしい土地の思い出」より
         1.瞑想曲2.メロディ3.スケルツォ
ノヴァーチェク:無窮動
ドヴォルザーク:ユモレスク
ブラームス;ハンガリー舞曲 7番/1番/5番
パッツィーニ:妖精の踊り
アンコール曲
ハチャトリン:剣の舞
マスネ:タイスの瞑想曲
モンティ:チャールダッシュ


約1年ぶりのヴェンゲーロフは、実はどうでもいい所で驚く事から始まりました。
開演直前、ベルが響き渡りいよいよ開演・・と言う時―――異様な光景。
ホールの前の方は、満員(S席のいい方の席)。A席(私の席)も満席。ところが、私達の前の10数列以上がぱっかりと空いているのです。何これ?開演前から並んでいる人達も大勢居たのに。
ヴェンゲーロフのコンサートで、こんなに席が空いているの、初めて見ました。
何があったというのー?
さて、ピアノは前回の来日と一緒の、ヴァグ・パピアン。
2曲目のロックウッドが、ヴェンゲーロフの為に編曲したという曲が面白かったです。シュトラウスの時といきなりピアノの位置を変えて、お客にお尻を向けて座るパピアン(笑)。ピアノの蓋も取っ払って、なんか不思議な光景でした。
休憩時間にはファンクラブで顔見知りになった方とばったり。いっつもお名前やご連絡先を聞きそびれてしまうんですよねー。万が一これを見ていたら、連絡してください〜v
話しているうちに、ワーナークラッシックの○木さんと遭遇。マキシムはEMIに移っちゃったけど、ワーナージャパンさんはすごく熱心で良かったなぁ・・情報もいっぱいくれたし。
後半は、いよいよこの公演のメイン。真ん中の列は結局来ないみたいなので、従姉と前方に移動。すごくいい場所で聴けました!
楽しい〜〜vv繰り出される超絶技巧の数々!最後はスタンディングオベーションでした!特にパッツィーニの「妖精の踊り」が素晴らしいです。どうやってるのか、手元を見てるんですけど、判らない〜・・これ、良くアンコールでやって見せてくれるソリスト多いですけど、格が違うなぁと思いました。
音も混じらないし、基本的な事だけど、移弦やフラジオから弦の押さえに切り替わる所なんて、本当に本当に、プロだから出来て当たり前なのかもしれないけど・・すごい。
出来なくていつも怒られていた身としては・・うん。

 

劉薇ヴァイオリンリサイタル」
2001年10/9 於紀尾井ホール
馬思聡:山歌 揺 曲 第二回旋曲 阿美組曲 
    無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(世界初演)
イザイ:ポエム・エクスタシー
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第3番

先日もここの欄で取り上げた、劉薇さんのリサイタルでした。
今回は紀尾井ホールで、しかも日本初演の馬思想の曲をやるというので、結構お客さんも多かったんです。
関係者やら、芸大の生徒さんたちやら・・
なのに、たまたま招待席が空いたもんだから、と、ど真ん中のいい席で聴くことが出来ました。
聞いた事のある曲も何曲か。
やっぱり、どこか不思議な懐かしさと洗練された感を受ける音です。
一緒に行った母は、すごく古い時代の、日本の歌謡曲に雰囲気が似ていると言っていました。
多分、大陸の民族音楽の影響を日本が受けているんでしょう。
民族によって「泣き」の旋律が違うと言いますが、同じアジアだけに日本と中国は似ているんではないかと思います。
でもって、やっぱり『阿見組曲」はいいなぁと思います。
今回、演奏が、というか、旋律がおもしろいなと思ったのは「回旋曲」です。
さて、初演の無伴奏ソナタ。
ヴァイオリンの無伴奏ソナタは、色んな作曲家の人が作っていますね。
今回の無伴奏は、昨年フィラデルフィアの家で発見し、それを読み起こすのが大変だったそうです。消えかかっている所、二段にかかれていて、どちらを採るつもりだったのか判らない所。
長い作業の末、今日の披露となったそうです。
楽章ごと、というよりも、全体的にまとまった感のある曲でした。
しかし、なんつーか
やっぱりホールの方がいい音するよね・・・当然なんだろうけど。
こないだの教会の時とは、全然音が違ったよ・・

