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コンピュータウイルスの定義（Computer Virus）

コンピュータウイルスの定義は、明確に定まったものがなく、色々な定義があります。 最初にコンピュータウイルスと命名した学者である Fred Cohen（Senior Member of Technical Staff at Sandia National Laboratories）は、: 他のコンピュータプログラムに自分自身の複製を含ませる方法で、他のプログラムを変更することによって、伝染することができるプログラム。但し、この定義によって、ウイルスとして分類されるためにファイルを削除したり、ダメにしたりする様な明白な損害を与える事は必ずしも必要ない。

と定義しています。

国内での定義では、 通産省（情報処理振興事業協会：ＩＰＡ）が、

第三者のプログラムやデータベースに対して意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラムであり、次の機能を１つ以上もつもの。

自己伝染機能：自らの機能によって他のプログラムに自らをコピーし又はシステム機能を利用して自らを他のシステムにコピーすることにより、他のシステムに伝染する機能
潜伏機能：発病するための特定時刻、一定時間、処理回数等の条件を記憶させて、発病するまで症状を出さない機能
発病機能：プログラム、データ等のファイルの破壊を行ったり、設計者の意図しない動作をする等の機能

と定義しています。　

コンピュータウイルスについて

コンピュータウイルス自身もプログラム（あるいは、プログラムの一部）であり、プログラムあるいは、プログラムを含むファイル^（注１）にしか感染しません。一部に文書ファイルに感染するウイルスとか、電子メールの本体である「テキスト・ファイル」を読むとウイルスに感染する（チェーンメール【幸福の手紙の電子メール版】）と言った情報等がありますが、コンピュータウイルスはプログラムにしか感染しません。

ハードディスクやフロッピー等の外部記憶媒体のシステム部分：ブートセクターと言われています、にもプログラムが入っています。データフロッピーにもブートセクターはあります。このため、データフロッピーをドライブに挿入した状態でパソコンの電源を入れ、しばらくすると、

Non-System disk or disk error       
Replace and strike any key when read

と表示されます。このメッセージは挿入されているフロッピーのプログラムが表示しています。ブートセクターに感染するウイルスの場合は、このブートセクターに自分自身をコピーし、ブートプログラムを別の場所に格納します。パソコンの電源を入れると、最初にブートセクターに入っているウイルスプログラムが実行され、次に別の場所に格納されたブートプログラムが実行されます。この事から分かる様に、上記メッセージが表示された段階では既にウイルスは活動しています。

(注１): プログラムを含むファイルとしては、現在は「マクロプログラム」が記述できるものがあり、ワープロソフトや表計算ソフト等で作成されたファイルがあります。ワープロソフトで作成したファイルは「文書ファイル」と呼ばれていますが、実際にはマクロプログラムを書く事ができる部分があります。このため、この部分にコンピュータウイルスが組み込まれます。ワープロソフトを起動し、マクロ部分にウイルスが組み込まれたファイルを読むと、自動的にマクロが実行（厳密に言えば、ワープロソフトが「文書ファイル」のマクロプログラムを解読・実行【この様なプログラムを「インタープリター」と呼んでいます。】）するため、マクロプログラムに書かれているウイルスがワープロソフトのマクロプログラム部分に自分自身をコピーします（感染機能）。その後、感染したワープロソフトを起動し、文書を作成したり、編集したりすると、それらのファイルのマクロ部分にウイルス部分がコピーされて感染が他へ広がっていきます。（マクロウイルスの情報は「マクロウイルス情報」の項目を参照して下さい。）; これらの事から、今後もイメージ、ビデオ、動画等のファイルにマクロプログラム等が添付されるようになれば、同様な危険は十分に考えられます。（現在のイメージファイル：GIF、JPG等ではマクロプログラムが添付される事はありませんので、ウイルスに感染する可能性はありません。）


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