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浅野琢也の雑記帳21 2012年01月01日〜02月29日

あさのたくやのざっきちょう Takuya Asano Web 平成24年


2012年 2月26日

『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(2011年) ルパート・ワイアット監督作品を観た。
製薬会社でアルツハイマー型認知症の治療に細胞を修復するウィルスを研究して
いるウィル・ロッドマンは、チンパンジーを使った実験に成功する。しかし
成功したサンプルの雌のチンパンジーが暴れてしまい射殺される。暴れた理由は
妊娠だった。そしてウィルは、その子供のチンパンジーを家に連れ帰る。
名前は、シーザーとつける。母親から特殊な遺伝子を受け継いだシーザーは、人間の
子供以上に知能が高い成長をとげる。ウィルはアルツハイマーが悪化した父・チャールズに
開発途中の新薬が脳を活性化させる事を確信して投与する。父は、翌日から正常な状態に
戻る。昔の邦画に「恍惚の人」という作品があったのを思い出した。そして5年の歳月が
経った。ウィルはシーザーの怪我を治療してもらった時に知り合った動物園の獣医キャロライン
と交際していた。父チャールズの病状が悪化しだす。免許が取り上げられてているのに隣人の
パイロットの車を自分の車と勘違いして縦列駐車してある所で前進とバックをしてぶつけて
しまい隣人とのトラブルになる。その様子をシーザーが見ていてパイロットの指を噛んで
しまう。そして裁判所命令で霊長類保護施設に入れられる。施設にコーネリウスという名前の
チンパンジーがいるあたりは、懐かしい感じがする。ウィルは、父親で治験した事を
上司に話して会社は、より強力に改良した新薬を開発して実験する。しかし投与中に薬を
吸ったウィルの同僚が原因不明の体調不良を訴えた後、出血して死んでしまう。
新薬は、ウィルスを使っていたため感染力がある危険なものだった。人間は死んでしまうが
猿は、抗体があり脳細胞が発達して知能が上がり人間みたいにウィルスで発病しない。
そして霊長類保護施設のリーダーになりウィルの家から薬を持ち出して他の猿達に与えて
暴動を起こす。そしてゴールデンゲート・ブリッジで警察と戦う。これが人類滅亡に繋がる
かの様に、エンドロールでシーザーに噛まれて感染したパイロットが移動した空港から
全世界に感染が拡大していくマップで解る終わり方だった。1970年代の「猿の惑星」
では、宇宙からの未知のウィルスで犬と猫が絶滅して銅像になっていた。ウィルスを使った
新薬は、そのオマージュみたいだ。植物のF1種なら繁殖しないDVDのコピー・アット・ワンス
みたい構造だがウィルスだと繁殖を押さえるのが難しいようだ。遺伝子加工食品の人体に
与える影響は無いのか少子化の原因になっていないか疑問だが解明されるまで時間がかかり
そうだ。そんな事を考えさせる映画でもあった。



『トゥルー・グリット』(2010年) コーエン兄弟監督作品を観た。
1969年の西部劇映画『勇気ある追跡』のリメイクだが、私は、オリジナルは、
まだ観ていない。わずか2枚の金貨のために父親を殺された少女マティーが、
トム・チェイニーと名乗る犯人が街の保安官の管轄外になるインディアン居住区に
逃げたので賞金をかける形で片目の連邦保安官・コグバーンと共に追跡する。
トム・チェイニーはテキサスでは上院議員を殺しておりテキサスレンジャーの
ラ・ビーフも追跡している。
テキサスの事件も賞金がかけられており、自分の管轄で裁きたいと追っている。
チェイニーはラッキー・ネッド一味に加わっており大勢と戦って捕まえないと
ならない。マティーとコグバーンが小屋での待ち伏せをしていたらラ・ビーフが
乗り込んでブチ壊してしまう。3人で追い詰めるが最後にマティーが川で遭遇して
チェイニーに人質にされる。マティーはチェイニーから銃を奪って反撃する。
少女なので油断したようだ。そしてライフルで撃ったらガラガラヘビのいる洞穴に
落ちてしまう。そしてコクバーンとラ・ビーフに助け出される。ヘビの毒をコクバーン
が吸い出しても残っている。コグバーンはマティーを馬に乗せて街へと急ぐ。
途中で馬が倒れる。コグバーンは倒れた馬を安楽死させてマティーを抱き上げて
歩き出す。街の灯りが見える。そして賞金を受け取らず去ってしまう。
少女だけど法律に詳しいマティーは、様々な手続きをして父の遺体の棺桶を汽車で
送る場面はラストとダブる。街に着いてから25年後にコクバーンは興行で舞台に
出ているとチラシが届いてマーティーが着くと高齢で3日前に死んだと聞かされる。
そしてコグバーンの亡骸を父の時の洋に棺桶で家に送って自分の故郷に墓を立てる。
ガラガラヘビの毒で片腕を失っていた。マーティーは独身を通した。
父親の残した銃がコルト・ドラグーンで銀河鉄道999に出てくるコスモ・ドラグーン
の元ネタなのかと思った。悪党チェイニーの罪が明確で復讐劇としてはスッキリしていた。
少女マティーのネゴシエートが見事だった。



2012年 2月18日

『本日休診』(1952年) 渋谷実監督作品を観た。病院経営を息子に任せて顧問と
いう形で下町の「三雲医院」にいる老医師が主人公だ。戦争で息子を失って甥を
院長にしている。病院が出来て一周年となり休診なので甥の院長や看護師が
外出している時に、様々な事情を抱えた患者が来る。病院に残っている老医師は、
患者を受け入れる。医は仁術というポリシーがある。この時代は、終戦後で
国民皆保険が行き届いていない。身なりで受診拒否された患者を引き受けると
盲腸で手術をする時に、看護師を断った病院から借りたりする。セツルメント運動
で労働者達が病院を作りはじめた時代とダブる。その後、社会保険で本人負担が
初診料の800円のみになるが現在は、3割負担に差額ベットという高額負担だ。
制度が充実するべきだが、第二次世界大戦の敗戦後レベルに悪化している。
現在、受診拒否は違法なので大っぴらには出来ないがベットが塞がっているなど
理由を付けてバレない程度に行われているように感じる。そんな現在に半世紀以上
前に作られた映画を観ると現在との共通点や共感をえることができる。
電車に住んでいる患者の家に往診に行くシーンなど見ごたえがあり、しかも面白い
作品だった。入院料が払えないと大勢で患者をリヤカーで連れて逃げたりする場面
もあった。貧しくても助け合いの精神があったようだ。国の医療制度改革で、
医療現場の環境は悪化した。入院となると保証金に保証人を要求する。医療機関が
金・金とギスギスしてしまう経営状態になってしまった。当時は少なくとも、
「差額ベット」なんか存在しない時代だった。私が安心して治療出来ない病院環境を
日本アンデパンダン展のインスタレーション作品で批判しないで済む時代だった。
それが21世紀になって休診どころか病棟閉鎖が現在の日本の医療制度だ。
レインメーカーみたいな医療保険業者が人の命を助けないで金だけ騙し取る事が
起こらないとも限らない。この手の情報には注目するべきだ。