 

文京区民オーケストラ第10回定期公演」
2001年9/16 於文京シビックホール
ブラームス:大学祝典序曲
ドビュッシー:小組曲
マーラー:交響曲第一番ニ長調


文京区のオケに行くのは、第二回公演の頃からですから・・何回目なんでしょう?本当に上手くなりましたよね―・・
最近は、まったくの心配をせずに聞く事が出来ます。
父の友人が結成当初からのメンバーなのですが、今回は練習不足だと言う事で、ちょびっとだけの出演。
マーラーは多分、CDではあっても、オケで聞いたことないんじゃないかと思うので、今回は全部初めて聞く曲でした。
大学祝典曲なんて、聞いたことなかったし。
こういう楽しい曲っていいですよね?
学生歌とか、行進曲みたいの。「威風堂々」とかああいう荘厳でいながら昂揚するような曲ってスキなんですよ。
これも、そんな感じの印象。ブラームスってこういう曲も作るんですね・・(偏見)
そして、ドビュッシー。いや、ピアノ曲が苦手なせいか、本当に聞いた事なかったです。
オケ用に編曲されたものらしいですが、ハープやフルートが多用されていて華やかで軽やかな印象の組曲でした。ドビュッシーの他の曲も聞いてみたくなりました。「月の光」くらいしか知らなかったし、ピアノだし(だから偏見って・・)、と思っていましたが、食わず嫌いは良くないですね。
そして、今日のメインイベント(笑)。マーラーの交響曲第一番。
マーラーもまた、苦手意識が働いてしまう作曲家です。
不協和音の多用だとか、病的にまで繰り返されるモチーフだとか。
でも、今回は楽しむ事にしました。
それに、この一番はとにかく物凄い!
力強いし、色んな楽器が鳴り響いて、緩急もあるし、飽きないですよね・・
でも、そんな曲もウィーン初演の時には「私達のうちがどちらかが狂っている。そして、それは私ではない。」と、批評家に酷評されたそうです(笑)。
それで落ちこんでしまったらしいマーラーは、曲に改訂に改訂を加え、現在の形になったのだそう。当初は5楽章ある交響詩の形だったそうですが、一体どんなだったんでしょう?
とにかく、1楽章がとか2楽章が、というよりも、全体を通して疾走感のある交響曲で、生での迫力にすっかり好きになってしまいました。
特に、様々なモチーフや音階、楽器が多用される3楽章から狂熱の4楽章へ。
もう興奮ものです。
パーカッションと管楽器が大活躍で、真正面の席だったので、シンバルやトライアングルの動きをすごい追ってしまいました。
最後の全楽器でのフィナーレの時、勢いあまった大太鼓が台から落ちそうになっていたのがちょっと笑えました。
すごい、良かったです。頑張った!


惜春、スプリングリターン」
2001年6/16 於池上ルーテル教会
劉薇(ヴァイオリン)
椎野伸一(ピアノ)

馬思聡:山歌
    思郷曲
    阿美組曲
山田耕作:からたちの花
岡野貞一:ふるさと
シューベルト:アヴェ・マリア
クライスラー:ベートーベンの主題によるロンディーノ
ベートーベン:ヴァイオリンソナタ第5番作品24「春」

