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ドクター・ウォール マイセン風ティーカップ (1765-75年頃)
Dr. Wall Meissen-Styled TeaCup Ca.1765-75

  

 マイセン風(あるいは欧州大陸風)に自然に描かれたバラの花や蝶などが大きく配されている。カップ内部には、今にも咲きそうなバラのつぼみが同じように大きく描かれている。カップの形状もマイセンに倣ったものである(ウースター「W11」参照)。口縁には金ではなく、茶色のエナメルが引かれている(ボウ「B3」参照)
 裏面マークは、マイセン双剣のウースター・バージョンであり、マイセン風(あるいは大陸風)の作品に付けられたものである。剣は下向きで剣先の間に数字の9と点(あるいは短い線)が添えられる。Gerald Cokeは、その著書“In Search of James Giles”(1983)の中で、このマークが付いた作品の大半はジェイムズ・ジャイルズ工房で絵付けが行われた(ジャイルズ側がこのマークを希望した、あるいは、ウースター側が自社絵付け作品と明確に区別するために、部外絵付け用の白磁にこのマークを付けた)としている。
 一方、John Sandonの"The Dictionary of Worcester Porcelain"(1993)によると、このマークの付いた作品は一般的にウースターが自ら絵付けをしており、ジャイルズ工房で絵付けが行われたのは一部に過ぎないとされている。
 なお、Simon Speroは、彼の著書"Worcester Porcelain The Klepser Collection" (1984)の中で、1767年から71年までは、ジャイルズ工房は契約に基づき、ウースターの「エナメル絵付け分室」の様相を呈しており、この間はウースター社自身では簡素な花模様やスケール・ブルーなどの青地作品以外はエナメル絵付けはあまり行われなかったとしつつも、個別作品がジャイルズ工房の作品か否かの判別は難しく、今後一層の研究が必要としている。(「参照文献 ウースター」ウースター「W18」及びウースター「W21」参照。)
マーク:裏面に染付けで「交差する双剣、9と点」(写真右上)
Mark: <Crossed Swords, 9 and a dot> painted in underglaze blue on the bottom (plate right above)