2012年 2月12日

『探偵はBARにいる』(2011年) 橋本一監督作品を観た。ススキノの
バー・ケラーオオハタを連絡先にしている探偵(俺としか言わないので名前は
判らない)に口座に金を10万振り込んでから依頼の電話が来る。
BARケラーオオハタにはオセロが置いてある。未だに黒電話だ。そこに本名を
名乗らない近藤京子と言う謎の女から弁護士事務所に行って
「弁護士の南に去年の2月5日、カトウはどこにいたかを聞いて欲しい」
質問をして相手の様子を報告するだけだと言われる。所が聞いた後で、拉致されて
雪の中に埋められてしまう。だが自力脱出できた。手を引かないと本当に殺すという
警告のようだ。この時、父親の形見のオメガが壊れたりする。高田という北大の
農学部の助手が親友で運転手のアルバイトをしてくれる。空手の師範をしているので強い。
映画の最初に石狩平野にポッンと設置された公衆電話に車で迎えに来る時に牛用の毛布を
持って来てしまう気の効かなさがある。セリフから友達は探偵だけらしい。
なんだがグリーンホーネットの加藤の雰囲気がする。
情報元に地元の新聞記者と学生の時に家庭教師のアルバイトした先が地元のヤクザの
桐原組の親分所だった。その繋がりで現在は桐原親分の娘の素行調査の長期依頼を
請け負っている関係で裏社会の情報も入る。
「霧島グループ」の社長が暴漢から女性を助けようとして殺された事が
判ってくる。更に調査を続けると地上げに絡んだススキノのビル地上げ
で放火があり霧島社長の娘の近藤京子が焼死して事件を調べていて真相に
辿り着きそうになり性格を知っている犯人の罠だった事が判明する。そして放火の
実行犯の少年が江別の川でシンナー中毒の死体で発見される。江別市の川なら石狩川
みたいだ。そして屯田兵の精神で少年を鍛える道場が関係している事を知る。
調べて行くと江別で死んでいた親の羽振りが良いのが不自然だ。
道場に行くと代表が戻って来て雪の中に生き埋めにした男だと解る。
そこで相手が銃を乱射する。弾は全部外れる。銃を投げつけられ顔に当たる。
ここで銃を拾ったらしい。そして戻って来た大勢と乱闘になりスノーモービルで
逃げる途中で道場で血を流していた少年を1人連れて車で逃げる。
この車、エンジンの調子が悪くカカリが悪い。かかるとバックファイアーして
走り出す。少年を中央警察署の前まで連れて行く。霧島社長の事を聞くと慕われて
いた事がわかる。新左翼(ニューレフト)で離婚する状況になった過去がある。
関西から進出して来た裏社会の人間が地上げに絡む放火の黒幕だと調べる。
雪祭りの日に殺された霧島社長の妻・沙織が経営しているクラブは、地元の新聞記者の
画像データを取り戻して30万貰った時に行った事がある。総ビーズ刺繍の白のカクテル
ドレスを着ていた。事件を調べていくと関西裏社会の銀漢興産の岩淵だと解る。
ススキノでシンナーで殺された少年の父親が豪遊してた帰りに出くわして競馬で
勝ったにしては不自然だとビルの屋上で問い詰める。「ヤマがあれば、こんな事に
ならなかった」と言うから炭鉱の閉山で収入を得られなくなった設定のようだが・・
年数が経ちすぎている。拓銀の倒産の時に関西から進出してきた組織が黒幕だと
解る。拓銀の倒産は現在から15年以上前の話だ。原作が書かれてから映画化される
までのタイムラグみたいだ。黒幕が解ると殺された霧島社長の妻だった沙織がヘリコプターで
現れる。銀漢興産の社長と結婚の予定だという。そして最後の依頼の電話が来る。
30万円で小樽のハーバー・ライトという喫茶店に沙織を呼び出して様子を見てくる
だけだという事だ。結婚式の時間までに探偵は小樽の喫茶ハーバーライトで待ち続ける。
沙織は現れない。結婚式の直前に探偵が電話をすると椅子の下に手紙があると言われる。
そこで依頼人のコンドウ・キョウコと沙織が同一人物で探偵を札幌から遠ざけて復讐する
時間かせぎだと気付く。結婚式が始まり新婦となってウェデイングドレスのまま、結婚相手
の新郎の岩淵社長と岩淵会長に顧問弁護士の南を式場で射殺して自分も頭を撃ち抜いて沙織も
自殺してしまう。『オリエント急行殺人事件』の出だしでポワロが犯人に目前で頭を撃ち抜いて
自殺する場面で真実や正義だけでは、いけないと悩む場面の衝撃や日輪の遺産を観たばっかりで
又かと言う感じもしたが復讐を成功させて自殺する場面は復讐劇としてはスッキリとした
幕引きだ。探偵が列車で札幌に戻ると事件は終わり騒然としているホテルから担架で
運び出されている。担架からはみ出した白いドレスの裾で沙織がどれだか解る。
事件が終わりバー・ケラーオオハタに戻ると殺された霧島社長の形見の腕時計を預かって
いるとマスターに差し出される。最初の依頼で壊れた探偵の父親の形見のオメガの代わりらしい。
事件の後で探偵は北大の助手の高田と羊ヶ丘展望台のクラーク博士の像の前に車を停めて
話をしている。もう車は、買い替え時だと話してエンジンを掛けるとボンネットが跳ね上がって
映画が終わった。以外に退屈させない演出が良かった。新左翼(ニューレフト)時代に岩淵と
霧島は、一緒に活動していたが霧島は、岩淵のせいで妻子と離婚する因縁があったり面白かった。
活躍する探偵というより依頼人に利用される探偵というのは面白い。続編も出来るらしい。
札幌は、冬より6月の中島公園に出店が並ぶ「札幌祭り(北海道神宮祭り)」の時期が良い。
劇中に「殺されるとオートパイ・サーカスが観られなくなる。」とか「人は死ぬ前に自分の
一生をフラッシュで映画のように観られる。いい映画観ろよ。」「法に頼らない幕引きも
ある」みたいセリフが入っていた。