アンコール曲
馬思聡:牧歌
タイスの瞑想曲


先日行った中国出張の時に知り合った方のお姉様です。
こういう縁が転がっているのって、何かうれしいですね。
とにかく、今回は、初めて聞く馬思聡の曲が楽しみでした。
教会を借りての小さな演奏会なので、プログラムやご案内の人々も手作り。
この馬という作曲家のことは、初めて知ったのですが。
フランスでヴァイオリンと作曲技法を習い、オペラからピアノ、交響曲など多数作曲した、所謂文化的ブルジョアな人だったようです。
と、聞いて何かピンときた人は中国通ですね?
そう。ご多分にもれず、彼も文革の嵐の中に巻き込まれ、アメリカに亡命します。中国国内での演奏は禁じられ、譜面も焼かれ、「売国奴」とレッテルを貼られた彼の名誉が回復したのは近年の事です。
劉薇さんは、東京芸大で学び、彼の作品をコツコツと集めつづけたそうです。
昨年はフィラデルフィアの彼の家に行き、未発表の楽譜も発見。彼女のおかげで、彼の音楽はまた復活(新生と言ってもいいのかな?)しました。
さて、その肝腎の曲ですが。
普通、中国人の作曲家。と聞いて連想するような、いかにも民族音楽っぽい音ではありませんでした。
かといって、欧州の所謂正統派と言われる曲調とも違う。
その底辺には、確かに中国のあの風土や民族音楽が流れているけれど、それらが洗練された新しい音として曲になっている感じです。
なんとも、表現し辛いんですが。
泥臭いのに泥臭くない。って言ったらいいんでしょうか?
とにかく初めて耳にする音で、とても素晴らしかったです。
特に「月亮」(阿美組曲の中の曲)が良かった・・
スプリングソナタやクライスラーについてはピアニストの椎野氏の解説付き。
この辺りは他の人のでも良く聞いてるし、奏者やバイオリンそのものによって音や表現方法がさまざまだなぁと思ったり。
でも、スプリングソナタに関しては、やっぱりヴェンゲーロフが一番好きかな。
劉薇さんのヴァイオリンも、馬思聡の曲を弾いている時が一番生き生きしていました。
同じ中国の人だから。と、いう単純な事で片付けたくはないですが、伝わってくる思いが、他の方が弾いた時とまったく違うだろうなぁ・・と、思います。
天満敦子さんが、ずっと「望郷のバラード」を弾き続けているように、劉薇さんにも、ずっと馬思聡の曲を弾きつづけていって欲しいと思いました。
あ、フィラデルフィアで発見した無伴奏の楽譜は、今秋に日本で初演されるそうですよ。

 

弦の競演
2001年4/21 於王子ホール
金木博幸(チェロ)
小川和隆(十弦ギター)

バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番
黛敏郎:独奏チェロのための「文楽」
ボッケリーニ:アダージョとアレグロ
シューベルト:アルベジオーネソナタ
ファリャ:7つのスペイン民謡より
バレエ「三角帽子」より“粉屋の踊り" 

アンコール曲
カサド:親愛の言葉
カザルス:鳥の歌


王子ホール、初めて入りました。
小ささも、照明や扉のどこなくクラシカルな雰囲気もとても好みでした。きれいだし。銀座のど真ん中と言う事がウソのようです。はい。
それはさておき。今回はお友達のチェロの先生である金木氏が行っているコンサートシリーズで、毎回組む相手がバラエティに富んでいるそう。
バッハの無伴奏チェロは、チェロでなく、十弦ギターの小川氏が演奏しました。十弦ギターなるものを初めて見ましたが、いやはや、ぶっとい!
指、届くの?っていうくらい太くて、なんだかとてもごついです・・私、ギターは詳しくないのですが、これ、十弦ある事によって、何か普通は出せないような和音とか出るのかなぁ?聞いている限りではちょっとわからなかったです。スミマセン素人で。
個人的には、やっぱギターはこう、ファリャみたくスペイン風の音楽の方が合ってるなぁと思いました。力強く弦を弾いたり、アクセントを出したり。ギターの持つ迫力とか力が出る気がしました。っていうか、やっぱギター一本で、しかもクラシックで、っていうのは、結構辛い・・・いや、もっと間近で手元とか見ていられれば別なのかもしれないですが。予想外にボッケリーニがギターとチェロでなんだかバロック風な音の雰囲気を醸し出していて、良かったです。
しかし、なんつーても今日の一番の驚きは『文楽』。
いきなり金木氏が羽織袴でご登場あそばしたのに、まずびっくり。
いや、日本の作曲家ってちょっと敬遠しているところがあったんですが・・・かなり反省。
文楽の和楽器の音にちゃんと聞こえるんですよ。弦を弾いたり、弓を飛ばせてみたり、そしてメロディも、決して日本風のメロディってワケじゃないのに、不思議に文楽の世界が広がってきて、人情や悲恋や別れや潔さ、色々な情景が伝わってきました。
相当、久々に目からウロコでした。珍しいもの聞かせていただきましたわ〜。ちなみに休憩時間のロビーはこの話題で持ちきりでした。
さてさて、先にギターはスペイン風の曲が合う、と書きましたが、チェロもそうですね〜vvなので、後半からアンコールにかけては、本当に良かったです。やっぱリズムの形態がスペイン風だと、すぐに「ピク」と、反応してしまいます。特にアンコールラストの曲はメチャメチャフラメンコに通じるものがあるわ。なんて偉そうに考えていたら、『鳥の歌』でした。
とほほ。なんで判らなかったんだ、あんな有名な曲。
ギター伴奏だったからかしら。(←言い訳)

