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プリマス 少年と山羊の像(あるいは四季のうち「秋」)(1768-70年頃)
A Plymouth Group of Boys and a Goat (or 'Autumn' from the Seasons) Ca.1768-70







 プリマスの2人の少年と山羊のグループ像。ぶどうを持っていることから、四季のうち「秋」を象徴する像でもあると考えられる(同様の作品で、ぶどうではなく花を持っているものもある)。なお、本品の山羊の部分は後世に作り直されたものであり、オリジナルではない。

 本品のような、二人の少年と山羊の像(山羊がいない作例もあるが)は、もともとヴォクソールで作られていたものが、ボヴィ・トレイシーを経てプリマス伝わったと考えられている(この一連の経緯については、プリマス(P2)の説明文を参照)。なお、それらヴォクソール作品は、かつてはロントンホール製だと考えられていたが、現在では改められている。

 プリマスの作品は、本品のような、背が高く大きなスクロールのある台座が特徴であるが、ヴォクソールの作品の台座はもっと低く少し波打つような形をしている。また、プリマスが硬質磁器であるのに対して、ヴォクソールは軟質磁器である。

 V&A美術館に本品類似作品が収蔵されている。
http://collections.vam.ac.uk/item/O336559/group-plymouth-porcelain-factory/

 また、大英博物館にも、台座の形状等も含めて本品に類似した白磁作品があるが、同博物館サイトではヴォクソール作品とされている。ただし、ブライアン・アダムス(下記参照文献を参照)は、成分分析の結果も踏まえ、多分ボヴィ・トレイシー製だとしている。
http://www.britishmuseum.org/research/collection_online/collection_object_details.aspx?objectId=836&partId=1&searchText=plymouth&images=true&material=17994&page=1


マーク:なし
Marks: None
高さ(H):15cm
参照文献/Reference:
-Brian Adams "True Porcelain Pioneers The Cookworthy Chimera 1670-1782" pp.158-159, pp.177-178, pp.180-181, pp.200-201, pp.204-205 & pp.256-257
-English Ceramic Circle "Ceramics of Vauxhall 18th century Pottery and Porcelain" p.93
-Geoffrey Godden "Eighteenth-century English Porcelain A Selection from the Godden Reference Collection" Item 57 (p.211, Pls. 171-172 & Colour Pl. XIX)
-F. Severne Msckenna "Cookworthy's Plymouth and Bristol Porcelain" Fig.9 (Pl.9, in colour and pp.91-92), Fig.88 (Pl.50 & p.103) and Fig.89 (Pl.51 & p.103)
-Bernard Watney "Longton Hall Porcelain" p.38 and Plate 64A (*now reattributed to Vauxhall)


(2018年1月掲載)