『デンデラ』(2011年) 天願大介監督作品を観た。70歳になると山に
捨てられる掟の村があった。30年前に捨てられた老婆が自分を捨てた
村を復讐に焼き討ちする為の集落を作っていた。そして50人になったら
村を襲う計画を立てていた。集落では、自分の子や孫を殺したくないと言う
者もおり、強制でないが、臆病者と呼ばれるだけだった。そして50人に
なった時、不作で山の動物が痩せて熊の親子が集落を、遅い人を喰いだす。
復讐どころでは無くなり熊との戦いになる。それで人数が減っても村へ襲撃に
向かうと雪崩れで人数が減ってしまう。集落に戻りデンデラを作った老婆も
死んでしまう。髪に挿した白骨が鬼の角みたいに見える。なんだか山姥の
集合体で原始共産主義社会みたい感じだ。最後に主人公が熊を人里に誘い
出して熊と向かい合って終わる。捨てられた理由を「貧しいから」だけで
終わらせていいのだろうか?デンデラでは、自給自足で生きられている。
村で暮らすと一家に人頭税式の年貢が課せられるとか貧困の原因の描写が
無いのは、不自然だ。後半はスプラッターやホラー映画になってしまって
いた。回想シーンのフラッシュ・バックを、多用しすぎてしまいストーリー
の流れを遮り結果として映画を難解にしていた。女性の生命力の強さと執念
深さばかり強調されていた。楢山節考 (1983)の続きとして観たので違和感
が強かった。



『日輪の遺産』(2011年) 佐々部清監督作品を観た。原作は、浅田次郎だ。
フィリピンから日本に運ばれた金塊がマッカーサーの物という設定だった。
それを極秘裏に最終決戦兵器として多摩川を隔てる山林の洞窟に隠すために
20人の女学生と英語教師を使う。側車付きオートバイに乗って謎の将校が
命令書から命令書を渡される。作業が終わったら全員、毒殺して口封じせよと
言う内容だが確認すると毒殺しないでも良い事が解る。しかし栄養剤と書いて
あり全員が飲んでしまう。毒が効かず苦しむ者は、銃で楽にする事になる。
状況を知った英語教師は、自分が引率しらければならないと少女達と生死を
共にする。マッカーサーとの交渉で少女達に引導を渡した将校は、財務省に
戻り交渉決裂したハラキリと言って目前で頭を撃ち抜き自害する。
財宝は、米兵に発見されるが少女達の白骨死体を見て財宝を、そのままにして
洞窟を封鎖してしまう。そして米軍用地として厳重に現在も警備されている。
米軍用地はゴルフ場になっていた。金塊に手を付けないなら戦争で何万人も
犠牲にする道は、選ばないのではないかと複雑な感じだった。007シリーズの
ゴールドフィンガーでは、アメリカの金を保管しているフォート・ノックスを
襲撃して金塊を核爆弾で被爆させて使用できない期間を作り金の相場を上げる
ストーリーだったので白骨で封印する事は、不自然に感じた。
アメリカの国庫に金塊分の予算が入れば何万人の人間を助ける事が可能だ。
戦争は勝敗より勝者も敗者も犠牲者が出る。障害を負ったりする人数も多い。
アメリカのADA法という社会保障制度は、戦争で障害者が出る事を想定して
作られている。そんな事を、思い出した。



2012年 2月 6日

『愛染かつら 完結篇』(1939年) 野村浩将監督作品を観た。染めると言う文字から
ウィッグの「カツラ」を連想していた。漢字だと「桂」となり、お寺の桂の木に触ると
「困難な恋愛がいつか成就する。」という事だった。主人公の克枝は、病気がちの
小さな子持ちで夫に若くして先立たれ子供を、姉の子と偽って看護師として働いている。
ある日、病院の跡取り息子の浩三が、博士号を貰う。病院の従業員で、お祝いをする。
その時に、歌を歌う時に、ピアノ伴奏してもらう。それが縁で、顔見知りになり墓参りの
途中で遭い一緒に歩く。そこに「かつらの木」があり跡取り息子から木の由来を聞く。
跡取り息子が、いきなり熱海の友人の医者の所に遊びに行く。時を、同じくして克枝と
姉と娘が熱海に行く。そこで子供が熱を出す。浩三が遊びに来ている病院が込んできて
手伝う事になり小児科が専門なので克枝の子供を診る。苗字で克枝の子だと気付く。
克枝は、独身と偽って働いていたので、病院を止める。そして作曲コンテストで優勝して
歌も歌えるのでレコード歌手になる。日比谷のステージで歌うイベントに出る。
その時、職場の看護師の仲間達や浩三達が白衣のまま歌を聴きに駆けつけてくれる。
克枝は、衣装に白衣を選んでステージで歌う。田中絹代と上原謙が主演の映画だ。
「花も嵐も踏み越えて」という主題歌で有名な映画だけど見る機会が無かったので
観られて良かった。昔の映画なので、あっさりしたラブロマンスに、まとまっていて
ドラマチックでは無いところが、料理で言うと食材の味を引き出しているという例えが
ピッタリの作品だった。婦長の壊れたレコードみたていに「きっとですよ」を三回繰り返す
あたりが特徴的だった。



2012年 2月 5日

2月4日に第15回・岡本太郎現代芸術展を観てきた帰りに冊子を、土産に近所の
彫塑のアトリエに寄ったら「今 和次郎(コン・ワジロウ)展 採集講義」の企画展の
招待券を貰ったので新橋まで観にいった。現在の市場調査の基礎を作り、マヂノ線と
いう円に対して出費があると抉り取るグラフで生活の圧迫を表す手法を作った人である。
日本ユニフォームセンター(NUC)の初代会長である。私がNUC賞を貰った時は、
「流行うらがえ史」の著者の、故うらべまこと理事長だった。
今和次郎は、相手に警戒されないようにジャンパーに地下足袋で40年間も住まいから
衣服など生活に必要なものを研究していた人であった。プラモデルの箱絵で有名な
小松崎茂は、サンダル履きだったと丸いメガネで顔立ちが似ているので思い出した。
「生活を圧迫する」という表現は、「新時代の生活方向 家庭の各員の生活マヂノ線を
防衛しませう」から来ているのかも知れないと感じた。現在、パラメーターで表現する
グラフは円の中に五角形を描き数値をグラフ化して加えていく方式だ。
支出した分は円を抉(えぐ)る逆の発想がマヂノ線のグラフの特徴だった。