 

俊友会管弦楽団特別演奏会」
2000年12/3 於文京シビックホール大ホール
一柳 慧 Coexistence W
メシアン トゥランガリラ交響曲
 
ここともリンクしているBergkatzeさんの奥様であるぺこさんにお誘い頂いて行って参りました。
はっきり言ってプログラムを頂いた時には、「???」でした。
メシアンって・・誰?オンド・マルトノって、何??
現代音楽っぽいので、苦手だなぁ、寝ちゃったらどうしようかなぁ・・と、思いながら出かけました。
でもってトゥランガリラ交響曲。
スミマセン、あまりにこっちが圧倒的だったので、1曲目は忘れてしまいました。
全部で10楽章、1時間半近い大曲です。
この曲があまり上演されない理由の一つに、オンドマルトノという楽器が不可欠な事、104人以上のオケが必要な事、そして、とても難曲である事、などがあるそうです。今回初めてオンドマルトノなるものを見ました。遠目からだと、一見オルガンのような楽器と、不可思議な形をしたスピーカーが置かれていて、これは・・?音はシンセサイザーより柔らかく、不思議な揺らぎがあります。この楽器は電子楽器の元祖で1928年にチェロ奏者であったフランス人のモリス・マルトノが発明したそうです。詳しい事はこの日の演奏者ハラダタダシ氏のHPに載っているそうです。(
ココから
メシアンと言う人は熱心なクリスチャンだったそうですが、その割にはこの楽曲の官能的で、攻撃的で、激しい事!あらゆる楽器が鳴り響く5楽章など、耳障りなほどのドラムやマラカス。ここまでパーカッションが目立つオケも珍しいです。その割には、私の回りで挫折してしまっている(「愛の眠りの園」笑)人々が居ました。正直言って私も前段に三枝成章氏のお話やプログラムの解説がなければかなり難しかったです。
三枝氏がブルックナーとメシアンはクリスチャンなので神の為に曲を書いているから、聴衆の事は考えていないという話に妙に納得してしまいました。マジ長いってば。
三枝氏は6楽章の「愛の眠りの園」を指して官能の海に溺れてください。と仰ってましたが、私としてはやはり5楽章「星の血の歓喜」でしょうか?この5楽章と6楽章を続けて聞いて、う〜〜〜む・・と納得。いや、納得っていうか・・圧倒されました。
メシアンのノートに「本当の恋人達の結びつきは宇宙的規模の変容である。」とあるそうですが、これはもうキリスト教的愛の世界ではなくて、ガムラン音楽とか曼荼羅図とかのエクスタシー世界だなと思いました。5,6楽章は正にエクスタシーとその後の深い眠りというか。とにかく珍しいものを聞かせて頂きました。
俊友会オーケストラは各地の学生オケのOBが中心となって作られたそうですが、さすがにその辺のアマオケとはレベルが違いました。人数もそうですが、実力も・・やはり知り合いの方が出るアマオケとか行くと、心のどこかで「頑張れ〜〜」と、拳を握ってしまうのですが。安心して聞いていられました。まぁ、音を一つ一つ聞き取ろうとかいう努力は空しい楽曲だったので、今度はまた違う曲で聞いてみたいです。なんにせよ、難しい曲で、まず長いし、楽章毎に拍が変わるし、とにかく全ての楽器が忙しい!!お疲れ様でした。
演奏する方も聞く方も、相当体力勝負な大曲でした。
CD買ってきてまた聞こうとか流石に思わないですが、生オケで聞けた事は、本当にラッキーでした。

 

