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ウエストパンズ　マグ (1770年頃)
A West Pans Mug C.1770

　ウエストパンズのマグ。ウエストパンズ(WP1)と同様のスクロール枠の浮彫りが施されている。取っ手も同じくダブル・スクロール型である（ロントンホール(LH6)及び(LH10)を参照）。

　マグ上部が釉薬下の青で染め付けられているが、この青は、経営者ウィリアム・リトラー(William Littler)の名前を取って「リトラーの青(Littler's blue)」と呼ばれている。このリトラーの青は、ムラもあり、その原初的な姿から、かつてはロントンホールの初期作品に見られるものと考えられていた。しかし窯跡発掘を経て、現在はウエストパンズ作品の特徴だとされている。

　本品には、浮彫り以外の装飾としては、この縁部分の青い幅広の地色しか残っていない。同様の状態にあるウエストパンズ作品は少なくないが、元々は青地の上に金彩装飾が施されていた可能性が高いとされている。

高さ(Height)： 11.5cm

マーク： なし
Marks： None

参照文献/References
- George R. Haggarty "Out of the Blue 18th Century Scottish Porcelain" Illustrations 61-64
- Phillips Catalogues"The Watney Collection of Fine Early English Porcelain" Lots 107 & 108 (Part I)

（2018年3月掲載）