2012年 1月26日

『グリーン・ランタン』(2011年) マーティン・キャンベル監督作品を観た。
数十億年前に不死身の種族が宇宙最高の力を入手する。そして宇宙の秩序を守る
ために様々な星から勇者を選び、グリーン・ランタンというガーディアンを組織していた。
かつてアビン・サーが無人の惑星に封じ込めたパララックス(恐怖をパワーにする。
黄色い光の力を使う)が封印を破り攻撃をはじめる。
ハル・ジョーダンは戦闘機を空軍にプレゼンテーションする軍需産業フェリスのテスト
パイロットだ。父親と同じ会社で同じ仕事をしているが幼少の時に目の前で父の事故を
目撃し亡くなる所を見た過去がある。キャロル・フェリスとは幼馴染みだ。
フェリス社の無人戦闘機のプレゼンで調子に乗って相棒のキャロル・フェリスの戦闘機を、
囮にして限界高度に達してシステムエラーを起こさせて腕の良さを披露する。
しかし戦闘機を墜落させて空軍との契約が取れなくなる。キャロルに謹慎しろと言われる。
だがキャロル・フェリスが無人戦闘機の限界高度を改良してシステムエラーを起こさない
ようにして契約成立させる。ハルは、謹慎でヒマなので海岸に行くと不時着した宇宙船を
発見する。「緑の指輪」と「緑のランタン」を渡されて宇宙は3500名ぐらいだと思うが、
各エリアから選ばれたガーディアンが宇宙の秩序を守っている。
そしてハル・ジョーダン(グリーン・ランターン)に人類最初のガーディアンとして
崇高な使命と名誉ある任務だと後任を任される。想像力が武器で頭で思い描くものを
緑色の光で創り出すことができる。宇宙人の名はアビン・サーだった。ハルは遺体を
埋めて弔う。軍隊や情報部が宇宙船を回収して研究の為に遺体を掘り返すのは、判って
いるが自分の気持ちとして埋葬することで心の整理をつける為らしい。
託されたランタンと指輪は持ち帰り試してみる。マスクはグリーンホーネットのカトーマスク
みたいだ。第二次世界大戦前に創られたDCコミックのヒーローなので、こちらがモトなのだろう。
グリーン・ランタンの本拠地である惑星オアに呼ばれてハル・ジョーダンは、心に描いた
イメージを物体化するパワーリングの使い方を教えられる。地球と惑星オアまでの移動時間は
殆どかかっていない。地球では、アビン・サーの遺体にパララックスが潜伏しており解剖した
科学者ヘクターが感染してしまう。生物の恐怖をエネルギーにするパララックスは、地球を
飲み込もうと宇宙空間を移動してくる。こちらは、ゆっくりと移動してくる感じだった。
ハル・ジョーダンは、父の死を乗り越えて勇気の力で黄色い光の恐怖の力に立ち向かう。
そして倒すがエンドロールで指導教官が黄色のリング(指輪)と黄色いランタンを復活
させて立っている姿が次回作、続編がある事を示唆していた。
ハルが戦闘の時、心に描いたイメージは、サーキットに壁にキャノン砲とかだった。
ラストは太陽に向かって大きな物体ほど、早く燃え尽きるとパララックスを太陽に衝突させ
てしまう。自分のサポートに二機の戦闘機で体を引っ張るイメージで勝利した。
ネバー・エンディングストーリーの虚無みたいな雰囲気の敵だった。ただハル・ジョーダンは
自分の正体を隠さないしガーディアンの仲間もいるので孤独ではないようだ。
日本の江戸時代の時代劇に、「お庭番」が登場する。将軍様に、お目見えする時は、竹のほうき
を、片手に持つ決まりがあったらしい。皇族は天上人なので飾り刀を差していたり映画から作法
を知るのも面白い。国や文化は異なっていても「ガーディアン」と「お庭番」だと仕事のイメージが
近い。人類の共通点は、多いものだ。宇宙的なスケールの映画を観ると、こんな事が考えられる。



2012年 1月21日

『魔法使いの弟子』(2010年) ジョン・タートルトーブ 監督作品を観た。
偉大な魔法使いマーリンの弟子で善い魔法使い「マーリニアンズ」第777代目の指導者
バルサザールは千年もマーリンの後継者を探して世界中を旅していた。しかし男女関係
のもつれから仲間だった者に裏切られる。そして悪の魔法使い「モルガニアンズ」との
戦いとなる。マトリーシュカみたいな人形が期限を決めて封印する「魔法監獄」だ。
その長い歴史の流れに10歳の少年・デイヴがマーリンの後継者としてドラゴンの形を
したマリーンの指輪に選ばれる。1000年に1人しか現れない後継者だけど大勢の組織
でサポートしてくれる状態でない。FOXチャンネルで昔に観た「バフィー・恋する十字架」
というバンパイア・スレイヤーに出てくる魔法のアイテムショップを思い出させる店に
黄色いメモー用紙が必然性のある飛ばされ方でディブを導きバルサザールと出会う。10代のディブ
少年がバスの窓にキングコングと飛行機の落書きをする。スクールバスがエンパイアステートビルと
重なって見えるサプライズはクールな名シーンだ。
それから10年後にディブはニューョーク大学で物理学を学んでいた。自分専用の実験場
を提供されている。しかも交流電流の父「ニコラ・テスラ」がエジソンの直流電流に対して
安全性を示すために作ったテスラコイルの実験をしている。電子レベルでは物体は電気で
振動している。物理学と魔法を関連付けるなど大人が見ても納得いく設定だ。
テスラコイルでプラズマを起こしている。そんな時に魔法使い・バルサザールが10年の
封印から開放されて現れる。長髪にヒゲ、クラッシックカーを10年駐車場に保管している
あたりは、「48時間」(1982年)ウォルター・ヒル監督作品で金を隠したポルシェを
出す場面を思い出させてくれた。カーズ2みたいに魔法で車をスポーツカーにしたりできる
あたりも面白かった。封印された魔法使いや魔女達が開放される姿や敵であるマキシム・ホルヴァート
の仲間に中国人の魔法使いがいてニューョークの中華街で祭りのドラゴンを魔法でドラゴンに
してしまったり中世の衣装の魔女がいる一方でマジシャンとして有名になっている芸能人の弟子
がいるあたりが面白い。ディズーニーなのでハッピーエンドだけど続編を作る気があるようで
エンドロールの中間で倒したマキシム・ホルヴァートが現れる。
「封印の監獄では時間は流れない」みたいセリフがあったが古典文学の引用みたいなので
調べてみたい。シェイクスピアあたりだと思いサーチエンジンで検索してもアピアーしなくて残念。