マキシム・ヴェンゲーロフ無伴奏の夕べ」
2000年10/30 於東京オペラシティ タケミツメモリアル
バッハ:無伴奏ヴァイオリンの為のソナタ第1番ト短調BWV.1001
バッハ:シャコンヌ
バッハ:無伴奏ヴァイオリンの為のトッカータとフーガニ短調BWV.565
ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番ニ短調Op。108
ブラームス:ハンガリー舞曲 第7番/2番/5番

アンコール曲
ブラームスハンガリー舞曲第一番
ラフマニノフ:ヴォカリース
パッツィーニ:ゴブリンのロンド
 
いやぁ〜無伴奏なんて地味な出し物にも結構お客サンって来るんだなあ。
これってやっぱマキシムだから?
今日で最後。明日はマカオに飛ぶそうです。大変だ〜。でも、前に来た時みたいに日本からどっか行ってまた帰って来たりするよりかはマシか。
無伴奏なんて、もし眠くなったりしたらどうしよう・・とか思っていたのですが。まるで弾き手聴き手が一対一であるかのような不思議な緊張感があって、すごい集中して聞けました。
マキシムも今日はノータイで黒いシャツのみ。
ステージの上で一人で調弦したりして、なんか不思議な感じ。
無伴奏は昨今チェロが有名ですが、ヴァイオリンも良いですねえ。マキシムが今使っている楽器が落ち着いたゆったりした音を出すから余計そう思うのかな。新しいヴァイオリンにありがちなキンキンした音ではなくて。
今マキシムが使っているのは、ストラディバリのクロイツェルです。クロイツェルだよ。すんげ〜〜〜っっ
確か、これをGETした時日本にいて、手に入ったって、すっごくうれしそうにFANの集いの時に言っていたっけ。
この古い楽器にはこういう感じの曲が合ってると思います。例えばこれでチャイコンとか弾いたらどんなんだろう?合わないような気もするけど、もしかしたらすごく良いかもしれないし。聞いてみたい。
しかし、今日は初めの2曲の途中でキーンっていう超音波のような音が何度もしました。人間の耳が聞き取れるかどうかギリギリのイヤ〜な音。他にも気づいた人は居た様で、あたりを見まわしている人が数人居ました。途中でなくなったけど、無伴奏なだけに耳障りでとても残念。何だったのでしょう?TVの録画が入っていたからそのせいかなぁ?
ブラームスは相変わらず。というのもなんですが。パピアンのピアノは聞くたびになんか面白い〜。面白いって失礼な言い方なのかな?すっごい楽しくて、いいピアノだと思うんだけど。
ハンガリー舞曲あたりからノリノリで、アンコールまで勢いづいて突入。なんか、弾く事がうれしくてうれしくて、もう辛抱たまらんっヴァイオリン持って踊り出すんじゃなかろうかという、マキシム独特のエネルギーにあふれた演奏は、なんだかプログラム中よりもアンコールでの方が感じました。
好みは人それぞれだけど、私はマキシムには自由にのびのびと弾いてもらいたいって思ってます。これから、マキシムがどんどん大人になってゆくにつれ、演奏もどう変わっていくのか。見つづけていきたいと思ってます。
でも、いつまでもあの伸びやかさを忘れないで欲しいな・・・
終演後、ファンと会ってくれるって事で簡単ではあったけれども集いの席が持てました。彼はこれをいっつも楽しみにしているようで、ファンとしてもうれしい限り。ただ、ファンクラブが出来る前の集まりに比べて、なんだかずいぶん遠くなっちゃったわ。と、いうのも事実。仕方ないけどね・・青山の喫茶店でやっていたなんてウソのようです。この集いに関してはまた機会がありましたら報告したいと思います。
マキシムはテルデックからEMIに移るそうで、来年来日ががあるかは微妙なところだそう。
はぁ。怒涛のコンサート通いが終わってしまった・・・

 

マキシム・ヴェンゲーロフ協奏曲の夕べ」
2000年10/28 於東京オペラシティ タケミツメモリアル
モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調K.543
サン・サーンス:序奏とロンド・カプリオーソOp.28
ベートーベン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61

