トップ(top)   ウースターのトップ

ドクター・ウォール/ ジェイムズ・ジャイルズ工房
「リボンから垂らされた花のペンダント」模様コーヒーカップ (1770-72年頃)
Dr. Wall/James Giles Studio
"Formal Swags of Flowers Pendant from Bows" CoffeeCup Ca.1770-72

 ループ型の取っ手を持つ典型的なウースターのカップ(ウースター「W20」参照)に、ロンドンのジェイムズ・ジャイルズ工房が金彩を施した作品である。ジャイルズ工房は、英国の各磁器窯、特に、ドクター・ウォール期ウースターから多くの絵付け依頼を受けていた。有名なのは「ファンシー・バード(Fancy Bird)」などと呼ばれる豪華な鳥の絵付けであるが、実際には、ありとあらゆる種類の絵付けが行なわれた。金彩のみの作品も多く、本品はその典型例である。ジャイルズ工房の金彩には、いくつかの明確な特徴があり、本品の場合、口縁飾り(dentil rim)が比較的大きく三角形になっていることと、取っ手側部の金彩が線から点へとつながっていることが、判別の大きなポイントとなる。(ウースター「W2」及びウースター「W21」参照)。
マーク:なし
Mark: None