2012年 1月15日

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008年) デヴィッド・フィンチャー 監督作品を観た。
スコット・フィッツジェラルドが1922年に書いた本が元だ。この時代は、遺伝子操作なんていう
発想が一般的でないので読んだ人はビックリしただろう。さて映画は1918年のニューオーリンズ
で第一次世界大戦が終わった日にバトン家に赤ん坊が誕生する。しかし80歳の老人みたい顔だった。
父親は、赤ん坊を老人福祉施設の階段に捨ててしまう。バットマンのペンギンは橋の上から川に捨て
られた。赤ん坊は、老人ホームに務める黒人女性のクイニーに拾われてベンジャミンと呼ばれる。
それから12年後の1930年にデイジーと出会う。目の青い少女だった。それからベンジャミンは
タグボートで働く。働いているうちに若返っていく。酒や娼婦と遊ぶ事も覚えた。そして世界中の
港で働いて見聞を広げた。売春宿から出た時に運転手付きの自動車に乗ったトーマス・バトンに
話し掛けられて飲みに行く。この時は父だと名乗らなかった。それからチェルシー号でベンジャミンは
世界中の港で働き見聞を広げる。デイジーに滞在した港から手紙を送り約束を守る。
高齢者から初老の老人になった時に第二次世界大戦がはじまる。チェルシー号のマイク・クラーク船長は、
兵士の海難救助や哨戒と輸送で戦争に協力する仕事を選ぶ。ベンジャミン達の船は軍属になり狙撃手の
海兵が配属される。ある日、大きな海戦があり潜水艦の艦砲射撃に合う。艦砲で撃ち合い船長は死んで
しまう。チェルシー号は真っすぐ進んで潜水艦に乗り上げた。ベンジャミンだけは助かる。戦争が終わり
老人施設に戻る。母のクイニーが働いているので実家に戻る感じだ。老人施設で知り合った人達は、短い
期間で亡くなっていく。ベンジャミンは多くの死を見た。機銃で撃たれたクラーク船長の死も経験した。
戦争が終わり老人施設に1時的に戻る。初老になっていた。デイジーと再会する。
少女だったデイジーはニューョークから戻った時に大人になっていた。
ダンサーをやっている。その頃、自分を老人施設に捨てた父親が現れる。トーマスの父は病気で
身内がいなくなったという。ベンジャミンの母親が出産で死んだこと。
それからバトン家の歴史を語る。第2次世界大戦で釦(ボタン)の需要が増えて大きな
工場を持った事、そして工場を案内する。トーマスはベンジャミンにバトン家を継がせた。
父の葬儀の時、棺桶に今まで作ったボタンを詰め込んだガラス瓶を入れた。
(火葬の場合は、骨にガラスや金属製の物を入れると溶けて骨に付着してしまうので日本では
薦められない。)それからニューョークに行きデイジーの舞台を見る。
それからベンジャミンはオートバイで世界中を回る旅にでる。デイジーがオペラ座公演のパリで
交通事故に遭う。電報でベンジャミンはデイジーの入院先に駆けつける。
そして、暫くパリに滞在する。ニューオリンズに戻ったデイジーは中年近い女性になっていた。
障害は残らなかったが足にキズは残った。2人はフロリダでヨット遊びをして過ごした。
そして家に戻ると育ての親だったクイニーが亡くなった。デイジーと一緒に生活がはじまった。
時代は1970年代になっていた。2人とも40代になる。デイジーはダンス教室をはじめる。
そして娘が生まれる。テレビでエリザベス・アゴットがドバー海峡を泳いで渡ったニュースが
流れている。その時、デイジーは女の赤ん坊を生む。名前はキャロライン。ベンジャミンは
バトン家の財産を売却して2人に残してオートバイで家を出て行った。旅先からキャロライン
に絵ハガキを送っていた。キャロラインが12歳の時に1度、デイジーの所に顔を出すと
デイジーはロバートと再婚していた。10代の少年になった時に児童福祉局に保護された時、
今までの記憶を無くしていた。ベンジャミンはピアノを弾いている。今までの人生や食事を
食べたかどうかも忘れるようになった。ディジーは、その子を引き取る。5才になった時に
デイジーと老人施設に移る。そして赤ん坊になって死んでしまう。(昔し話しの若返りの泉
みたいに赤ん坊に戻って成長しない。)
最後に病院で老衰で死ぬ前に、娘キャロラインに父親ベンジャミンの事を打ち明ける。
映画に出てくる都市ニューオリンズは、独立戦争の前は、フランス領だった。フランス語なら
ヌーベル・オルレアンだ。ジャズが生まれた都市でもある。1人の人間の一生を映画で観ると
時代背景とファッションの変化が解る。ベンジャミンの父トーマス・バトンは、妻を亡くして
から1人で生きて事業を成功させた。結婚の誓いですら「死が2人を別つまで」だ。トーマス
の場合は、亡き妻の遺言を破り赤ん坊のベンジャミンを老人施設の階段に捨てた罪滅ぼしで
独身を貫いたと思える。遠くから成長を見守っていたのだろう。
高齢者になったデイジーが入院している病院のテレビから大型ハリケーン・カトリーヌが
ルイジアナ州ニューオリンズに上陸するニュースがデレビで流れている。2005年9月の災害
だと解る。洪水にベンジャミンのボタン工場跡が津波に飲み込まれていく所が印象的なラストだった。
ベンジャミンは長い人生を誠実に生きていた。悪い人間と関わらないで済む一生はベンジャミン
の人柄がなせる事だったのかも知れない。大河ドラマみたいな映画だった。
アメリカは9.11で危険性を知りながらニューオリンズの防災対策の予算を軍事に注ぎ込んで
いた。劇中のテレビで、さりげなく水没するボタン家の映像と病院のテレビニュースで時代背景を
伝えていた。



2012年 1月14日

『極道兵器』(2011年) 坂口拓、山口雄大監督作品を観た。『SUSHI TYPHOON』
として海外でイメージしている日本を作り喜ばせることを優先させているようだ。
戦後の日本で昭和30年に組という組織が誕生してヤクザだと義理・人情・などの
解説が入るが昭和レトロ感はない。父親の作った組の二代目なので「若」と呼ばれて
2人の子分を連れて、いきなり南米で傭兵をしている。コードネームは
マッド・ドッグ(狂犬)。 軍服でない。銃も持っていない。
ダボシャツに腹巻きスタイルだ。ワンピースの「火拳のエース」みたいに帽子に
サングラスを乗せている。しかも素手で敵をボコる。たまに木刀を使う。
弾は気合いで当たらないらしい。的は軍服は着ていても細かい装備は省略している。
低予算だから仕方ないのだろう。予算は、造形物に使う比率が多いのだろう。
岩鬼将造の太いクギみたいスパイクが出る足袋とか片手片腕が取れて日本の特務機関で
サイボーグにされるのは、アメリカの800万ドルの女バイオニック・ジェミーに
通じるものがある。南米で日本政府の人間に父親の死を知らされて飛行機に乗せられ
日本に連れ戻される。家の近くで飛び降りるように送られる。岩鬼組に帰ると組は
父を殺した子分達に乗っ取られている。あけぼのローンで裏切った子分をボコったり
ダイナマイトで吹き飛ばす。ゴルフのクラブでボールみたいに叩く時、2人の子分が
キャディーのマネして笑わせてくれる。組を乗っ取ったのが倉脇重介で父を殺した黒幕だ
と口を割らせる。倉脇にはデス・ドロップ・マフィアというアメリカ軍をも動かせる組織が
バックに付いている。日本に強力な麻薬を流そうとしている為に内閣特務捜査官の赤尾虎彦が
軍用ジェットヘリのバルカン砲で撃たれ死にかけた岩鬼将造をサイボーグにして全身に武器を
仕込んで戦わせる。潰れた温泉が政府の研究所という設定は、年金制度をメチャクチャにした
グリーンピアだったら皮肉が効くだろう。
「ケジメ」「気合い」と任侠用語が出てくるが海外で理解してもらえるように気を使っているようだ。
最後に岩鬼組々長の墓前で組長の死体に埋め込んだ赤と青の核兵器にリトルボールと
彫ってあったようだ。これは皮肉が効いていた。アクションと造形物は楽しめたが
ストーリーを理解する視覚情報として時代設定したら合った備品は、揃えてほしい。
「あけぼのローン」の机はスチールで戦後感は感じないし倉脇重介のビルはコンピューター
制御のセキュリティーだから私が戦後60年とかを聞き逃したのかも知れないが・・・
戦後の混乱期に出来たのは、愚連隊から暴力団として組の看板を出した組織でヤクザは
江戸時代から存在しているので外人が混乱しそうだ。設定がアバウトだといえる。
腕に怪我をして自分で皮膚を針で縫うシーンはスタローンのランボーで観た。
片腕マシンガール・東京残酷警察・電人ザボーガーみたいな完成度には届いていない。
寿司タイフーンだけにネタ(原作や脚本)が悪かったのか?「にぎり」というより
「観客の・つかみ・が甘いのか」私が期待しすぎたのか?という感じだった。
「極道兵器」まで実写化するチャレンジ精神は、持ち続けてほしい。核兵器まで登場させる
なら、漫画の「ゼロセン」(加瀬あつし)の実写版を企画してみるのも良さそうに感じた。