アンコール曲
バッハ:パルティータ 2番
 
今日はオケと一緒。
新日本フィルでした。団員が入ってきて、コンマスが登場した途端、隣に座った母が「あら!  サンじゃないの!」当たり前だっての。いや、ちょっとだけ関係があっていつもリサイタルとか演奏会の方に行かせてもらってるからね・・でも、彼は新日フィルのコンマスだってばさ。
指揮はヴァグパピアン。彼は指揮もピアノも行けるらしい。まあ、そう言う人は多いけどね。
しかし、オケとヴェンゲーロフへの拍手が違いすぎたな〜。まあ、みんな彼のヴァイオリンを聞きたくて来てるんだろうけど。ロン・カプは実は生で聞くのは2度目です。いやいや・・やっぱいいわ。こういう超絶技巧曲、結構好きです。演奏は曲芸じゃないけど、やっぱり「おおおおっっ」と思いながら聞くのも一興ですよね。
サン・サーンスは自分もピアノの名手で技巧的なピアノ曲を残していますが、ヴァイオリンも当時その技巧性が注目されていたので、このヴァイオリン曲を当時の名手サラサーテに献呈したそうです。サラサーテ自身も献呈される技巧曲に飽き足らず、「チゴイネルワイゼン」なんて超絶技巧曲を作っちゃうし、パガニーニといい、リストといい・・どうしてこう名手と言われた人達はこんなムッチャ大変な曲を作るんですかね〜?
しかし、ヴェンゲーロフはさすがに難なく弾きこなしていました。
そして、ベートーベン。なんというか、らしからぬというか。落ち着いた深い味わいのある曲です。華やかさとか強烈さには欠けるけど。その旋律を、何か聞いているだけで幸せな、穏やかな、癒されるような気持ちになるマキシムの演奏。馥郁たるワインか何かのようでした。これに触発されて、メンデルスゾーンはあの有名なヴァイオリン協奏曲を書いたそうですが、へぇ?って感じですね。メン・コンは華やかなだもんな〜。
ホント、偏見かもしれないけど世間で思われているベートーベンじゃないようです。数年前にマキシムがスプリングソナタを弾いた時にも思いました。これはベートーベン??って。まあ、もちろん曲調そのものもあります。それから今回はヴァイオリンが古楽器と言うせいもあるのかも知れません。楽器については無伴奏の項で。
しかし、今回はひとつだけものすご〜〜〜く、不満があります!!このベートーベンの協奏曲のラスト、まだ曲も終わってないのに拍手し出した人が居ました!!残響和音まで味わえとは言わないっオケ付きで、「ジャン、ジャン!」って、終わるから。でも、それっくらい最後まで聞け!感極まったのか、間違えたのか知らないけど、お前のせいで台無しだ〜〜〜っっ

 

マキシム・ヴェンゲーロフ
 ヴァイオリンリサイタル」
2000年10/25 於トッパンホール
モーツァルト:ヴァイオリンソナタ第40番変ロ長調K.454
ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番ニ短調Op。108
シューベルト:幻想曲ハ長調D.934
クライスラー:ウィーン奇想曲/美しきロスマリン/中国の太鼓

アンコール曲
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
パッツィーニ:ゴブリンのロンド
 
いやぁ〜2年ぶりの来日だったので、もう、浮かれてチケットを早々に買いこんで待っていました。
久しぶりの生マキシムです。
彼のファンになってからかれこれ4、5年経ちますが、聞くたびに幸せな気持ちになる演奏です。
今まで演奏者に特にこだわったことのなかった私ですが、彼のヴァイオリンに出会ってから本当に世界が変わりました。
それはおいておいて。
まず、トッパンホール。新しいホールなのでウキウキして期待して出かけたのですが・・ホールそのものはまあ、あの規模にしてはまあまあとしても。
所謂「ホールに出かける楽しみ」が満たされない事がとても残念です。
ロビーが狭いし、社交場としてのスタンディングバーがないし。ソファもたったの二つです!休憩時間に居る場所がなくてホール内に居るしかないなんて!!
近所だし、会員になろうかとまで考えていたのでものすごい残念です。あのあたりが改善されればもっと良いのにな。
さて、ヴァイオリンは基本的にリサイタルが好きな私です。ピアニストとの掛け合いも楽しめますし。
しかし、今回のヴァグパピアンはものすごかった(笑)。マキシムのヴァイオリンに負けない強烈なピアノ。以前組んでいたゴラン君よりも激しかったかも。特にブラームスでそれは顕著でした。
今回、シューベルトの幻想曲を初めて生で聞いたのですが、なんだか面白い曲でした〜。そんで、ヴァイオリンもそうですが、ピアノも相当難しそうな曲です。大変だーと、思いながら聞いていました。
しかし、今回の来日プログラムは普段だったらアンコール曲のような曲が入っているのがちょっと気になりますね・・・。
ヴォカリーズはしっとり聞けて、切なくて涙が出るほどヨカッタですが。
今日の聴衆は大変、よかったです。(偉そう)
皆さんマナーが良くて、また曲を良く知ってました。
残響和音も聞いていたし。いっつもこんなだと良いけど、まあ、このレベルが望めるのはやはり中ホールへリサイタルを聞きに来る人々くらいだろうなあ・・・
そうそう、その日私のどまんまえの席はマキシムのご両親が座っていました。

