ボウ ティーポット (1750-52年頃)
A Bow Tea Pot Ca.1750-52
ボウの球形のティーポット。白磁の上に花と枝葉が浮彫りで施されている。一般に、このような浮彫りには梅が用いられることが多い(ボウ「B2」、ボウ「B6」及びボウ「B18」を参照)。しかし、本品の花の場合、花びらの枚数が違う(梅は5枚だが、本品の花は6枚)上に、二重(計12枚)になっており、梅ではないだろう。文献によってはバラだとしているものもある。
コンディションは「満身創痍」で、注ぎ口は金属に取り替えられ、取っ手(元々はループ型?)は上部と下部は残っているが(と言っても、一度こわれたものを張り付けてあるのだが)、中央部は欠損している。蓋は奇跡的に残っているが、つまみは無くなっている。
本体裏面に、大きなX印が刻み込まれている。これは、アルファベットの"R"など、1750年代初頭の作品に見られる刻み込みによるマークの一つだと思われる。(ボウ(B18)及びボウ(B32)を参照。)
高さ(Ht):10.5cm
マーク:裏面に刻み込んだ"X"
Mark: An "X" incised on the bottom
参照文献/Reference:
-Elithabeth Adams & David Redstone "Bow Porcelain (revised edition)" Plate 39
(2016年7月掲載)