『情婦』(1957年)ビリー・ワイルダー監督作品を観た。アガサ・クリスティの
法廷劇だ。色気のある描写は無い。『検察側の証人』が原作だ。モノクロ作品で
法廷弁護士の片眼鏡(モノクル)に当時のレンズは反射防止コーティングがなかった。
メガネのレンズに光を反射させて依頼人の顔に当てる行動が印象的だ。刑事ドラマの
取り調べ室で被疑者の顔にライトを当てる手法の元だといえる。証人が変装して別人
として証拠を駅で渡す時に顔の傷を見せる場面とラストで同一人物だと気付かせる
場面はビックリだ。駅のバーで証拠の手紙を渡す時に見せる顔の傷の特殊メイクには
ビックリした。遺言状の書き換えによる遺産相続絡みの殺人事件だ。家政婦に
年金は納めていますか?と法廷で尋問する場面もある。映画から話は、それるが
日本は国民年金を全く払わないで定年退職した公務員の戸籍に入籍できれば遺族年金は、
国民年金の満額の倍もらえる。加入期間が3分の2に満たないと全く貰えないから制度と
モラルは破綻している。被疑者は、帽子屋で顔見知りになり映画館で偶然再会して
交友する資産家の未亡人と青年だ。アガサ・クリスティーらしくポワレみたい体型の
弁護士が出てくる。法廷で裁判官(判事)・検事・弁護士はカツラを被っている。
イギリスらしさが重厚感を出している。申し分ない名作である。


『タイムマシン』(2002年)サイモン・ウェルズ&ゴア・ヴァービンスキー監督作品を観た。
ストーリーの流れは、未来惑星ザルドスみたいだ。1959年の『タイム・マシン 80万年後の世界へ』
のリメイクだ。こちらは観ていない。『タイム・アフター・タイム』(1979年)は70年代の
ニューョークだった。タイムマシンは、図書館の本が触ると粉になる部分や歴史を教えてくれる
記憶装置に大きな顔の物体が出てくるあたり未来惑星ザルドスとオーバーラップする部分がある。
セットが凝っていたり記憶装置が進化していたり見比べると面白い。



2012年 1月13日

『怪盗グルーの月泥棒』(2010年)ピエール・コフィン監督作品を観た。
営利目的の泥棒というより世界中の人を驚かせる目的でやっている。
若手の怪盗・ベクターがエジプトのピラミットを盗んだ。怪盗軍団ミニオンの
リーダー・グルーは、対向するためピラミッドより大きい月を盗む事にする。
月を盗むためにロケットを作る資金を借りに悪党専門の悪徳銀行の頭取パーキンスに
犯罪企画書を出してプレゼンテーションして融資の審査を受ける。
手元に東アジアの国で開発された物体を小さくする縮小ビーム銃を用意することだ。
ベクターは悪徳銀行の頭取パーキンス息子で銀行で計画を知って縮小ビームを横取り
する。東アジアの国の研究所は、地形から日本で北海道の帯広あたりだった。
グルーは空中でベクターに縮小ビームを横取りされる。養護施設にいる孤児が将来の
ためにクッキーを売るアルバイトをしている。ベクターは女の子3人にココナッツの
クッキーを注文する。そこでグルーは、里親になってクッキーを配達する時にクッキー
型ロボットに、すり替えて配達させて縮小ビームを奪う。融資は受けられなかったが
計画を知った女の子たちと手下のミニオン達が資金をカンパしてくれる。そして、手持ち
の材料でロケットは完成する。バレエの発表会と月の軌道の関係で盗むのに最適な位置に
くる日が重なってしまう。グルーは日程を変更しようとするが相棒ネファリオ博士は
電話して少女達を養護施設に返してしまう。グルーは計画通り月に行き縮小ビーム銃で
月を小さくして手に入れる。そしてロケットでバレエの発表会に乗りつける。発表会が
終わり、椅子にベクターから少女達と月を交換しろと張り紙がしてあった。
グルーは女の子たちを取り返すために月を渡す。だがベクターは女の子たちと月を
連れて逃げ出す。グルーは空中で女の子たちを取り返す、月はベクターの円盤みたい
飛行装置の中で元の大きさに戻りだす。そして爆破して元の衛生軌道に戻る。
誰が盗んで、戻したのか話題になる。グルーは女の子たちとずっと一緒に暮らすことにする。
セリフで3人の少女は孤児なのでアニーみたいな里親を連想しいると話していた。
縮小ビームってドラえもんのスモールライトみたいなので日本なんだと感じた。
1月13日の新聞に養護施設を3年に1度、第3者機関が評価する制度ができたと載っていた。
泥棒なら「黄金の七人」「黄金の七人 レインボー作戦」と「ルパン三世」の雰囲気が似ている
事を思い出した。物語に出てくる怪盗とか海賊って真面目で勉強熱心なのに悪いことをする
ギャップが面白いのかも知れない。義賊的要素を持ち合わせている事が良いのだと言える。


