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チェルシーの参照文献


 ★:どれか一冊という人向け
 ◎:さらにもう少し勉強したい人向け


★ Elizabeth Adams "Chelsea Porcelain" (1987, 2001rev)
 数多いチェルシーに関する研究書の中でも、本書は最新の優れた解説書である。チェルシー作品は、マークによって時代区分されているが、その全ての時代について、写真を添えながら丁寧に解説している。なお、本書は2001年に改訂版が出版されており、解説、写真ともに大幅に拡張されている(未読)。


F. Severne Mackenna "Chelsea Porcelain The Triangle and Raised Anchor wares" (1948)
              "Chelsea Porcelain The Red Anchor Wares" (1951)
              "Chelsea Porcelain The Gold Anchor Wares" (1952)


Yvonne Hackenbroch "Chelsea and Other English Porcelain, Pottery and Enamel in the Irwin Untermyer Collection" (1957)
 英国・欧州の陶磁器から、家具、刺繍・タペストリー、ブロンズ彫刻、銀器に渡る、膨大なUntermyerコレクションは、現在はニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されている。このコレクションは、全6冊のカタログに整理されて出版されているが、その2冊目に当たるのが本書である。(ちなみに、欧州大陸磁器作品は、"Meissen and Other Continental Porcelain"(未読)としてまとめられている。)
 全350点ほどの掲載作品のうち、約310点が磁器で、書名にも端的に表れているとおり、そのうちチェルシー作品が約240点と大半を占めている。その他の窯としては、ボウとダービーが各20〜30点ほどある。また、作品としては人形あるいは動物の像が多いことが特徴である。写真が大きく、カラーのものも比較的多い。解説も丁寧で、優れたカタログである。


John C. Austin "Chelsea Porcelain at Williamsburg" (1977)
 米国の旧植民地時代から続くウィリアムズバーグの町にある18世紀英国磁器の貴重なコレクション(DeWitt Wallace装飾美術館蔵)のうち、チェルシー作品をカタログ化したもの。約140作品が掲載されているが、最初期に当たる1740年代(三角形マーク期)の作品が約30点あるのをはじめ、初期作品が多いのが特徴である。銀器を模した作品の横に類似の銀器の写真を並べたり、絵付け作品の横にその原典を載せているなど、意欲的な解説がなされている。写真も大きい上に、カラーが比較的多く、とても見やすい。巻末に、1755年のチェルシーのオークション・カタログ(英国磁器に関して現存する最古のオークション・カタログ。「コラム5」参照。)の現物が、そのままの形で採録されている。なお、本コレクションの中のウースター作品は、Samuel M. Clarke著"Worcester Porcelain in the Colonial Williamsburg Collection"(ウースターの参照文献のページを参照。)として別に出版されている。


Frank Stoner "Chelsea Bow and Derby Porcelain Figures Their Distinguishing Characteristics" (1955)
 タイトルからも分かる通り、磁器人形で英国を代表する三つの窯の作品の特徴を比較することに力点を置いた本である。土台、造型、色、マークなどについて三つの窯の特徴を比較した上で、各窯の個別作品をカタログ的に整理している。作品数で見ると、チェルシーが約40点、ボウが約50点、ダービーが約20点掲載されている。古い本ではあるが、英国磁器人形に関しては、今でも主要文献の一つである。


The Chelsea Society "Chelsea China from Private Collections" (1999 Exhibition Catalogue)
 150の個人所有の逸品ばかりを集め、時代や特徴によって分類した展覧会のカタログである。各作品の解説はかなり詳しいのだが、残念ながら40余りの作品しか写真が掲載されていない。(掲載されている写真は全てカラーで美しいが。)