プリマス マグ(1768-70年頃)
A Plymouth Mug Ca.1768-70
プリマスの小振りなマグ。胴体の下部が膨らみ、いったんすぼまったあと高台の裾が再度広がっている。取っ手はループ型で背の部分に溝が入っている。くすんだ色の素地には灰振りも見られる。(プリマス(P5)を参照。)
裏面には赤いエナメルで数字の2と4を組み合わせた記号のマークが記されている。これはプリマスの窯印とされているものだが、この記号は占星術における木星(Jupiter)を示すとともに、錬金術における錫(tin)を示すものでもあり、プリマス近隣のコーンウォール州が錫の産地であったこと、そしてプリマス窯の経営者William Cookworthyが化学者であったことと関連していると考えられている。
絵付けは、ウースターでも描かれている「キリン(Kylin)」と呼ばれる東洋風図柄である(Group Photos 2. Teapots、ウースター(W14)、ウースター(W15)及びチェンバレン・ウースター(CW3)を参照)。
マーク:裏面に手書きで赤で2と4を組み合わせたマーク
Mark: A mark of 2 and 4 conjoined painted in red on the back
高さ(H):10.8p
参照文献/Reference:
-F. Severne Mackenna "Cookworthy's Plymouth and Bristol Porcelain" Plate 26 (Figure 41) and p.96
(2016年12月掲載)