『ちょんまげぷりん』(2010年)中村義洋監督作品を観た。タイムスリップして江戸時代から
現在の東京の巣鴨に現れた旗本(小普請組)の木島安兵衛。神隠しがタイムスリップになるのは
日本的で解り易かった。シングルマザーの遊佐ひろ子と息子の友也と顔見知りになる。
自分の家に帰ろうと麻布まで行くが高いビルになっているかの様に見せていた。木島安兵衛は
江戸時代に住んでいる近所の家が誰の屋敷があった場所か言っていたが自分の屋敷までは、
行かないで戻った。そして家事手伝いをして子供の相手をする事で居候となる。家事は調理法を
テレビの料理番組で覚えて特に、お菓子作りの才能を開花させる。あまりの上手さにパパと子供
のお菓子コンテストに出て江戸城のケーキを作り優勝する。仕事が無くて家事手伝いの居候だった
が自由が丘のスゥイーツに誘われてパティシェになり多忙になる。子供の面倒を見る時間も無くなり
店では主任に昇格する。その為、家を出て行く事になる。友也は安兵衛に会いたくなり1人で自由が丘
の店に向かう。保育園を抜け出した為、大騒ぎになる。友也を発見したがトラブルとなり解決する。
神隠しに遭ったスーパーベニーに行くと同じ現象が起こり消えてしまう。遊佐ひろ子と息子の友也
が木島安兵衛の屋敷跡に行くと時翔庵と言う和菓子屋があり安兵衛のその後が解り終わる。
その為の附箋で最初にビルを映してビルの影に老舗の和菓子屋を登場させていた。
スーパー・ベニーの屋上に、お地蔵様が移されているので3人は、気付いていないが映像で
見せている。仁と言う現在の医者がタイムスリップする話があったが、テーマがお菓子なので
そこそこ、社会問題も入っているが気軽に楽しめた。スーパーの屋上の地蔵は、気付かせないと
戻れないと思っていた。以外だが願いが叶ったら江戸時代に帰れてビックリした。
ストーリーで屋上に行く設定を予測していたが、これで十分だと感心した。
『地下鉄に乗って』(メトロにのって)で戦後の闇市でサイフにアメリカン・エクスプレスの
カードを見てアメリカの関係者だと盗られない場面があった。1850年創業の運送業なので存在を
知っていたのかも知れない。高額商品や貴金属の輸送に特化したサービスだと思われる。
特に旅行者の生命と財産を守ることが企業理念みたいだ。1つの映画から過去に観た映画の
内容を思い出すことも多い。これも映画の楽しみ方の1つだ。



2012年 1月 8日

『アーサーとミニモイの不思議な国』(2006年)リュック・ベッソン監督作品を観た。
行方不明になった発明家のアーチ・ボルトというお爺さんが庭に隠したルビーを
見つけないと家や土地が差し押さえられる。そこでアーサーだけは、創作話だと
みんなが言っているが信じて謎を解いてミニモイの国に行く。特別な日に小さくなる
光を浴びるとアーサーもミニモイに変化する。そして冒険するが自分の家の庭だ。
冒険して、お爺さんを救い出してルビーも発見して差し押さえを逃れてハッピーエンド
になる。実写とCGの部分が分かれた作りだった。大きな種族が庭に何処から現れるのか
が解らなかった。TAXIシリーズのリュック・ベッソン監督の別の一面を観られた。
水からゼンマイ自動車に載って脱出するクライマックスにリュック・ベッソンらしさを
感じた。


『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1994年)ヘンリー・セリック監督作品を観た。
ティム・バートンの原案・原作だ。「ハロウィン」「クリスマス」「イースター(復活祭)」
「バレンタインデー 」「セント・パトリック・デー」 「感謝祭」といった記念日の印が
入り口になっている木が生えている森から物語がはじまる。ハロウィン・タウンの
ジャックランタンがクリスマス・タウンを見つけて自分が変わりにサンタクロースを
やるが失敗する話だ。イースタータウンもあるが詳しい描写は無い。吸血鬼達が時計の
付いた棺桶に入っていたので柱時計は棺桶を現していることを背景で表現していたのに気付いた。
フォーンブースは、電話ボックスを懺悔室に見立てているらしい。子供向けなので退屈しない
物語の展開だ。アニメや連続ドラマに慣れると映画を2時間見る集中力が無くなっているみたいだ。
私も半世紀も生きていると体力が衰え体調に左右されたりして感想も変わってしまう気がする。


2012年 1月 7日

 私が卒業した北星学園男子高校のウィキペディアを見た。当時、札幌市の琴似に
あった。制服が廃止されて私服で通学していた。私が卒業した翌年から、もみじ台
の新校舎に移転した。その後男女共学になったりして北星大学付属高校に名称が
変わっている。
高校の有名な卒業生の箇所に載っていたが、今年に入ってウィキペディアの、その
部分から削除されていた。うっすらとした記憶だが卒業生にオウム真理教信者がるのか
と掲載されていたが気にもしなかったが編集履歴は残るので、「まさか」と「もしかして」
今、話題の平田信容疑者(46)だったのではと思って確認してみた。すると確かに
警視庁本部に出頭したら門前払いされて丸の内署に出頭したという話題の人物だった。
「悪名は無名に勝る」と言うが、関わりが無いので名前も覚えていない。好奇心の強い
私ですら無関心な事は、いちいち覚えたり調べたりしないので話題になってから気が付く
という感じだった。
国内で生活するには住民票や保険証や免許証の書き換えが必要な社会のハズだ。
病気になったら保険適用の自己負担割合を高くしてしまい3割負担と保険適用しないで
10割負担すれば治療が受けられる社会保障制度など自助努力で正体を隠しやすい
社会構造に変化させた事も逃走しやすい要因かも知れない。自由診療で自己負担を
希望しても医療機関が不審に思わないということだ。時効の事件もあるだろう。
よく逃走出来たと思う。「悪人」で車で出頭しようとして女性が逃げようと言い出す
シュチェーションになったら大変だ。オウム真理教の事件まで宗教団体は、凶悪犯罪は、
しないだるうとノーチェックだったみたいだ。ただ映画では「セーラー服と機関銃」の
ホスキャラの「ふとっちょ」は宗教法人を隠れ蓑にしている設定だったり「ドラゴンクエスト5」
では光の教団の手によってパパスが殺害され主人公はヘンリーと共に教団の奴隷にされる
設定があった。どちらも地下鉄サリン事件より前に創られたフィクションだ。この中から
予見の可能性は無かったのかと言う気がする。