 

小金井市民オーケストラ定期演奏会」
2000年6/4 於中野ZERO大ホール
演目 ニコライ:ウィンザーの陽気な女房達
   シベリウス:交響曲第2番
   ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための協奏曲
 
最近、市民オーケストラの活動って、盛んですね。しかも、本格化しているし。
この日は、お友達がチェロで参加するので、行ってまいりました。
他の市民オケでは文京区のオケに良く行きます。
最初はとても人数も少なくて、「頑張れ〜〜」と、思ってしまう事も多々あったのですが、最近は人数もものすごく増えて、海外公演までやっているようです。

で、小金井市。
まだまだ人数は少ない方です。でも、かなり弦や管楽器に上手な人が多く、びっくりしました。
特に管楽器。今回は演目がかなり管の目立つ曲目だったのですが、本当に上手だったと思いました。
お友達のチェロも、とても大人になってから始めたとは思えないくらい、大曲を弾いていて「おおおっ」と、思いながら見ていました。
今回始めて生でブラームスのチェロとヴァイオリン協奏曲を、聞きました。
(これはゲストで東フィルの方がソロをやりました、)
いや、ブラームス=暗い というものすごい偏見&固定観念を持っていた私は、今まで敬遠していたのです。
でも、きれいな曲でした〜。ホントに。
チェロから入るのですが、今回チェロとヴァイオリンをじっくり聞き分けて思った事は、
「チェロの音は暖かい、ヴァイオリンは切ない。」
です。
私自身ヴァイオリンをやっていたせいかもしれませんが、懐かしい、切ない、声に聞こえました。
いやホント。オケに入るって言うのは時間も体力も消耗する事だし、よく頑張ったと思いました!

 

仮面舞踏会」
2000年4/11 於サントリーホール  
 
 ずっと観たいと思っていたヴェルディのオペラです。
サントリーホールで果たしてオペラが出来るんか?
という私の疑問に見事に答えてくれました。
このサントリーのホールオペラシリーズはオペラコンサー
ト、という名目で何度かやっているらしかったです。
確かに、このやり方なら、コンサートと言うわけでもなく
かと言って、大掛かりにセットを組まない分、お金も安く
済んで、私のような貧乏人のくせしてオペラを見たがる奴
にはもってこいです。
キャストはバスのスター、レナートブルゾンはじめ、
テナーのニール・シコフ、メゾのエレーナ・ザレンバ。
特に、ウルリーカ役のエレーナは秀逸でした。却って、
ソプラノの、ミシェル・クライダーより、良かったかも。
彼女は、ちょっと高音部の声が割れてしまっていました。
そして、意外な拾い物。(なんて言っては失礼か。)
小姓のオスカル役、ソプラノの天羽明恵の出来がとても、
良かったです。
日本人だから、なんて思っちゃいけませんね。
バックの、藤原歌劇団合唱部も東京オペラシンガーズも
非常に良かったです。
ホント、せめてこれくらいの値段でオペラが楽しめれば
良いのにね。
でも、やっぱり「仮面舞踏会」ならではの、セットや衣装
も楽しみたかったなあ・・なんて思う贅沢な私・・
だって、それもオペラの楽しみだもん。
値段を取るか、豪華な舞台に大金出すか・・・
難しいところっす。