『お墓に泊まろう!』(2010年) 伊藤隆行監督作品を観た。地上波デジタルと
不況で葬儀会社に買収されたテレビ東京が舞台だ。10年前と比較すると情報量が
500倍(インターネットなどのコンテンツ産業の増加)らしい。吉本興業と
テレビ東京が製作した自虐的な映画だ。観ていて笑える。観終わると公告収入の
減少など大変な業界だ。この作品自体もシネコンで上映される程、公開館が少ない
ハズだ。予算が無くてバラエティーを作れないので元の社長の葬式の生放送を
遺言の「世界一くだらない葬儀にしてくれ」というので笑える実況中継にして
高視聴率を得るも番組制作部が全員解雇で終わる。テレビ東京の人気番組を
セルフパロディーにして番組内に織り込んでいる。 沖縄国際映画祭・上映作品
である。東京国際映画祭のさくらグランプリ受賞作品でも劇場公開されなかった
作品があるから劇場公開作品のハードルは高い。葬儀をテーマにした「おくりびと」
に、あやかろうと言う部分もあったのかも知れない。
視聴率では昨年の「家政婦のミタ」(日本テレビ)が高視聴率だった。ライブトアに
買収されそうになったりテレビ局も大変なようだ。このくらいの人気ドラマは
リアルタイムで共通の話題になる。東京スカイツリーが現在のバベルの塔で
チャンネル数増える事がバベルの塔での言語の増加でコミニュケーションを
分割する事になっては、ほしくない。その為には共通の話題になる内容を期待する。


『バベル』(2006年) アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品を観た。
モロッコ・アメリカのカリフォルニア・メキシコのティファナ・日本の東京と、
ヤギの遊牧民の少年がバスに向かってライフルの試し撃ちをしてゲガ人が出る。
ライフルは日本人が現地人にガイドのお礼にプレゼントしたものだった。
聾唖の娘がいる。会話が出来ない。アメリカ人に雇われているベビーシッターの
娘の結婚式があり休みたいと言ったが夫婦で観光旅行で相手の事を考えない。
ベビーシッターは結婚式に子供を連れて行くが国境を越える時のトラブルから
誘拐事件まで発展する。バスの観光客達や政府間の交渉でヘリコプターの飛行許可
だのテロリストによる犯行説だので大事になる。観光客にケガをさせた少年の兄が
射殺されてしまう。ララピポみたいに見知らぬ人間の行動が絡み合って起こった
事件だ。良く相手と話し合って理解が出来ていれば起こらなかったようだ。
コミニュケーション能力が、いかに大切かをバベルの塔の異なる言葉を話すように
なってコミニュケーションが取れなくなり塔を作るどころでなくなる話を地球規模
のバタフライエフェクトとして作られた映画だった。観ていて不幸の連鎖でイライラ
するので忍耐力を付けるのに良い映画かも知れない。


『まあだだよ』(1993年) 黒澤明監督作品を観た。ドイツ語教師・百關謳カと
教え子達が「摩阿陀会」を作って交流を続ける実話の映画だ。「文学で食べられる
ようになったから教職を辞める。」という所からはじまる。戦争で家を焼け出され
たり貧乏しているようだが陸軍士官学校の教官だったり安定した地位があり教え子
達は大卒の少ない時代なので裕福なようだ。酒宴に鹿の肉だけでは足りないから
馬肉(さくら肉)を買いに行くと士官学校の知っている軍馬と肉屋で目を合わす。
鹿の肉と馬の肉が混ざって馬鹿の肉だよ。なんて面白い事を言う。
ボロ屋に住んでいると家を建て替える手配から庭の池まで気を使う。なんでも
鯉は、泳ぐとき1つの方向にしか泳がないから、ぐるぐる回って背骨が曲がって
しまうらしい。(コリオリの力みたい話だ、地球の自転に基づき運動方向が異なる。
地球上の北半球では右向き。南半球では左向き。)
ノラ猫を飼っていたが消えてしまい落ち込んでしまう。かなり重症のペットロス
状態だ。妻と2人で子供はいないようだ。戦後の焼け野原をスーツ姿の教え子達が
猫を探し回る場面で終戦後も裕福だと解る。男子だけの教え子達の中には戦争で命を
落とした者もいるハズだが映画には描写が無かった。文学者の貧乏は、所得が高く
ても使ってしまって貧乏になるようだ。そういう意味では貧困とは異なる自らの
生き方による貧乏と言えそうだ。貧乏だけど豊な生き方の一例として観ると面白い。
医者と僧侶同伴というのも面白かった。



2012年 1月 2日

『インセプション』(2010年) クリストファー・ノーラン監督作品を観た。
相手の夢に入り込んで深層心理から記憶を盗み出すことが可能な社会で
相手に記憶を植え込み自分の希望の行動を相手に自分が考えて自分の意志で
実行しているようにする難易度の高いミッションを受ける話だ。
京都に向かう新幹線から、はじまる。そしてパリなどの都市から協力者を
集める。依頼主は、世界のエネルギー産業を二分する大物で渡辺謙が演じている。
ミッションは飛行機の中で行う。相手のプライベートジェットを故障させ
旅客機のファーストクラスで移動するように仕向ける。その為に航空会社を
買って「イカしてるだろ」という。記憶の3層まで入り込むので見ていると
すごく頭が疲れる。階層デレクトリと言うか3層のサブフォルダを作業の為に
行ったり来たりするような感じ。パズルを組み立てると迷路になっていて迷路を
クリアするとクロスワードパズルになっているような感じで好きな人は、はまる
かも知れないが観るのに集中力が必要なので体調を整えて楽しむ作品だ。
夢と現実を区別するために基準にするトーテムを決める。回り続けるコマとか
チェスの駒が劇中に登場していた。
テーマは夫婦の愛と父と子の確執。現実逃避に観たい夢が見られれば最高の
娯楽になりそうだ。古いアニメに左手にサイコガンを持つ宇宙海賊コブラが
整形で顔を買えてサラリーマンとして暮らしているとき、旅行の金が無いので
夢を見たら自分の消した記憶が戻って冒険が、はじまるというストーリーが
あった。映画が進化するとテレビのニュースやバラエティー番組と完全に
異なるコンテンツになって現在のデレビゲームと融合した娯楽になるのかも
知れない。そんな事を予測させる映画だった。


2012年 1月 1日

『雷桜』(2010年) 廣木隆一監督作品を観た。身分違いの
悲恋物だ。宣伝は、日本版ロミオとジョリエットだが、モンタギューと
キャピュレットは、家柄・身分が互角の敵対関係の悲恋物なのでしっくり
しない印象を受けた。原作を読んでいたので小説が峠の茶屋での回想から
はじまるのに対してラストの方に峠の茶屋の場面があった。アニメ世界名作
劇場の「フランダースの犬」の冒頭で修道女になったアロアの回想から
はじまる感じに感じた。映画は、限られた時間なので森や草原の設定に
銀杏と桜の木と桜の大木で迷う構造だとか細かい設定は省略されていた。
原作の宇江佐真理は函館出身だが劇中の瀬田村や下町では「深川にゃんにゃん横丁」
など江戸の時代小説の描写が正確なので原作と映画の両方が楽しめた。
春は桜の花びら、秋はポプラの葉が美しい。沖縄でセットとして作って撮影した
作品だ。ラスト方で峠の茶屋から炭焼き小屋に侍を案内する若者の顔は必見だ。



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